異業種転職とは、今働いている業界・業種と違う業界に転職することを指します。マスコミで働いていた人が建築業界に転職したらそれは「異業種転職」です。異業種転職の良いところは新しい分野で新鮮味のある仕事ができること。環境ががらりと変わるので最初は戸惑うかもしれませんが、新たな刺激は受けられます。
ただし異業種転職は一から覚えることが多く、楽ではありません。女性が異業種転職する場合、夢だけで転職すると大失敗してしまうことも。大きなダメージを避けるためにまずは失敗例を見て現実的に考え、自分が異業種転職した時のイメージを膨らませましょう。
もくじ
異業種転職は大変!失敗する女性の5つの理由は?
自分の夢をかなえるため、やりたいことをやるために異業種転職する人は、どうしても現実的な視点が欠けてしまいがちです。「あれをやりたい」「挑戦してみたい」という自分の気持ちも大切ですが、予備知識なしでいきなり転職活動を始めると失敗につながりやすくなります。
これからご紹介する5つの例は、異業種転職でよくある失敗例です。反面教師としてしっかり頭に入れておき、同じ状態にならないように意識しましょう。転職には勢いも大切ですが、冷静な視点も欠かせません。思い込みと勢いだけで動かずに事前準備を整えておけば、異業種転職を成功させられます。
勉強することがありすぎて苦痛になってしまう
異業種転職の一番大変なところは、一から覚えることが多くなってしまうことです。今まで覚えていたことがリセットされるので、立場としては新卒の社員とほぼ同じ。社会人経験はあってもその業界の知識がないのですぐに大活躍、というわけにはいきません。一人前になるまでは我慢して仕事をする忍耐力が必要です。
失敗する人はこの段階で心が折れてしまいます。「覚えることが多すぎる」「勉強するのが苦痛」という悩みを抱え、仕事へのモチベーションを失ってしまうことも。夢を追っている人は現実的な考え方が欠如してしまいがちです。勢いに任せてしまわないように、「一から出直し」の覚悟を持って異業種転職を考えましょう。
今までの経験が役に立たずに自信をなくしてしまう
異業種では前の業界の通例や常識が通じないこともよくありますし、仕事のルールや使う道具も異なっています。今までの経験値がゼロになるので「こうすればうまくいくだろう」という予測は立たなくなると言ってもよいでしょう。そうすると今までの経験が無駄になったような気分になり、自信を無くしてしまうのです。
異業種に転職したら経験値もゼロベースになります。転職後に経験を積み上げていく気持ちで転職し、自分なりのやり方を見つけてください。最初からうまくいかせようとすると転職後の生活が楽しくなくなるので、新しい場所に土台から作り直すつもりでいるとよいでしょう。そうすれば心折れることなく仕事に邁進できます。
想像していた仕事と違いモチベーションが下がる
華やかなマスコミ業界にあこがれて転職したのに、やっているのは雑用ばかり。そんな「思っていたような仕事じゃなかった」という状態も異業種転職によくある失敗例です。業界イメージだけで転職をすると失敗しやすくなるので、転職を予定している業種・業界のことはしっかりと調べておきましょう。
特に注意したいのは女性があこがれることの多いウェディングや美容、保育といった人気職業の分野です。人気がある職種でも裏側にはそれなりの苦労がありますし、日々の努力は欠かせません。金銭事情や残業時間も思っていたものと違っていたりしますので、業界研究は念入りに。あこがれだけの異業種転職は危険です。
前の仕事のほうが自分に合っていたことに気付く
晴れて新しい業界に転職したのに、前の仕事のほうが自分にあっていたという失敗もあります。「自分のやりたいこと」と「仕事の適性」は全く別物なのです。例えば、アパレル業界にいて接客が得意な人が1日中パソコンに向かうような仕事についたら、相当な苦痛を感じます。今の仕事に適性があるなら、転職しないほうが良いこともあるのです。
このことは「好きなこと=得意なこと」とは限らない、ということにも似ているかもしれません。転職する時は自分に合っているかどうかも慎重に考え、その仕事に就いた時の自分をシミュレーションしておきましょう。
異業種の職場環境になじめずにくじけてしまう
職場環境の変化も転職について回る課題の一つです。同業種ならなんとなく職場の雰囲気が想像できますが、異業種の場合は全く想像つかないのが難点です。職場環境は会社によっても異なり、自分に合った雰囲気かどうかを確かめるためには、入社試験や面接の時に判断するしかありません。
転職後の職場環境になじめず悩む人も少なくありませんから、会社の雰囲気は面接時に必ずチェックを。面接官が話しやすい雰囲気なら、社風をそれとなく聞いておくのも有効な手段です。また、あらかじめ自分が合いそうな雰囲気をイメージしておくと失敗を防げます。
異業種転職はなるべく若いうちに決断しよう!
異業種転職を成功させるコツは、できるだけ若いうちに決断することです。募集側は即戦力を求める傾向があり、もし経験のない人を取るならより若い人を採用するでしょう。異業種転職は年齢とともに募集枠が少なくなるので希望通りの職場に行きづらくなりますし、転職後は覚えることが多いため適応力のある若い人が圧倒的に有利です。
あらゆる側面から見て若い時のほうがベストですので、決断は先延ばしにしないように。「やる気」「ポテンシャル」を評価してもらえるのは20代のうちと考え、転職活動は早めに始めてください。
経験を活かすなら!異業種で同職種の仕事がおすすめ
今までの経験を最大限に生かしたいなら、「同職種」の転職がおすすめです。同職種の転職とは「建築業界の営業→不動産業界の営業」という風に、職種を変えずに転職すること。業界が違っていても、職種が同じなら経験を活かすことができるのです。募集要項に「異業種歓迎!」と書いてある場合は同職種の転職者を想定しています。
職種が同じ場合は求められるスキルも似ている部分が多いのでそれほどハードルが高くなく、転職後の失敗も少なくなります。なんといっても今までの経験が生かせるというのが同職種の大きなメリットですから、失敗を避けたい人はぜひ「同職種」を意識して転職活動してください。会社も即戦力に近い人材を採用できるので、異業種転職でも嫌がられません。
憧れの異業種転職に失敗した場合はどうする?
憧れの業界に転職したけど、思っていた雰囲気と全く違う!そんな状態が続くとかなりストレスがたまってしまいます。異業種転職が失敗だったと感じたら、まずはなぜ失敗したのかを分析してください。ここでの自己分析を次に活かすことがとても大切です。
理由を分析すると、勢いに任せて転職したから、仕事の適性がなかったから、業種が合っていないから、勉強がつらいからなど、複数の理由が見当たるはずです。ひょっとしたら職場環境や人間関係のもつれかもしれません。自分のせいだけとは限りませんから、客観的な目でしっかりと分析しましょう。
自己分析をうまくいかせるコツは、紙に書き出していくことです。頭の中で考えたことを紙に書いていくと、今後どうしていきたいかが自然と見えてきます。きれいな文章でなくても構いませんので、自分の頭を整理するつもりでどんどん書き出してください。
異業種が合わなかった場合は再転職を考えよう
もし異業種転職が失敗だったと感じたら、再転職を視野に入れましょう。転職回数が多いと不利になると思われがちですが、転職に正当な理由があるなら、会社もマイナスイメージだけではとらえません。面接時に納得される転職理由を自分の言葉で話せるように練習しておき、再転職のチャンスを引き寄せましょう。
ただし、短い期間で2回目、3回目と転職を繰り返していると、さすがに問題視されます。「我慢できない人」と思われる可能性もありますので、短い期間で複数回転職するのは避けてください。異業種転職が失敗だったとしても、1年ぐらいは我慢したほうが次の転職が楽になります。
まとめ
今までの経験が生かせない異業種転職はリスクがあるものの、うまくいけば自分に合った世界、憧れの業種で経験を積むことができます。うまくいかせるコツは勢いに任せないことと、自分のビジョンをもっておくこと。「自分はこうなりたいから異業種でも転職を決断しました」と筋が通った説明ができるようにしておけば、面接でも納得してもらえます。
さらに異業種の転職では事前の勉強や資格取得が有利に働きます。スキルアップのために学校に通ったり、転職前に資格を取得したり。そんな姿勢も評価してもらえますから、資格が有利になる業種の場合は早めに準備しておきましょう。即戦力になれるよう勉強しておくのがベストですが、勉強中でも構いません。その業界への熱意や意欲を見せられるように準備しておいてください。