職場の悩み

辞める部下には必ず前兆がある。見逃してはいけない8つのサイン

ある日突然、部下から「相談があるのですが…」の一言。ここで初めて部下の退職の意志に気づくようであれば上司失格です。

言うまでもないことですが、部下は急に思い付いて退職を言い出すのではありません。少しずつ蓄積した不満が限界に達して退職を決意します。

困ったことに優秀な部下ほど退職の意志を上手く隠し通すもの。本当に会社に必要な人材を逃がさないためにも、そのサインをしっかりキャッチして先手を打ちましょう。

この行動を見逃すな!部下が出す8つのサインとは?

部下が退職を申し出るまでには、いくつかの段階があります。

まず、自分が抱える不満や疑問が解決されず、あきらめた時に退職を決意します。次に、会社に分からないように転職活動を開始。最後に、新しい会社に内定をもらってから退職の意志を伝える、の3段階です。

そして、それぞれの段階ごとに前兆とも言える行動があります。注意して観察していれば必ずその前兆に気づくはず。これからお伝えする代表的な8つのサインを見逃さないことが大切です。

会議やミーティングなどでの発言が減る

まず1つ目のサインは、会議やミーティングなどでの発言が目に見えて減ることです。これは、退職を決意した最初の段階によく見られます。退職を決意したことで仕事内容などどうでもよくなり、自分がいなくなった後のことに興味を持てなくなるためです。

会議やミーティングは、仕事の進捗状況や方針を決めるために欠かせません。仕事に熱意のある優秀な部下ほど、その場で自分の意見を述べて積極的に関わろうとします。実際にそういった場面での言動を評価の対象としている上司も多いのではないでしょうか。

普段から発言する機会が少ない部下ならよいのですが、今まで熱心に問題提起や提案をしてきた部下の発言が減った時は要注意です。「体調が悪いのかな」などと軽く考えていてはいけません。

昼食や飲み会など社内の付き合いが悪くなる

1つ目のサインと動機は同じですが、退職を決意した段階で職場の人間関係に興味がなくなる人も少なくありません。日々少しずつ蓄積していく不満、その原因が周囲の人間にある場合はなおさらでしょう。

今まで上司や同僚とランチに出かけていたのに一緒に行かなくなる、週末の飲み会に声を掛けても来ない、こういった変化が見られたら要注意かもしれません。職場の人間関係に興味がなくなっている可能性があります。

働き続けるからこそ社内の人間関係を大切にしますが、辞めると決めれば無理する必要もありません。同じ理由で、何気なく交わされる社員同士の雑談にも参加しなくなります。

ただし、仕事への興味が失せて急に業務中の雑談が増えるといったケースもあります。「今までと違う行動か」をポイントに見極めましょう。

会社に対しての不平不満を言わなくなる

会社への不満や愚痴をいつも口にしていた人が急に大人しくなった、これも退職を決意した可能性が高いです。よく「期待しているからこそ叱る。期待していない人には叱ることもしない」と言われますが、それと同じ心境かもしれません。

会社が変わってくれるのではないかという期待があるからこそ、不満を口にするのです。それを言わなくなったということは、会社に対する期待を捨てたということ。別の見方をすれば、会社への不満を感じなくなったということです。

日頃、部下から会社や仕事に対する不平不満を聞かされていませんか。会社に興味がなくなり退職に気持ちが向くことで表れるサインは多々ありますが、部下との関係性があれば気づけるサインです。

就業規則を密かにチェックしている

これは目に見えて分かるサインではありませんが、注意して観察していればキャッチすることができます。

いざ退職となれば、社内的にいろいろなルールや手続きがあります。退職の申し出はいつまでにすればよいのか、所定の退職届の有無、退職金はいくらぐらいになるのか、保険や年金の手続きなどです。それ以外にも有休が何日残っているか、有休の買い取り制度があるのかなど、気になることは前もって確認しておきたいと誰しも思うはずです。

その人が優秀であればあるほど、周囲に気づかれないように情報収集して準備を進めます。「こっそりと就業規則をチェックしている」「総務へ頻繁に何か聞いているようだ」といった行動が見られたら、それは退職の準備かもしれません。

残業時間が減り、定時で帰ることが増える

急に残業時間が減った社員はいませんか。残業をしないにこしたことはありませんが、目に見えて残業時間が減っているようなら要注意かもしれません。仕事に興味がなくなることで、仕事よりプライベートの時間を優先したいという気持ちも強くなります。

またプライベートだけではなく、転職活動をする段階に入っている可能性も高いです。辞めると決めれば、今の仕事より転職活動を優先させる傾向があります。

他にも、髪型がこれまでと変わったり、派手なスーツが多かった人が急にネイビーやグレーの落ち着いたスーツを着るようになるなど、身なりが変わったということはありませんか。残業時間が減ったことにくわえて、身なりにも変化があった場合は、業務後の面接の準備である可能性が高いです。

スマホを持って離席することが増える

こちらのサインは、転職活動をしている第2段階の時期によく見られます。事務職であれば業務中に仕事の電話が個人のスマホに入ることなどありません。営業職など外部と接触する業務であれば、個人のスマホに顧客から連絡が入ることは珍しくありませんが、それなら自席で対応するはずです。

もし、電話が鳴った途端にスマホを持って部屋を出る、電話を取ったとしても会話を続けずに離席するなどの行動があれば注意しましょう。在職中の転職活動では、面接日程や面接結果の連絡などが日中に入る場合があります。誰でも重要な電話や楽しみな電話には早くでたいもの。その気持ちの表れと言えます。

最近こそこそとスマホを持って離席しているなと感じたら、他に当てはまるサインがないか確認した方がよさそうです。

遅刻や早退、有休の消化が明らかに増える

「残業時間が減ってくる」というサインと似ていますが、転職活動を始めると徐々に遅刻や早退が増えてきます。会社説明会への参加や面接のためです。

退職を決めた当初は、転職活動をしていることが周囲に分からないよう可能な限り業務後に面接を設定するなど、会社に対しても気を遣います。しかし、それも最初のうちだけ。時間が経つにしたがい、目の前の仕事に時間を割くより、転職活動を優先するようになります。

それと同時に有休を取得することが増えてきます。有休の残日数が多い社員は、特にこの傾向が強いようです。せっかくの有休が無駄にならないよう退職までのスケジュールを考え、退職の申し出をする前から計画的に有休消化を始めます。

同僚や後輩と仕事を共有し始める

担当している仕事を同僚や後輩と共有する場合、多くは上司の指示から始まることが多いのではないでしょうか。そのような指示を受けていないのに、自分が担当する仕事について説明したり、資料を渡し始めたりしたら危険信号です。

「フォロー体制を作ろうとしている」「後輩の指導に熱心」などと、単純に考えていてはいけません。退職する場合に避けては通れないのが仕事の引継ぎです。仕事の共有を始める、作業のマニュアル化を始めるといった行動は、退職の準備を進めていると考えて間違いないでしょう。

また、新しい仕事を担当したがらないというのも前兆の1つです。話題を変えてごまかしたり、時には他の人を推薦してくることもあります。退職するのに新しい仕事に関わりたくないという気持ちの表れです。

「相談がある」と切り出されたら覚悟を決めろ!

部下の立場になって考えてみましょう。上司に「相談がある」と切り出した時点で、その決意は揺るぎないはずです。会社への不満を解消する方法の有無、転職活動の厳しさ、自分の将来など、そこに至るまでに部下は徹底的に考え抜いています。

部下が退職を切り出してから引き止めることは至難の業、ほぼ不可能と言ってもいいでしょう。悲しいことに優秀な部下ほど全く兆候を見事に隠して事を進め、既に転職先の内定をもらって交渉の余地がない状態で申し出てきます。

だからこそ、前兆を見逃してはいけません。退職の意志がある部下を引き止めたいなら、部下が話を切り出す前に手を打つことが大切です。それでも「相談がある」と切り出されてしまったら、覚悟を決めるしかありません。引き止めるのか、温かく送り出すのかを決めて面談に臨みましょう。

部下の退職で上司はマネジメント能力を問われる

退職者が出るとチームの業務量が増えるだけではなく、残るメンバーも士気が下がって悪影響が出ます。さらに人材マネジメントができていないと判断され、上司の能力にも疑問符がつきます。単純に「部下が辞めた」ということでは済まないのです。

部下を気にかけてコミュニケーションを取っていれば、その変化にすぐに気がつくはず。上司の人材マネジメントが上手くいっているチームは、不平不満はあっても部下の退職を未然に防ぎ、高いモチベーションを維持しています。

人材マネジメントの観点からも、部下から切り出されて初めて退職の意志に気づくなど上司失格です。その時に「何が不満なのか」と部下に問うのではなく、普段から部下の様子を観察してしっかり把握しておきましょう。

まとめ

「高い評価を受けている優秀な社員が会社を辞めるわけがない」こう考えている上司が多いのですが、今は優秀な社員から退職していく時代。だからこそ、退職者を出さずにチームをまとめていくマネジメント能力が上司に求められています。

そのためには、良好な人間関係とコミュニケーションが必要です。今回挙げた8つのポイント以外にも、「普段と違うな」と感じたら要注意。部下にいかに「辞める」と言わせないか、それが上司の腕の見せ所なのです。

部下が働きやすい環境は上司が作るものだと理解すれば、自ずとチームマネジメントの能力は磨かれていきます。高いマネジメント能力はどこに行っても重宝されるもの。身に付けておいて損はありません。

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