ビジネススキル

職場のコミュニケーションを円滑にする!人間関係トレーニング

現代社会では、パーティションで区切られたり、ノマドワーカーが増えるなど、人と関わりながら仕事をする機会が減少しています。

だからこそ、職場のコミュニケーションを活発にして、職場の一人一人が満足して、そして内面で悩みを抱える社員を減らす工夫が必要です。

そこでここでは、職場のコミュニケーションを円滑にするための人間関係トレーニングをいくつか紹介します。

毎日充実した仕事をするためにも、円滑な人間関係は必要です。パソコンと向き合う前に、デスクを並べている隣の人と向き合い、関わっていくことで、自分も企業も成長できるはずです。

新卒に求められるのはコミュニケーション能力!

毎年企業が新卒に求める資質は少しずつ変化してきています。日本経済団体連合会が発表している新卒採用に関するアンケートでも、チャレンジ精神や、協調性が首位を占めていたこともありましたが、2017年には「コミュニケーション能力」が首位に躍り出ました。

企業としては、チャレンジ精神、誠実性、責任感などよりも、職場でうまくやっていける、社内・社外を問わずに上手に人と関わることができるコミュニケーション能力がある社員を求めているのです。

もちろん採用試験ではSPIやSCOAなどである程度の思考力は問われますが、同じような成績の新卒が並んだ場合、企業はコミュニケーション能力を重視して採用しているのです。

業績悪化にもつながる?コミュニケーションがとれていない職場の特徴

コミュニケーションなんてとれなくても、職場では仕事さえできていれば別に問題ないでしょ…と考える社員や上司もいます。

でも、企業の雰囲気を構成しているのは、実は社員間のコミュニケーションが占める割合が大きいのです。社外の人間が訪問してきた際、社員間の会話がなければ、暗い印象を与えてしまいます。

それだけではなく、仕事上のやりとりをする際にも、普段からのコミュニケーションが成立していなければ連携が取りにくくなってしまい、結果的に作業効率がダウンしてしまいます。

企業のことを考えても、そこで働く社員のことを考えても、職場のコミュニケーションは円滑にできて、風通しがよいことに越したことはありません。

職場のコミュニケーションを円滑にする人間関係トレーニング

コミュニケーションをとったほうがいいとはわかっていても、突然自分からプライベートのことを話しかけるなどの唐突なスタートをきると、「ただの空気の読めない人」と扱われてしまいます。

行動にうつす前に、職場のコミュニケーションを円滑にしようと思ったら、まずは自分自身の心のトレーニングから始めてみることをおすすめします。

自己分析がコミュニケーションの第一歩

あなたは自分のことをどれくらい知っていますか?自分はどんな人間か、あなたのことをまったく知らない人に説明するとしたら、どのように説明しますか?

就職活動をする中で、自己分析を行った人も多いでしょう。でも、就職してから変化した自分について、改めて分析してみたことはありますか?

もしかしたら、就職後に企業の中で変わっていった部分の中に、コミュニケーションがうまくとれない要素があるのかもしれません。

自分のことをよく知るために、まずは1枚のA4サイズ程度の白い紙を用意しましょう。その紙の中央に円を描き、「私」「〇〇(あなたの名前)」などを書きます。

次に、別に用意した同じくA4サイズ程度の白い紙に、あなたの態度や行動の特徴を表す言葉を思いつくままに挙げて書いてみましょう。

難しく感じる人は、次の用語を参考にしてください。自信がある、優柔不断、おおらか、計画的、素直、悲観的、怒りっぽい、孤独、八方美人、表情豊か、大胆、消極的。

これらの言葉を書いたら、言葉の周りをハサミやカッターで切りとり、「私」と書いた円の周りに置いてみましょう。置く時には、自分に近いものほど円の近くに、あまりピンと来ないものは円の遠くに配置してみましょう。

最後に、円の近くにある言葉、円の遠くにある言葉を見れば、あなたの自己像が見えてきます。円の近くにある言葉は、あなた自身を表す言葉であり、円の遠くにある言葉は、あなたがなりたいけどなれない自分か、自分の中で好きになれない自分です。

自分の人間関係の築き方に気づく!人との関り方を振返るトレーニング

あなたがこれまで関わってきた人の中で、最も長い付き合いをしているのは、どんな人ですか?ほとんどの人は「家族」と答えるでしょう。

では、その家族を除いた人間関係で、最も長い期間続いている人間関係はあるでしょうか。実は人間関係は、最初の人間関係の形成も大切ですが、つくった人間関係を維持するほうがよりたくさんのコスト(労力)がかかるものです。

まずはあなたが人と関わってきたなかで、「同質」「異質」を感じた場面を思い出して、メモ帳などに書きとめてみてください。

そして、その経験はあなたにどんなことをもたらしたか、考えてみましょう。たとえば同じ趣味の友人と知り合って「同質」を感じた、テンションまったく違う大学のサークルメンバーと知り合って「異質」を感じた…ということです。

この「同質」「異質」を振り返ることで、自分の人間関係の得意・不得意がわかります。人は異質だと感じると、自然と自分から遠のけるような心の仕組みがあります。

異質だと考えている人との関係をあえて持ってみることで、新しい職場のコミュニケーションが生まれるでしょう。

コミュニケーション上手は聞き上手!7:3で聞き役になるトレーニング

コミュニケーションが上手だと言われる人の特徴は、自分が話し手になるよりも聞き手にまわるほうが多いということです。

バランスでいうと、7:3で聴く・話すということを意識するとよいでしょう。「聴いてほしい」「話したい」と思っている人は、案外多いものです。

向こうから話しかけてきた場合は、職場での地位や業務内容にもよりますが、特に聞き手に回りましょう。

職場では、役職につけばつくほど部下との関わりが薄いことを気にしている人がいます。そのようなリーダーと話す際にも、「最近どうですか?」などの当たり障りのないところから話しかけて、相手の言い分をよく聴きます。

その際は「それはどうしてですか?」「そうなる前はどうだったんですか?」など、相手の話を掘り下げるための促しをすると、相手は気持ちよく話します。そういったコミュニケーションを繰り返しているうちに、相手からあなたへの親近感は日々上がっていき、普段の職場でのコミュニケーションもより円滑になるでしょう。

ネガティブに受け取られない言葉選びが大切!言葉のレベルトレーニング

アメリカの言語学者Hayakawa(1985)によると、言葉には3つのレベルがあります。3つのレベルは、「事実」「推論」「断定」であり、これらはコミュニケーションに大きな影響を与えます。

たとえば、次の3つの文章を見て、「事実(本当に起こったこと」「推論(自分がそうだろうと推測したこと)」「断定(自分が決めつけたこと)」のどれに該当するか、考えてみてください。

  1. 田中さんは、昨日遅くまで残業していたに違いない。
  2. 田中さんは、会議に5分遅刻した。
  3. 田中さんは、不真面目な社員だ。

答えは、1=推論、2=事実、3=断定です。人からきく他者の評価には、この事実・推論・断定の要素がごちゃ混ぜに入っていて、人物評価を大きく歪めます。

話し手にとっては田中さんは不真面目だけど、あなたが見たら田中さんの違う面を見て、真面目だと思うかもしれません。相手の印象を決めつける言葉を意識せずに使うと、人間関係にすれ違いが生じます。

こういったコミュニケーションのすれ違いをなくすためにも、自分や他者が使っている3つの言葉の要素を意識することが大切です。

職場のコミュニケーションが円滑な企業の取り組みとは?

職場のコミュニケーションを円滑にするには、既にコミュニケーションが良好な企業の模倣をしてみるという方法もあります。

実際、職場のコミュニケーション改善のために、いくつかの企業が以下のような面白い取り組みをしています。

料理を介して職場のコミュニケーションを図る

料理レシピで有名なクックパッド株式会社では、社員食堂に30人~40人が一度に調理可能なキッチンが設置されています。このキッチンで自社が制作しているサイト、クックパッドからレシピを選択して、実際に昼食を調理しています。

料理という共同作業の中で、作業の分担、作業中のプライベートな会話など、料理を中心に職場のコミュニケーションが活発になるのです。

料理で使う食材や飲み物はすべて会社持ちですから、社員たちは純粋に料理と会話を楽しむ時間を共有することで、食事中のコミュニケーションも促進されています。

毎日席替えを行って幅広くコミュニケーションをとる

ポテトチップスなどでおなじみのカルビー株式会社では、毎日席替えを行うことで、社内のさまざまな人とのコミュニケーションがとれるような取り組みがされています。

席替えは自分の好きな人とばかり隣席してしまうとコミュニケーションの改善にならないため、コンピュータが無作為に選んだ席に移動するようになっています。

上司・部下などの上下関係もない席替えなので、意外な人とのコミュニケーションが生まれたり、年の差のある社員との会話も生まれるため、職場全体、ひいては企業全体のコミュニケーションが円滑になるでしょう。

まとめ

職場のコミュニケーションが滞っている場合、その職場は閉鎖的だったり、業務に必要な声掛けもできずに、結果としてコミュニケーションが業務にネガティブな影響を及ぼしてしまいます。

既にこのような状況にある場合、状況を変えるためには「柔軟な発想」と「コミュニケーションのあり方を変える勇気」が必要です。

コミュニケーションを「個人レベルで」円滑にするには、自分を振り返り、聞き上手になるためのトレーニングを行うなどの方法があります。

それに加え「企業レベルで」円滑にするには、社員が協力して料理する、毎日席替えをする他、歩きながらミーティングしたり、一緒にアイスクリームを食べながら(アイスブレイクの行動化)話し合う時間を設けるなどの、少し変わった取り組みも効果的です。

職場のコミュニケーションのあり方を変えようと思ったら、これらの努力・コストを惜しまないことも大切なのです。

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