プレゼントは相手に対して、何かをわかりやすく伝える技術です。
あなたが行うプレゼンは、伝えたいことをきちんと伝えられていると思いますか?わかりやすく誤解なく伝えるのはもちろんですが、相手の心に残せたと手応えを感じることはありますか?
プレゼンを聞く相手が面白いと感じるポイントはさまざまだと思いますが、興味を持ってもらえたなら面白いプレゼンだと言えるのではないでしょうか。ただ単に説明するだけではなく、今よりもっと聞く人を惹きつけるようなプレゼンにするためのポイントをしっかり押さえておきましょう。
もくじ
プレゼン前に準備しておくべきことは?
プレゼンを行う際にはどうしても不安や緊張はあると思います。ですがプレゼンをするためには、資料作成や話す内容を決めるのはもちろんですが、実際を想定した通し練習をしっかりしておくことが大切です。
実際に声に出した通し練習の繰り返しで、なめらかな話し方や時間の把握、資料表示のタイミングなどを把握できるようになります。しっかりした練習と準備はあなたの心に自信と余裕を与えてくれます。その上で初めて面白いと思ってもらえるプレゼンを意識していきましょう。
あなたが目指すゴールは何かを明確にする
あなたがプレゼンをする上で、どういう結果にたどり着きたいかというゴールを明確に定めておくことが大事です。なんのためにプレゼンをするのか、そこがはっきりとしていないとすべてが曖昧になってしまうでしょう。プレゼンが終わったあと、相手にあなたが思っている変化を起こせていれば、そのプレゼンは成功したと言えるはずです。
例えば、何かのアイディアや商品を知ってもらうことが目的なのか、それともあなたの意見に何かを感じてもらったり、考えてもらったりしてほしいのか、もしくは何らかの行動をとってほしいのか。あなたのプレゼンで相手が「こうなればいい」という結果をきちんと想定し、その結果にたどり着けるよう意識することを忘れずにいてください。
プレゼンを「聞く」人が求めている要求を満たす
あなたが想定したゴールが明確になったなら、そこに聞く人が求めているのは何かを考えます。プレゼンは一見あなたが主張するスピーチのようにも思えますが、実は聴衆との会話のようなやり取りと言えます。
限られた時間の中で、聴衆の心をつかみ、距離をいかに縮められるかが成功の鍵となります。あなたの自己満足で終わらないために、聴衆の興味や関心、問題や悩みなどできる限り想定してみましょう。
マーケティングで用いられる「ペルソナ」を用いて聴衆を相手してみるのも良いでしょう。何を求めているのか、どういう変化をしたいのか、できるだけ深く考えておきましょう。そうしてそれをしっかりと満たすことのできるメッセージを届けられるよう意識してみましょう。
プレゼンを作成する際に抑えておくべきポイントは?
プレゼンを行う内容は様々あります。商品を紹介するものや、企業の説明会、様々な研修や企画・運営会議など上げればキリがありません。しかしプレゼンにはいくつかの構成パターンがあります。
基本となるのは三部構成で、「イントロダクション・ボディ・クロージング」です。イントロダクションで聴衆を惹きつけ、内容を説明するボディを経て、クロージングで全体をまとめる流れをとっています。この構成中にポイントを入れて作成してみてください。
「なぜ」を効果的に使って期待感を高める
イントロダクション内で聞く人に対し「なぜ」という言葉で質問を投げかけます。これをきっかけにして聴衆の興味を引いてみましょう。突然の問いかけであろうと、つい回答を探してしまうのが人間です。自然と意識はあなたが意図する方向へと向けられるようになるでしょう。
同時に、聞かずにはいられないと感じさせる理由を話して引き込みましょう。聞かないと起こるであろう不利益を話すことで、興味と関心をひきつけ、聞こうという意欲をもたせます。
最初のイントロダクションで聴衆の気持ちをぐっと掴んで期待感を高めることができていれば、面白いと感じてもらえる第一段階はクリアと言えるでしょう。ボディ部分に入る前段階で聞く姿勢があるかないかでは、内容の理解度に大きな差ができてしまうからです。
時事問題や共通する興味を盛り込む
興味をより高めるためには事前の調査をして、年齢層や参加者の人数、関心事などのリサーチを事前にできる限りしておくと良いでしょう。
そしてプレゼン中、誰でも知っているような時事問題や、参加者の年齢層に共通する興味を引くネタを効果的に交えることも、聴衆を引きつけるために有効な手法です。小道具を用意して合わせて使うというのもおすすめです。
どんなに魅力的でもやはり暗闇の中、スライドだけでは徐々に飽きてきてしまう恐れがあります。視線を誘導し、小道具でちょっとした刺激を与えて意識を一瞬でも切り替えてもらえれば、いいリフレッシュになるでしょう。一部の聴衆を襲うちょっとした眠気も、退散してもらうことができるはずです。
特徴とともに相手へのメリットを明確に伝える
適度に興味をひきつけた上で、プレゼンの目的を達成すべく、特に伝えたい特徴とそのメリットを伝えます。どうなることができるのか、どういう得があるのか、なるべく最初の段階で明確に伝えましょう。このメリットによって聞く人が、もし自分だったらという想像をかきたてられ、さらにワクワクといった気持ちを持ってもらえることが大切です。
面白いと感じてもらえるためにもなるべく聴衆が明るいイメージで、良い未来を想像してもらえるように伝えます。プレゼン中にそのイメージをすでに実現しているかのように感じてもらえることができたなら、あなたのプレゼンは成功したと言っても差し支えないでしょう。
プレゼンの流れにストーリーを意識する
実際のプレゼン時に、目の前の相手がわかりやすくイメージできるよう、全体を一つのストーリーのように組み立てます。そのためには起承転結を意識して、内容にメリハリを意識しましょう。集中を切らすことなく、聞いている人の気持を惹きつけ続けるための工夫を所々に仕掛けることが必要です。
例えば音楽を活用したり、事例やお客様の声のような実際の体験談をくみこんだり、スライド内に文字情報だけでなく、図や表を多く活用したり、ときにチャートやグラフでポイントを注目させたりと、方法はいろいろあります。
また、実際の写真など使用すれば、視覚的な興味を引くこともできますし、そこに言葉を足すことで細かな部分をわかりやすく伝えることも可能になります。
一方通行にしないプレゼンを意識する
複数の人を前にプレゼンを行うことは、どうしても緊張してしまうかと思います。手はしっとりと汗をかき、心臓は早鐘のように高鳴り、最初の言葉は小さくかすれてしまうかもしれません。
しかし、プレゼンはスピーチではありません。あなたからの一方通行ではなく、聴衆と対話する意識を忘れないようにしましょう。呼びかけるように語りかけるように、話を進めましょう。
また、プレゼンではあなたがストーリーテラーのような役割を務め、スライドには簡潔な文字情報のみを記載します。長い文章はあなたの言葉で語り、注目してもらいたい大事なポイントだけを載せます。そうすることでただスライドを眺めるだけのプレゼンではなく、あなたの言葉でプレゼンを進めることができるでしょう。
まとめ
プレゼンはテクニックです。数をこなし、経験値を増やすことでより魅力的なプレゼンが可能になるでしょう。しかしいくつかのポイントに気をつけるだけでも、面白いと感じてもらえるプレゼンにすることもできるでしょう。
ときには時間がかかることもあるかもしれません。ですが自分なりの面白いプレゼン法を見つけて、形作っていくことが大切です。そして常に改良を意識し続けてください。どんなに美味しいものでもずっと食べ続けていれば飽きてしまうように、どんなに良いものでも同じままではいずれ飽きられてしまいます。
あなたが自分のプレゼンをより良く、より魅力的にしたいと考えるのであれば、できる限りさまざまなプレゼンに触れる機会を得てください。その体験があなたのプレゼンをより面白いと感じられるものへと近づけてくれるはずです。