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日本の働き方が異常って本当?海外の国々を比べてみた。

「日本の働き方は異常だ」と、聞いたことはありませんか?これは、海外で働く人々にずいぶん前から言われ続けていることです。 しかし、日本で働く私たちにとって今の働き方が当たり前になっており、「異常だ」「おかしい」と感じるのはなかなか難しいかもしれません。 ただ、海外から「働き方がおかしい」と言われるのであれば、改善したい!と思う方もいるのではないでしょうか?そのためには、日本の働き方のどこがおかしいのかを正しく知る必要があります。 そこで今回は、日本と海外の働き方や考え方を比較しつつ、「日本の働き方は本当におかしいのか?」ということについて紹介させていただきます!

もくじ

日本のサービスの質は世界最高クラスと言っても差し支えない

まず、日本の仕事やサービスの質は世界各国から認められています。特に細かい作業や接客などは、多くの外国人から高い評価を受けることが多いです。中には「受けられるサービスの質の高さに対して、支払うコストが安すぎるのではないか?」とまで言われることも。日本のサービスの質は、世界最高クラスと言っても差し支えはないでしょう。

その理由として、日本人は集団主義社会で生きており、お客さんへのサービスを組織の一員として徹底することができていることが挙げられるでしょう。一方海外では、働いている時であろうと、個人としてお客さんと接することがほぼ当たり前となっています。

この点だけを聞くと誇らしい話なのですが、その一方で、日本では高いサービスを受けられることが当たり前となっており、求められるサービスのレベルが年々上がってきているという問題もあります。「最高のサービスを提供する」という考え方は間違いではないものの、その点を追求するあまり、日本の長時間労働の問題が発生してしまっている点は否めません。

「それぞれが決められた場所で結果を出す」働き方をする海外

会社によってかなり異なる点はあるでしょうが、日本での仕事は基本的に「組織のためにみんなで力を合わせて目標を達成しよう」という働き方かと思います。 しかし海外では、「それぞれの仕事範囲を明らかにして、その範囲内でそれぞれの最高の結果を出そう」という働き方を取る国が多いのが特徴です。例えば、日本で見られる「あの人の仕事が遅れているから手伝おう」という働き方は海外ではあまり見られません。それぞれが、与えられた仕事に対して予定を立て、時間内に最高の結果を出すことに力を注ぐのです。 この働き方は、良い面も悪い面もあるかと思います。しかし、それぞれのペースで仕事が進められる分、プライベートとの両立や時間配分など自身の力を発揮しやすい環境を作り出せると言えます。

日本人は「労働時間」に努力や頑張りを感じてしまっている

日本の働き方の中で最も「異常」と言われることが多いのが、日本人の労働時間であると言えるでしょう。「働きすぎだ」や「もう少し休んだ方が良い」と海外の人々から評価されることがほとんどです。 日本では残業することが「当たり前」の会社が多いですが、海外では基本的に「定時退社をしよう」という考え方を持つのが当たり前です。もちろん繁忙期などでの残業は避けられませんが、その中でも工夫を凝らして、少しでも労働時間を減らす努力をしている人がほとんどです。

また日本では、「労働時間が長いから頑張っている」と評価される風習がいまだにあり、仕事を作ってでも残業時間を増やそうとする人もいるのではないでしょうか?このことに対して海外からは、「努力よりも結果を評価するべき」や「もっと効率的に仕事へ取り組むべき」といった評価が度々されています。

日本では、長い時間をかけて頑張れば評価を受けやすい

先ほど、日本は努力が評価されると話しましたが、「アイツはいつも遅くまで頑張っている」や「結果はまだ出てないけどしっかりやっている」というような、結果に至るまでの過程を評価する会社が多いのが、日本の評価制度の特徴の1つです。

海外では「成果評価」を採用する会社が多く、あくまでその人が出した「成果」を評価し、それに見合った報酬や待遇を用意するということが当たり前のように行われています。この成果評価により、無駄な仕事ややり方を精査しつつ、効率よく成果を生み出す働き方ができているのでしょう。

現に日本は、先進国の中で最も労働生産性が低い国というデータがあるのも事実です。周りから良い評価を受けようと、成果より過程に重きを置いた働き方をしているからこその数字と言えるのではないでしょうか?この評価制度についても賛否があるかと思いますが、「日本は労働生産性が低い」という事実だけはしっかり受け止めなければなりません。

「最も優先されるのは家族や自分」といった海外の働き方

私たち日本人にとって仕事中は業務が最優先で、お客さんや会社のために行動する意識が強いのではないでしょうか?たとえ自分が他のことを優先したくても、周りに合わせて仕事を優先することが多いかと思います。 ただ海外ではそういった意識は弱く、それぞれが優先したいことを最優先にしながら仕事をしています。できる限りの時間を家族や友人と過ごしたり、自身の趣味に使ったりすることを優先します。

その中でも、特に重要視されているのが「家族」です。海外の人々は、仕事が遅くなって家族や自分の時間を生み出せていない人に対し、疑問を感じることがほとんどのようです。 日本人は「仕事が最優先」という考え方が強いですが、海外では仕事の優先順位がそれほど高くなく、あくまで家族や自分の時間ありきの仕事という働き方が主流となっています。

日本は「先進国の中で有給休暇消化率が最も低い国」である

あなたは、日本の有給休暇消化率をご存知でしょうか?2017年度の調査では、支給された有給休暇に対して半分の50%しか取得されておらず、先進国の中では一番低い数字となっています。最下位である日本の1つ上は韓国の67%と、改めて日本の有給休暇消化率の低さが伺えます。

先進国の中には有給消化率100%の国も多く、与えられた権利を使おうとしない日本の働き方は海外から「異常」と言われても仕方がないでしょう。また、「有給休暇を使うことに罪悪感を覚えるか?」という問いに対しても60%を超す人々が「はい」と答えたというデータもあり、この数字も先進国の中で最も高い数字となっています。

日本の有給休暇に関する問題は今に始まったことではなく、有給休暇消化率は2016年から2年連続で最低です。近年日本でも言われている「働き方改革」の中でも、最も改善をするべき項目の1つであると言えるでしょう。

日本では、女性の働き方の選択肢がまだまだ少ない

女性の働きやすさという点においても、日本はまだまだ海外の国々から遅れを取っています。昔からある「女性は家で家事や育児をするべき」という考え方が抜けておらず、いまだに女性ということが理由で、仕事に対する影響が少なからずあるのが現状です。

特に、北欧の国々との差は歴然です。北欧の中には上場企業の女性役員率が40%を超える国もある中、日本では約10%と大きく離されています(2016年調査)。また、育休や産休の分野は制度的に他の先進国に劣っていないものの、有給休暇と同じように権利の取得のしにくさが問題として挙げられています。

日本でも女性の働く環境は多少改善されつつあり、女性の管理職を増やす取り組みなど女性の社会進出を助けるような動きを見せる企業も増えてきています。しかし、昔からある風習を崩すことは決して簡単なことではないのも事実です。これからの働き方として男性女性問わず、それぞれが活躍できる環境作りが期待されます。

まとめ

海外の人々から「働き方が異常だ」と言われ続けている日本ですが、サービス業の質や仕事の正確性、独自の文化など高く評価されている点も少なくはありません。しかし、その一方で劣悪な環境で働いている日本の労働者が多いのも事実です。 日本国内でも進められている「働き方改革」ですが、日本独自の風習や文化を守りつつ、働き方や労働時間、女性の社会進出などを中心に改善をしていく必要があるでしょう。

ただ、日本の労働環境がすぐに変化することは簡単ではありませんし、おそらく不可能であると言えるでしょう。ただ、あなた自身の意識を変えることであれば今日からでもできるはずです。ですので、まずは自分の身の回りでできることから始めてみてはいかがでしょうか?

 

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