マイルストーンという言葉を聞いたことはありますか?最近ではビジネスで使用される機会が増えてきたこの言葉ですが、元を辿るとその歴史は古く、ローマ帝国時代にさかのぼります。主要な道路にローマを起点として1マイルごとに置かれた石をマイルストーンと呼び、目印として使用していました。
ビジネスでのマイルストーンも、測りかたは違えど目印の役割を果たしています。そのメリットと基本の書き方についてみていきましょう。
もくじ
マイルストーンとは、プロジェクト上の中間目標
マイルストーンは目印の役割を果たしていると言いましたが、具体的には、プロジェクトの進捗を確認するための中間目標のことを指します。目標に向けて順調に進んでいるかどうかを確認するための管理方法の一つです。
- 行程Aを〇日までに終わらせる
- 行程Bを□日までに終わらせる
というように、最終的な目的に向かうまでに達成すべき作業を日付で指定します。その日付を目安に作業を進め、予定通りに進めているかどうかを確認します。
マイルストーンを書くメリットとは?
マイルストーンはプロジェクトの進捗状況を把握しやすくする一つのツールです。導入をすることで仕事が効率よく進められるので、今や多くの会社で取り入れられている方法であるとも言えます。
マイルストーンを書くことによって進捗の確認が容易になるだけでなく、以下のようなメリットもあります。まだ使ったことがないという方はこの機会にぜひ、マイルストーンを取り入れてみてはいかがでしょうか。
【メリット1】スケジュール通りに仕事を進めやすい
すべきことが明確であっても、期日がはっきりしていなければ最後の方にしわ寄せがきてしまう可能性があります。
例えば自動車の製造から販売までを想像してみて下さい。最終目的は市場で販売することですが、そこに至るまでには大まかに次のような経過を辿ります。
- 自動車のデザイン、製品企画
- 設計
- 試作、評価
- 生産準備
- 生産
- 販売
販売に至るまでの5つの工程のどこかで遅れが生じてしまうと、その後の工程全てに影響が出てしまいます。最悪の場合、最終目的である販売日をずらすこともあり得ます。
しかし、マイルストーンを活用することで一つひとつの工程に必要な日程の目安ができ、スケジュール通りに仕事を進めやすくなります。
【メリット2】細かい目標設定によりミスが減る
必要な過程を細かく洗い出し、それぞれに作業終了の期日を設けるということは、言い換えれば細かく目標を設定するということです。最終目的を達成するためには小さな目標をクリアしていかなければなりませんが、それはつまり、作業を振り返るタイミングが増えるということ。もしもどこかの工程でミスが生じた場合でも原因を辿りやすく、最小限の手戻りで済ませられます。
ただ漠然と最終目的に向かうよりも、細やかなチェックを通過することでミスを最小限に減らすことができ、効率的にプロジェクトを遂行することができます。プロジェクトが大きいほどミスへのリカバリーが大変になるので、マイルストーンを取り入れる意義も高まるでしょう。
【メリット3】長期的にモチベーションを維持できる
仕事やプロジェクトに限らず、長期のスパンで高いモチベーションを維持し続けることは難しいものです。また、最終目標が大きすぎる場合にもモチベーションの維持は難しく、挫折しやすくなってしまうもの。モチベーションの維持には、長期目標はもちろん大切ですが、そこに至るまでに細かく小さな短期目標を設定していくことが成功への大きなカギと言われています。
マイルストーンを活用することは短期目標が設定されるということなので、モチベーションの維持に大きく貢献してくれます。短期目標を達成すれば気持ちもその都度リセットすることができ、長いスパンを必要とする場合や大きな目標の場合でもモチベーションを維持しやすくなります。
マイルストーンの基本の書き方は?
マイルストーンは仕事やプロジェクトを始める前に作ることが大切です。あらかじめマイルストーンを設定しておくことで、いつまでにどの仕事を終えるべきなのかが明確になり、やるべきことを簡単に確認できるためです。
書き方に特に決まりなどはありませんが、ここで基本的な書き方について触れておきたいと思います。難しいものではないので、ぜひマイルストーンを取り入れて効率的に作業を進めていってください。
1.縦にマイルストーンリスト、横に時間軸の表を作る
まずは、縦軸にマイルストーンとなる作業を書き込みます。この段階で確定している作業が少なくても問題ありません。プロジェクトの途中でも必要な作業が発生するかもしれませんし、思わぬ手戻りが発生することもあるでしょう。また、作業リストはできるだけ具体的に、何をすべきかがすぐにわかる内容にします。
するべき作業を書き終えたら、次に横に時間軸をとっていきます。これはプロジェクトを開始する日から、プロジェクトの完了までのスケジュールです。土日や祝日など稼働できない日がある場合はここで灰色の塗りつぶし効果を使い、作業不可となることを示しておくとさらに見やすく使いやすくなります。
2.リストごとにマイルストーンを配置する
続いて、先ほど書き出した作業リストについて、作業を完了させるべき期日にマイルストーンを設置します。前もって決まっている納期があるものは、その期日をベースに完了日を設定しマイルストーンを書き込みます。納期などが設定されていない作業については、最終目標に影響が出ないようゆとりをもって期日を設置することを心がけます。
各作業の兼ね合いもあるので、期日の設定は全体のバランスを確認することも大切です。家づくりで言えば、基礎ができなければ骨組みを立てることができませんが、影響し合わない外装と内装であれば期日が重なっても問題はありません。
3.各マイルストーンについて担当者と日数を決める
作業の完了日を決めたら、次はその作業に必要とされる日数を書き込んでいきます。横軸がスケジュールとなっているので、Aという作業について5日かかると見込んだ場合は、作業完了日から逆算して5日前まで横線を引き、作業日数を示します。
作業と期日を可視化することで、自分が今何をすべきかがはっきりとわかるようになります。管理者が全ての作業について期日を決めていくよりも、細かい部分は担当者に決めてもらいながらプロジェクトチーム全体で相談し、決めていくことが理想的です。もしスケジュール通りに進まないことがあっても、全員で相談していればフォローもしやすくプロジェクト全体の進捗状況もつかみやすいためです。
4.全体を通して問題がないか確認する
ここまできたら、あとは全体を通して問題がないかを確認します。
- 作業に漏れはないか?
- 期日に誤りはないか?
- 作業内容と作業日数はそれぞれ妥当であるか?
などの視点から見直してみましょう。
作業の中にはどれくらいの日数が必要となるのか、なかなか目処が立たないものもあるかもしれません。また、作業分担が大まかにしかわからないものもあるでしょう。そういった場合は作業を進めていく中で見直しが必要となる場合もあります。その際はプロジェクト全体に大きな影響がないかを確認する必要があります。何度も修正をするのは意味がありませんが、状況によっては見直しが有効的であるということも理解しておくといいでしょう。
マイルストーンを書く際にはここに注意!?
マイルストーンの基本的な書き方についてはわかって頂けたかと思います。難しいルールやフォーマットはありませんでしたね。
ここで、マイルストーンを書く際の注意事項についても触れておきましょう。役立つツールも一歩間違うと意味のないものになってしまいます。次に挙げている2つの注意点についても意識を向け、マイルストーンのもつ力を十分に生かしていきましょう。
期日や作業の整合性がとれているか
例えばAという作業の後にテストを行い、そこで問題がなければBという作業に入る…というような場合、Aが終わっていなければBに進むことができないという関係のことを依存関係と呼びます。この依存関係は、わかりやすいものであればあまり問題はありませんが、大きなプロジェクトになると整合性が取りにくくなってしまいます。
そこで大切になってくるのが、作業の重なりや作業の順番が整合性のとれたものとなっているかどうかということです。特に大きなプロジェクトほど、作業間の関係性が見えづらく、マイルストーンを設置した後で不可能な計画であることに気が付くというケースも珍しくありません。期日や作業の整合性を確認しましょう。
担当者やグループに作業の偏りはないか
作業を担当するチームや担当者についても、偏りがないか確認することが大切です。同じチームや担当者が、同じ時期に複数の作業を行うスケジュールになっていないか、しっかりと確認しましょう。
できあがったマイルストーンから、チームや担当者ごとにスケジュールを追いかけてみることで、各自の作業内容と期日がわかります。基本的に、一人の人物が同時に2つ以上の作業をこなすことは不可能だと言えます。万が一作業の重なりがあった場合は、担当者を変更する必要があります。こちらもプロジェクトが大きくなるほど頻発しやすいものなので、最終確認を怠らないようにすることが大切です。
まとめ
スケジュール管理は社会人として必要なビジネススキルの一つです。プロジェクトリーダーになった場合は、自分のスケジュールだけでなく、チーム全体のスケジュールも把握している必要がありますね。そのようなときにマイルストーンは大きく役立ちます。
マイルストーンをプロジェクトで活用するメリットは3つありました。
- スケジュール通りに仕事を進めやすい
- 細かい目標設定によりミスが減る
- 長期的にモチベーションを維持できる
プロジェクトリーダーであればなおさら、成功して実績を積み上げたいですよね。そのためにも、今からマイルストーンを取り入れ、上手に使いこなせるようになりましょう。