会社に所属してから期間が長くなると、少しずつ後輩や部下が増えていきますよね?そうなると避けて通れないのが、仕事を教えること。ですが、慣れていないと教えるのは難しいですよね?
その一方で、上手に仕事を教える人もいます。その差はどこから生まれているのでしょうか?仕事の教え方が下手な人にはどのような特徴があるのでしょうか?
この記事では、仕事の教え方が下手な人に共通する4つの特徴と上手に教える人の4つのポイントについて紹介します。
自分の部下や後輩に仕事のやり方を教えるのに自信がない人は、ぜひ参考にしてくださいね。
もくじ
仕事の教え方が下手な人に共通する3つの特徴
まずは、仕事の教え方が下手な人に共通する特徴を紹介します。何事も、課題がある場合には、その原因を理解すると解決が早くなります。
また、仕事の教え方が下手な原因は似ていることが多いものですから、まずは何が理由なのかを探っていきましょう。
相手の理解力に合わせて言葉を選べていない
まず挙げられるのが、相手の理解力に合わせて言葉を選べていない人です。これには二つの意味があります。
まず、部下や後輩は業界やその会社特有の専門用語に慣れていないことが多いものです。その状態で専門用語を使っても、日本語しか知らない日本人に対して英語で話しているようなもので、何を話しているか全く伝わりません。
また、これは単語に関わらず、論理的なことも同様です。経験を積んでいる人であれば、新しい知識を与えても前後のつながりをなんとなく理解して覚えられるでしょう。ですが、人によって経験値は異なります。新たな知識を与えた状態というのは、新たなスポンジの上に水を与えた直後のような状態で、まだ水をはじきやすいので、水=知識をなかなか吸収できません。その状況で新たに知識を与えようと思っても、知識があふれてしまい、結果的に理解できていない状態になります。
これは、理解できない方に問題があるのではなく、教える側の問題です。今、相手はどの程度理解できる状態なのか、新たな知識を与えても大丈夫なのか、どうすれば知識が浸透していくのかを判断しながら教えることが、教え方上手の第一歩です。
仕事の教え方が下手な人は、それを理解せずに教えてしまうことが多いものです。
一つ一つの話につながりがない
仕事の教え方が下手な人の共通点・二つ目は、話す内容が飛び飛びで、つながりがなくなってしまっていることです。
新たな知識を理解するということは、多大なエネルギーを使います。また、話している内容が変わると、切り替えるのにも多大なエネルギーを消費します。そして、この二つが同時に行われると、脳はより大きなエネルギーを使うことになり、理解力が低下してしまいがちです。
ですが、仕事の教え方が下手な人はそのことを理解していないことが多く、頻繁に話の内容が変わってしまいます。結果として、教わる側がなかなか理解できない状態が生まれてしまうのです。
上から目線になって相手を見下してしまっている
仕事の教え方が下手な人の特徴として、伝わらない話し方をしているということがありますが、それに加えて、教わる側のやる気を削いでしまっていることもあります。「仕事なのにやる気が削がれるとかありえない」と思うかもしれませんが、教わる側も人ですから、「嫌だな」と思いながら聞いていると、理解力も落ちてしまうものです。
そして、教わる側が最もやる気を削がれてしまうのが、教える側の高圧的な態度や見下す態度です。特に、「こんなことも分からないのか」という言葉は、教わる側のやる気を大きく削いでしまいます。また、「面倒くさい」「イライラする」といった空気感を出すことも相手のやる気を削ぎやすく、教える環境を作りにくくしてしまいます。
仕事の教え方が下手な人は空気作りも変えていく必要があるのです。
仕事の教え方上手が意識してる6つのポイント
それではここから、教え方が上達する6つのポイントをご紹介します。
全てに共通することは、いかに教わる側の立場に寄り添えるかということです。人にものを教えるということは、あくまでも主役は教わる側です。教わる側が理解できた状況を作れない限り、その指導は成功とは言えませんから、教える側はいかに理解してもらえるように伝えるかが大切です。
それでは、ご紹介していきます。
教える内容の全体像を先に話す
まず初めに行いたいのが、教える内容の全体像を先に話すことです。全体像を離さずに話を進めていくと、いつ終わるのかが分からなくなる為に集中力が低下してしまいがちです。また、常に目の前のことに意識を向けなければいけないため、先に教わったことが頭から抜けてしまいがちです。
これに対して全体像を話しておけば、今教わっていることが、その後でどのように活かされていくのかが分かるようになります。そうなると、何に意識をして聞いていればいいのか、注意すべきポイントは何かが分かりやすくなり、理解が定着しやすくなります。
また、いつ終わるのかも分かるため、集中力も続きやすくなります。
話す時はゆっくりと話すように心がける
続いて紹介するのは、話すテンポについてです。人に仕事を教える時には、意識してゆっくり話すようにしましょう。
お伝えした通り、新しいことを教わる時は理解するまでに時間が必要です。その状況で次から次へと話してしまうと、新たな知識を浸透させる前に別の知識が入ってきてしまうため、一つ一つの理解力が落ちてしまいます。また、聞き逃しも生まれてしまうでしょう。
それを避けるためにも、話すテンポはゆっくりとすることを心がけていきましょう。これによって、言葉の聞き逃しを防ぎ、聞きながら理解する余裕が生まれます。また、メモを取っているのであればメモを書く時間も確保されるでしょう。
このように、相手を気遣った伝え方が重要なポイントです。
一つのことを伝えたら理解するための間を空ける
話を理解する余裕を与えるという意味では、話すテンポだけではなく、話さない時間を作るという「間」も重要です。
間を作ることで、教わった内容を反芻する時間を作ることやメモを見返す時間を作ることにつながります。その中で新たな疑問が生まれたり、改めて確認したい事を考えなおしたりする時間が生まれます。この時間こそが新たな知識を脳に定着させることにつながりますから、部下や後輩へ仕事を教える時には、必ず設けるとよいでしょう。
必要があれば、質問が無いかを聞いて間を作るのもよいでしょう。
前提条件がある場合には先に話す
教える内容として意識をしたいのが、前提条件です。話す側にとっては当たり前のように知っていることでも、教わる側としては新たに知ることであるというケースは、非常に多いものです。そして、教わる側が理解できないケースの多くはこの前提条件を理解していないために話の論理がつながらず、結果として理解ができないというケースです。
これを避けるために、話の前提がある場合には必ず先に伝えておくようにしましょう。特に、前後でどのような仕事があるのか、誰から仕事を引き継いで誰につながっていくのかが重要です。
仕事には、そこだけを切り取ると「なんでこれをやる必要があるのか?」と思うことが少なくありません。その状況で「いいからやりなさい」と伝えても、教わる側は釈然としないまま仕事を受けることになります。この状況は、理解不足や仕事のミスを生む原因となります。
ですから、前提となることがあれば先に伝えておくことを意識的に行いましょう。このひと手間があるだけでも、話の論理が飛躍的につながりやすくなります。
論理のつながりを意識することは、人に教える時以外でも重要なことです。こちらの記事では、論理的に話すポイントをご紹介していますので、こちらもぜひ参考にしてみて下さいね。
小学生を相手にするような気持ちで教える
教える内容としてもう一つ意識をしたいのが、小学生でも伝わるように話すことです。小学生は、当然のことながら知識が少なく、経験も浅いため、知らないことばかりです。その小学生に難しいことを伝える時には、できるだけかみ砕き、小学生でも理解できる単語を使って伝える必要がありますよね?また、話の進め方も、一つ一つ丁寧に進めていく手行く必要があります。部下や後輩に教える時も、これと同じように話す必要があるのです。
大人に教えるとはいえ、経験や知識量は劣るのが部下や後輩です。教え終わった後で理解できている状況を作ることの方が大切ですし、もし理解不足によってミスが起こると、その後の対応が大変です。それを防ぐためにも、面倒でもゆっくり丁寧に教えていくことを心がけていきましょう。
明るい雰囲気で話す
最後に意識すべきことは、努めて明るく振舞いながら教えていくことです。仕事を教えるわけですから、緊張感は当然のことながら必要です。ですが、必要以上に緊張感を持たせたり圧迫したりすると、緊張感が強くなりすぎて理解力が低下してしますこともあります。
ですから、緊張感を持ちつつもできるだけリラックスできる雰囲気を作れるように意識をしていきましょう。人に仕事を教えるというのは、伝える内容だけではありません。話す時の雰囲気まで含めて意識をしてあげることが、教え上手になる秘訣です。
まとめ
仕事の教え方がうまい人は、教え終わった後に、教わる側が納得して仕事を始まられる状況を作るものです。ですから、どうすれば教えた事を全て漏れなく納得して取り組めるようになるのかを考えながら、教えていきましょう。
人にものを教えるということは決して簡単なことではなく、スキルや経験が必要なことです。今回ご紹介したことは、その中でも特に重要なスキルですから、一つずつしっかりと身に着けて、教え上手な上司・先輩になっていきましょう。そうすれば、きっと出世や昇給にもつながっていきますよ。頑張っていきましょう。