新卒や既卒、フリーターといった正社員未経験者はもちろん、第二新卒を含めた若い世代にはビジネスマナーを正しく学ぶ機会があまりない場合があります。どれだけ時代が変化しても、一定のビジネスマナーが揃ってといないと恥をかき、大切な商談が破断することも想定されます。ビジネスマナーには身だしなみや言葉遣い、名刺交換などの立ち振る舞いも要素として含み、ビジネスを始める第一歩としてとても重要といえます。ここでは今さら聞けないビジネスマナーの基本と大切さを紹介していきます。
もくじ
仕事で結果を出すだけではダメ? ビジネスマナーはどうして必要なのか?
ビジネスマナーとは仕事をする上で基本的に必要となるマナーを指します。社会人は社内・社外を問わず、どこへ訪問しても恥ずかしくない一般教養を身に付けていなければなりません。ビジネスマナーというのは、挨拶などの日常的な基本から、名刺交換といったビジネスの場で必要とされる要素など、多岐に渡ります。ビジネスマナーは社会人としてのコミュニケーションツールでもあり、これができていないと、いくら仕事で結果を出し続けていても、相手を不愉快にさせてしまう恐れがあります。
対人でとにかく大事なのは初対面での第一印象
初対面では第一印象がとにかく大切です。これまで、わざとらしいくらい笑顔を出して、大きな声で挨拶するビジネスマンを見かけたことがあるのではないでしょうか。バイト先の店長に挨拶する飛び込みの営業マンや外食先で接待しているビジネスマンなど、映画やドラマ、漫画の中だけではなく、実際に多くの現場で行われています。第三者のこちらが引くくらい、笑顔全開で腰が低いものですが、これはあながち間違いではありません。
どのような人でも初対面では自ずと警戒心が強まります。社内ならまだしも、社外になると、警戒心が強いままでは、会話もスムーズに運ばず、二度と会ってくれないかもしれません。警戒心を和らげるには、第一印象で好感度を上げておくことが重要となります。好感度が上がれば、警戒心は親近感に変わり、やがては信頼感になっていきます。
身だしなみはビジネスマナーの基本になるの?
はっきりいって、身だしなみを整えるのは社会人としての基本であり、ビジネスマナーとして、最初に心がけておきたいものです。社外で人と会う場合には、挨拶や敬語、名刺交換の前に、まずは外見である程度判断をされています。別に高級なスーツや時計をする必要はありません。格好をつけるということと身だしなみを整えるということは異なります。身だしなみを整えるのは、相手を不愉快にさせないためにも必要でしょう。
髪型や服装、靴に顔は周囲から常に見られている意識を持つ
身だしなみには清潔感が大切です。髪の毛がぼさぼさでフケが目立つなどは言語道断であり、シャツの襟口や袖口が黄ばんでいないもの、シャツをズボンから出しているなど、一般常識的を疑うような仕草をしてはいけません。常に周囲から見られている意識を持って行動しましょう。休日に着崩すようなスタイルのファッションセンスは、ビジネスマナーでは問題視され、常識がない人という風に捉われてしまいます。
靴も大事です。自分自身では足元に目が行きにくいですが、相手の顔をじっと見るのは失礼にあたることから、自然と足元に目がいくので、第一印象では足元から見られやすくなります。靴の汚れや靴紐などには注意しておきましょう。無精ひげも印象が悪いケースがありますので、毎朝きちんと剃ってから出勤するように心がけておきます。
社会人として人間関係を築く上で基本的に大切な挨拶
挨拶をしたことない人は恐らくいないでしょう。社会人にとって、対人関係で大切なのは挨拶を交わすことです。挨拶ができる子どもは「お利口」といわれるほど、小さい頃から挨拶の大切さは身に染みてきたことがうかがえます。大人になると、「今さら挨拶なんて」と考えてしまう人もいますが、大きな間違いといえます。挨拶には第一印象の好感度にも影響があります。信頼関係を築いていくのも、挨拶から始まるといっても過言ではありません。
社内・社外にこだわらず、「おはようございます」「こんにちは」「お世話になります」「よろしくお願いいたします」など、何気なく使っている言葉ですが、これを忘れることがあれば、相手には不愉快に感じられます。商談などでは、清潔感ある身だしなみに加えて、元気のある挨拶があると、それだけでしっかりしていると思われます。また、ビジネスパートナーとして共にやっていけそうか、人間関係を築いていけそうかなどを判断されますので、挨拶はしっかりと行うようにしましょう。
名刺交換は会社を代表して挨拶していることを意識する
名刺交換は初対面の相手には必要なアイテムです。名刺は自分の名前を覚えてもらうのに適していますが、会社を代表して挨拶していることにもなります。名刺交換はビジネスマンの儀式のようにもなっていますが、この紙切れ一枚が後に大きなビジネスチャンスを生むことにもつながりますので、決して相手の前ではぞんざいに扱ってはいけません。名刺交換では必ず名前を名乗ってから渡すのがマナーとなります。
まだまだ社会人経験が浅い場合は、どのような取引相手でも名刺を先に渡すように心がけましょう。初対面ではお互いが名刺を手に取っていることから、基本的にお客様となる側へ、先に渡すのがマナーです。これは大事なお客様からの名刺は両手で受け取るようにするのが礼儀だからといえます。常に先に出すクセを身に付けておけば、自社にとって大切なお客様が相手の場合にも失礼になることはありません。
「今どきの若者は…」と思われないためにも失礼のない敬語を使う
新卒・既卒問わず、経験が浅い若手社員は、自分の周りを見渡してもほとんどが年配の方になります。これは社外に赴くときも同じことがいえます。まだまだ日本では年上には敬語を使うという風習が絶対的に残っていますので、ネイティブな環境で育ったという人や比較的オープンな社風の会社に勤めているという人であっても、敬語は絶対に必要といえます。敬語は普段から使用していないと、いざというときに使えません。大事な商談でボロが出ないように注意しましょう。また、敬語には尊敬語・謙譲語・丁寧語がそれぞれあります。
- 尊敬語…相手を立てる言葉で、自分よりも目上の人を敬う場合に使います。
- 謙譲語…自分をへりくだることで、相手を立てる言葉です。
- 丁寧語…「です」「ます」を付けて丁寧に話します。
例えば商談の時間を決める場合、
尊敬語だと「何時くらいにお見えになられますか(お越しになられますか)」
謙譲語だと「15時に伺います(参ります)」
丁寧語だと「15時に行きます」
となり、「何時くらいに参られますか」というのは尊敬語ではありませんので、目上の人に使うのは失礼にあたります。
言葉遣いは難しい面もありますが、きちんとできていないと、「今どきの若者は…」と上司から小言を言われる恐れもあります。早い内からマスターしておくと、「若いのに礼儀正しい」「しっかりしている」と逆に上司から評価されることもあり得ます。
会話のポイントは先延ばしにせず、自信を持って結論から述べる
ビジネスではテンポの良い会話が好まれます。結論を先延ばしにした話し方では、結局何を話しているのかわからず、要点が見えてきません。社内での会議・ホウレンソウでは結論から述べるようにしましょう。一方社外での商談では、相手の反応を見ながら会話をする場合もあり、駆け引きが必要になって結論を途中で話すこともあります。その場の空気を感じ取って会話を進行させることが重要となります。
また、自信のない言葉では相手を納得させることができません。会話をする際、はっきりと聞こえる声で話しましょう。小さな声では語尾が曖昧に聞こえてしまい、せっかく良い内容を話していても、相手には会話の内容に自信がないように取られてしまいます。
ビジネスマナーの上手な学び方は身近な先輩を見て模範とする
ビジネスマナーを学ぶには、社内のお手本になる人から学ぶのが一番の近道です。とはいえ、だれに学べばいいかは判断つきにくいものです。まずは第一印象の好感度が高い人に照準を絞っておきましょう。
- 清潔感のある身だしなみ
- どの人にも挨拶ができている
この2つができていて、自分にとって好感度が高いと思える人は、相応の立ち振る舞いをしているはずですので、ビジネスマナーの基本ができている可能性が高いといえます。経験の浅い自分自身への対応が素晴らしいと感じられる人は、社外でも完璧にビジネスマナーを披露していることがうかがえます。残念なことに、模範となる人が見当たらないケースのときは、「身だしなみ」「挨拶」「名刺交換」「敬語」「会話」といった項目をそれぞれ一つずつクリアしていくように心がけましょう。