職場の悩み

上司が無能で「辞めたい」と決める前に考えたいこと

仕事において、「上司」の存在はとても重要なものです。あなたの働きやすさを大きく左右しますし、仕事での連携も間違いなく必要になってきます。「良い上司」の下で働ければ、あなた自身も成長が期待できるでしょう。 しかし、あなたの上司が「無能」と呼ばれる人であればどうでしょうか?もし、無能な上司の下で働くことになれば、あなたは上司への対応やフォローで消耗し、自身の成長を止めてしまうことになります。 ですので、いま無能な上司の下で働いているのであれば、「仕事を辞める」という選択も考えなければなりません。そこで今回は、上司が無能で「辞めたい」と決断する前に考えてほしいことをまとめました。

もくじ

上司が「無能」なのは仕方がないことなのか?

無能と思える上司を持ち、仕事を「辞めたい」と考えているあなたは、仕事のできない上司の対応やフォローに困らされているのだと思います。しかし、「上司が無能で困っている」という話は周りからもよく聞きませんか?実はこの悩み、ある種仕方ないこととも言えるのです。 大前提として、上司というのは何かしらの点で周りから評価をされ、今の地位にいるのでしょう。ではなぜ、周りからの評価を受けた人のことを「無能」と感じてしまうのでしょうか?それには理由があるのです。

無能な上司が生まれてしまう原因①:「ピーターの法則」

「ピーターの法則」という言葉をご存知でしょうか?ピーターの法則を簡単に紹介すると、以下のようなことが言われています。

  • 能力主義の社会において、有能な人は限界まで出世をしていく
  • そして限界まで出世をし、それ以上出世できない地位で落ち着く
  • つまり、管理職のほとんどは「今の地位以上は出世できない人」で埋め尽くされる

能力主義の社会において、有能な人はどんどん出世をしていきます。平社員のときに成果を残せば昇進し、昇進した先で成果を残せばまた1段階出世をしていくことでしょう。しかし、その出世にはいずれ限界がやってきます。 いくら有能な人とはいえど能力には限界があり、いずれその役職においては「無能」と呼ばれるようになってしまうのです。つまり、能力に限界がきてしまった人たちが「無能な役職者」としてその地位にとどまってしまうのです。 ですので、ほとんどの役職者は「無能は役職者」と成り下がってしまい、実際に会社を動かしているのは「まだ出世が期待できるあなたのような人」となるのです。

無能な上司が生まれてしまう原因②:「年功序列制度」

日本の会社において避けて通れないと言えるのが、この「年功序列制度」です。年齢や勤続年数などに応じて役職や給料が上がり、能力やスキルは二の次として考えられます。 もちろん、年功序列制度は悪いことばかりではありません。年齢や勤続年数によって、それだけ仕事のやり方やノウハウが蓄積されていきますし、部下に対しても経験を生かした指導が期待できます。

しかし、その年功序列制度によって「無能な上司」が生まれる可能性も極めて高いと言えます。裏を返せば「能力がなくても、長く勤めていれば出世が期待できる制度」でもありますし、年功序列制度に依存して出世をした上司も少なからずいるでしょう。 年功序列制度のすべてを否定するわけではありませんが、この制度により、いわゆる「無能な上司」が生まれてしまっているのは否定できません。

「上司が無能だ」と感じる自分側に原因はないのか?

「上司が無能だ」と感じたあなたに、改めて考えてほしいことがあります。それは、「自分側にも何か原因はないのか?」ということです。もちろん、あなたはいろんなことを考えた上で、「会社を辞めたい」と考えているのだと思います。

ただ、もしあなた自身にも原因があった場合、今の会社を辞めて転職した先の会社で同じようなことが起きても不思議ではありません。ですので、「自分側にも本当に原因はないのか?」ということを、改めて考えてみましょう。

上司の「嫌なところ」ばかりを見ていないか?

まず考えてほしいことは、「上司の嫌なところばかりを見ていないか?」ということです。1度相手の嫌なところが見えてしまうと、その嫌なところが目につくことが増えてしまうでしょう。 人は誰しも、「良いところ」と「悪いところ」を持っています。人は、自分の良いところを見つけて歩み寄ろうとしてくる相手を、拒絶することはほぼありません。そのなかで、あなたは上司の「良いところ」を探す努力しているでしょうか?もし探そうとしていないのであれば、良いところを探そうとすることで相手の態度に変化が見られるかもしれません。

上司の嫌なところが目につくあまり、良いところを見逃してはいないでしょうか?もちろん上司によっては嫌なところばかりの人もいるでしょう。しかし、「会社を辞めて転職する」と決断する前に、もう1度上司と向き合いって「良いところ」を探してみませんか?

上司が自分の思い通りにならないだけではないか?

人は誰しも、相手が想い通りに動くと気持ちが良いものです。自分の思う通りに物事が動けば、人生においての悩みはほとんどなくなるでしょう。しかし、人生でも仕事でも、そうはうまくいかないのが現実です。

まずハッキリ言うと、「自分の思い通りに物事を動かす」という考えは褒められたものではありません。ましてや、対人関係においては特にです。心理学的にもよく言われているのは「人は変えられない」ということ。あなたの目上に当たる「上司」を思い通りに動かすということは、かなり難しいことと言えるでしょう。 もしあなたに、「自分の思い通りに上司を動かせる」という考え方に心当たりがあれば、1度その考え方を見直して、上司と改めて向き合ってみることをおすすめします。

無能な上司から離れ、転職した後の自分はどうなっているか?

  • 無能な上司が生まれるのは仕方のないこと
  • 自分側にも原因があるかもしれない

今まで、以上の2点についてお話をさせていただきました。そのうえで「会社を辞めて転職したい」と考えるのであれば、あなたは転職を考えるべきでしょう。自分側に原因がないのであれば、今の会社にいることであなたの成長を止めてしまうことになりかねません。 ただ、転職とはすべてがうまくいくものではありません。転職したことで、今より悪い環境で働いている人もいますし、最悪、再就職ができないケースも考えられます。ですので、ここからは「転職するうえでしっかり考えておきたいこと」を紹介します。

あなたが今後やりたいことは見つかっているか?

まず、転職するにおいて「次に自分は何をやりたいのか?」と考えることは大切です。せっかく転職をするのであれば、改めて自分自身と向き合い、やりたいことを見つけてみるのもいいでしょう。

もちろん、「好きなことを仕事にしなければいけない」と言うつもりはありません。ただ、せめて「やりたいこと」と「やりたくないこと」は考えておくべきでしょう。もし、自分の「やりたいこと」や「やりたくないこと」と向き合わずに転職してしまうと、今の会社と同じことを繰り返してしまう可能性が考えられます。

また、ここでいう「やりたいこと」がない人には、自分の「強み」を考え直すことをおすすめします。自分の強みを正しく理解し、その強みを仕事に生かせれば、今より仕事がやりやすくなるはずです。もし「自分の強みがわからない」という人がいれば、周りの人に正直に聞いてみるといいでしょう。案外、自分が気づいていない強みを教えてくれます。

あなた自身の将来のことをしっかり考えているか?

厳しい話にはなりますが、今の会社を辞めて転職をするということは、転職期間中は収入がない状態になると思います。ですので、今の会社にいながら転職活動をするか、転職期間中のための資金をあらかじめ用意することが必要となります。

また、転職をする前に「自分は将来のことをきちんと考えられているのか?」と自分を見直すことをおすすめします。現代において、転職をすることは何も珍しいことではありません。だからといって、何も将来のことを考えず、ただただ「今の会社に不満があるから」という理由で転職に踏み切るのはあまりにも危険が伴います。

就職活動でも同じですが、転職活動は「自分と向き合える機会」であるとも言えます。あなたの周りの人たちからも協力を受けつつ、改めてあなた自身と向き合ってみることをおすすめします。

まとめ

冒頭でお話ししましたが、「無能な上司」がいるというのはある種仕方のないことです。しかし、その無能な上司に対して「無能なのは仕方がないから我慢しよう」と思う必要はありません。無能な上司で働くということは、あなた自身の成長を大きく止めてしまう可能性があります。

ただ、転職に踏み切る前に「自分に原因はないか?」「転職した後のことを考えられているか?」ということを、改めて考えてほしいのです。考えなしで感情的に会社を辞めてしまったことで、転職先がなかなか見つからず、最終的には元の会社より悪い環境で働くことになるケースも珍しくはありません。 あなた自身の成長と将来のため、「上司が無能だから辞めたい」と決断する前に、改めて自分と向き合ってみてはいかがでしょうか?

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