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転職に失敗した?ベンチャー企業に転職して起こる失敗例3選

「これまで働いていた会社での業務にやりがいを感じない」、「自分にはもっと輝ける会社があるはず」。そういったことを考え、ベンチャー企業への転職を検討する方が増えています。ベンチャー企業というとなんとなく夢や希望があり、キラキラと働く姿を想像する方も多いのではないでしょうか。しかし、その輝かしいベンチャー企業への転職がある一方で、「ベンチャー企業に転職したからこそ、こんな失敗をした」というケースが多いのも事実です。今回はそんな失敗例を3つご紹介します。ベンチャー企業への転職を検討中の方はぜひご覧ください。

もくじ

失敗例1,輝けるイメージの裏で激務が続いてしまう

ベンチャー企業というと冒頭でもお話した通り、キラキラとしたイメージを持ってしまいがちです。これまでの世の中にはなかった先見性、革新的な事業、若くして独立した経営者の姿とその下で働く活発的な社員。それらが掲げる社風やビジョンには、どうしても夢や希望を感じてしまいがちです。特にいつも同じルーチンワークに疲れている方、古い考えに縛られた上司の下で苦労してきた方にとっては、このようなベンチャー企業がより輝いて見えるはずです。

しかし、その輝かしいイメージの裏では激務が続くこともしばしば。ベンチャー企業にとっては、経営が不安定のまま起業していたり、明らかな人員不足を各人の激務によって成り立たせていたりする場合があるのです。ただ、そんな経営の不安定さや激務は輝かしい外側のイメージで打ち消され、外に知らされていないことがあります。案の定、「入ってみたら辛い仕事続きで、夢も希望もない」と落胆する方も多くいらっしゃいます。

もちろん、起業当初は経営が不安定でも、段々と経営が安定し仕事の分量がちょうどよくなってくれば良いでしょう。しかしいつまで経っても状況が改善されず、小さな仕事ばかりを少数でこなすような自転車操業だと先行きは不安です。

失敗例2,これまでの会社と変わらない偽ベンチャーだった

ベンチャー企業に転職を考える理由として、「今までできなかった新しい事業をサポートしたい」、「従来の企業にはなかった空気感を味わいたい」、「自由な働き方でのびのびと働いてみたい」と考える方は多くいらっしゃるでしょう。しかし、そんな理想の裏では結局これまでの企業とは何の変哲もない「偽ベンチャー」のような企業が存在することも事実です。要は、転職サイトや転職エージェントにはいかにもベンチャー企業といった売り出し方をしておいて、人員だけを集めるような企業です。

当然、このような企業に転職してもベンチャー企業にあるような体験をすることはできません。むしろ期待して入った分、その理想と現実のギャップに苦しみ、転職したことを後悔し始めます。「聞いていた話とは違うのですが…」とも言いにくい雰囲気をつくられ、当初聞いていて期待していた新しい事業は、数ある事業のうちのほんの一部で、しかも広告塔でしかないような場合もあるのです。このようなことが起きないよう、転職する際は企業研究を徹底しなくてはなりません。

もちろん、こうした企業も当初はベンチャー企業ならではの特性を備えていたのかもしれません。しかし、立ち上げてから段々と経営や事業が安定してくるに連れ、新しい事業を生み出すことにリソースをさくよりも、軌道にのった事業をより安定・拡充させることにリソースをさく場合が増えてきます。結果、ベンチャー企業ではなくありふれた企業になってしまい、転職者との齟齬が起きてしまうのです。

失敗例3,ベンチャー企業の雰囲気が思っていたよりも苦手だった

ベンチャー企業で働かれている方は、そのすべてがそうではないにせよ、「明るく活発的」、「コミュニケーション能力に長けている」、「アイディアを生み出すことが得意」という性格の方が集まりやすい傾向にあります。ベンチャー企業はこれまでの世の中になかった事業を生み出したり、既存の事業を新たな視点で拡充したりすることが必要不可欠ですから、当然採用担当者もそういった能力を持ちそうな社員を雇おうとするからです。

しかし、ベンチャー企業に憧れ無事転職を果たせた方でも、「思っていたよりもベンチャー企業の雰囲気が苦手だった」、「自分は周りの社員とは性格が合わなかった」という方も多くいらっしゃいます。こういったミスマッチはベンチャー企業によってかなりの苦痛になります。一方はアイディアをどんどんと生み出し自ら行動しまくる社員、その一方は周りの雰囲気についていくことができず言われたことをこなすのに精一杯の社員。この両者の間に広がる溝はなかなか埋め難く、後者はやるせない気持ちにどんどんと苛まれていきます。

そのうちベンチャー企業に持っていた憧れも薄れ、段々と肉体的にも精神的にも疲れ果ててしまうのです。結果、「元々働いていた会社の方が自分に合っていた」となり、転職が失敗してしまうのです。

ベンチャー企業で失敗しないために徹底的な調査を

ベンチャー企業に転職をする際は、徹底的な調査を行わなくてはなりません。そのためには、下記のような方法が有効です。

  • 企業の公式サイトの確認
  • 企業の口コミの確認
  • IR情報の確認
  • 転職を考えているベンチャー企業と同じ業界にいる別のベンチャー企業との比較
  • 面接前の見学・インターンへの参加
  • その企業で働いたことがある方への聞き込み

これらを徹底することで、ベンチャー企業が持つ外見と内面でちぐはぐなことがないかどうか、そのベンチャー企業が身を置く業界の先行き、転職するにあたってのミスマッチの可能性の如何などがわかってきます。

ここで手を抜けばやはり元々描いていた理想像と現実のギャップを感じ、自分の性格や働き方と合わない部分が後から露呈することになります。転職は人生の分岐点であり、非常に大きなエネルギー消費を伴うものですから、失敗は避けたいところです。そのために上記の方法を徹底して行うようにし、最後まで自分のなかで不透明な部分を残さないようにしましょう。

また、「ベンチャー企業なのだからとりあえず入ってしまって、『郷に入れば郷に従え』くらいのラフさを持ち合わせろ」と考える方もいらっしゃいますが、これは危険です。ベンチャー企業とはいえ、社風が落ち着いているところもありますし、郷に入れば郷に従えが実践できず辞めたくなる方も大勢いらっしゃいます。転職に対して身軽なスタンスで臨むことは必要かもしれませんが、準備をする必要がないということではありません。入ることができても、会社の側から必要とされなくなる恐れもあるので注意しましょう。

ベンチャー企業への転職成功は入念な準備に秘訣あり

ベンチャー企業への転職を考える際は、入念な準備が必要不可欠です。この準備を怠ってしまうと、「入ってみるとかなりの激務だった」、「普通の会社と変わらなかった」、「自分の性格や希望とするスタイルと合わなかった」というミスマッチなどが起こりえます。こうしたことが起きれば、転職は失敗で損でしかありませんよね。ベンチャー企業に対しては夢と希望を抱きがちな方も多いですが、その実情を知ることへの努力や自分が本当に働きたい会社の理想像はしっかりと考えなくてはなりません。

転職することはあまり特別なことではなくなってきたものの、人生の分岐点にもなることは確かですからぜひ成功させられるように全力を尽くしていただければと思います。

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