お客様にメールを送るときは、ビジネスマナーを考慮しなければいけません。とくに営業職であれば、失礼な文面のビジネスメールを送ってしまっては、お客様の信頼を失いかねません。
しかし、どのような文章でメールを書けばマナー違反にならないのか分からないですよね?
そこで、ここではビジネスメールの書き方のコツについて解説していきます。営業活動におけるシチュエーション別に、具体的なサンプル例文を挙げながら説明していきますので、
営業職の方はぜひ参考にしてください。
もくじ
営業職のビジネスメールの書き方とコツ「宛名」
最初にビジネスメールの「宛名」の書き方について話をしていきます。宛名の書き方の基本として「会社名」「部署名」「お名前」の3つの要素を入ることです。
たとえば、次のような宛名の書き方です。
株式会社○○
情報システム本部 平田太郎様 |
ビジネスメールで宛名を書くときのコツですが、まず会社名は「株式会社」を省略せずにしっかりと記載することです。メールに会社名を書くときに省略する人も多いですが、ビジネスメールとしては正しくありません。
また、(株)(有)のように短縮して記載するのも間違いです。「株式会社」が会社名の前に着くのか、後ろに着くのかを確認して「株式会社ABCコミュニケーションズ」というように省略せずに記載しましょう。
そして、「部署名」も同様に省略せずに全てを書くようしてください。部署の中に幾つかの「課」に分かれているのであれば、そこまで記載するのが丁寧な表現です。
また、お客様に「役職」がついているのであれば、部署名の後に記載します。たとえば、次のような書き方です。
情報システム本部 部長
平田太郎様 |
最後に宛名に記載する「名前」についてです。基本的には、お客様のフルネームで記載するようにします。そして、最後には必ず「様」をつけるようにしてください。
ビジネスメールにおいて「宛名」は、お客様が最初に目にする重要な部分です。正しい書き方の基本をマスターして、マナー違反のないように心がけてください。
お客様との関係性によって省略することは可能
さて、ビジネスメールにおける「宛名」の基本について解説しましたが、その書き方はお客様との関係性によって変えても問題ありません。
たとえば、付き合いの長いお客様とのビジネスメールであれば、「会社名」や「部署名」などは省略しても構いません。たとえば、次のような書き方です。
株式会社○○
平田様 |
このように、何度もやり取りをしているお客様に対しては、宛名を簡潔に表現しても問題ございません。
なぜなら、お客様とのビジネスメールで、毎回「会社名」や「部署名」を入れるとメール文章が冗長されてしまうからです。ある程度のコミュニケーションが取れているお客様であれば、宛名は省略することを意識してください。
営業職のビジネスメールの書き方とコツ「切り出し方」
次にビジネスメールの「切り出し方」の書き方について解説をしていきます。先ほどの「宛名」に続いてメールの本題に関して触れる部分です。
たとえば、新規開拓の営業アプローチで初めてお客様にメールを送るときなどは、どのように本題を切り出したら良いのか悩んでしまいますよね?
そこで、営業活動のシチュエーション別に、ビジネスメールの切り出し方をサンプル例文とともに解説していきます。
ビジネスメールの切り出し方 「新規開拓編」
まずは新規開拓営業でアプローチするときのビジネスメールの切り出し方です。ここで必要なことは、可能な限りお客様の不安を取り除いてあげることです。なぜなら、お客様は初めての相手からのメールに対しては、必ず不信感を抱くからです。
たとえば、「あれっ、どうして私のメールアドレスを知っているのだろう」「一体、どこの誰なのだろう」というような不信感です。
そのため、ビジネスメールの切り出しの冒頭で、この疑問を無くすようにしてください。具体的には、以下のようなフレーズを使います。
突然のメールにて失礼いたします。
私、名刺管理システムの販売をしております、 株式会社○○の山田と申します。 |
このように、冒頭で突然のメールであることをお詫びします。そうすることで、あなた自身も「突然のメールは失礼であることを理解している」ことをお客様に伝えることができます。
そして、その次にしっかりと会社名と名前を伝えます。もちろん、このときも会社名と名前はフルネームで記載してください。このように「どこの誰」であるかを冒頭で伝えることで、お客様の不信感を極力少なくすることができるのです。
そして、次に「どこでメールアドレスを知ったのか」を伝えるようにしてください。お客様は「なぜ私の連絡先を知っているのだろう」と必ず疑問に思うからです。
そこで、ビジネスメールの切り出しに続いて、次のようなフレーズで説明します。
「昨年、開催した弊社のセミナーの参加者様へご連絡させて頂いております」
「◯◯社の鈴木部長様からのご紹介でご連絡させて頂きました」 |
このように、どのような経由でお客様の名前やメールアドレスを知ったのかを説明してください。
とくに、個人情報の扱いに関しては、情報漏洩などの事件も発生していることから、どこの企業でもナーバスになっています。そのため、どこでお客様の個人情報を知ったのかは、必ずビジネスメールの切り出しの部分で説明してください。
ビジネスメールの切り出し方 「担当者変更編」
次に、自社の都合で営業担当が変わったときに、ご挨拶の訪問としてアプローチするときのビジネスメールの切り出し方です。
このときは、営業担当者が変わることをメールの切り出しの部分で簡潔に伝えるようにしてください。たとえば、次のようなビジネスメールの書き方です。
いつもお世話になっております。
株式会社○○の山田です。
10月の人事異動により、貴社の 営業担当が変わることになりました。
今後は、同じ課の吉田一郎が 新たに貴社を担当させていただくことになります。
つきましては、 本人とともにご挨拶に伺いたいと考えております。 |
このように、まずは担当者が変更になることを伝え、後任の名前をフルネームで記載してください。このとき、後任の担当者がどこの課に所属しているのかまでも説明しておくと丁寧です。
それに続いて、「後任の担当者とともに挨拶に伺いたい」という本題に入っていけば良いのです。あまり回りくどくならないように、シンプルに伝えることを心がけましょう。
営業職のビジネスメールの書き方とコツ「文末・締めの言葉」
また、メールの切り出し方と同様にメール本文の「締めの言葉」もビジネスメールにおいては重要です。ただ、どのような言葉や表現を使えば、ビジネスマナーとして正しいのか迷ってしまいますよね?
そこで、ここからは営業マンに必要とされるビジネスメールの文末・締めの言葉の書き方について解説をしていきます。
ビジネスメールの文末・締めの言葉は、上記で説明したメールの「切り出し方」の箇所と同様に挨拶で締めることになります。ですので、ビジネスメールは挨拶に始まって、挨拶に終わると覚えておきましょう。
そして、ビジネスメールの文末の言葉・締めの言葉は、そのメール本文の内容によって変えなければいけません。そこで、営業活動における幾つかのシチュエーションを例に挙げて、具体的なサンプル例文を紹介していきます。
ビジネスメールの文末・締めの言葉 「ご依頼編」
最初に、営業マンからお客様にメールの文章で何かを依頼をしたり、打診をしたりするときです。このようなケースにおいては、お客様に行動をしてもらうために、以下のような締めの言葉を使います。
「ご検討のほどよろしくお願いします」
「ご協力のほどよろしくお願いします」 「ぜひ一度、ご検討いただければ幸いです」 |
このような言葉を文末に入れてメール本文を締めることで、お客様への配慮の気持ちを表現することができるのです。
これらは、どのような業界でも頻繁に使われているフレーズですので、営業マンであればメール文章の内容に応じてしっかりと使いこなせるようにしておきましょう。
ビジネスメールの文末・締めの言葉 「返信要求編」
次にビジネスメールの締めの言葉としてサンプルにあげるのが、お客様からのメール返信が来ないときのシチュエーションです。営業からお客様にメールを送っても、なかなかお客様からの返信が来ないことって良くありますよね?
このようなときに、お客様へメールの返信を促すときに使える文末の締めの言葉を紹介していきます。
このケースでは、お客様に「強引な印象」を与えないようにメールの返信を促すことが営業マンには求められます。たとえば、以下のようなフレーズです。
「ご連絡をお待ち申し上げます」
「お忙しいところ誠に恐縮ですが、ご回答をお願い致します」 「ご多忙のところ大変に恐縮ですが、ご返信をお待ちしております」 |
このような表現をメールの締めの言葉として使うことで、お客様に強引な印象を与えることなく返信を促すことができます。
また、これらの表現はメールだけではなく、実際のお客様との会話でも使えるフレーズでもあります。営業職としてお客様を敬いつつも、お客様に行動を催促するときのビジネスマナーですので、しっかりと頭の中に入れておいてください。
ビジネスメールの文末・締めの言葉 「返信不要編」
さて、最後に紹介するビジネスメールの締めの言葉のサンプルは、お客様からの返信が要らないときのシチュエーションです。たとえば。営業マンから連絡事項を伝えるだけで、お客様からのメールの返信を必要としない場合です。
このようなケースで、お客様が返信する必要がないことをビジネスメールの文末の締めの言葉で簡単に伝えることができたら、とても便利ですよね?
そこで、ここでは締めの言葉のサンプル例文を紹介していきます。代表的なビジネスメールの文末・締めの言葉が以下になります。
「取り急ぎご連絡まで」
「内容に問題が無ければ、ご返信は不要でございます」 「ご不明な点があれば、ご返信をお願い致します」 |
このようなフレーズを使うことで、お客様に「このメールの返信は要らない」ことを伝えることができます。ビジネスメールで使えるとても便利な締めの言葉ですので、ぜひ覚えておいてください。
さて、ここまで紹介してきたメールの文末・締めの言葉は、どれもビジネスメールの基本となるフレーズです。さらに、「終わりよければ全てよし」という言葉もあるように、メール本文の最後の文章は、そのメールの印象を大きく左右するのです。
お客様との信頼関係を損ねないためにも、ここで解説したビジネスメールの締めの言葉は、確実に使いこなせるようにしてください。
営業職のビジネスメールの書き方とコツ「署名」
さて、最後にビジネスメールにおける「署名」の書き方について解説していきます。ビジネスメールおいて署名は、名刺の代わりになる重要なポイントです。
しかし、どのような情報を署名に入れておけば良いか分からないですよね?
そこで、ここからはビジネスメールに必要とされる署名の書き方について解説していきます。具体的なサンプルを挙げて説明していきますので、署名の書き方で悩んだときは、ぜひ参考にしてください。
ビジネスメールの署名に記載するべき項目が、以下の5つです。
1、会社名 部署名
2、名前(フルネーム) 3、会社情報 4、連絡先 5、企業ホームページURL |
この5つの要素が署名に含まれていれば、営業マンとして困ることはありません。お客様との日々のやり取りもスムーズに進めることができます。
具体的なビジネスメールの署名のサンプルが以下になります。
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株式会社○○ 第一営業本部 第三課 〒120-0044東京都△△区□□ TEL 〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇 / FAX 〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇 Mobile 090-1234-5278 企業サイト:〇〇〇〇.co.jp —————————————————————- |
「署名」によって営業の成果に差が生まれる
それでは、営業職としてビジネスメールの署名を書くときのポイントについて話をしていきます。
まず、どこからが「署名」なのかがひと目見て分かるように、上記のサンプルのように「—-」などで区切りをつけるようにしましょう。
そして、本ページの「宛名」の箇所で説明したように会社名や部署名、名前は省略せずに全てフルネームで記載してください。
また、「会社情報」については、あなたが勤めているオフィス(事務所)の住所が記載されていれば問題ございません。郵便番号やビル名なども忘れずに記載しましょう。
そして、「連絡先」に関しては、オフィスの電話番号だけではなく、会社から配布されている携帯電話の番号も必ず書くようにしてください。
そうすることで、お客様があなたと連絡を取りたいときに、確実に連絡を取れるようになるからです。たとえ、電話に出られなかったとしても、あなたから折り返しの電話をすることができますよね。
そうすることで、確実にお客様との商談を進めていくことができるのです。
最後に、あなたが勤めている会社のホームページ情報も必ず記載しておきましょう。お客様がビジネスメールの本文を読んだ後に、署名のURLを見てクリックするケースがあるからです。
あなたの会社のホームページをお客様に見てもらうことで、商品の問い合わせに繋がるケースも珍しくありません。お客様の方から商品に関して問い合わせしてくれるのであれば、営業マンとしては非常にありがたいですよね?
このように、ビジネスメールの署名の書き方は、営業活動に大きく影響します。署名の書き方によって、営業の成果に差がつくと言っても決して過言ではないのです。
まとめ
さて、ここでは営業職に求められるビジネスメールの書き方について、具体的なサンプルを挙げながら解説してきました。
ビジネスメールの「宛名」では、会社・部署名、名前を省略せずにフルネームで書くことを忘れないでください。ただ、お客様との関係性によっては、省略しても問題ありません。
また、「切り出し方」については、お客様がメールの目的をすぐに理解できるようにシンプルな表現になるように心がけましょう。初めてのメールであれば、お客様に不信感を与えないようなメール文章にすることも忘れないでください。
さらに、「文末・締めの言葉」はシチュエーションによって使うべき言葉や表現が決まっています。何度か使ってみてビジネスメール自体に慣れるようにしましょう。
そして、「署名」であれば、書くべき項目も決まっています。伝えるべきことを署名に記載しておくことで営業の成果に繋がることを頭に入れておいてください。
ここで解説したビジネスメールの基本をしっかりと理解して、日々の営業活動で実際できるようにしてください。