ビジネススキル

会話力トレーニングはビジネスの好循環を生む

会話力とはどんなスキルでしょう? 会話力はコミュニケーションを高めるスキルの一つで、昨今は身だしなみの一つとして、オンでもオフでも注目されています。

会話力をトレーニングして磨き上げれば、社内でのコミュニケーションや、得意先との営業活動など多くのビジネスシーンにおいて、これまで以上にスムーズな展開が期待できるかもしれません。

ここでは、会話力が求められている理由、会話力をアップするとどんなメリットがあるのか、そして、会話力を上げるトレーニング方法について紹介していきます。

もくじ

なぜ会話力が求められるの?

会話力と聞いて、どんなことを思い浮かべますか? おしゃべりが上手、調子がいい…など、話し方のテクニックと思っている人も多いかもしれません。ところが、会話力は話すテクニックだけではありません。

会話力は、相手と良い関係を築くためのコミュニケーションを高めるスキルの一つです。会話のキャッチボールをスムーズにしたり、話した後に心地よい印象を相手に与えたりするなど、双方にとって良い関係がつくれることが会話力のもつ力です。

このため、ビジネスでも有効に使っていこうと、会話力をトレーニングする人も増えているのです。

コミュニケーションを円滑に自らの印象を良くする

会話力はビジネスマンから注目されているスキル。それはなぜでしょうか?

多くのビジネスシーンは会話によって成り立っています。業務の報告や会議、顧客との打ち合わせや対応など、どれも会話で進められています。人と人が顔を合わせて進める会議や打ち合わせには会話が欠かせません。

相手と気持ちよくコミュニケーションをとり、お互いの意見や主張をやり取りするには会話力が必要で、会話力をもつことはビジネスにおいて、おおいにメリットがあります。

また、会話力は、話す人の印象にも大きく影響します。つまり、会話力が上がれば、自分の印象がぐっと良くなるのです。

例えば、「あの人と話したら、なんだかすっきりした」「話が分かりやすかった」「熱心に語る人だ」など、多くの場合、会話による経験からどんな人物か判断しています。極端な言い方をすれば、内容よりも、会話のやりとりやその人の雰囲気などが印象として残りやすいのでしょう。

相手が「この人は感じのいい人だ」と判断してくれたなら、コミュニケーションもとりやすくなり、自分と相手との心理的な距離も縮まるのです。

 

会話力トレーニングのポイントは?

それでは、会話力を上げたいと思った時に、どんなトレーニングをしたらいいのでしょう?

会話力はレッスン方法が体系として確立されているわけではありませんから、いろいろな情報をもとに、自分に合った方法を見つけましょう。

トレーニングでポイントとなるのは、会話力の骨格をなす、聞き方、話し方、表情という3つの基本的要素を磨き上げることです。このほか、話す相手に対する思いやりなども意識しておきたいことです。

また、会話力は一朝一夕で身につくものではありません。まずは、身近な人との会話を意識してみたり、実際にやってみたりすることです。自分の声や話し方が気になる人は、録音や録画をして確認してみるのも、トレーニングになるでしょう。

会話力のポイントは聞き方、話し方、表情の3点

会話力を構成するのは、聞き方、話し方、表情の3つ。話す内容はもちろんですが、それと同じくらいに、聞く姿勢、話し方、見た目による印象が強いのです。会話力を上げるには、この3つをバランスよく意識していくことが近道かもしれません。

表情で意識するのは、ファーストインプレッションです。会話の場に合わせたスタイルで訪れ、爽やかな笑顔で挨拶をすること。話している最中も、姿勢を正して会話に集中し、相手に視線を向けます。相手の目から少しはずして、あごや眉毛あたりを見るようにします。

聞き方では、相手の話にタイミングよく頷き、その内容をふまえて質問をするといいでしょう。的確な質問は「私の話を聞いてくれている」というメッセージにもなり、相手に伝わります。

話し方では、話すスピードや声のトーンを状況に合わせて調整します。例えば、話す時は、聞く人が内容を理解しやすいスピードを心がけてみましょう。まずは3つの要素を意識していくことで会話力も上がってくるはずです。

会話力で相手との心地よい距離感をつかむ

初めて会う人やその人が目上であったりすると、誰でも緊張するものです。また逆に、相手が自分に対して警戒心を抱いていることもあります。このような状況だと、コミュニケーションが上手くとれず、本音で話すことができません。その結果、ビジネスが上手く進まないこともあるでしょう。

会話力を意識するなら、まずは、自分と相手の緊張感を縮め、警戒心を解くこと。例えば、本題に入る前に共通の話題でコミュニケーションをはかり、和やかな雰囲気になってから進めるのも一つ。ビジネスでは多くの人が取り入れている会話力です。

ビジネスでは、相手と自分の立場をふまえた、ふさわしい距離感もあります。上司や役員の人との会話では、敬う気持ちを会話に盛り込み、部下やスタッフに対しては、警戒されないように心がけます。そういった相手との距離感をつかむことも会話力において大切です。

会話力では相手への思いやりも忘れずに

また、会話は相手があって成り立つことを忘れてはなりません。会話力が低いと言われる人は、一方的に話してしまう人が多いようです。

会話のキャッチボールと言われるように、話す人同士のやりとりこそが会話です。こちらの話を聞いてもらうのはもちろん、相手の話をきちんと聞くことができて初めて成り立つのです。相手を慮って会話を進めるようにしましょう。

そしてもう一つ、会話を続けることも意識しましょう。例えば、「どんな本を読みますか?」と聞かれて、「本は読みません」と答えたら、そこで会話が途切れてしまいます。そこで、「本はほとんど読みませんが、映画ならこれにハマっています」など質問とは違う返事にはなりますが、自分の好みを伝えてみることです。

答え方一つで会話を広げることもできます。無理にへりくだって会話を続けることはありませんが、質問をしてくれた相手に誠意をもって返答するのも大切でしょう。

会話力トレーニングで口下手、話し下手を克服しよう

せっかくの話すチャンス、でも、会話が続かない…と悩む人もいるでしょう。会話が続かない経験があると、自分は話下手だと思い込んでしまうものですが、会話力を上げていけば、口下手や話し下手は克服できるかもしれません。

まずは、身近な人とのコミュニケーションで、会話のやりとりをスムーズにできるようにしてみることです。自分から話題の提供をする、問われたらきちんと答える、その答えが長続きするよう言葉の広がりを考えみるなどをやってみます。

まずは臆せず、そして滑らかに言葉を出す練習を

緊張すると、言葉が思うように出てこなかったり、あるいは、大量の汗をかいたり、口が渇いてしまったりすることもあります。プロのアナウンサーや噺家などでも、話す相手や状況によっては、緊張するそうです。

一方、ビジネスの現場では、上下関係や会社の立場など、話す相手によって配慮しなければならないことが多いものです。とくに上司や得意先となれば、緊張のあまり、伝えたいことがあるのに言葉が見つからないという状況になる人もいます。

そんな時でも、「誰でも緊張するものだ」と腹をくくり、臆病にならないことです。「少し緊張していますが…」と正直に自分の心情を伝えてもいいでしょう。大切なのは、きちんと受け答えができることです。そして、伝えたいことが話せること。事前に話す内容を用意して、滑らかに言葉を出せるように練習をしておくのはもちろん、状況を思い浮かべながらイメージトレーニングをしておくのもいいでしょう。

先輩の会話を参考にする。会話のネタも準備する

会話力があるかどうかは、事前準備や経験も大きく左右します。上司や先輩が上手にコミュニケーションをとれるのは、多くの経験を積み、場数を踏んでいるからでしょう。

上司や先輩と一緒に行動することがあれば、その様子を参考にしてみてはいかがでしょう。あるいは、得意先で尊敬するビジネスマンがいれば、その人がどんな話題を提供しているのか、どんなコミュニケーションをしているのかを参考にしてもいいでしょう。まずは、経験を積んだ人の姿を参考にして研究してみます。

また、自分が話しやすいネタを用意しておくのも一つです。近年は雑談力とも言われますが、本題に差しさわりのない話題で、かつ、品格を損なわない話題が理想です。

人と話す機会の多いトップや役員は、会話や雑談のネタを日頃から意識してストックしているとも聞きます。話す相手や状況を思い浮かべて会話のネタを準備しておくことです。

まとめ

会話力とそのトレーニングについて紹介してきました。普段何気なく会話をしていますが、これは幼い頃から自然と身につけてきた自分のスキルです。これまで会話力を意識せずにいた人は、ビジネスシーンにおいて大いに役立つスキルなので、ぜひ意識してみてください。

ポイントは、聞き方、話し方、表情、この3要素を意識しながら話すこと。意外にも、聞く姿勢やタイミングよく質問できることなどが、相手に好印象を与えています。こういったことを意識しながら、会話力を上げるトレーニングをしてみてはいかがでしょう。

そして、自分の話し方や声のトーンなどは、録音や録画をして確認することもトレーニングになります。その場を和ませる会話のネタも用意しておくといいでしょう。

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