職場の悩み

管理職必見!仕事が理解できない部下に対する3つの育成方法

管理職の人たちの大きな課題として後進の育成があります。自分たちの次に会社を支えていく人材を育てるのは管理職の人にとって重大な責務といえるでしょう。

しかし、仕事の習熟スピードは人によってさまざまです。新入社員のなかには1を聞いて10を知る人もいれば、10を伝えて1しか伝わらない人もいます。そして99%は後者ではないでしょうか。しかし、仕事をこなせるようになりマネージメント職としてのキャリアが長くなると、どうしても自分が仕事を必死に覚えていたときのことを忘れてしまいがちです。

そうなると「仕事ができない部下が理解できない。」という状態に陥ってしまい、部下への指導に悩むことになります。

今回は仕事をなかなか理解できない部下に対してどのような指導が効果的か、3つの方法を紹介します。

もくじ

仕事が理解できない部下は仕事の取り組み姿勢に問題がある

まず、仕事が理解できないのはどうしてなのか、という観点から原因を探っていく必要がありそうです。仕事が理解できないのは、部下の「頭の良さ」が原因というよりは、部下の「仕事の仕組みづくり」に原因があるのではないでしょうか?

仕組みづくりというのは、部下がある仕事を任されたときに、その仕事にどのように取り組むかのスケジューリングの方法ともいえるでしょう。

他の人と協力をしながら進める仕事。社会人として仕事そのものに慣れていない新入社員は往々にして、仕事の予測能力に欠けています。これは経験によって培う部分でもあるので致し方はありません。

しかし自分が行なったことによって生じる結果について考えないままに行動してしまうと社内だけでなく取引先にも迷惑をかけることになってしまいます。

仕事が理解できない時は自分にもあったことを思い出そう

管理職が、仕事ができない部下に共感しづらいのは、自分は長い経験から仕事の予測能力をすでに身につけているがために、「なぜ、そんなことが分からないのか。」という疑問を拭い去ることができないのです。

その仕事を何回もこなし、また有能な部下が同じ仕事をこなしているのを見てきた管理職からすれば、仕事が理解できない部下に対して厳しい言葉をぶつけてしまいがちです。

しかし、いちばん必要なのは共感力です。自分も仕事を1つ覚えるのに四苦八苦したり、周りのサポートを受けて成し遂げてきたことを思い出しましょう。

特に人間は自分は自分の過去を無意識に美化してしまうものです。そうした人本来の傾向も自覚することで部下への共感を抱きやすくなるはずです。

仕事が理解できない部下に仕事のどの部分に躓いているか聞いてあげよう

仕事が理解できない部下が質問をしてくるとき、「それを自分で考えるのが仕事だろう!」と突き放してしまうことはないでしょうか?

もちろん自分で試行錯誤しPDCAサイクルを繰り返すことで、人は少しずつ成長していきます。なので、自分で考えて、上司に頼らずとも問題解決してほしい、という気持ちも理解できます。

しかしながら、仕事が理解できない部下自身も大きな不安を抱えています。また、ミスをしてしまった時に、「どうしてそんなことを相談せずに進めたんだ。」と叱責を受けることも恐れています。

そういった心境から勇気を出して上司に質問をして、突き放すような回答を受けると部下は上司のことを信頼できなくなってしまいます。

最悪の場合、部下は「もうあの人の下ではやっていけない。」とダメ上司のレッテルを貼られてしまうかもしれません。

仕事が理解できない部下でも育成できる!すぐに使える3つの育成法とは?

それでは、仕事の理解が遅く、なかなか独り立ちできない部下の育成方法について考えてみましょう。誰しもが自分の成功体験と失敗体験に基づく思考パターンがあります。なので、「あいつはダメ。こいつもダメ。」と一人一人の能力に苦言を呈していてもきりがありません。

下記に紹介する方法はあくまで一例ですが、部下の性格に合わせて意識的に行っていくことで部下の仕事への取り組み方が変わっていくかもしれません。ぜひ、試してみてくださいね。

部下の取り組み姿勢を観察し「良い点」は褒め「悪い点」は指摘していこう

部下の育成に際して、特に心がけたいのは部下の人格にかかわる発言は極力避けるということです。さらにいうのであれば人同士のリスペクトを持って接する姿勢は非常に重要です。人間は自分が見下されていると感じると怒りや自己嫌悪の感情を抱きやすくなり、またその感情のどれもが仕事のパフォーマンスに悪い影響を与えます。

言及するのはあくまで仕事に対してのアプローチです。部下が指示通りに動かないというケースもよく耳にしますが、まずは型通りやることの大切さを説明する必要があります。部下からしたら機械のように言われたことをやるのは抵抗を感じますし、どうしても自分のくせが仕事に現れてしまいます。

「仕事に慣れてきたら自分なりの方法も提案してほしいが、まずは既存のやり方で指示したとおりにやってみてほしい。」ということを伝え、それができたら褒めることを心がけましょう。また悪い点であっても「〜するともっと良くなる。」と伝えかたに一工夫を。

管理職の成功体験を話して仕事を理解するためのプロセスを教えていこう

自らの成功体験や時には失敗体験を話すことで、仕事を客観的に見てもらうことも重要です。成功体験については単なる自慢話と取られないように、「私が伝えたいのはこういうことなんだよ。」とクロージングを考えておきましょう。

「仕事が理解できない。」というのはもちろん大きな問題ですが、逆にいうと「仕事が理解できる」状態になれば、あとはスキルと経験を積んでいくだけなので、ここがボトルネックなのです。仕事を理解すると、一口に言ってもそれはとてもハードルが高いことなのですね。

部下が新しい仕事に挑む時は仕事の出口が見えず、目先のあまり重要でないことに気を取られてしまうことが多いです。なので、自身の体験を語ることで自分が担当している仕事を俯瞰的に見てもらえるはずですよ。

優しさと厳しさの両面を使って教育していこう

スポーツの分野におけるコーチングがビジネス分野でも導入され久しいですが、大切なのは優しさと厳しさの使い分けです。とくに優しさに対しては鈍感に、厳しさに敏感になってしまうのは人間の本能によるものです。厳しさを出す場面は慎重に選ぶことが大切です。

かの小泉総理の息子である小泉進次郎氏は教育について「父親は自分が怒られると思ったことには怒らず、自分が怒られないだろうと思っていたことに怒った。」といった内容をTV番組で語ったことがあります。

自分が出来ていないことは仕事が理解できない部下自身も自覚をしていることでしょう。それに拍車をかけて厳しい叱責をするのは傷口に塩を塗るような行為。

逆に重要なことを重要視していない場面で注意を促すことがリーダーシップなのではないでしょうか。

仕事が理解できない部下は必ずいる!どんな部下がいても困らない組織運営とは?

さて、冒頭でも述べた通り、1を聞き10を知るタイプは非常に稀です。また、自分は周りの指示を察して若い時から仕事をしてきた、と感じる管理職ほど、自らの過去を美化し、自分ができていなかった時の時代を忘れがちです。

仕事は生まれつきできるものではありません。間違いなく外部の教育が必要になります。日本では企業が新入社員の教育を担っているのが一般的なので、仕事の向き合いかたなど基本的なところから教えるのはある意味では会社の義務と言えるでしょう。

だからこそ、組織で仕事が理解できるような仕組みづくりをしたいですね。

進捗度をみんなで共有!仕事の見える化で進捗を確認する

例えば仕事に苦手意識を感じている人がいれば、チーム化をするのも大切です。最近ではgoogleのサービスでオンライン上でそれぞれの仕事を共有することがとても簡単になりました。またチャットワークなどで仕事のタスク管理をするのも有効です。

面と向かって聞きにくいことはオンライン上で質問できるようにしておくのも有効でしょう。「直接話さないと質の良いコミュニケーションが取れない」と言っていても始まりません。

20代を始めとするミレニアム世代にとってはメールなど顔を合わせないコミュニケーションであっても関係を維持するツールとして活用されています。まずは互いの仕事を把握し、問題があればサポートできるような環境を最優先に整えてあげましょう。

仕事を属人化しない!2人体制で仕事を共有しよう

上に関連して、組織で仕事を行う際に避けたいのはある仕事を特定の人しか把握していない状況です。この状況のいちばんのリスクは問題の発見が遅れ、問題が表面化した時にはすでにかなり深刻化してしまうということです。これは完全に組織としてのシステム上の問題です。

管理職の人にとってはできるだけたくさんの人に仕事を任せて自分は統括に専念したい気持ちは分かりますが、かならず仕事の共有をさせることが大切です。自分が部下を直接みれない場合は中堅社員をメンターとして部下につけ、二人三脚で仕事を進めてもらうのが有効でしょう。

仕事を属人化してしまうことはミスの発見が遅れるだけでなく、不正の温床にもなりかねません。しっかりとケアをする必要があります。

まとめ

仕事の理解が遅く、なかなか独り立ちができない部下への指導方法について有効な方法を3つ紹介しました。いかがでしたでしょうか?

多くの人は自分が伝えたことは意図通り伝わっていると考えがちですが、指示を受け取る側からしたら、新しい情報が洪水のようにやってくるのでその整理に時間がかかってしまいます。だからこそ、できなくても当たり前、という姿勢で部下に接してあげることで、良い人間関係を作り上げることができるのではないでしょうか?

また部下が仕事を達成したときはこまめに褒めてあげることも忘れずに。そして厳しく注意をする必要がある場合はタイミングを慎重に選んで、相手の人格を否定せずに伝えてあげましょう。

 

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