ビジネスの現場においてはさまざまなシーンで、人と話す機会があります。一対一の場合や一対・大人数の場合、そして複数・対・複数などがあります。そのようなときに、いかに相手に好印象を持ってもらえるかが重要ですが、その中の要素に「話し方」があります。話の内容や提案・アドバイスだけではなく、話すときの方法も気を付けるとより交渉も有利になるでしょう。
今回は、「相手に対して話すときに好印象になる話し方」について詳しく解説していきます。好印象を与える要素とポイント、そしてより話すスキルを高める対策と方法などについてチェックしてみましょう。
もくじ
相手に好印象を与える要素にはどのようなものがあるの?
話しときいていても感じがいいなと思う人と、あまり好印象ではないなという人がいますが、これらはどのような要素があるのでしょうか。話をするときは、意識している部分と無意識で行動している部分があります。これらを上手に利用して、有効に使っていくためにはまずは、その要素を知っておく必要があると言えるでしょう。
好印象を与える要素には、外見の全体から受ける印象・声の質やテンポ・そして話の内容を長さ、の3つが大切になってきます。それぞれについて、詳しくみていきましょう。
話で大きな印象を与える要素は「外見」
大勢の人の前で話をしたり、一対一で話す場合において最も大きいインパクトを与えて、印象に残る要素とは、実は目から入る情報と言われています。これはコミュニケーション学でも検証されています。つまり第一印象、特に外見はとても大切といえます。
外見とは、服装や髪型に清潔感があるか常識外れではないか、また女性の場合はメイクがきちんとされているか、そして派手すぎてはいないか、など目に見える箇所から与える印象がかなり大きいのです。
よって話をするときには、その話の中身だけでなく身だしなみや髪や肌のお手入れにまで気を使って、マナー違反になっていないかどうかをまずチェックしてみましょう。
話す声の大きさや質・テンポや聞きやすさも重要
目から入る情報の次に重要なことは、聞き手側の耳に入る情報についてです。耳に情報入る情報とは、話の内容そのものだけでなく声の大きさや聞きやすい声の質、そして心地よい声の高さやテンポの良さなども入ります。より好印象を持ってもらうためには、これらの「声」についても気を使っていきたいものです。
声はTPOによってその大きさや高さなども、いろいろ変えてみることが必要です。例えば、広いホールのような場所では、声が通るように大きな声で話さなければなりません。一番後ろの席に座っている人まで届く大きさの声が必須です。一方で一人の人と話をするときには、大きな声で話すことは望ましくありません。ここではハキハキと滑舌よく話す、という具合に変化が必要です。
話そのものの内容と長さ、構成にも注意する
そして、もちろん切っては切れないことは話す内容に関してのことです。印象として残る割合が外見や身振り手振り、声の質などと比べると少ない、と言われています。しかし何をどのように話すのかということは、やはりとても大事な要素です。肝心の話がまとめられないと、せっかく他の部分で好印象の評価をしてもらったとしても、話の中身が伝わらないと意味がありませんね。
話の内容は、一文ずつが長くなりすぎないようにしましょう。そして全体の話の長さ自体も、コンパクトに長くならないように心がけていくことが大切です。これは、一文が長いと意図することが理解してもらいにくいからです。そして全体の話が長いと、人は飽きてしまうものだからです。また、文章の構成にも気を使って、起承転結を意識して話しましょう。
社会人らしい丁寧な言葉遣いを心がける
社会人になっていからは、人前で話す機会がそれまでの学生時代よりも断然増えることでしょう。いくら新人(新入社員)だからといっても、顧客や取引先にはそれは通じません。また社内においでも新人のフレッシュさを残しながらも丁寧で社会人として恥ずかしくない言葉使いが求められます。また、メールや手紙と違った丁寧語や敬語の表現も理解しておき、使い分ける適応力も大事といえるでしょう。
言葉遣いに関しては、学生が良く使うよう「ヤバい」「マジで」「ウザい」などの言葉は使うべきではない言葉です。しかし日常生活で、このような言葉を連続して使っている場合、仕事先でもふとした瞬間に言葉が出てきてしまうものです。この対策としては、毎日意識して丁寧語や敬語を発生して言葉にしてみる方法です。自分の発生を耳からも聞くことで、記憶の中にインプットされます。
声にメリハリを付けて抑揚をつけて話す
人に話をするときは、大勢の人に向かって話すときと少人数や一対一の場面とでは若干その有効な方法が違います。ハキハキと滑舌よく話すということに関しては同じですが、大勢の人の前では、話がダラダラと一辺倒にならないようにすべきなのです。そこでおすすめしたい方法が、声にメリハリとつけて話すことです。強調したい言葉を大きく少しゆっくりと話す、という工夫をしてみましょう。また、その時に身振り手振りを加えてもいいですね。
一方、少人数の中で話をするときは、大きすぎる声はかえってその場に合わないことがあります。この場合には強調したいときに、ゆっくり目に話し、相手の目を見るという目線を有効に使いメリハリをつけるとよいでしょう。
相手の話をじっくり聞いてから自分が話す
会議や研修会、発表の場、交渉・議論の場などビジネスにおいては、さまざま相手対して発信する場面があります。自分が壇上に上がってひたすら話す場面を除くと、ほぼ全てのシーンでは相手と会話を交わしながらコミュニケーションをとる形式です。
このことから、相手との円滑な会話を交わして、スムーズに物事を運ぶ必要があります。コミュニケーションで大切なことは、まずは相手の話をじっくりと聞くということです。途中で遮ったり早々と自分の話を始めてはいけません。
そして相手の話の最中に、相槌をきちんととることも心がけましょう。ただ黙って聞いているだけでは、話している相手は、本当に自分の話を聞いているのだろうか?と疑問に思うことでしょう。
話の最中には必ず相手の目を見て話す
そして最も大切なことといっても過言ではないことですが、話している最中には相手の目を見て話すということも心がけましょう。人は緊張すると、どうしても目線が泳ぎがちです。また目線が下になってしまう人もいますが、これでは自分の伝えたいことがしっかり伝わりません。話の最中は必ず、満遍なく聞き手の人に視線を送り、一対一では相手の目を見て話すということが、必須なのです。
またその際に気を付けたいことは、一対一の場合はあまりにもずっと相手の目を見過ぎないということです。人は目だけを凝視されると、かなりの圧迫感を感じて逃げ出したいという心理になるのです。話の最中は鼻や顔周辺に視線を置き、ポイントポイントでしっかり目を見るという工夫をしましょう。
主語と述語を離し過ぎずにして簡潔に話す
聞き手側から考えると、話の内容が分かりにくい話し方は、主語と述語があまりにも離れすぎていて、結局何が言いたいのかが理解できない、などと言われています。日本語の文法は主語と述語の間に、いろいろな言葉を挟むことができる言語です。これは使う側にとっては便利でもあることなのですが、聞き手にとっては文の最後まで聞かないと、YesかNoかが分からない原因にもなっているのです。
話し手が気を付けるべきことは、聞きにくさと誤解を避けるためにも、なるべく一つの文章の長さをシンプルに短くするようにすることです。そのことで、聞き手が聞きやすくなるので、結果として「分かりやすくなり好印象を持つ」という結果に繋がります。
まとめ
ここまでの内容では、「話し方によって聞き手が受ける印象が変化する」ことと、「好印象になるための話し方のポイントや注意事項」などについてさまざま取り上げてきました。いかがでしたでしょうか?同じ内容のスピーチをする場合でも、ほんの少しの心がけや気配りで好印象にも悪い印象にもなるという事実があります。このことを把握していると、事前に練習をしておくこともでき、より好印象になる話し方ができます。
今まで自分自身の話し方に対して、不安があったり苦手意識があった人は是非実行してみてはいかがでしょうか。今回ご紹介した要素を理解して対策方法を実践すると、自分なりの話し方のコツが見つけられると思います。話し方でより好印象を持ってもらえる未来を目指しましょう。