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被害妄想の治し方とは?円滑な人間関係のための対応5選

被害妄想に囚われてしまっている人は何事もネガティブに捉えてしまい、その度に辛い思いをしてしまうことでしょう。本当は誰も悪く思っていないのに勝手に嫌われていると感じてしまい、そのせいで周囲とうまく人間関係を築くことができません。

それによって更に被害妄想を抱いてしまうという悪循環に陥っている可能性があり、そんな状態では誰かとまともにコミュニケーションすることすら難しくなってしまいます。この記事では、被害妄想について、そしてその接し方等を見ていきたいと思います。

もくじ

被害妄想は過去に受けた傷が癒えていないことで起こる発作のようなもの?

被害妄想に囚われてしまっている人というのは過去に何らかの傷を受け、それがまだ癒えていないのだと言われています。そして、ふとした時にその傷が表面化し、まるで発作が起きるように「自分は嫌われている」というような思いが顕現してしまうのでしょう。

人間というのは過去に受けた傷のせいで様々な疑念に囚われてしまうものですが、それを正確に把握するのは大変難しいことです。被害妄想に限らず何らかの精神的な問題を抱えている人は、問題自体は何となく把握しているものの、その原因までは考えが回らないことが多いのではないでしょうか。

そのため、どうしても表面的な対処を行う他ないのですが、それだけでは根本的な解決を図ることは難しいと言えるでしょう。

被害妄想を一番治したいのは本人!注意を引きたいだけで言っているのではない

被害妄想を抱いてしまう人は自分が被害妄想に囚われてしまっていることをある程度自覚しており、できればそれを治したいと思っているようです。被害妄想を抱いてしまうことによるデメリットは大きく、当人もそのせいで様々な辛い目にあっているため尚更でしょう。

被害妄想は上述した通り過去のトラウマが今日まで続いていることが原因で起こっていると言われています。本人もそれを治したいと思っているものの、過去のトラウマというのは消そうと思って消せるものではないため、そう簡単に治るものではありません。

しかし、心身の体調が良い時は被害妄想が弱まる時もあるようです。ずっとそうだったら良いのですが、何かのきっかけで一度でも強い被害妄想を抱いてしまうと、再び些細なことでも重く受け止め始めてしまいます。

被害妄想を治すことに繋がる接し方とは?否定することは逆効果?

被害妄想に囚われてしまっている人を見ると「そんなことないよ、考えすぎだよ」と、相手の被害妄想を否定してしまいたくなることもあるでしょう。それに全く効果がないわけではありませんが、否定されることによってさらに強い被害妄想を呼んでしまう恐れがあります。

被害妄想を抱いている人に適切に接するのは大変難しく、どのようにすれば良いのか分からないといったケースも多いのではないでしょうか。ここでは、そのような方のために、被害妄想を抱いている人に対する接し方を考えてみたいと思います。

被害妄想は全否定しない!人間関係において多少は必要であることを認める

まず、相手の被害妄想を全否定することは避け、被害妄想そのものをある程度受け入れた上で接するのが良いかもしれません。そもそも、人間は誰しも多かれ少なかれ被害妄想を抱いているものであり、「悪いことしたから怒ってるだろうな、謝らなきゃ」という考えも被害妄想が働かなければ思いつかないでしょう。

そのため、考えようによっては被害妄想は人間関係をスムーズにするための潤滑油ということもできるかもしれません。ただ、それが少々度が過ぎてしまっていることが問題であり、勿論その程度は抑えた方が良いでしょう。

しかし、被害妄想を全否定するということは余計に相手が被害妄想に囚われてしまうことに繋がります。それを防ぐためにも、上述したような根拠を前提として被害妄想を全否定するのは避け、ある程度は認めるといった姿勢が大切です。

一緒に考えるという姿勢を貫く!真実を教えるのではなく、真実へ導く

そして、被害妄想を全否定せず、相手と一緒に考えるという姿勢を見せ、最終的に真実に導くといったやり方も試してみる価値がありそうです。相手が被害妄想に囚われてしまっている時は認知の歪みが発生しており、物事を正しく捉えることができていません。

そこで、相手が物事を正しく捉えることができるよう協力し、最終的に相手が自分の力で真実に到達できるよう導きましょう。そうすることで、相手が一人の時でも自分の力で被害妄想を適切に振り払えることが期待できます。

この場合、あくまでも真実に到達するのは相手自身でなければなりませんので、真実を言葉で直接教えるのは避けた方が良いでしょう。言葉で真実を語ったところで信用してもらえる可能性は低いですし、何より相手に真実を見抜く目が育ちません。

被害妄想が出ていない時にこそ、しっかり関係を深める努力をする

前述の通り、被害妄想というのは相手の調子によってその程度が異なります。そのため、被害妄想が比較的抑えられている調子の良い時にこそ、しっかりと関係を深められるよう努めておきましょう。

普段おざなりな対応をしているのに、被害妄想が起きたときにだけ相手を気遣うと、本人が遠慮してまた被害妄想を抱く余地が発生してしまいます。なるべく被害妄想が軽い時とそうでない時で態度を変化させることなく、常に相手のことを気遣って信頼を得られるよう努力しましょう。

平時の時に関係を深めておくことで、被害妄想に囚われてしまった時にでも「この人の言うことなら信用できる」と思ってもらえるかもしれません。それによって、相手を真実に導きやすくなることが期待できます。

そういう考え方もある、と受け入れることを意識しながら接する

被害妄想に囚われてしまっている人はとにかく自分が否定されていると感じがちですので、そうではないことを強く打ち出すことが大切です。相手が何か妄想めいたことを言ったとしても、それを全否定するのではなく、「そういう考え方もある」と受け入れることを意識しましょう。

相手を受け入れることを意識し、それをしっかりと言葉で表現することによって、相手の「自分は否定されている」という妄想を緩和することができるかもしれません。被害妄想に囚われてしまっている人は元々誰にも否定されていないことが多いのですが、それをただ伝えるだけではなく、言葉と態度を以て示しましょう。

それは被害妄想を抱いている人を救うばかりではなく、自分自身の柔軟性を鍛える効果が得られる可能性もあります。

たとえ被害妄想を持ち続けても「あなたが好き」と伝える

被害妄想が出てしまっている人はとにかく扱いが大変であり、できれば調子の良い時だけ付き合っていたいと思ってしまうかもしれません。しかし、それでは相手はますます被害妄想に囚われてしまいますので、そういう時こそしっかりと向き合う必要があるでしょう。

もし相手が被害妄想を抱いてしまった際にも、「あなたのことが好き」ということを繰り返し伝え、相手の意識にインプットしましょう。被害妄想は長年積み重ねられた膨大な情報に基づく認知の歪みですが、相手を好きだという真実を上書きすることで、少しは正しいものの見方に繋がるかもしれません。

そして、被害妄想に対する特効薬はやはり愛情であり、「どのような時であってもあなたのことを大切に思っている」という思いは相手に安心感を与えるでしょう。安心感と愛情を長期的に与え続けることにより、被害妄想の程度が弱まることが期待できます。

被害妄想は愛情不足が大きな原因の一つ!まめなコミュニケーションで軽減できる

被害妄想がある人は総じて愛情に飢えており、それは異性からの愛情というよりは人間そのものからの愛情と言うことができるでしょう。あまり詮索をするのは良くはありませんが、家庭環境に問題があったり、子供の頃に人間関係で嫌な目にあったのかもしれません。

そのため、被害妄想を緩和させるためには相手に「人に受け入れられている」「人から認められている」「愛されている」といった実感を与えることが大切です。平時からまめなコミュニケーションをとり、無理のない範囲で「あなたのことを大切に思っている」ということを伝えましょう。

ただ、相手の被害妄想があまりに酷い場合は個人の手に負えない場合もありますので、くれぐれも無理のない範囲で行いましょう。相手の被害妄想を治したいがために自分の精神が疲弊してしまっては元も子もありません。

また、愛情を注ぐとはいっても、依存関係にならないよう注意が必要です。相手が貴方に依存してしまうと、貴方の些細な行動や言動一つ一つが被害妄想の種となり、緩和させるどころかより一層酷くなってしまう恐れもあります。

まとめ

被害妄想の根は深く、その多くは幼少期に適切な愛情を注がれなかったことに起因すると言われています。時間を巻き戻すことはできませんので、当時に戻って適切な愛情を注ぐということは不可能であり、なんとか今現在において対処するしかないでしょう。

しかし、このような精神的な問題は専門家でも完治させるのが難しいため、一個人にできることには限界があります。そのため、被害妄想を持つ人に接する時はあまり無理はせず、自分のできる範囲でできることを行うといった姿勢が大切になるでしょう。

無理をして自分の余裕がなくなっている状態で接してしまうと、相手の被害妄想がより酷くなってしまう可能性があります。何もかも全てを自分一人で抱え込もうとせず、焦らずゆっくりと余裕を持って、自分が関与することによってマイナスにさえならなければ上出来という形で接することをお薦めします。

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