職場の人間関係というのは言うまでもなく大事なものであり、同じ職場の仲間と良好な関係を保つのもサラリーマンの仕事の内といえるでしょう。
ですが、サラリーマンは一緒に働く人間を自分で選ぶことはできませんので、仕方なく苦手な人や嫌いな人と顔を突き合わせながら仕事をしているという方も多いのではないでしょうか。そのような状態では仕事もしづらいですし、場合によっては仕事そのものに嫌気が差してしまう可能性もあるでしょう。
そうならないよう、この記事では嫌いな人に対しても大人な対応をする方法を見ていきたいと思います。
もくじ
嫌いな人を分析してみよう!短所と長所をよく把握する
嫌いな人と一概に言っても、生理的に嫌悪してしまうのか、それとも性格の一部が嫌いなだけなのかで大きな差があります。生理的に嫌悪してしまう場合は改善するのは難しいかもしれませんが、何かしら特定の理由があって嫌っている場合は、相手の長所を一つでも見つけることによって、嫌悪感も少しは和らぐかもしれません。
やはり同じ職場の仲間とは良い関係を築いた方が仕事も捗るもの。そのためにも、嫌いな相手の長所短所を一度総合的に分析してみてはいかがでしょうか。
長所だけではなく短所も一度言語化することにより、自分が相手のどういった部分を嫌悪しているのかを客観的に俯瞰することができるでしょう。それにより、もしかしたら有効な対処法が閃くかもしれません。
嫌いな人に実践したい5つの大人な対応とは?
そして、いくら自分が嫌いだからといって同じ職場の人間にあからさまにそっけない態度をとっていると、周囲から「大人げない奴」というレッテルを貼られてしまう恐れがあります。そのため、嫌いな人に対してもある程
度は大人な対応をする必要があるでしょう。
大人な対応とは、自分の感情を表に出さず嫌いな人と適度な距離感を保つ姿勢のことを指します。嫌いという感情を変えることは難しいため、自分の感情は一旦横へ置いておき、社会人として誰に対しても適切な対応をすることが求められるでしょう。
それでは、具体的な対応を見ていきたいと思います。
無視はしない!挨拶や相槌など最低限の受け答えはする
嫌いな人であっても挨拶や相槌等最低限の受け答えを行うことが大切です。嫌いな人と話すのは誰しも苦痛であり、できれば無視してしまいたいと思ってしまうかもしれませんが、それでは職場全体に嫌な空気を振りまいてしまい、自分勝手な奴と見做されてしまう可能性があります。
そうなってしまうと、今度は自分が周囲の人からそっけない態度をとられてしまう恐れがありますので、嫌いな人といえども最低限の挨拶及び相槌程度は行う必要があるでしょう。
ですが、それ以上のことはわざわざ自分から行う必要はありません。自分が相手のことを好きでない場合、多くは相手も自分のことが好きではありませんので、お互い社会人として最低限のコンタクトにとどめておいた方が何かと都合が良いのではないでしょうか。
話しは軽く流す!嫌味を言われても怒らずに流す
もし嫌いな人が向こうから話しかけてきた場合、何を言われても軽く受け流すといった姿勢が大事です。もしかしたら時には嫌味を言われてカチンとくることもあるかもしれませんが、そういう時こそ大人として適切な対応が試されるでしょう。そういった時でも冷静さを失わずしっかりと対応することができれば、それを見ている周囲の人からの信用がアップし評価の向上に繋がります。
人間である以上好きな人嫌いな人がいるのは仕方のないことであり、嫌なことを言われて腹が立たない人もいません。ですが、そういう時に感情の赴くままに言い返していてはキリがありませんし、何より自分が疲弊してしまいます。嫌いな人相手でも冷静さを失うことなく落ち着いた対応ができれば自尊心も上がりますし、周囲から一目置かれることにもなるのではないでしょうか。
批判するのはやめて一旦肯定!その後に自分の考えを言う
嫌いな人と何かを話し合う際、嫌い故にその意見を全て否定したくなることもあるかもしれません。坊主憎けりゃ袈裟まで憎いという言葉もある通り、好き嫌いという感情は思った以上に自分に色眼鏡をかけることになります。そのため、例え相手が正しいことを口にしていたとしても、嫌いという感情でそれを批判してしまうこともあるでしょう。
しかし、それでは話は前に進みませんし、相手に対しても周囲に対しても嫌な印象を与えてしまいます。意見そのものに瑕疵があるのであれば時に批判することも大切ですが、それはあくまでもしっかりとした信頼関係に基いて行うものです。そのため、嫌いな人に直接批判的な意見をぶつけるのは、余程のことがない限りやめておいた方が良いでしょう。
たとえ嫌いな相手といえども、一度はしっかりと意見を聞き肯定の意を示すことが大切です。そして、その後に批判的にならない程度の自分の考えを述べる分には問題はないのではないでしょうか。
嫌いな相手の立場や状況を考えた発言をする
また、いくら嫌いな人とはいえ、相手の立場や状況を全く考慮しない発言をするも考えものです。相手にも会社での立場というものがありますし、愛する家族や友人、恋人等がいるかもしれません。プライベートなことをわざわざ詮索する必要はありませんが、もし自分の不用意な発言で相手の面子を潰し相手が難しい状況に追い込まれてしまった場合、傷つくのは当人だけとは限りません。
会社や社会というのは様々な人間が複雑に絡み合って形成されていますので、お互いトラブルにならないようある程度は気を遣って生活する必要があります。考えなしにそれを壊すような発言をしてしまうのは、自分は空気が読めない人間だと証明するようなものであり、あまりメリットがあるとは言えないでしょう。
嫌いな人をほめてみる!質問をしてみるのも効果的
時には、嫌いな人を褒めてみるといったやり方も効果があるかもしれません。人間の脳は自分が誰かに言った言葉の主語を認識することができないため、例えば誰かの悪口を言ったとしたら、それは自分のことだと認識してしまうという説があります。それを利用し、相手を褒めることであたかも自分が褒められたかの如く認知することができ、自己肯定感のアップに繋がるという話もあります。
そして、もし嫌いな人を褒めることができたとしたら、上述した効果に加えて「嫌いな相手に対してもしっかりとした対応ができる自分は偉い」という肯定感も加わりそうです。また、褒めることによって相手の良い部分をフォーカスすることができ、少しは嫌いという気持ちが和らぐ効果も期待できるのではないでしょうか。
褒めるのはどうしても抵抗があるといった場合は、相手に質問するという形でも良いでしょう。それにより自分から相手に頼るという姿勢を見せることができ、上手くいけば少しは歩み寄ることができるかもしれません。ですが、相手があからさまに嫌な素振りをした場合、繰り返すのはやめておきましょう。
嫌いな人に対して大人な対応をしたい!参考になる本は?
言うは易し行うは難しという言葉にもある通り、上述したような事柄はいくら心掛けていたとしてもそう簡単に実行できるものではありません。そういった際は、関連する書籍を読み込むのも嫌いな人との関係を見つめ直すきっかけになりそうです。
職場の人間関係というのは多くの人が退職を考える理由になっているため、古今東西永遠のテーマといえるでしょう。そのため、あの手この手でどうにかしようと色々な人が様々な方法を考えていますので、その蓄えられた知見に触れることは決して損にはならないのではないでしょうか。
それでは、嫌いな人とうまくやるためのお薦めの書籍を幾つかご紹介したいと思います。
嫌いな人の取り扱いマニュアル!『職場の嫌いな人の取り扱い方法』
こちらは、まず自分自身をいくつかのタイプに分類し、33ケースにも渡る相手の特性とその対処法を見ていくといった内容になっています。
相手のパターンだけではなく、自分自身も分類するという点はなかなかユニークであり、人間というのはこうも多種多様な特性を持っているのかと思わず感嘆してしまうことでしょう。それらを参考に嫌いな人との関係を改善できる場合もあれば、実務的にはあまり役に立たなかったという場合もあるようです。
それでも、人間には様々なパターンがあり、良い関係を築けないとしてもそれは特性や相性によるものなので、自分や相手が悪いわけではないという視点を持つことができるかもしれません。それにより、少しは気持ちが楽になる場合もあるでしょう。
コミュニケーション術が身に付く!『嫌いな人がいなくなる!』
こちらは、よりアクティブに嫌いな人と関わり、嫌いな人を嫌いではなくなってしまおうという内容の書籍です。嫌いな人自体を変えることはできないため自分が変わろうといったテーマになるのですが、本書の内容を参考にすることで嫌いな人との関係が改善される見込みもあるのではないかと思います。
人間が抱えるストレスというのは大半が人間関係によるものであり、自分が好きな人とだけ付き合うことができればほぼストレスフリーな人生を歩むことができるでしょう。この本のタイトル通り自分の人生から嫌いな人がいなくなることによって、そのような快適な人生を歩むことができるのかもしれません。
職場等に嫌いな人がいて、どうしてもその人と関わらなければならないといった方にお薦めの一冊です。
まとめ
人間誰しも好き嫌いという感情が存在しますので、好きな人もいれば嫌いな人も存在するでしょう。それ自体は特別悪いことではありませんが、嫌いな人に対して不快感をあからさまに態度に出してしまうのは相手にも自分にも、そして周囲にも迷惑がかかってしまう可能性があります。
会社員は自分で一緒に働くメンバーを決めることはできませんので、どうしても嫌いな人と一緒に働く機会も多いのではないかと思います。その際は相手とのコミュニケーションにストレスを感じてしまうかもしれませんが、大人な対応を行うことによって自分が働きやすい環境を構築することも可能でしょう。相手を変えたいと思うのであれば、まず自分の考え方や価値観を変えることも大切になるのではないでしょうか。