「工場をやめたい」と思っているなら、それはどんな時ですか?
工場をはじめ、どの職場も「やめたい」と思うことはあります。理由もそれぞれあるでしょう。ですが、気持ちが先走ってやめてしまうと、もしかしたら次の職場でもやめたくなってしまうかもしれません。職場に対して不満がある時は、なぜやめたいのか、今後どうしたいのかなどをしっかりと考えて対処しておくべきです。
ここでは、次の職場で充実したワークライフを送るためにも、「やめたい」と思った時にどう対処したらいいのかを紹介していきます。
もくじ
工場をやめたい=逃げ出したい?
「工場をやめたい」と思う理由はどんなことでしょうか?
仕事がきつい、環境が合わない、人間関係がつらい、モチベーションが保てない…など、思い悩んでいる「やめたい理由」があることと思います。つらい時は、目の前のことから逃げ出したくなりますが、その前に落ち着いて考えてみてください。
こうしたやめたい理由は、工場に限らず、どんな職場でも起こりうるものです。まずは「やめたい自分」と向き合ってみること。そして、何かしらの縁があって工場に勤務したのなら、その時のことを一度振り返っておくことです。
この先、充実した仕事をするためにも、今の自分の状況を把握しておくことは必要です。
結論は工場をやめるか続けるかのどちらか
「工場をやめたい」と思った人は、結論から言うと、やめるのか勤務を続けるのか、そのどちらかを選ぶことになるでしょう。「やめる」という行動は、退職願を出せばできることですが、あなたの職歴に残ります。なので、慎重に考えて行動してほしいものです。
もしも、人間関係などで感情的になっていたら、一呼吸おいて客観的に自分の状況を見てみましょう。あなたのキャリアにおいて、今やめることがベストかどうかを考えてください。
仕事をして稼ぐことは、人生において多くの時間を費やします。誰もがそれなりに我慢もストレスも抱えながら仕事をしています。合わないから…と、職場が次々と変わるのは、我慢が足りないと思われてしまうかもしれません。やめるタイミングもある程度考えましょう。
なぜ工場を選んだのかも振り返っておく
あなたはなぜ工場に勤務したのですか? 工場の仕事に何かしら魅力やメリットを感じたからではないでしょうか。
一般的に工場での勤務は、時間当たりの給与がいいこと、そして、作業はマニュアル化されているのでやりやすく、他の職場に比べて労働管理が徹底されているというメリットもあります。「ここでしっかり稼ぎたい」と思って選んだのではないでしょうか。あるいは、モノづくりの現場である工場で「この製品の製造に関わりたい」と志高く勤務を始めたのかもしれません。
目の前は「やめたい」と思うほどストレスフルな状況ですが、初心を思い出して、今のつらい状況を乗り越えられるかどうか。振り返ってみることも必要ではないでしょうか。
工場をやめたい理由を書き出して自己分析
「やめたい」という気持ちが高ぶっている時こそ、冷静に対処したいものです。そのために、やめたい理由を紙に書き出してみるのも一つの方法です。
理由は一つではないかもしれませんし、特定の人との関わりだったりするかもしれません。書き出した理由を眺めてみると、自分がやめたい状況を客観視することができるでしょう。
その理由から、自分はどんな職場なら能力を発揮できるのか。どんな環境なら不満が少なく勤務を続けられそうなのか。自分について分析することができます。
理由が人間関係なら前向きにやめる
「工場をやめたい」という理由が、職場の上司や先輩によるパワハラなど人間関係によるものだったとします。その場合、この工場勤務を続けてもメリットが見いだせないと感じたなら、別の職場に移るのが得策かもしれません。
その職場で根ざしている「よくない常識」があって、部下やスタッフに傲慢になっている中間管理職の人々がいたとしたら、その風土はそう簡単には改善しないものです。
その工場や職場で何年も耐え抜くのは明らかに理不尽なので、見切りをつけて次の職場を探しましょう。その時、自分の適性をふまえ、これまでの工場業務で何をどう取り組んだか、どこに興味をもてたかなどを説明できるようにしておくことです。
理由が将来への不安なら打つ手はある
一方、やめたい理由が、将来への不安だったとしたら、現在の工場や職場でも、まだやれることがあるかもしれません。
工場勤務でやりがいや目標をみつけられない、あるいは、将来が不安だというなら、あなたは勤務先にどんなことを求めているのでしょう。
工場の仕事は単純作業というイメージもありますが、日本における多くの工場では、高度な技術と高い品質が求められ、それを満たすオペレーション業務が増えています。製造業の現場でも、体力仕事よりも工作機械や精密機械が導入され、女性でも操作できるもの、そしてクリエイティブな業務もあります。こういった職場では、作業効率を上げるために、どうすればいいかを自分なりに考えて提案することもできるはずです。
将来について工場や職場が用意してくれているわけではありません。自分で考えて提案ができる人に、将来があるのではないでしょうか。
次の職場で輝くためにキャリアプランを考える
ひどい環境だ、あるいは、この職場だから自分に合っていないと、工場や職場が原因でやめると思っていませんか。もちろん、過剰な労働を強いられたり、理不尽なことを押し付けられたりした場合は、勤務先が悪い場合もあります。ですが、「自分は悪くない」とばかり思っていると、次の職場においても同じようなことが起きてしまう可能性があります。
どうしてもやめたいと思った時は、「やめる」という行動をポジティブにとらえ、自分のキャリアプランを考えてみてはいかがでしょう。
いいこと尽くしの職場なんて…ない
仕事をして勤務を続けることは、多少苦しいことや辛い場面もあります。所属する部署の上司やリーダーの立場からすれば、できればプレッシャーをバネにしてその業務に対応できるようになってほしいと、あなたに期待をかけているかもしれません。
それなのに、この工場は時間外労働が多い、あの職場では人間関係がうまくいかない、給与が低いなどと職場が悪いとばかり言っていると、誰もあなたの仕事の能力に期待しなくなるでしょう。
あなたにとって完璧ですばらしい職場が、そう簡単にあるわけではありません。少々辛いことも、それを乗り越える努力をしてみることも時には必要だと考えてみてください。
長い目で見る。求められている人物も意識する
また、友人知人など他の人の勤務先と比較して、自分の働く工場の環境や処遇が劣っていると感じているのでしょうか? それならば逆に、工場や職場が求めている人材として、あなたは成果をきちんと出せているでしょうか?
雇用関係は、契約の一つです。採用されてからこれまで、さぼることなく勤務し、求められる成果を出してきたでしょうか?
一方、将来は品質管理の業務をしたいと入社したけれど、工場の製造ラインの勤務となったと失意を抱いている人がいるかもしれません。その場合は、少し長い目で業務を見てみることも必要でしょう。
今のポジションがやりたいことと直接関係していなくても、そこで自分にできることをまずは探してみることです。そのポジションで勤務する数年間に、さまざまな知識や技能が備わります。それは将来、あなたのキャリアに大きく貢献してくれるはずです。
キャリアプランを立ててチャンスをつかむ
思い詰めて「工場をやめたい」に至ったとしても、やめるという行動を、自分の将来にどのように生かせるかが大切です。ここは少しがんばって、やめると同時に、自分に対して別のアプローチも試みてください。
つまり、やめるにあたっては、工場での経験がどんなキャリアになるかを考えてみることです。
例えば、厳しい条件下でも品質チェックに関わることができ、集中力と根気が備わったとか。前後の連携を意識して作業できるようになったとか…。多くの日本の企業では、全体の流れを見ながら要所で判断できる人を求めています。工場の現場においても同じです。どの現場でも、そこで作業する人の力量が製品やサービスの品質に影響するのです。
今の勤務先である工場を結果的にやめることになったとしても、次はさらなるスキルアップのために新しい職場へ挑むという流れを作るのです。そうすればきっと、面接などでも好印象になるでしょう。
前向きに考えてキャリアを積もうとしている人に、周囲は応援しようという気持ちになるものです。工場をやめることをステップにして、キャリアの好循環を生み出してください。
まとめ
「工場をやめたい」と思う人に向けて、そう思った時に何を考えたらいいのかを紹介してきました。「やめたい」という感情があふれて、周りが見えなくなりがちですが、やめる前に、まずは自分の状況、今後のキャリア、将来やりたいことなどを考える時間をとってみることです。
「やめたい」と思わなければ、そこまで考えることもなかったかもしれません。自らを振り返ってキャリアを考えるチャンスととらえ、有意義な退職となるようにしてほしいと思います。
将来に向けて、スキルアップをしようと努力していれば、それを応援しようとする職場がみつかるかもしれません。そういった職場と巡り合うためにも、「工場をやめる」ことを前向きにとらえて考えてみてください。