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アメリカの働き方ってどうなの?日本との違いは?

皆さんは、「アメリカの働き方」と聞いてどのようなイメージをお持ちでしょうか?「休みが多そう」や「そこまで根詰めて働いてなさそう」といったイメージをお持ちの方もいるのではないでしょうか?近年、日本でも「働き方改革」という言葉を聞く機会が増えており、働き方が見直されつつあります。

その中で、アメリカなど海外の働き方は、私たち日本の会社がどのように「働き方改革」をしていくべきなのか?という方向性を示すものになるでしょう。また、ぼんやりとしたイメージだけではなく、働き方にどういった違いがあるのか?を明確に知る必要があります。そこで今回は、アメリカの働き方について、特徴を”5つ”紹介させていただきます

もくじ

アメリカの働き方で最も優先されるのは家族?

仕事において、実際にあなたが最も大切しているものは何でしょうか?仕事やクライアント、組織などの「仕事に関すること」ではないでしょうか?おそらく日本では、仕事を優先することが当たり前で、周りに合わせた優先順位を受け入れざるを得ない状況にあるかと思います。

しかしアメリカでは、その優先順位が日本とは大きく異なります。アメリカの働き方の中で、最も重要とされるのは「家族」です。アメリカで働く人々にとっては、会社での仕事は収入を得る「手段」であり、「目的」では決してありません。

仕事はあくまで収入を得る「手段」という働き方が主流

基本的にアメリカでは、仕事は収入を得る手段であり、日本のような「仕事=最も優先すべきことの1つ」という意識はあまりみられません。したがって、働き方もそれぞれの大切なものを優先しつつ、周りの協力を得ながら仕事を進めていく働き方が主流です。なので、仕事に対して優先順位を明確に決め、効率よく実行しようとする志向が強いのも特徴です。日本だと「残業しても良いから1つ1つ丁寧に」という志向が強いですが、アメリカは対照的な志向を持つと言えます。

「私用なんかよりも仕事を優先する」という働き方をしている方にとっては、なかなか信じ難い働き方なのではないでしょうか?この点は日本と大きく違う点の1つでもあり、人によって羨ましくも思える働き方であると言えるのではないでしょうか?

「家族>仕事」はアメリカでは当たり前の考え方

中でもアメリカでは、「家族」の優先順位がかなり高いのが特徴です。これは会社全体で共有されている価値観でもあり、上は社長から下は平社員まで同じ価値観のもと、仕事と向き合っています。例えば、家族のためにどうしても早く帰らなければいけない場合。日本だと「仕事優先で残業してしまい、結局予定に間に合わない」ということもあるかと思います。しかしアメリカでは、その日は定時退社をするように周りの協力を得ながら仕事を進めます。

アメリカには、「夕食を家族全員で食べる」という文化が根強くあります。その文化の影響もあり、夕方には仕事を終えて家族の元へ帰るのが当たり前になっているのです。私たち日本人はコミュニティに帰属する意識が強く、周りと価値観を近づけようとする傾向が強いです。一方アメリカでは、自身の価値観を大切にしつつ、お互いの価値観を尊重しあっていると言えるでしょう。

アメリカでは「産休・育休」の分野でかなり遅れている

アメリカは先進国の中で唯一、給与が支給される育児休暇が法的に保証されていない国でもあります。日本だと当たり前のようにある育休や産休ですが、アメリカではそういった制度が保証されておりません。企業によっては、有給での育休・産休を認めている会社もありますが、あくまで企業次第というのが現状です。

会社によっては、出産をした女性が休暇を取っている間、その女性への給与が支払われない状態となってしまいます。なので、経済的に余裕のない女性たちは、出産後すぐに職場へ復帰しなければならないのがアメリカの現状です。その一方で、日本でいう保育園や幼稚園のようなサービスは発達しています。ただ、料金は決して安いものでなく、結果的に経済的に余裕のない世帯は「仕事をこなしながらも、育児にも力を注いでいかなければならない」という状況になってしまっているのです。

「フリーランス」という働き方が急激に増えている

あなたは、「フリーランス」という働き方をご存知でしょうか?フリーランスとは、特定の企業や組織に所属せず、自身が持つ技能などを活かして仕事を請け負う働き方をする個人のことを指します。アメリカでは、そのフリーランスとして働く人々が急激に増え続けています。ある調査では、アメリカの全労働者のうちおよそ3人に1人がフリーランスとして仕事を請け負っているというデータも出ています。(※一方日本では、全労働者のおよそ6人に1人がフリーランスとして仕事を請け負っていると言われています。)

近年、インターネットの普及・成長により、個人の能力を活かしやすい環境が整いつつあります。日本ではまだまだ浸透しきっているとは言いにくい「フリーランス」という働き方ですが、アメリカではメジャーな働き方の1つとして認識されつつあるようです。

成果主義のアメリカ。成果が出ないとクビになる?

「仕事で成果が出せずにクビになった」と、日本ではあまり聞かないのではないでしょうか?もちろん、不祥事やリストラなど特殊なケースはあり得るかと思います。しかし、当人の能力や成果不足によって仕事をクビになることは少ないでしょう。しかし、アメリカにおいて「仕事で成果を出せない」ということは、自身の去就に大きく関わってくる問題となるのです。では、その評価制度の中で、アメリカで働く人々はどのようにして成果を残し続けているのでしょうか?

「成果=報酬」成績が悪ければクビになることも

日本ではよっぽどのことがない限り、会社をクビになることはないでしょう。しかしアメリカでは違います。もちろん、アメリカの中でも会社によって違うはずですが、「成果が出せないのであれば必要ない」という成果主義の働き方が多く見られるが事実です。

アメリカは基本的に成果主義であり、その成果に至るまでの過程はそれほど重視しません。成果に至る過程は、それぞれのやり方に任せる傾向が強いです。加えて、アメリカでは定時退社が基本ですので、最短の時間で最大の成果を出す必要があるのです。なので、アメリカでは仕事の優先順位を明らかにし、効率良く仕事に取り組む傾向があります。結果的に「無駄な仕事を極力なくしていく」という志向が強まり、仕事の重要な部分のみに多くの力を注ぐ働き方が主流のようです。

やるべきことだけやる、余計な仕事はしない「分業制」

また、アメリカではそれぞれが担当すべき仕事が明確に分けられている分業制も特徴として挙げられます。日本でいうところの「あの人の仕事が追いついていないから手伝おう」という風習が、アメリカではあまり見られないようです。それぞれの仕事が明確に分かれているため、自分の予定も立てやすく、その点では働きやすい環境であると言えます。この働き方には向き不向きはあるでしょうが、「自分の仕事は自分でなんとかしよう」という気持ちが働くのは間違いありません。

日本では、どうしても「組織のために力を合わせてみんなで頑張ろう」という風習が強いです。一方アメリカでは、短い時間で最大の結果を残さなければいけない環境だからこそ、限られた時間で結果を出し続けられる人材が生まれてくるのかもしれません。

アメリカでは有給休暇や祝日などの休みが意外と少ない

実はアメリカには、法的に義務付けられた有給休暇が存在しません。休み自体は取れるものの、その期間の給与を支払うかどうかはそれぞれの雇い主次第ということになります。会社によっては有給休暇を取り入れている会社もありますが、そういった会社に所属しているビジネスマンも、実際に消化したのは15日前後というデータもあります(支給日数の約80%)。

先進国の中には有給休暇消化率100%を誇る国もある中、この数字は決して高い数字とは言えないでしょう。アメリカでも、日本と同じように「休みが取りにくい」や「仕事を休んで評価が下がったらどうしよう」という考えからを持つ方も少なくないようです。このあたりがどう改善されていくのかは、有給休暇消化率が先進国の中でかなり低水準である、私たち日本の企業にとっても注目していきたいところです。また、アメリカは祝日が少ないのも特徴の1つです。例えば、日本だと18日間あるのに対して、アメリカは10日間と約半分の日数となっています。

 

まとめ

これまでアメリカの働き方の特徴について紹介しましたが、私たちが住む日本とはかなり異なることがわかっていただけましたでしょうか?また、一昔前のイメージとは異なる点や、意外にも発展や制度が遅れていると感じる点も少なからずあったかと思います。もちろんこの話は、良い悪いで測りかねる問題ではありますが、日本とアメリカでは働き方に大きな違いがあるのは間違いありません。これは、各々の国の文化や風習、国民性が大きく関わっている問題でもあります。

「日本人に合う働き方」というものが少なからずあるとは思いますが、「働き方改革」への取り組みが少しずつ進む日本にとって、アメリカや海外の働き方を知るということが必要になってくるのは間違いないでしょう。

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