失敗を恐れ、新しいことや未知のことへの挑戦を思いとどまってしまった経験はありませんか?もしくは、過去の失敗を引きずってしまい、再挑戦の機会を失ってしまってはいませんか。これらは全て、恐怖心が原因となっています。
ビジネスシーンではこのような恐怖心を感じてしまう場面は少なくありません。しかし、恐怖心に囚われず一歩を踏み出すことができれば、その経験はあなたを大きく成長させてくれます。
もくじ
恐怖心は不安や心配から発生するネガティブな感情
恐怖心は、ある事象に対する心配や不安によって引き起こされるものです。新しいことに挑戦しようとするときには、マイナスの結果を想像してしまうことで心配や不安が生じます。過去のトラウマとなった経験が呼び起こされるようなときには、同じような経験を繰り返してしまうのではないかと、やはり心配や不安が生じます。
つまり人間はネガティブな未来を予測してしまうことから不安や心配を感じ、恐怖心を発生させてしまうのです。
恐怖心を克服し成長につなげる!その方法は?
例えば、あなたは会社で新しいプロジェクトを任されたとしましょう。これは今までにない大きなプロジェクトであり、成功すればあなたの昇進も保証されることになります。一方で失敗すれば当然評価は落ち、上司には叱られるでしょう。
このような状況に立たされた場合、多かれ少なかれプレッシャーを感じ、誰でも不安や心配を抱くことと思います。
恐怖心を克服し成長へとつなげていくためには、どうすればよいのでしょうか。
ステップ1:恐怖心を受け止める
恐怖心を克服するためにはまず、恐怖心を抱いているという事実を受け止める必要があります。「恐怖を感じてはいけない」「怖がらずに挑まなければ」など、自分を鼓舞する考え方は一見前向きの姿勢のように感じます。
しかしこれを言い換えれば、自分の本当の気持ちを押し殺してしまっているということ。そのような状態では恐怖の対象が見えにくいため、恐怖心の克服がより難しくなってしまうことも珍しくありません。
「今自分は恐怖を感じているな」「挑戦しようと思うけど、不安も付きまとっているな」というように、きちんと自分の正直な気持ちと向き合うことで初めて、その恐怖に打ち勝つにはどうすればいいかが見えてきます。
ステップ2:何が恐怖なのかを見極める
恐怖心を抱いているという現状を把握できれば、次はその恐怖がどこから発生しているのかを見極めましょう。恐怖の原因がわからなければ自分が越えるべき真の壁も見えません。
例で挙げたような状況において、恐怖心を感じることは想像に難くないかと思います。では、その恐怖心は一体何に対する物なのでしょう。
- 自分の昇進がかかっていること
- 上司の面子をつぶす可能性がある
- プロジェクト自体、自分が不得意とする分野であること
- プロジェクトに携わる多くの人を動かすことができるかわからない
このように恐怖心を具体化することが大切です。そうでないと壁を見定めることができず、謝った方向へかじ取りしてしまう可能性があります。
ステップ3:理想の状況を想像する
恐怖心を具体化することができれば、次はその恐怖に感じていることについて、どうであれば理想的な状況になるのかを想像してみましょう。
先ほどの例で考えてみます。恐怖の対象が「自分の昇進がかかっていること」だとします。この場合、理想的な状況は「上司が自分を正しく評価してくれること」となります。この理想の状況をつくり上げるためにはプロジェクトの成功うんぬんというよりもまず、プロジェクトに対する自分の向き合い方が大切になってくるということがわかります。
もしも自分の気持ちに素直に向き合っていなければ、ただプロジェクトを成功させることだけに囚われてしまい、何をすべきかを見失ってしまうことにもなりかねません。
ステップ4:具体的な目標を小刻みに掲げる
ここまできたら、あとは具体的な目標を設定しながら、着実に壁を乗り越える準備を進めていくだけです。目標設定で大切なのは次の二点です。
- 具体的なものであること
- 小刻みに設定する
「本番当日は報連相を徹底させる」のように目標を本番当日に設定したり、「ゆとりをもって資料を作成・提出する」のように曖昧な表現にとどめてしまったりするものは、目標には適していません。
「各係の報連相を徹底させ、進捗を表で確認する」や「〇日までに企画書を作成・提出する」のようにできるだけ具体的な日付を示す、小刻みに目標を達成していけるような内容にする、ということを意識して目標を設定していきましょう。
ステップ5:目標を達成するたびに自分を褒める
小刻みに目標を設定していくことで、達成感を味わいやすいというメリットもあります。達成感はモチベーションの維持と向上に大きく関わるので、途中で挫折をすることなく最後までやり遂げられるようになります。また、細かく確認しながら進めることは道しるべにもなり、最終目標を見失うこともありません。
「〇日までに企画書を作成・提出する」「修正は翌日までに終える」「毎週末に進捗会議を設け、全員で各係の状況を把握する」などどんなに小さい目標でも、達成するたびに自分を褒めてあげましょう。達成感は自信となり、成長と恐怖心の克服にもつながっていきます。どんなに些細で小さいことでも、積み重ねていくことには意義があるのです。
恐怖心と向き合い、克服していくためのコツとは?
恐怖心を否定せず、しっかりと向き合いながら克服していくことが成長につながるということについて述べ、恐怖心を克服するための5つのステップについて触れました。それとは別に、克服すべき恐怖心を少しでも薄れさせるコツがあります。
そのコツを知っていれば、恐怖心を完全に払しょくすることはできなくとも小さくすることは可能です。恐怖心が小さくなれば、克服するのも容易になるはずです。ぜひ活用してみて下さい。
違う視点から恐怖の対象を見てみる
恐怖心は自分自身の主観から生まれます。例えば、営業マンの中にはお客様に断られることに恐怖を感じる人もいれば、ノルマが達成できないことに恐怖を感じる人もいるでしょう。その人その人で見方やとらえ方が違うので、同じ事象でも恐怖の感じ方は異なります。
もしあなたが今何かに恐怖心を抱いているのなら、見る視点を少し変えるだけで恐怖心が軽くなるかもしれません。
「今回のプロジェクトでは失敗が許されない」という視点だと、失敗という恐怖にとらわれてしまい苦しさが強くなります。しかし「成功すれば実績になる」と見方を変えると、苦しさよりも希望が強くなります。少し視点を変えてみることは、とても有効です。
過去に味わった成功体験を思い出す
過去の失敗がトラウマとなり、新しい挑戦を妨げてしまうことはよくありますが、もちろんその反対もあります。過去の成功体験は自信になり、同じような壁ならばその経験を活かすことで比較的簡単に越えることができます。
今挑戦しようとしていること、目の前に立ちはだかっている事象について、全く同じ経験としたことはなくても、類似の経験を引き出してくることは可能です。さらにそれが成功体験であれば、きっとあなたの行動を後押ししてくれます。
過去の成功体験を「自分には〇〇をするだけの力はある」「今までだって乗り越えてきたのだから、今回も大丈夫!」という自信に転換してみると、恐怖心も小さくなるかもしれません。
恐怖心を抱くことは決してマイナスなことではない
これまで恐怖心の原因や克服の方法について述べてきましたが、恐怖心を抱くことは決してマイナスなことではありません。
ビジネスにおいて恐怖心が生じるときというのはたいてい何か大きな課題に直面しているときで、その課題をクリアすることは自分の成長につながります。つまり、恐怖心が生じているということは、成長のチャンスでもあるのです。
恐怖心があるのは自信のない証拠などとマイナスに考えることはやめましょう。
まとめ
何かに挑戦をするとき、恐怖心にとらわれてしまうと自分のもっている本来の力を十分に発揮できないこともあります。起きてもいないネガティブな未来を想像し、今すべきことに気持ちを集中できないのはもったいないですよね。
- 視点を変える
- 成功体験を思い出す
この点を意識して、恐怖心をできるだけ小さくしていきましょう。
また、恐怖心を克服するための5つのステップで、この経験を大きな自信へと変えていけるよう、今日から実践してみてはいかがでしょうか。
恐怖心を感じる場面は成長につながる場面です。自分が成長できるという喜びや、仲間とともに価値を生み出すという喜びに目を向け、前向きな気持ちで取り組めたらいいですね。