世間では「ブラック企業」という言葉も話題になり、自分を大事にする会社の選び方や働き方を選択する人も増えてきています。出来ることならば自分にとって「楽」な仕事を探したい…。そんなことを言うと「世の中に楽な仕事なんてない!」と怒られそうですね。
確かに、どんな仕事にも自分にとってのメリット・デメリットはありますが、自身がどのような部分で楽に仕事をしたいかが分かれば、「楽」な仕事を見つけることは可能です。本記事では、楽な仕事を見つけたいときに考える条件と、楽だと言われている職業について紹介していきます。
もくじ
自分にとって何が「楽」な仕事であるか考えることが重要
楽な仕事は何か?といっても「この仕事が楽である」という判断基準は個人によりそれぞれ異なります。ある人が「この仕事はとっても楽な仕事だ!」と思っていても別の人にとっては「この仕事はつらい…」と思ってしまうということもあります。
要は、「自分にとってどういう要素があれば楽な仕事と感じられるのか?」ということを理解することが自分にとっての楽な仕事を探すための一番の近道となります。
では、どうやって自分が楽と思える仕事の条件を見つけることが出来るのでしょうか?仕事において「これがなければ(あれば)仕事が楽だ」という要素は大きく分けて「精神的な要素」と「肉体的な要素」があります。人によって体力や腕力が無かったり、会社の人間関係が煩わしいと思ったり、さまざま精神的もしくは肉体的に嫌なもの・苦手なものがあります。
それらの要素を紙などにリストアップしてみましょう。そして、優先度をつけていくことで自分にとって嫌なもの=これが無ければ楽だと思えるものが見えてくるはずです。
精神的・肉体的に楽な仕事の条件とメリット・デメリットとは?
まずは、精神的・肉体的に楽な仕事である条件として良く挙げられる要素についてそれぞれ紹介していきます。楽を求める部分が身体のことか心のことかは個人の身体能力や頭の良さ、仕事に対する考え方によって優先度が異なりますので、以下に挙げる例を参考にしながら、どれが自分の求める楽かを判断しましょう。
また、精神的・肉体的に楽な仕事にはそれぞれメリット・デメリットがありますので、その点も合わせて紹介していきます。
精神的に楽な仕事の条件として挙げられる5つの要素
ここでは、様々ある精神的に楽な仕事の要素のうち、良く挙げられるものを5つ抜粋して紹介していきます。
- 同期や他の社員との競争がない仕事
社員間での競争がある会社だと、仲間というよりライバル(敵)という認識が生まれてきて、心を許せる仲間が出来にくくなります。常に大きいプレッシャーを感じながら働くことは精神を消耗してしまいますので、争うというよりも協力し合って仕事に打ち込む環境が良い人も多くいます。
- 仕事量や実績に対してノルマが課せられない仕事
営業職などによくあるのが「ノルマ」という制度。常に数字に追われながら仕事を行うのはプレッシャーが大きく、精神を擦り減らしながら営業している人も多くいます。ノルマがないと数字というプレッシャーからは解放されるので精神的にも楽に仕事が出来るようになります
- 職場の人間関係が非常に良好な職場環境
会社員の抱える悩みとして退職の理由も挙げられるほど深刻なものが「人間関係」です。会社の人間関係は煩わしいもので、嫌な上司や社員がいても仕事上どうしても付き合いを避けるわけにはいきません。嫌な思いを抱えたまま仕事を行うことは非常に苦痛を伴います。嫌な人が誰もいない環境で仕事を出来るのであれば大変な仕事でも仲間と乗り越えることができるでしょう。
- 単純な仕事や一人で淡々と作業を行う仕事
企画や開発など頭を使う仕事は、仕事以外でもアンテナを張り続ける必要があります、そうやって休日まで気を張る仕事よりも、一度覚えればあとは流れ作業という仕事は繰り返しの作業なので精神的な負担は少ないです。
また、上記の人間関係にも関係しますが、そもそも作業が一人で行う仕事であれば人間関係のことも考えなくて済みます。一人で淡々と作業を進められる環境はストレスフリーな環境と言えますね。
- 接客や電話対応など取引先とのやりとりがない仕事
取引先と会ったり話したりなど、取引先とやりとりをする際は相手に気をつかう必要があるので精神的に疲れます。取引先とやりとりする必要のない仕事であればそういった気遣いも手間もかからないので自分の仕事に集中できますね。
肉体的に楽な仕事の条件として挙げられる5つの要素
続いては、肉体的に楽な仕事である条件として良く挙げられる要素について紹介していきます。こちらも同様に、様々な肉体的に楽な仕事の要素のうち、良く挙げられるものを抜粋して紹介していきます。
- デスクワークなど、肉体労働が少ない仕事
事務職など、机に座って行う仕事がメインであれば単純に肉体労働が少ないため身体の疲労はあまり感じません。座り仕事は運動不足になりやすいのが難点ですが、疲れないのは確かです。
- 仕事量や実績に対してノルマが課せられない仕事
精神的に楽な仕事の方でも挙げられました「ノルマ」ですが、もしノルマ達成が難しい場合は残業が多くなり、無理した仕事の進め方をすることもあります。これは精神的にもですが肉体的にも大きな負担がかかるため、ノルマがないことは身体のためにも楽になることが多いです。
- 残業がほとんど発生しない仕事
残業が多い=労働時間が長いということなので自分に使える時間が減ります。リフレッシュや睡眠時間が削られるのでだんだんと疲労がたまり、辛くなってきます。残業が無ければリフレッシュの時間も確保できますので、充実した状態で毎日仕事に向かうことが出来ますね。
- 有給が取りやすい職場環境
休みたいときに休めないのはストレスが溜まりますし、肉体的にも消耗します。会社によっては突然の体調不良などにも有給使用が認められるところや有給と別に病気休暇があるところもあるようです。休みたいときに休めるのは肉体的に非常にプラスな要素です。
- 公休通りに休むことが出来る仕事
小さい頃から生活リズムに刻まれている土日祝日の休みが休みでなくなるのは心理的にも嫌になりますし、決められた日に休めない不安定な休日では十分に身体を休めることが出来ません。カレンダー通りに規則正しく休日を取れることは心身の健康につながります。
精神的に楽な仕事はストレスフリーだがトラブルなどに対応できなくなる
精神的な楽な仕事のメリットはなんといっても「ストレスフリー」であることです。最近は精神的に追い込まれての「うつ病」や「自殺」なども問題となっていますが、このような環境では思い悩むことも少なく、精神的に健康な日々を送ることが出来るでしょう。
しかし、そういった職場環境はいわゆる「ぬるま湯」であるため、いざという時やトラブルが発生した時に対応できないようになります。そのため、例えば転職をせざるを得なく状況になった時に強みも何もなく苦労する危険性もあります。
一般的に精神的に楽な仕事は責任が発生しないような仕事であるため賃金も安くキャリアアップも見込めない職業であることが多いので、ぬるま湯に甘んじず、自己研鑽を怠らないようにすることが将来のために重要になります。
肉体的に楽な仕事は疲れないがキャリアアップが望めない場合が多い
肉体的に楽な仕事のメリットは「疲れない」ということです。疲れると自分のやりたいことが出来ない人も多いですが、疲れない仕事だと終業後に好きなことに力を注ぐことができ、豊かなライフスタイルを作りだすことが出来ます。
また、肉体的な負担がないとケガなどを起こす可能性も低くなるので医療費もかからなくなります。
デメリットとしては、キャリアアップにつながるような仕事があまりなく、ずっと現状維持のままである可能性があるということです。キャリアアップにつながるような仕事は仕事の質も量も大きく、残業することもあったり、肉体的にも疲弊する仕事もあったりします。なので、上昇志向がある人には楽な仕事は逆に辛い仕事になることがあるのです。
精神的・肉体的に楽な仕事って具体的にどんな職業?
単に「精神的に楽」「肉体的に楽」といっても、様々な要素があることが分かりました。独り暮らしの部屋を探す時のように、いろんな要素の中から自分が優先したい条件と職業のマッチングを行っていけばいいでしょう。
最後に、上記の楽な条件を踏まえたうえで、精神的・肉体的に楽であると言われている職業をそれぞれいくつか紹介していきます。もちろんどの職業も一長一短ありますので、あくまで参考にして頂ければと思います。
精神的に楽な仕事として挙げられる職業例5つ
- ルート営業
新規開拓の飛び込み営業は断られるのが前提なので精神的にきついものがありますが、ルート営業は既に取引がある人に挨拶回りを行っていくような仕事なので、断られることはほとんどありません。顧客に気を遣う場面は多いですが、精神的に楽な仕事です。
- 清掃業
駅やビルなどの清掃を行う業務で、基本的に1人で行う仕事です。行う作業も同じで誰かに指示されながら行う仕事ではないので、一人で淡々と自分のペースで仕事を行うことが出来ます。外的ストレスは非常に少ない仕事と言えますね。
- 倉庫作業
荷物の受け入れや入出荷などを確認する作業で、頭や体を使うことはあまりない仕事です。もちろん管理なのである程度の管理能力は必須ですし、荷物の配達ミスなどでトラブルに見舞われることもありますが、基本的には行う作業は同じことなので楽です。
- 事務作業
主な業務は資料作成やデータの入力など、パソコン上での単純作業です。誰かと協力しながら行う仕事でもないのでひとりで作業したい方には向いている仕事ですね。また、会社によりますが事務仕事は仕事量が少ないと言われており、定時に帰れることが多いです。簿記などの資格があれば転職が比較的容易であることも事務仕事の強みですね。
- 司書
司書は図書館という静かな環境で働くことが出来ます。お客様対応も本の貸し出し作業など単純なものが多く、クレームもほとんどありません。メインは事務作業なので頭を使うことも少なく、落ち着いて仕事が出来る職業のひとつです。
肉体的に楽な仕事として挙げられる職業例5つ
- ビルメンテナンス
最近「楽な仕事」として話題になっている仕事です。仕事内容はビルの修繕や保全がメインですがこのような業務は毎日起こるものではなく、基本的には電気やボイラーの管理や点検などのシンプルな業務が多いです。
時間を要する業務が少ないため空き時間が多いため自己研鑽の時間もありますし、基本的に24時間の仕事なので休日が非常に多いです。仕事も比較的楽でキャリアアップに費やす時間もあり休日も多く取れるという、話題になるのも納得のメリットが多い職業です。
- コールセンター
机に座ってお客様からの電話を待つ仕事です。クレーム対応などが大変な時もありますが、基本的には動き回ることもなくパソコンと電話だけで完結する仕事なので肉体的にはかなり楽です。短時間で時給の高い職業でもあるため人気は高いです。
- 大学職員
教授ではなく、大学の運営のために様々なサポートを行います。学生の相手をしたりすることもありますが基本的には事務仕事ですので最小限の人と関わるだけです。安定した職種で給料も比較的高く、残業もほとんどないので自分の時間も確保できます。
- 薬剤師
資格が必要となりますが、薬局やドラッグストアで働いている薬剤師は、長く働くことが出来る安定した仕事として良く挙げられます。仕事には特に体力もいらずノルマも発生しません。加えて年収も高い職業ですので、なるまでの道のりは長いですが薬剤師になれば非常に楽な仕事をすることが出来るでしょう。
- バスの運転手
普段私たちがよく使うバスの運転手も、基本的には決められた区間を走って、メンテナンスを行うという単純な作業です。安全に最大限気をつけるので精神的には疲れるかもしれませんが肉体的にはかなり楽な部類に入ります。空調もしっかりしていますし人と接することもありませんので精神的にも楽かもしれませんね。
自分にとっての「楽」を見つけることが楽な仕事を見つける近道
いかがでしたでしょうか?上記に挙げた職業はあくまで一例であります。人によっては上の職業でも辛いと思う仕事であることもあります。まずは自分がどのような面で楽になりたいかを見つめなおすことが、自分にとって楽な仕事を見つけ出す一番の近道になります。
楽な仕事に就きたい・転職したいという方は、本記事を参考にしながら今一度自分がどのように働きたいかを見直してみましょう。