仕事をしていれば多かれ少なかれ嫌なことを経験してしまうことはあるものです。それぞれの利害関係や立場、考え方がぶつかる場所ですからこれは当然といえば当然のことです。そういうものだからと割り切って仕事を行うことができれば問題ありませんが、全ての人がそうであるとは限りません。
仕事で嫌なことがある度に、それに対して真摯に向き合って感情を沈めていては身がもちません。真面目だからそうなってしまうのですから、あなたは悪くないのですが、だからといって周りの人が積極的に解決してくれることでもありません。仕事で嫌なことがあった時に、あなた自身の力でこれに対処できるようになりましょう。
もくじ
仕事で嫌なことがあった時は1度冷静に原因を考える
仕事で嫌なことがあった時、可能な限りその原因がどこにあるのかを考えるようにしましょう。辛い態度や言葉を取られたり、不条理なことを押し付けられたりして嫌だなという感情を抱いているのですから、被害者のように思えます。確かにそこまでのことをされる謂われはないのかもしれません。しかし、100%の割合で相手に責任があるのでしょうか。
嫌なことがあれば精神的な自己防衛が無意識に働いてしまいます。そうした状態で物事の本質部分を俯瞰で見ることは非常に難しいことですし、狭い視野では解決することも解決しません。難しいからといって始めから諦めるのではなく、自分にも責任がある部分があるのではないかと意識をすることを習慣にすることが、結果的には仕事で嫌なことが起こる機会を減らすことになります。気分が沈んでいる時こそ、冷静な考えを持つように心がけて原因を探るようにしましょう。
仕事で嫌なことがあった時、こんな解消法はどうですか?
ストレス発散方法は人それぞれですから、あなた自身が色々と試してみてどのような手法が一番マッチするのかを模索していく必要があります。ですから最終的な判断はあなた自身に行ってもらわなければなりませんが、だから勝手にやってください。としてしまってはあまりに乱暴ですのでいくつかの対処法を例として挙げさせていただきます。それをすることでどのような効果を期待できるかも併せて書いていますので参考にしてみてください。
仕事で嫌なことがあった時は紙に書き出してみる
どんな紙でも、どんな書き方でも構いませんので、とにかく嫌だと感じたことを紙に書き出してみましょう。思いつくままに頭に浮かぶ嫌なことを羅列するのも良いです、嫌だと感じたことを時系列で書き出してみるのもまた良いでしょう。そうしていく中で抽象的だったその嫌なことが具体的になっていき、次第にその嫌なことに対して少し冷静な気持ちで対処できるようにもなります。
また、仕事で感じた嫌なことを書いたその紙を思いっきり破り捨てるという行為もストレス発散には大きな効果が期待できます。心理学的に人間は嫌なことに対して蓋をしてしまう傾向があります。確かにその方法は一時的には嫌なことから解放されるのですが、無意識下に蓄積されていってしまうので、知らないところで心を蝕んでしまうこともあります。これがあまりに重度になってしまうとトラウマの引き金にすらなりかねませんから、オススメしません。ですから、1度嫌なことと正面から向き合い具体的にして、それを破り捨てたり燃やしたりすることで決別したという認識を持つことが大事になります。
仕事で嫌なことがあった時は思い切り感情を爆発させてみる
人間の感情というものは抑えれば抑えるほど、跳ね返った時の反動が大きくなります。うつ病の罹患率は女性の方が男性よりも2倍多いというデータがありますが、重症化するのは男性の方が2倍多いとされるデータもあります。男性の方が重症化しやすい要因の1つは、男性の方が感情の吐き出し方が下手だというところにあります。男なのだから、感情をおおっぴらに表に出すべきではないという考え方がそうさせる要因の1つです。
このことからも嫌なことやストレスを感じた時は、感情を思いっきり表に出すことが大事だと分かります。中でも涙を流すことは良いとされており、涙活とも呼ばれて広く認知されています。思い切り感情を爆発させろとはいっても、当然暴力の行使や法に触れることはしてはいけません。1人になれて大声を出せる場所、例えばカラオケボックスなどで大声を張り上げて感情を表面に出すことなどがオススメです。
仕事で嫌なことがあった時は思い切り体を動かしてみる
体を動かし、そのことに集中している時は嫌なことを忘れることができます。嫌なことやストレスを感じている場合、人間の筋肉は知らない内に硬直しています。硬直した筋肉では当然血流も悪くなり、頭痛や肩こりなどの症状からホルモンバランスにまで影響を及ぼします。体の不調は、嫌だと感じたことをもっと強烈に嫌なことだと感じさせる要因にもなります。
体を動かして出る汗は体内老廃物などを外に出してくれる効果があるので、肉体的なスッキリ感を与えてくれます。人間の脳は不思議なもので、本来精神的な不調が原因であったはずのことでも、それ以上にスッキリした感覚を肉体的に得られれば、それを帳消しにできます。この運動の時に注意すべきことは大きく以下の2つです。
- 過激な運動を行わない
- 競争競技よりは個人競技の方が良い
過激な運動は体内に疲労物質などを作ることにもなりますから、下手をすると余計にストレスを感じてしまうことがあります。競争競技やチーム競技もストレスを生む要素が個人競技よりも多い場合があるので、オススメはしません。とは言っても当然人それぞれですから、まずはあなたには何が合うのかを試してみてください。
仕事で嫌なことがあった時は好きなことに没頭してみる
あなたが好きなことであればその対象は何でも構いません。時間を忘れて没頭している状態は、運動をしているときと同様にその1点に対して集中しているので他のことを忘れることができます。趣味を持つことが大事だといわれる理由はこの辺りにあります。ただし気をつけなければならないのは、それに飲み込まれないことです。お酒やギャンブルなどを筆頭に、あらゆるジャンルのあらゆることが一線を超えると生活に支障をきたしてしまう場合もあります。飲み込まれやすいことほど中毒性が強く、没頭しやすいとも言えるので注意して行うことが重要です。
とは言え、そんなことをイチイチ気にかけていては没頭することも難しいですから、この好きなことに没頭するという方法は比較的難しいといえます。没頭する対象をしっかりと取捨選択することが、この手法における一番の肝になります。そのハードルを越えてしまえば非常に効果の高い手法ではあるので、1度冷静に没頭できるものを考えてみましょう。
仕事で嫌なことがあった時は誰かに全力で愚痴ってみる
思いっきり感情を爆発させましょうと似ている部分はありますが、この愚痴を言うという行為も嫌なことがあった場合の対処法として効果的です。人間は基本的に社会性の高い動物であり、コミュニケーションを非常に重要としています。例えその愚痴になんら建設的な意見や答えが含まれていなくても、ただ言葉を発してそれに相槌を打ってもらうということだけで、効果を期待できます。
仕事で嫌なことあったりしてストレスを溜め込んでいる時は、自分が社会の中で1人きりではないかと思ってしまうことが多いです。孤独を感じると非常に強いストレスを感じてしまう人も多くいますから、この愚痴というコミュニケーションで自分は1人ではないという感覚を得ることが非常に重要な心理的作用になり得るといえます。
仕事で嫌なことがあった時はいっそ爆睡してみる
これは一番簡単そうに見えて、実は結構難しい手法です。仕事で嫌なことがあった時には、眠ろうとして目を閉じてもその嫌なことが頭の中をグルグル巡ってしまい、なかなか寝付けるものではありません。
また、睡眠は記憶の定着を促してしまう効果もあるので、下手をするとより強く嫌なことがインプットされてしまうことも考えられます。これでは意味がありません。
大事なことは、いかに適切に良質な睡眠をとることができるかどうかです。良質な睡眠をとるためには、先に紹介した手法をいくつか複合的に行うことが効果的です。愚痴を言ったり、好きなことに没頭したりして嫌なことの元凶を1度表に吐き出してしまいましょう。それらを行う時には変に手を抜かずに、全力で行いましょう。そうすることで、肉体的にもしっかりと疲労することができるので、睡眠の導入が容易になってきます。精神的に不健康な場合は全力で何かに取り組むということが難しくなる場合もあるので、そのような場合は睡眠外来や心療内科を受診して睡眠薬などを処方してもらうことも1つの手段としてとても有用です。
仕事で嫌なことがあった時はチャンスだと考える
嫌なことはその渦中にいる間はなんで自分がこんな目に遭わなければならないのかと思ってしまいます。しかし、ここで考え方を少し変えてみましょう。嫌なことだと感じることは、隠れていた問題点が浮き彫りになり顕在化した状態ともいえます。隠れていた問題点なら、そのままずっと隠れていてくれた方が嬉しいという意見もあるでしょう。
確かにそのまま何の問題にもならなければその方が良いのですが、この隠れている問題点は知らず知らずの内に大きくなっている場合も多いです。気付いた時にはとんでもなく面倒くさい状態になってしまうこともあります。だからこそ、少しでも問題が小さい段階で顕在化してくれることは、むしろ喜ばしいことでもあります。また、1度クリアした問題はあなたの確かな経験値となって蓄積され、同じような問題に直面した時に、問題にすらしないほど強くもなれます。
ピンチの後にはチャンスありです。あなたが仕事上でも、人間的にも成長する絶好のチャンスが訪れているのだと前向きに捉えるようにしましょう。
仕事で嫌なことがあった時は自分の力で解決策を考える
何度も書いていますが、嫌なことに遭遇することは成長するための絶好の機会です。しかし頭ではそうだと分かっていても、一朝一夕に考え方を変えることは難しいものです。だからこそあなた自身の根本的な考え方を変えずに、嫌なことだと感じる問題を解決できるように策を講じる必要があります。
先に書いたような具体的な行動例も、1つぐらいは案外しっくりきてスッキリすると思います。色々と試してみたけど、やっぱりどうにも上手くいかないとなれば、1度思いっきりその嫌なことから逃げてみましょう。いっそ他の人に問題を丸投げしてみるのも良いでしょう。あなたは仕事に対して真摯に向き合っています。ずっとそうして仕事をしてきたからこそ、他人より多くの嫌なことに遭遇しているのです。適当は決して悪いことではありません。
このように様々な角度から嫌なことを分析して、どのような手段が講じられるかを考えることが重要です。仕事で嫌なことがあった時は自分の力で解決策を考えるクセをつけていくようにしていきましょう。