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サラリーマンでも確定申告って必要!?知っていれば得できることも!

1月も下旬になると、そろそろ確定申告の準備という声が聞こえてきます。とはいえ、会社勤めの人は「確定申告?自分はサラリーマンだから関係ないよ」と思っているかもしれません。一般的にはサラリーマン=給与所得者は確定申告の必要はありませんが、人によっては「確定申告をしなければならない場合」や「確定申告をした方がいい場合」があります。株やビットコインで利益が出た、医療費がかかった、住宅を購入した、家族が増えた。一年を振り返って、こんなことがありませんでしたか?今回は、確定申告とは無縁と思っているサラリーマンと申告の必要性についてまとめました。去年の出来事を思い出して、当てはまるケースがあるかチェックしてみましょう。

もくじ

そもそも確定申告って何?なぜ申告する必要があるの?

確定申告とは、収入に対して課される税金(主に所得税)の額を計算し、税金を支払うための手続きのことです。税金の額は一年間の収入をもとに決められます。サラリーマンの場合は、給与や賞与から所得税はあらかじめ差し引かれた形で支給されていますが、年末にならないと一年間の収入は確定しません。ですから、とりあえずだいたいこれくらいだろうという概算の金額が差し引かれているというわけです。

そこで、年間の収入が確定する年末に、会社は「年末調整」によって税金の調整を行います。給与などから天引きされている所得税の過不足を計算して調整する手続きが年末調整です。年末調整はサラリーマンのための「プチ確定申告」といってもいいでしょう。通常の場合は、会社から渡される年末調整の書類に記載して提出すれば、確定申告をしなくても問題はありません。

ただし、年末調整でも調整しきれないものがあります。例えば、副業をしていて会社以外からの収入や、年末調整を行った後に発生した事柄などは年末調整では対応できません。それらを含めて最終的に収入に対する税金を調整する手続きが「確定申告」です。

確定申告はいつまでに申告できればいいの?

確定申告の期間は、2月16日から3月15日です。サラリーマンで確定申告をする必要がある人は、この期間に確定申告をしなければなりません。また、源泉徴収された税金が多すぎる場合には、自分で確定申告をすることによって納めすぎた所得税の還付を受けることができます。これを「還付申告」といいます。

還付申告の場合は、2月16日から3月15日の確定申告の期間に関係なく、申告の対象になる年の翌年1月1日から5年間、いつでも提出することができます。確定申告時期は一年で最も税務署が混む期間なので、還付申告の場合はその時期を避けて申告した方がいいでしょう。

サラリーマンでも確定申告が必要なケースって?

自分はサラリーマンだから確定申告なんて関係ない!全部会社がやってくれるんでしょ?と思っている人も多いでしょう。もちろん、多くの人が会社による年末調整だけで納税の精算は済んでいますが、サラリーマンでも「ある条件」にあてはまっている人は確定申告をしなければなりません。実は「給与所得者で確定申告が必要な人」を国税庁でも発表しています。

https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1900.htm

では、どんな人が確定申告する必要があるのでしょうか?具体的に見ていきましょう。

こんな収入があった人は確定申告が必要です

一般的なサラリーマンで確定申告をする義務がある人のうち、該当する人が多いと思われるのは以下のようなケースです。

給与の年間所得が2000万円を超える人

給与が2000万円を超える人は、所得税法により年末調整が行われないので、配偶者控除や社会保険料控除などの所得控除が差し引かれません。そのままだと所得税の精算がされないため、会社からもらう源泉徴収票をもとに自分で確定申告を行う必要があります。さらに、年収2000万円を超えると、住宅ローン控除や配偶者特別控除などの対象ではなくなります。給与が2000万円を超えたという人は確定申告をしなければならないことと、受けられなくなる控除があることをチェックしておきましょう。

これくらいの所得がある人は、おそらく個人で税理士などに相談しているとは思いますが、確定申告は「義務」になるので忘れないようにしましょう。

副業などで、給与所得と退職所得のほかの所得の金額の合計額が20万円を超える人

本業の給与以外にいわゆる「副業」を行っていて、その副業収入が20万円を超える人は確定申告を行わなければなりません。何が副業にあたるかは、後に詳しく説明します。

2か所以上から給与の支払いを受けていて、その合計金額が20万円を超える人

2か所以上の会社に所属していて、本業となる会社以外からの給与が20万円を超える人は確定申告をする必要があります。ただし、以下の人は確定申告の必要はありません。

  • 給与所得の金額から、雑損控除、医療費控除、寄附金控除、基礎控除以外の各所得控除の合計額を差し引いた金額が150万円以下
  • ①の条件に加えて、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円以下

ここでいうところの「所得」は、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得の10種類ということになります。自分が当てはまるかどうかわからないという人は、事前に税務署に相談してみましょう。確定申告をする必要がある人は、申告せずに放っておくと本来納めるべき税金に「加算税」や「延滞税」がプラスされてしまいますので、申告を忘れずにしてください。

どんなものが「副業」の収入にあたるの?

最近では副業を認める企業も増えてきているため、サラリーマンでも副業をしている人はいるでしょう。では、どんなことが「副業」にあたるのでしょうか。結論から言うと「給与以外の収入は基本的にすべて副業」とみなされます。とはいっても、税法上「副業」という区分はなく、収入を得た副業の性質によって「〇〇所得」という区分に分けられます。ちなみに、副業という概念は一般的にはサラリーマンが対象で、フリーランスの人が2つの仕事をする場合は「ダブルワーク」と呼ばれます。では、副業がどんな所得とみなされるのか、具体的なケースを挙げて説明していきましょう。

空いている時間にアルバイト

本業以外の時間や休日にアルバイトをする場合、アルバイト先からも当然「給与」が支払われているので、本業とは別に確定申告をする必要があります。本業では年末調整で、アルバイトの給与は自分で申告することになります。2つ以上の仕事を掛け持ちしている人は、それぞれの仕事先の源泉徴収票をすべて持って税務署に行きましょう。

株式の売買・FX取引での利益

株式の売買で得た利益(所得)は「譲渡所得」「配当所得」に分類されます。この場合も所得が20万円以上かどうかによって確定申告の必要があるかが変わってきますが、取引口座に「源泉徴収口座」を使っている場合は証券会社が源泉徴収を行ってくれるので、20万円を超えていても確定申告の必要はありません。源泉徴収口座でない場合は、所得が20万円以下なら確定申告の必要はありませんが、20万円を1円でも超えると確定申告をしなければなりません。ちなみに株式投資で損失が出た人は、確定申告することでその損失を翌年以降3年間繰り越すことができます。

仮想通貨取引での利益

ビットコインも一年前に比べてかなり高値で取引されているので、利益が出た人もいるでしょう。しかし「儲かった」ということは、その分税金がかかります。以前はビットコインで得た利益は消費税に含まれていましたが、今はビットコインなど仮想通貨の取引で得た利益(所得)は「雑所得」となります。

ビットコインを売買して得た利益、ビットコインを他の仮想通貨に投資して増やした場合、またマイニングをして報酬として得た場合、すべてが雑所得となるので申告が必要です。ビットコインの場合も、一年の利益が20万円以下なら確定申告の必要はありません。確定申告の際には、仮想通貨の入出金明細所や、各ウォレットの残高やビットコイン取引履歴のスクショなど取引に関する書類を用意しておきましょう。

ブログ記事を書いて収入を得た、モデルのバイトをしたなど

休日にブログ記事やコラム、エッセイなどを書いて収入を得た、またモデルなどをして収入を得た場合は「雑所得」となります。

ネット販売での利益

副業とみなされるネット販売は、仕入れた商品や自分で製作した商品をネット上で販売することを「継続的に」行っている場合です。基本的には「雑所得」ですが、継続性や営利性によっては「事業所得」とみなされることもあります。

ちなみに、個人が不用品をフリマアプリやオークションで売ったことによる利益については申告不要です。

不動産を貸して収入を得た

マンションなどの不動産を所有していて、その部屋を人に貸すことで家賃収入を得ているサラリーマンオーナーもいると思います。その場合の収入は「不動産所得」に分類されます。本業の給与所得と不動産による所得を合計して、控除額等を差し引いた額を申告します。主な副業と、その所得区分は次のとおりです。いずれも経費を差し引いた所得が20万円以下の場合は、基本的に確定申告の必要はありません。

  • アルバイト・・・給与所得
  • ユーチューバー、フリーマーケット、ネット販売など・・・雑所得 ただし継続性・営利性がある場合は事業所得となる
  • ブログなどのアフィリエイト収入・・・雑所得
  • 株式の売買・・・譲渡所得、配当所得
  • FX取引・・・雑所得
  • 仮想通貨取引・・・雑所得
  • 不動産賃貸・・・不動産所得
  • 不動産売買・・・譲渡所得、継続性・営利性がある場合は事業所得となる

本業以外にこれらの収入が20万円以上ある人は、確定申告をする必要があると考えておいた方がいいでしょう。

確定申告をすると得するかもしれない人は?

確定申告をすると得をするかもしれないケースは、多くの場合が納めすぎた税金を返してもらうために行う確定申告(還付申告)です。申告する年の翌年1月1日から5年間の期間があります。では、確定申告することで税金が戻ってくる可能性があるケースをみていきましょう。

  • 年末調整で調整しきれなかったことがある人
  • 年末調整で漏れがあった人

書類の発行が間に合わなかったりすると、年末調整の時に控除書類を提出することができません。また、生命保険料控除、地震保険料控除などの証明書の提出を忘れてしまったというケースもよくあります。そういった人は確定申告することで控除が受けられます。

  • 年末調整後に結婚した人

年末調整後に結婚した場合、配偶者控除や扶養控除が適用される可能性があります。ただし、配偶者が結婚して無職になった場合でも、その年に扶養の要件を超える収入を得ている場合は、その年は扶養控除の対象にはならないので注意しましょう。

  • 医療費や薬代などの費用がたくさんかかった人

これまでは、一年間に支払った医療費の合計が10万円を超えた場合は、超えた金額が所得から控除されて税金が還付・減額される「医療費控除」制度がありました。けれど、医療費控除を受けられるほど病院で診てもらう機会がなかったという人も多いでしょう。そこで、2017年から市販の医薬品をよく利用する人で、一定の条件を満たせば税金が還付・減額される「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)」がスタートしました。この制度は、自分自身の健康管理を心がけ、軽い症状なら病院にかからず医薬品を利用することで自分の健康管理をすることを国が推進するための制度です。家族が病院にかかって手術や治療を受けた、また市販の医薬品を購入したという人は確定申告することで得する可能性があります。

ただし、医療費控除制度とセルフメディケーション税制は同時に利用することができないので、1月から12月までの一年間に医療費が10万円以上かかり、かつ対象となる医薬品を12,000円以上購入したという人は、どちらの控除を利用するのかを自分で選ぶ必要があります。

家族全員分の医療費が所得の5%を超えた人

同じ世帯の家族全員にかかった医療費の合計が、所得の5%を超えた場合は、医療費控除の対象となります。家族全員分をまとめて家族の誰かが確定申告をすることになりますが、所得が多い(税率が高い)人が行った方が還付が多くなる可能性があります。

市販薬を購入したり健康診断を受けたりした人

医療費控除を受けるほど病院での治療は受けていないけれど、医薬品を購入した、会社や自治体の健康診断、がん検診などを受けた、また予防接種を受けたなど健康のための「一定の取り組み」を行っている場合は「特定一般用医薬品(OTC医薬品)等購入費から12,000円を差し引いた金額」を所得から控除することができます。

特定一般用医薬品等は、指定の市販薬や医師から処方された薬の両方が含まれます。対象となっている医薬品は厚生労働省のサイトで確認できますが、店頭やCMでよく見かける風邪薬や頭痛薬、目薬、点鼻薬など多くの薬が対象になっているので、薬をたくさん買った、処方してもらったという人はチェックしてみましょう。

マイホームを買った人、リフォームをした人

住宅を購入した、リフォームした、また売却した場合は、確定申告をすることで控除が受けられるケースが多くあります。申告の際に必要な書類がかなりあるので、あらかじめ準備しておいた方がいいでしょう。主な必要書類と入手先は以下のとおりです。

  • 税務署:住宅借入金等特別控除額の計算明細書
  • 法務局:建物・土地の登記事項証明書(登記簿謄本)
  • 不動産会社:建物・土地の不動産売買契約書
  • 市町村役場:住民票の写し
  • 金融機関:住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書

住宅ローンを組んで家を買った人

条件を満たせば控除の対象になります。住宅ローン控除を受けるための確定申告は1年目だけで構いません。2年目以降は年末調整で処理されます。控除される額が大きいため、該当する人は手続きを忘れないようにしましょう。

バリアフリーや省エネのためのリフォームをした人

バリアフリーや省エネ改修工事をした場合、住宅特定改修特別税額控除、住宅ローン控除、特定増改築等住宅ローン控除のどれかを選んで利用することができます。

耐震のための改修工事をした人

一定の耐震改修工事をした場合、その工事にかかった費用に応じて一定の額を税額から差し引くことができます。

マイホームを売って利益が出た人・損失が出た人

家を売却したけれど住宅ローンが残ってしまった=損をしたという場合、その損失を給与所得などと相殺する(損益通算)ことができます。以下の条件を満たせば控除が適用される可能性があります。

住宅を5年以上所有していた

住宅ローンが10年以上まだ残っている

合計所得が3,000万円以下

マイホームを買い替えた人

家を買い替えて売却損が出た場合は、その損失分を給与所得などと相殺(損益通算)できます。それでもまだ損失分があるときは、翌年以降3年間は損失を繰り越すことができます。また、新たに購入したマイホームには、住宅ローン控除を利用することができます。

国が定めた団体に寄付をした人、ふるさと納税を納めた人

国が定めた団体に寄付をした人は「寄付金控除」として寄付をした金額またはその年の総所得金額の40%相当額のどちらか低い方の金額から2,000円を引いた金額が、所得から差し引かれます。

また、ふるさと納税をした人は通常の寄付金控除に加えて、住民税の税額控除の特例を受けることができます。「ふるさと納税ワンストップ特例」という制度があり、これは5つ以内の自治体にふるさと納税をし、納税先の自治体に特例適用の申請書を提出しておいた場合に限り、確定申告をしなくても控除が受けられる制度のことです。この制度を利用すると、所得税からの控除は行われず、その分を含めた控除額が翌年度分の住民税から控除されることになります。ワンストップ特例を利用しない場合には、確定申告をすることによって寄付金の一部が所得税から還付され、住民税が減額されます。確定申告する時は、自治体から送付される「寄付金受領証明書」が必要です。

地震や津波などの自然災害や盗難に遭った人

災害や盗難などによって、住宅や家財などの資産に相当の損失を受けたときは、確定申告することによって「雑損控除」として被害額の一定分を控除することができるので、税額を減らすことができます。確定申告をすることで、税額が減ったり還付があったりする可能性のある主なケースを紹介してきました。これ以外にも当てはまる事柄もあるので「これって申告した方がいいのかな?」と疑問に思ったことは税務署に問い合わせてみましょう。

まとめ

いかがでしたか?サラリーマンは会社が年末調整を行ってくれため、自分で確定申告をするという感覚は少ないと思いますが、会社では把握しきれていないことなどで税金が戻ってくることもあります。文章にするとわかりにくいかもしれませんが、読んでみて自分が該当するケースがあるかも?と思ったら、国税庁のサイト「タックスアンサー」で確認するか、近くの税務署に相談してみることをおすすめします。特に、確定申告をすることで得をするかもしれない人は1月から申告ができるので早めに相談した方がいいでしょう。

まずは、自分が住んでいる地域の管轄の税務署を調べましょう。確定申告の時期には無料で税理士が相談に応じてくれますし、国税庁のサイトでもどこに行けば確定申告の相談ができるかが掲載されています。また、国税庁のタックスアンサーでもさまざまなケースの説明があるので活用しましょう。知らずに申告をせずに後々になって加算税や延滞金が課されることも勿体ないですし、知らずに還付を受けないことも勿体ないので、もう一度一年間の出来事を見直してみてください。2月末から3月になると税務署も相当忙しくなるので、相談したいことがある人はできるだけ早い時期に税務署に行くことをおすすめします。

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