職場の悩み

現代社会の問題、パワハラとは?パワハラの定義と対策

近年の私たちを取り巻く労働環境では、「パワハラ」という言葉をよく耳にするようになりました。ニュースで報じられることもとても多いですし、TwitterなどのSNS上でも見かけることが多いと思います。この記事では、そもそもパワハラとはなにか、パワハラの事例、パワハラへの対策についてご紹介します。職場でパワハラに悩んでいる方や実際に悩んでいる人が周りにいらっしゃる方に読んでいただき、パワハラへの理解を深める参考にしていただければと思います。

そもそもパワハラとはなにか?パワハラという言葉ができたきっかけと定義

パワハラとよくいわれていますが、なんの略かご存知でしょうか。パワハラとは、パワーハラスメントの略称です。パワーハラスメントと聞くと英語のように思いますが、これは和製英語です。この言葉は、株式会社クオレ・シー・キューブの代表やスタッフが創り、一般に広めた言葉といわれています。株式会社クオレ・シー・キューブは、セクハラ以外にもさまざまなハラスメントがあると考えて、2001年頃から一般の労働者から相談を受け付けはじめ、調査に乗り出しました。

その調査を経て、2003年に「パワーハラスメントとは、職権などのパワーを背景にして、本来業務の適正な範囲を超えて、継続的に人格や尊厳を侵害する言動を行い、就労者の働く環境を悪化させる、あるいは雇用不安を与える」と初めて定義しました。その後、マスコミもパワハラに注目しはじめたため、一般的にはこの定義が、パワハラの定義となっています。

パワーハラスメントの典型例といわれている6つとは?

民間企業だけでなく、諸官庁も注目しています。そのなかでも、厚生労働省はパワハラの問題に目を向けてきました。2012年に「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ」を発足させて、議論を重ねました。この議論のなかで、「職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性(※)を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与えるまたは職場環境を悪化させる行為をいう。※上司から部下に行われるものだけでなく、先輩・後輩間や同僚間、さらには部下から上司に対してさまざまな優位性を背景に行われるものも含まれる」という定義を提案しました。

また、厚生労働省は同じく2012年にパワハラの典型例として6つの例を挙げています。

  • 暴行・傷害(身体的な攻撃)
  • 脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言(精神的な攻撃)
  • 隔離・仲間外し・無視(人間関係からの切り離し)
  • 業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害(過大な要求)
  • 業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと(過小な要求)
  • 私的なことに過度に立ち入ること(個の侵害)

 

厚生労働省以外にも、県単位でパワハラに対して、定義づけしている件もあります。若干言葉が違うこともありますが、大まかな意味では上記に当てはまることが、パワハラといわれています。

実際にあったパワハラの裁判の事例とその判決

いくつかのパワハラが原因となった裁判の事例をご紹介します。

  • 地公災基金愛知県支部長(A市役所職員・うつ病自殺)事件

上司の部下に対する指導が、典型的なパワハラに相当するものであるとされた事件。

詳細

https://no-pawahara.mhlw.go.jp/foundation/judicail-precedent/archives/48

  • ダイエー事件

上司の部下に対する言動が不法行為として,慰謝料請求を認めた事件。

詳細

https://no-pawahara.mhlw.go.jp/foundation/judicail-precedent/archives/44

  • 神奈川中央交通(大和営業所)事件

バスの運転士に対して、1ヶ月除草作業を命じたことが違法な業務命令とされた事件。

詳細

https://no-pawahara.mhlw.go.jp/foundation/judicail-precedent/archives/34

他にもいくつもの裁判事例が載っているので、ぜひチェックしてください。

https://no-pawahara.mhlw.go.jp/foundation/judicail-precedent/index

パワハラに立ち向かうための対処方法や解決策とは?

実際に自分が、周りの人がパワハラにあっていたら、対処しなければいけません。そのままの環境でいいわけがありません。なんとか対処や解決をするためにも、試すべきいくつかの例をご紹介します。ここでは、「パワハラの証拠を揃えるなど、裁判で訴える準備をする」「社外の相談窓口を活用して、自分の気持ちを相談する」「社内相談窓口を活用して、自分の気持ちを相談する」という3つの選択肢をご紹介します。どの行動からしてみようと思うかは、人によって違いますし、正解もありません、ただ、1人で抱え込まずに下の3つのどれか1つでも行動に移すことも考えてみてください。

パワハラの証拠を揃えるなど、裁判で訴える準備をする

誰かに話をするときに、実際の状況を伝えられるように、証拠を揃えることが大切です。証拠があれば、社外でも社内でも相談相手にどれほどパワハラが酷いのかを伝えることができ、客観的な目線でアドバイスをもらいやすくなります。また、裁判などをする際は、必ず証拠が必要になります。証拠を揃えるといってもなかなか難しい、と思われているかもしれません。まずは、録音できるタイミングがないか、確認しましょう。いつも同じような曜日、時間でパワハラをされていたら、そこに合わせて録音をはじめるのがいいです。いまはスマホのアプリなどでも簡単に録音できますので、インストールしましょう。実際に裁判まで持っていくかどうかではなく、いざとなったときの保険という意識で、録音をすることが大切です。

社外の相談窓口を活用して、自分の気持ちを相談する

会社もパワハラが社会問題になり、イメージが悪くならないように対策を考えているところもあるかもしれませんが、まだまだ認識が甘いといわれています。会社に相談しても社風としてパワハラが受け入れられていて、効果がないこともあるでしょう。そんなときは社外の相談窓口を活用しましょう。厚生労働省をはじめ、さまざまなところでパワハラの相談ができる場所があります。無料で相談できる機関も多いので、まずは1人で抱え込まずに社外の人に話をしてみましょう。社外の人であれば、客観的な目線で親身になって、相談に乗ってくれるでしょう。

社内の相談窓口を活用して、自分の気持ちを相談する

会社によっては、社内にコンプライアンス担当の窓口がある場合や第三者機関と契約していることもあります。会社のこともよくわかっている場合も多いので、このような相談窓口を活用するのもいいでしょう。ただし、会社が契約している第三者機関に相談をしても、「なんの解決にもならなかった」、「むしろ悪化した」という実体験を話されている方もいます。会社が用意している相談窓口などを利用する際は、話す内容や本当に信頼できるかを確かめながら相談するのがいいでしょう。あまり信用できなさそうであれば、社内の相談窓口では相談しないほうがいい場合もあります。

まとめ

この記事では、パワハラの定義、パワハラの事例、パワハラの対処方法や解決策をご紹介しました。パワハラは、働く上で非常に大きな問題になっています。パワハラの被害を受けたことで、自殺をしてしまった、普通の生活を送れなくなってしまったというニュースも流れています。パワハラを受け続けると、通常の精神でいれなくなり、自殺を考えてしまうことや、精神障害になる可能性も取り沙汰されています。無料の会社外の相談窓口で話すことで、客観的な目線で、パワハラの問題を考えることができます。また、いきなり相談窓口などを活用しなくて、家族や友だちに相談するのもいいです。パワハラの被害にあったときには、1人で抱え込まずに必ず誰かに相談してください。それが解決への小さな一歩になるはずです。

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