ビジネスの現場で使われる言葉に、ゼネラリストという言葉があります。職場などで一度は耳にしたことがあるかもしれません。
しかし、ゼネラリストとは一体どういった意味で使われる言葉なのでしょう。ビジネスシーン以外ではあまり使われない言葉ですから、ゼネラリストが示す意味や定義について、気にかかりますよね。
そこで今回は、ゼネラリストについて解説していきます。どういった人がゼネラリストと呼ばれて、転職にどういった影響があるのかなど、ゼネラリストについて深く掘り下げてご紹介してまいりましょう。
もくじ
ゼネラリストとは、広い知識を持つ人
ゼネラリストとは、ビジネスにおいて広く浅い知識を持つ人のことを指します。業種や業務内容に関わらず、仕事において守備範囲を持っているオールマイティプレーヤーと呼ばれる人を、ゼネラリストと呼ぶのです。
もちろん、広く浅い知識を持っているだけではありません。それぞれのフィールドにおいて、最低限の基本を実際にこなすことができてこそ、ゼネラリストと称されます。
またゼネラリストと対の存在として、狭く深い知識と経験を持つスペシャリストが挙げられます。スペシャリストとは、特定の分野において高い専門性を誇っており、得意な土壌で他を圧倒する成果を挙げる人のことです。
ゼネラリストはどんな人?ゼネラリストの特徴
ゼネラリストと称される人は、専門性よりも柔軟性や瞬発力が重視されます。したがって、一つの分野に没頭するよりも、広い分野を知りたいという尽きない好奇心や探求心を持っています。
また仕事ひとつとっても、効率性や生産性を重視し、いつも全体を見渡すことが出来る度量を持っています。専門分野がない反面で、どういった場所でも力を発揮できるように、全体を俯瞰で見渡すことができる才能があるのです。
ゼネラリストは、根無し草とは違い、状況に対応できる優秀な人材といえることがわかります。そんなゼネラリストの特徴について、具体的に詳しく挙げていきましょう。
経験豊富でいくつも場数を踏んでいる
経験豊富で場数を多く踏んでいるということが、ゼネラリストと称される人の特徴です。井の中の蛙大海を知らず、ということわざがありますが、それぞれの分野で一通りの経験を積んでいる人が、ゼネラリストと呼ばれる資格を持っています。
本などで得られる知識よりも、実際に様々な現場や職場を経験することによってのみ、見えてくることもあります。そういったフィジカル的経験を積んだ人は、どのような現場を任されても、物怖じせずに臨むことができます。
さらに、現場ごとに目に見える成果を挙げていれば、より優秀なゼネラリストであるといえるでしょう。
得意分野が多く、広いスキルを持っている
得意分野が多く、実務上で役に立つスキルをいくつも有していることも、ゼネラリストの人の特徴です。通常であれば1つ2つという得意分野を10以上有している人がいたら、ともに仕事を進める上で非常に頼もしいですよね。
ひとつの分野を自分の得意分野とするまでには、相応の時間がかかるものです。しかし飲み込みが早く広い知識を持っている人ならば、普通の人よりも遥かに速いスピードで、得意分野へと昇華させることができます。
広いスキルは、それぞれ自分のアピールポイントにすることも可能です。そのため、様々な分野を追求することが出来る人が、ゼネラリストと呼ばれるのです。
広い分野に博識で、多ジャンルの話題に対応できる
博識であったり、幾多のジャンルの話題やニュースに対応出来ることも、ゼネラリストの特徴のひとつです。自分が今任されている仕事の以外の動向も、素早いレスポンスでキャッチすることが出来る才能と努力が、人をゼネラリストたらしめるのです。
自分の専門外のニュースなどに関しては、日々の仕事に忙殺されてしまい、なかなか手がまわらないものですよね。しかしゼネラリストは、より多くの視点と広い視野を持ち、知見を広げるために重要な事柄をキャッチすることが出来るのです。
もちろん、野次馬根性とは似て非なるものです。興味のある話題や事柄だけではなく、自分の未来を見据えて行動を起こすことが出来てこそ、ゼネラリストと呼べるのです。
統括的役割を多く担い、リーダーシップがある
全体を広く見渡せるゼネラリストは、現場において統括的役割を任されることが多いといえます。仕事仲間や部下を率いて、率先して仕事を進めることが出来ます。
人材を適材適所に配置するためには、皆の特性を知っていなければなりません。リーダーシップがあり、信頼が厚いということは、皆からも慕われており、密なコミュニケーションが取れる証でもあります。
また、適材適所を見極めるためには、様々な業務や仕事の内容を知っていなければなりませんよね。だからこそ、仕事の特性を理解しているゼネラリストこそが、統括的役割を多く担っているのです。
ゼネラリストになるために必要なことは?
多分野において的確な経験と知識を有するゼネラリストになるためには、一体どういったスキルが必要なのでしょう。広く周囲を見渡して統括をしたり、リーダーシップを発揮して人を率いたりと、才知が必要とされるように感じるゼネラリスト。
しかし、意識をして努力をすることで、ゼネラリストになることは十分可能といえるのです。そこで、ゼネラリストになるための方法や、ゼネラリストになるために必要なことをご紹介していきましょう。
あらゆるスキルで平均点以上を狙う
ゼネラリストになるためにまず必要なことは、あらゆるスキルにおいて平均点以上を狙う、ということです。ゼネラリストとして認められるには、不得意な分野や、未経験の分野をなるべくなくすことが重要と言えるからです。
もちろん、人間には得手不得手があります。したがって、全てを完璧にこなすことができる人はごくごく稀であるといえます。
しかしながら、すべての分野において平均点以上を取ることは、努力の積み重ねによって不可能なことではありません。100点満点だとすれば、65点以上を目指して様々な分野で経験を積むことで、ゼネラリストに近づくことが出来るのです。
他業種のスペシャリストと多く交流する
他業種のスペシャリストと多く交流を図ることも、ゼネラリストとして大切なことであるといえます。ゼネラリストを目指すならば、多くの分野でスペシャリストになる必要はありません。
しかし、それぞれの分野でスペシャリストと呼ばれる人々は、多くの経験と知識を有しています。そういった知識や経験と接して刺激を受けることによって、今後の学びや成長に良き影響が現れるといえます。
また、他業種のスペシャリストと交流することは、自分自身の現在の立ち位置を知るためにも非常に重要であるといえます。自分のレベルを把握することによって、どこまで知っていなければならないのかを確認できるのです。
アピール力・対人交渉力を身につける
ゼネラリストとなるために、アピール力や対人交渉力を身につけることも、とくに重要なことといえます。自分の能力をアピールすることが、ゼネラリストとして周囲に能力を認めてもらうための第一歩です。
ゼネラリストとして評価される上では、アピール力に加えて、対人交渉力も必要となります。ゼネラリストとしていかに多くの経験と知識を有していても、うまく相手に伝えることができなければ意味がありません。
これまでに培ってきた自分のスキルがどのように役に立つのか、明瞭に相手へと伝えることが、ゼネラリストとして認められるために非常に重要なことといえるでしょう。
ゼネラリストは転職に有利?ゼネラリストの強みは?
ゼネラリストとして認められれば、転職をすることにおいても有利に進めることが出来ます。経験豊富であり、ひとつの企業で様々な能力を発揮してくれる人材は、企業にとって価値ある人材といえるのです。
また、様々な視点を持っていることによって、企業にとって新しい風を運んでくると期待される場合もあります。会社を変えてほしいという思いから、ゼネラリストを採用する企業も存在するのです。
ただし、単に転職履歴が多いだけであったり、同業他社で転職を繰り返している人は、ゼネラリストではありません。様々な業務を体験したことを、有効に伝えることが重要といえます。
ゼネラリストの強みは広い知識と経験
転職をする上でのゼネラリストの強みは、やはり広い知識と経験といえます。ビジネスの仕組みそのものや、部署間のやり取りなど、システマティックな改革を目指す企業であれば重宝されるといえます。
それぞれの業務を理解しているゼネラリストならば、企業にとってよりよいアイデアを求められる場合もあります。したがって転職における面接の際には、今後の構想や過去の改革案などを用意しておくと良いでしょう。
ただしもちろん、求められていることを把握しておくことも重要です。システムの改革や再構築ではなく、これまでの仕組みの維持を期待されている場合もありますから、ゼネラリストとして何を求められているのかを見極めることが大切です。
ゼネラリストは多方面で市場価値がある
広い知識を有するゼネラリストは、経験のある業種のスペシャリストとして迎えられることもあります。様々な経験があることから、ゼネラリストとしてだけではなく、経験分野のリーダーとして迎えられる例もあるのです。
今後のスキルアップや方向性について決めるのは、他の誰でもなく自分自身です。ですから、ゼネラリストとしての活動を踏切台として、専門性の高い分野での活躍を目指すことも、ひとつの選択肢といえるでしょう。
ただし転職の際には、自分がゼネラリストであること、また現時点での自分のレベルを伝えることも忘れてはいけません。客観的に市場価値を見定めることができるということも、ゼネラリストとしての強みのひとつですから、しっかりと活かしていきましょう。
まとめ
今回はゼネラリストの特徴や強み、またゼネラリストの市場価値についてご紹介してまいりました。客観的に多方面からの視点を持つゼネラリストは、ビジネスシーンにおいて重要な役割を担っているといえます。
ゼネラリストとして認められるには、経験や努力、時間が大いに必要ですから、決して易いことではありません。しかしながら、努力を重ねれば誰しもがゼネラリストになれる可能性を秘めているのです。
転職をする上でも、ゼネラリストという評価は大きなメリットとなります。ゼネラリストとして活躍したいと思う方は、早めに動き出すことが大切といえるでしょう。