終身雇用のため、多くの人が一生同じ会社で働いていた時代とは異なり、現在はいろんな働き方や雇用形態があります。働き方に関する考え方も、以前と共通の部分もあれば、現在ならではの部分もあり、どれが正しいとは一概に言えません。
今回は、働き方に関する複数の本を参考に、これからどういう働き方をしていったらよいのかを8つのポイントとしてまとめました。ぜひ、ご自分がこれから仕事をしていく上での、参考にしてみてください。
もくじ
働くとは、周りの人を楽にさせること
会社に入って働きだしたきっかけとしては、生活費を稼ぐため、どうしてもしたい仕事があるから、みんなが就職しているから、などいろんな理由があるかと思います
働くという言葉には、江戸時代に使われていた「傍(はた)を楽にさせる」という意味もあります。自分が働くことで、お客様や家族、職場の人、取引先などに喜んでもらえ、稼いだお金で社会貢献することで、それ以外の人々も喜ばすことができるという考え方です。
働くというと、ちょっと大変なイメージがあるかもしれません。しかし、人を助けて笑顔になってもらうことで、自分が人の役に立てるうれしさに気付き、やりがいを発見することができる、これが仕事の本質なのかもしれません。
自分ごととしてとらえると働くことは楽しい
入社した時に希望の部署につけないケースはあります。また、新入社員のうちは、上司や先輩のサポート的な仕事や簡単な作業がメインとなります。
そんな時に、もっと自分がしたい仕事ならば、やる気が出るのに、と与えられた仕事をただこなすだけでは、仕事は楽しくないかもしれません。しかし、例えばコピー取りならば、どうすれば効率的に終わらすことができるかを自分なりに考え、それがうまくいけば、達成感を感じることができます。
大量コピーをしながら他の作業を済ますことで、時間を無駄にしない工夫。ホッチキス止めの仕方がもし決まっていたとしても、止め方を変えることでコスト削減が図れるのではないか、と考え、それを実行するなど、単純作業もやり方によっては、自分なりに楽しみを発見することができます。
仕事をする際には、何のためにその仕事をするのか考え、能動的でなく自発的になることで、楽しくなります。また、そういうことを心がけていれば、そのがんばりを見ている人がいるはずです。与えられた仕事で結果を出せば、自分の希望する仕事を面談の際に言い続けることで異動できる可能性も高まるかもしれません。
創意工夫をして効率的に働いてみよう
仕事の中には、マニュアル通りに行う作業もありますが、個人の裁量でこうしたらよいのではないか、と考えて行う作業もあります。例えば、忙しくなった時になかなかできない作業を暇な時に先回りして行う、業務は自分がノリやすい仕事から片づけるなど。
ショートカットキーを使って入力の時間を短縮するなど、いつものやり方ではなく他の方法はないか常に考えることで、仕事を効率的に行うことができます。もし、創意工夫をしてみて失敗したら、自分なりに原因を究明することで、次回に活かすことができます。また、失敗することで、そのやり方でない案が浮かぶかもしれません。
会社に入ったばかりの時期は、職場に先入観がないため、一番その職場の問題点が把握しやすいです。会社に染まってしまうと、それが当たり前のことだと考えるようになってしまいます。新人だとその問題点はなかなか言いにくいので、メモをとっておいて、1年以上経った段階で見直し、もし問題がまだ残っていれば、改善を提案してみるのも良いかもしれません。
人の仕事の仕方を見てまねることで成長が早まる
入社したばかりで仕事の仕方がよくわからない時、目標とする職場の先輩を見つけ、コツやノウハウを盗むことで、自己流で行うよりも早く仕事を覚えることができます。
例えば、いつも上司からの依頼が直前にならないと届かない場合、仕事の内容を予測し、先回りして片付ける。完成度が100パーセントでなくても、納期(スピード)優先で提出する。依頼された仕事がどうしても終わりそうにない場合、上司に現状を報告して対策を考える、などの方法があります。
逆に、あまり参考にしたくない上司や先輩の行動を反面教師とし、自分はそういう仕事の仕方はしないようにしようと心がけることも、自分を成長させる上で重要なことかもしれません。
まねはしながらも、自分なりにもっと良い方法があるかなと試行錯誤することで、より仕事力は深まります。
仕事は自己実現の場でなく、人生の一部
仕事を人生の目的と考える方もいらっしゃるかと思いますが、ライスワークとライフワークという言葉もあるように、仕事は天職だけでなく、お金を稼ぐ手段でもあります。1日の3分の1を会社で過ごすとすれば、それ以外の時間は自分のものです。
仕事は真剣に行っても、自己実現の場や人生のすべてと考えなければ、職場で過ごす時間も気楽になります。もし、上司や先輩、同僚とあまりうまくいかなかったとしても、自分には友達・恋人・家族がいるし、仕事が終わった後には楽しみが待っている、と切り替えることもできます。
また、企業の場合、年に数回人事異動がありますので、上司や同僚が異動になる可能性もあります。新入社員も、3年くらい経つと、他の部署に異動になるケースが多いです。この関係は一生続くわけではないんだ、ということを知っているだけで、だいぶ気が軽くなるかもしれません。
職場のメンバーは家族や友達ではない
職場に仲が良い人がいない、気が合わない人だらけで困る、というケースもあるかもしれません。しかし、会社は仕事を行う場で友達を作る場ではない、と割り切れば、そういう感情に捕らわれずにすみます。
仕事をする上でコミュニケーションをとることは重要ですが、仲がそこまで良くなくても仕事をすることに支障はありません。ランチタイムなどはちょっと困るかもしれませんが、1人、または他部署の同期や他社の友人とランチすることで、リフレッシュできるというメリットもあります。
気が合わないので、会社の飲み会などもまったく参加しない、という方もいるかもしれません。もちろん、強制的な飲み会でなければ、参加するかしないかは自由です。しかし、飲み会に参加することで、上司や先輩の職場とは違った意外な素顔を発見し、苦手意識が消える可能性もあります。
「学ぶ」ことでいろんな価値を身に付けられる
学ぶ上で一番簡単な方法は、本を読むことです。先人の知恵を借りることで、自分の問題を解決したり、こういう方法があるんだと気付いたりすることができます。仕事とは関係ない分野の本を読むことで、ストレスを解消したり、多角的なものの見方ができるようになったりするかもしれません。
映画や演劇、美術、音楽などの芸術に触れたり、人気のホテルやレストランを利用したりすることで、一流の仕事術を知り、自分の仕事の参考にすることもできます。
お茶やピアノなどの習い事をすることで、段取りの重要さなどを身に付けることができたり、英会話を習うことで、欧米人の考え方への理解を深めたりすることもできるでしょう。
学ぶことに苦手意識を持つ方もいるかもしれませんが、自分の興味のある分野を選べば、自然と学ぶことに積極的に慣れるはずです。
ベストで仕事できるよう、自分の身体を大切に
体調がベストな状態で仕事するのと、いまいちの状態で仕事するのとでは、仕事の結果も違ってくるはず。ベストな状態で仕事するために、睡眠・食事・運動・趣味などは重要な位置を占めます。人それぞれ体質が異なるので、自分に合った健康法を見つけ出すことが重要です。
例えば、睡眠の質を高めるためにシャワーでなく風呂につかる、寝る1時間以上前からスマホやパソコンなどの電気機器を使わない、など。日曜日の夜に、翌日出社することを考えると憂鬱になる時は、日中に思いっきり運動して、身体を疲れさせるとぐっすり眠ることができます。
朝食を食べた後、腸の中をすっきりさせてから出社することで、脳の働きを高めることが可能に。朝が苦手な方は、前日の内に出社準備をすませることで、バタバタせずにすみます。
仕事の集中力を高めるために瞑想の習慣を持つ、失敗しても引きずらないために相談できる友達を持つ、など、自分なりのストレス解消法を見つけてみてください。
まとめ
職場の中でも、年代や経験、立場、その人の性格などによって働き方に関する考え方は異なります。仕事一筋や仕事が生きがいの人、誘われた飲み会は欠かさず参加するという人、仕事はきっちり行ってもつきあいは一切断るという人、など。
現在は、様々な人がいるため、働く上でのモデルを見つけることが難しい時代と言えるかもしれません。しかし、その反面、個人の裁量に任される部分が増えたので、多様な価値観が認められる自由な時代になった、とプラスにとらえることもできます。
働き方にはどれが正解で間違いかという明確な基準はないので、自分なりの方法を生み出していくしかありません。もし、他の人が働き方の助言をしたとしても、結局、責任を持つのは自分自身です。
人の意見は参考にしながらも、自分がストレスにならない働き方を見つけていってください。