ビジネススキル

トップコンサルも問題解決に活用!イシューツリー作成の3つのコツ

問題解決を効果的に行うためのツールに、イシューツリーというのがあるのを、ご存知でしょうか?

世界的に有名なコンサルティングファームで活躍するコンサルタントたちも必需品としているツールです。

イシューツリーを使うことで、問題をスムーズに整理することができ、また、多数の人たちの間で問題を共有するのにもとても便利なツールです。

今回は、スムーズな問題解決に役立つイシューツリーの基本から、作成のコツまでご紹介していきます。

もくじ

最初に知っておきたいイシューツリーの基本は?

イシューツリーを問題解決に活用するために、まずはイシューツリーがどういうものなのかを理解しておく必要があります。

それが何なのかも分かっていないものを使いこなすことはできないので、最初に簡単にイシューツリー自体が何なのかについてご説明しておきます。

少し難しそうな印象を受けるかもしれませんが、難しい内容ではありませんので、身構えずに読んでみてください。

では、さっそくイシューツリー自体の説明をしていきます。

イシューツリーはロジックツリーの一種

イシューツリーを理解するためにはロジックツリーの存在を知っておく必要があります。

なぜなら、イシューツリーというのは、ロジックツリーを応用したものだからです。

ロジックツリーというのは、ある事象を正確に捉えるために、その構成要素をツリー状に分解していくものです。

例えば、利益の増大という問題があった場合に、漠然と考えていても打ち手は思い付きません。

ですが、利益というのが、売上と費用で構成されるというのが分かれば、売上を増やす施策か、もしくは費用を減らす施策を行えば良いというのが分かります。

物事を分解してシンプルに考えられるようにするツールがロジックツリーで、それを仮説と検証を行うために特化したものがイシューツリーです。

イシューツリーの活用が効果を発揮する場面

次に、どんな時に作るのが良いのか、イシューツリーを作ることが効果的な場面についてご説明します。

イシューツリーというのは、明確な解決方法が見つかっていない課題に取り組む時に課題を分解していき、それぞれに解決方法の仮説を立て、それらを1つずつ分析・検証していくという使い方をします。

正解が無い、もしくは過去に対応したことがなく、どう解決していけば良いのかが明確に見えていない場合に、仮説をベースに問題解決を図っていこうとしている時にイシューツリーは効果を発揮します。

各イシューがMECEであることが絶対ルール

イシューツリーを作成する時に必ず知っておきたい絶対ルールがあります。

それは、各イシューがMECEになっていることです。

MECEとは、Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの頭文字を取った略語で、日本語で言うと、『漏れなく、ダブりなく』という意味です。

例えば、高校生を分解する時に、『1年生、2年生、3年生』という分け方はMECEになっていますが、『野球部、サッカー部、バレー部・・・』という分け方はMECEになりません。

なぜなら、この分け方だと部活に入っていない学生が漏れますし、野球部とサッカー部を兼任している生徒はダブりが発生するからです。

イシューツリーではそれぞれの要素がMECEになるように分割することが重要です。

問題解決に繋がるイシューツリーの作り方は?

それでは、イシューツリーの具体的な作り方の説明をしていきます。

イシューツリーの作成方法はとてもシンプルな2ステップのみで、本当に誰にでも簡単に出来ます。ただ、多くの人はイシューツリー自体の存在を知らないか、もしくは、言葉のイメージからなんとなく難しそうに感じてしまっていて使っていないのかです。

ここでは、問題解決に繋がる具体的なイシューツリーの作り方を知って、実際に効果的なイシューツリーを作れるようになりましょう。

全体を方向付けるメインイシューを設定する

イシューツリーを作成する時の最初で最大のポイントが、メインイシューに何を設定するのか、という点です。

要するにツリーの最上位に当たる部分を決めることです。

先ほどの例で言うと『利益の増大』という部分ですね。

このメインイシューをもとに分解していくため、ここが的外れなものになっていたとしたら、そこを起点に分解したものも当然的外れなものになってしまいます。

ですので、イシューツリーを作成する時は、最初のメインイシューを定義する部分に重点を置いてしっかりと検討し、決めるようにしましょう。

逆にここさえバシッと決めることが出来れば、あとは比較的スムーズに進むことができます。

メインイシューをサブイシューに分解していく

メインイシューが決まったら、今度はそれをサブイシューに分解していきます。

『利益の増大』というメインイシューに対して、『売上アップ』と『コスト削減』に分けるというような形です。

ここでのポイントは、先ほどもお話した通り、MECEになっていることです。

それぞれのイシューがMECEになるような切り口で分解していきます。

1階層だけでは不十分だと感じる場合には、分解したサブイシューをさらにMECEになるように分解します。

最下層まで分解することが出来たら、これらのサブイシューごとに仮説を立てていきます。

この仮説の単位で検証をしていく形になります。

問題解決にイシューツリーを作成するメリットは?

今回、問題解決のためのツールの1つとしてイシューツリーをご紹介していますが、イシューツリーを作らないと問題解決が出来ないというわけでは、もちろんありません。

実際に、イシューツリーを知らずに問題解決している人はたくさんいますよね。

ですが、イシューツリーを作成することでメリットがあるから問題解決の際にイシューツリーを作成することをオススメしています。

ここでは、問題解決の際にイシューツリーを作ることでどんなメリットがあるのかをご説明したいと思います。

メンバー間で共通認識を持つことが出来る

自分1人が関係する問題であれば、自分だけがその問題を把握しておけば良いのですが、会社の同僚やプロジェクトチームのメンバーなど複数の人たちで問題解決に当たることも多いでしょう。

そのような時に出てくる課題は、その問題に対する認識に差異が発生することです。

同じ方向に向かっているように見えて、全員がバラバラに前に進んでいることはとても多いのではないでしょうか?

そのような状態を防ぐためにもイシューツリーが活躍します。

イシューツリーをメンバー間で共有することで、問題への共通認識を持つことが容易になります。

対応すべきものの優先順位を付けやすくなる

イシューツリーを作成する2つ目のメリットは、優先順位が付けやすくなるという点です。

大きな問題のまま認識していると、そのレベル感での対応策を出さざるを得ません。

ですが、本当はさらに分解して必要なもの、不要なものを選り分けることが出来れば、もっとスムーズに問題解決が前に進むかもしれません。

この優先順位をつけることにもイシューツリーは効果を発揮します。

ビジネスは時間との勝負でもありますので、ぜひイシューツリーを作って効果が見込めるところから対応できるようにしましょう。

イシューツリーを作成する3つのコツは?

ここまでで、イシューツリーの基本から作り方、作成するメリットをご説明しました。

最後に、問題解決のためのイシューツリーを作成する時の3つのコツについて書いていきます。

イシューツリーというものがどんなものなのか、頭で分かっていてもいざ作ってみると思ったようにいかない時がよくあります。

ですので、今回読んで作成のコツをなんとなく把握していただいて、実際に作成する機会に改めてこの部分を読み直してみてください。

できるだけ短く分かりやすい言葉を使って書く

イシューツリーというのは、図解の技術でもあるので、パッと見た時に全体像が見えるようになっていることが望ましいです。

複雑な問題を解決しないといけない場合には、階層も深くなって一目で見渡せないような大きさになってしまうこともあります。

1つ1つのイシューを出来るだけ短く分かりやすい言葉を使って書くようにしましょう。

図にするメリットは視覚的に分かりやすく出来ることなので、そこに長々と文章を書いてしまっては、その良さが損なわれてしまいます。

結果を何らかの形で測定できるものをイシューとする

イシューツリーを使ってやりたいことは、問題に対する仮説を立てて、それを検証していくことです。

つまり、ただ分解すれば良いという話ではなく、それぞれのイシューを解決することで問題が解決できるのかが大切です。

ですので、せっかく作った仮説が正しいのかどうかがいつまで経っても分からない、というのでは困るわけです。

ですので、イシューとして設定するものは、何らかの形で結果を測定できるものになるようにしましょう。

行き詰まりを感じたらゼロベースで作り直しも検討する

今までに対応したことが無い問題を解決しようとしているので、何がキーファクターなのかを見誤ることも少なくはありません。

イシューツリーを作成していて、行き詰まりを感じてしまった時は、もったい無いと感じるかもしれませんが、ゼロベースから作り直すことも検討しましょう。

ここで思い切って損切りが出来るかどうかで、その先の問題解決が実現できるかにも影響します。

場合によってはそういう判断もあり得るということは頭に入れておきましょう。

まとめ

今回はイシューツリーについて書きましたが、いかがでしたでしょうか?

なんとなく言葉のイメージで難しそうだと感じていた方もいらっしゃるかもしれませんが、今回の記事を読んで、自分にも出来そうだと思っていただけたら嬉しい限りです。

複雑な問題であればあるほど、問題自体の整理をすることが大切になります。

そのツールとしてイシューツリーは便利で優秀なものですので、ぜひ、読んだだけで終わらずに実際に使ってみてください。

使えば使うほど、きっとスムーズに使えるようになり、あなたにとって強力な武器になってくれるはずです。

あわせて読みたい!