「女性が働きやすい会社が増えた」と言われている今、あなたはどんな働き方をしていますか?順風満帆、仕事もプライベートも思うまま、という女性社員はどのくらいいるのでしょうか?「他の会社はいいな」「うちの会社は体質が古くて」という女性社員はまだまだたくさんいます。
男性社員からの理解が深まったというニュースを見ても「なんだかんだ言っても女性には厳しい環境」を毎日肌で感じている人も多いでしょう。今回はそんな「女性の働き方」についてのお話です。「結婚がしたいわけじゃないけど、このまま働いていても先が見えているから婚活をする」「仕事を辞めたいから、資格でも取ろうかと思う」という女性が増えています。どの道も、きっとあなたにとって有意義なものを見つけることに繋がっているでしょう。でも、今「仕事がしたい」と思うのであれば、働き方について考えてみても良いのではないでしょうか?
もくじ
法案ができても安心できないのは女性の求める働き方が「選ばれる実感」だから
「将来は管理職としてバリバリ働きたい」「結婚や出産をしても自分のスキルを活かして働き続けたい」と考える女性はたくさんいます。企業やそこで働く男性社員にも、昔に比べると「働き方に性別は関係ない」という意識が強くなりました。「2020年までに女性管理職の割合を30%に」が目標とされている女性活躍推進法により、時短勤務、リモートワーク、社内託児所の設立など、女性が働きやすい職場環境を作り出すためにさまざまな工夫がされ始めています。女性の働き方の多様化は今や常識の一歩手前まできている…はずなのです。
1986年には男女雇用機会均等法が施行されています。これは「女性であることを理由に雇用をしない、昇進をさせない、ということは止めましょう」という内容でした。それから約30年が経って、今度は「女性の管理職を30%に」と焦点を少し絞り込んできています。これって「虫歯ができないように歯磨きをしましょう」をいう決まりを守れなかった子供に「最低3分は磨きましょう」とマスト項目を設けるようなものですよね。
企業は30%の女性管理職を生み出すために「あと何人?」「じゃあこの人で」と消去法に近い人選をされる可能性も充分にあるでしょう。これは3分間歯ブラシを口に入れて時間の経過を待つことと同じではないでしょうか?その結果、管理職に就いた女性が仮に30%に到達したとしても「満足できない」「何かが違う」と違和感を覚えることになります。人は「選ばれたい」のです。「あなただから」という理由が得られなければ、同じような法案がこれからも繰り返されるでしょう。
「女性」が認められる働き方を求めるのか、「私」が認められる働き方を求めるのか?
企業の一員として「自分の仕事を全うしたい」と考えるのは普通のことです。毎日懸命に働いていれば、それが男性社員なら「やる気がある」「見込みがある」という評価を受けやすいでしょう。ところが、これが女性社員だとそうはいきません。「そんなに頑張らなくていいんだよ」など、内心「結婚したら辞めるだろうし」「出産もしたいだろうし」と本人の希望とは別のところで「心配」をされがちです。
では、働く女性はどうすれば「本当のやる気」「本当の見込み」を理解してもらえるのでしょうか?男性が多い社会で、女性が力を試すためにはその環境を得なくてはなりません。「時短だから働いている」「託児所が併設されているから働いている」のではなく、「私が働くために時短がある」「私が働くために託児所が併設されている」という意識を作り出すことが大事です。そのためには、まずはあなたという人を周囲に認めてもらう必要があるのです。
「論理的に聞く」ができる女性は認められやすい 二つの顔を使い分ける
女性は男性に比べると感情を言葉にする能力に長けています。感情を言葉にするための「脳梁」というパイプが男性よりも多いことが要因です。男性が「口では女性にかなわない」と言うのはこれです。感情を言葉にすることは大事なことです。しかし、どんなことでも、その能力を持つ者が能力を持っていない者に合わせる方が上手く行きやすいのではないでしょうか?
男性上司、男性の同僚に認めてもらうためには、まず感情ではなく事実で対応するようにしてみましょう。言い方を変えれば「論理的に聞く」「論理的に話す」を意識するということです。特に女性が苦手とするのは「論理的に聞く」です。つい「あの言い方はきっとこう思っているんだろう」「あんな言い方をされたら気分が良く無い」と感情に結びつけてしまいます。
相手がどんな言い方をしても、それを文章のように受け取ってみましょう。相手がどんな表情で、どんな語調で言ったかはいったん忘れるのです。求められたことに応える、というだけのやり取りを続ける内に、男性は「言った仕事をきちんとやってくれる人」と認識しやすくなります。
女性が持つ感情を言葉にする能力は、あなたから他の人へのやり取りで発揮しましょう。そうすれば上司からは「論理的で信用できる人」、同僚や部下からは「思いやりを持って接してくれる人」と二つの顔を持って、自分にとって居心地の良い環境を作り出しやすくなります。
断るために管理する セルフマネジメントは自分の価値を上げる為の必殺技
セルフマネジメント、つまり自己管理能力を身につけることも大切です。言われた仕事を次々に抱えて、残業続きとなったり、人に頼ってばかりになってしまっては、会社や上司から雑用を言いつけられやすくなります。「今、自分が持っている仕事には何があるのか」「それぞれの優先順位を付けられているのか」「他の人に依頼した方が効率の良いものは無いか」「いつまでにどれをどのくらい終わらせるのか」などを把握して、管理することがセルフマネジメントです。
セルフマネジメントができていれば、上司や同僚からの仕事の依頼を受ける時に、内容や時期によっては「断る」ということができるようになります。「今はこれとこれがあるので、○日までは完了できません」と結論を先に出してしまえば、納期を遅らせてくれることもあるでしょうし、他の人と仕事を共有して進めることもできます。「断る」というのは、最初とてもハードルが高く感じるものです。「嫌われるかも」「ダメだと思われるかも」と不安に感じるでしょう。しかし、人間は「断られるほど引き受けてほしくなる」という傾向があります。
いつでも「いいよ」と付き合ってくれる友人より「この日はダメ、この日も用事がある、でも○日なら大丈夫」と言われると、その○日を逃したくなくなります。簡単に言えば価値が上がるのです。仕事も同じです。用件が仕事であるというだけで、相手は人間です。「この人に引き受けてほしい」という気持ちを芽生えさせることは、あなたの会社での価値を上げることになります。
女性に憧れられる働き方をする 客観的な自己プロデュースが欠かせない理由
働く女性の中には「頑張りすぎる人」がいます。与えられた仕事や役職を全うするために、それこそ髪を振り乱し、肩に力を入れて頑張る人です。「自分は女性である」という考えが「男性よりも頑張らなければ」という気持ちを生み出します。確かに、仕事をする上で「女性だからダメ」とだけは言われたくありませんよね。「私が男性だったら」「同じことをしても男性なら認めてもらえるのに」と、女性であることをハンディと考える人もいます。でも、女性であることは本当にハンディなのでしょうか?
女性は毎日メイクをして髪をセットして、洋服を選んで家を出ます。派手だと「会社に相応しくない」と言われ、地味だと「もっとオシャレをすればいいのに」と言われ放題という人もいるでしょう。でも、女性だからこそメイクや洋服で雰囲気を変えたり、柔らかい物腰で相手の気持ちに寄り添うこともできます。これは社会人として大きな強みです。能力だけでなく、見た目や資質でも相手をコントロールすることができます。
女性として活かせる部分は活かす、そうでない部分は能力を活かす、とすれば単純に考えても女性の力は男性の2倍です。「オシャレな上に仕事もできる」「柔らかい物腰に似合わない率直な意見」と、意外性を出すこともできます。そんな女性社員を見ている女性社員は「自分もあんな風になりたい」と思うのではないでしょうか?そうやって憧れられる女性社員が増えれば、おのずと力のある女性社員が増えますし、上司や会社の目につきやすくなります。「女性だから」と肩に力を入れすぎず、周囲からの目を意識した自己プロデュースができるようになれば、あなたの力は何倍にもなって周囲への影響となります。
まとめ
女性が活躍する職場は、いまだに外資系企業であることが多く、古くから日本で栄えている企業ではどうしても男性の方が優位に立ちやすいものです。女性社員というだけで「定年までは働かないだろう」という思い込みを持つ企業も多いでしょう。
政府はさまざまな法案を作りますが、それを遵守するのは企業であり、まずは上司です。団体が変わるまでには時間がかかります。まずは今自分ができることをやってみませんか?簡単なことではないでしょうし、時間がかかることもあります。でも、今のままじっと耐えて、企業や上司が変わるのを待つよりもずっと有益でやりがいのあることではないでしょうか?