「コミュニケーション能力の向上」という言葉は企業では頻繁に使われている言葉ですよね。何かと言えば「コミュニケーション能力」です。実際に、コミュニケーションは大事ですが、ただ単に「向上」と言われても、正直なところ良くわからないという人も多いのではないでしょか?今回は「コミュニケーション能力の向上をしたい」という人へのお話です。コミュニケーション能力が低いと自覚していると、他人と接することに自信が持てませんし、本来のあなたの良さを相手に知ってもらうことも難しいでしょう。でも、コミュニケーション能力の向上は、最初の取りかかりさえわかってしまえば、その後は案外スムーズに成長するものです。
もくじ
コミュニケーション能力が低い人がその能力を向上させるために最初にやる事とは?
自分で自分のコミュニケーション能力が低いと感じてる人が、それを向上させようとした時にやりがちなのは「コミュニケーション能力が高い人の真似をする」ということです。身近にいる先輩などが、どんな人とでもスムーズなコミュニケーションを取っている姿を見ると「自分もあんな風に!」と思いますよね。もちろん、何かを習得する時は上手な人の真似が一番です。でも、どこを真似するべきか、そのポイントは知っておいた方が効率が良いですよ。
話すことより聴くことに注力する
コミュニケーション能力が低い人は「上手く話す」ということに最初に手をつけたくなります。これは歌が上手くなりたい人が、その歌を知らない内に歌ってしまうようなものです。歌を歌うためには、その歌を聴かなければ歌えませんよね?コミュニケーションも同じです。まずは「聴く」を上手にできるようにします。この「聴」という漢字を使うのは、意識的に耳を傾けるという意味です。ただ聞こえてくるものを「聞く」のではありません。
会話は相手があって成立します。それなら相手が言っていることを性格に把握しなくてはなりません。相手は何を言おうとしているのか?相手が伝えたいことは何か?と常に意識をしながら聴きましょう。あなたが話すべき言葉のヒントは、相手の話すことの中にしかありません。
他人を受け入れることを意識する 自分と違う人もいる
学生時代の友人などとのコミュニケーションは、基本的には自分と同じ意見、同じ感覚を持った人が相手であることが多かったでしょう。もし、相手が自分と違う意見だったとしてもそれを否定することもできたという人が多いものです。しかし、社会に出てからのコミュニケーションでは、相手を否定するということが難しくなります。そんな時にコミュニケーション能力が低いと言葉が出てきません。曖昧な返事をすることで空気が止まってしまいます。
コミュニケーションには、相手とお互いを理解し合いながら進めていくものです。自分に無い感覚や考え方でも、それを「受け入れる」という意識を持ってみてください。「こういう人もいるんだな」と思うだけで良いのです。この感情を上手く使えるようになれば、あなたは「自分とは違う人」ともコミュニケーションを取ることができるようになります。
相槌を意識的に打つ 相手の話を促すことはコミュニケーションに欠かせない
相手の話を聴く時には、積極的な相槌が求められます。たとえば、あなたに最近起きた出来事を相手に話すと想像してみてください、相手の反応が「うん…うん…うん」だけでは、話しにくいですよね?これが「うん…え?本当?…それから?」という反応だとどうですか?「聴いてくれている」「まだ話して大丈夫そうだ」などいろんな種類の安心があなたの中に生まれるはずです。これがコミュニケーションです。
人は相手の話を「聴こう、聴こう」と強い意識を持ちすぎると、相槌まで気が回りにくくなります。一生懸命聴いているのに、それが相手に伝わらないのです。大げさでなくて構いません。言葉での相槌が上手くできないのであれば、何度もうなずく、または表情だけでも良いのです。それも相手への促しに繋がります。
コミュニケーション能力が高い人が実践している能力向上のための習慣とは?
コミュニケーション能力が高い人に、その練習方法などを聞いても「別になにもしていないよ」ということが多いのではないでしょうか?実際に、高いコミュニケーション能力を持つ人のほとんどは無意識にそれをやっています。でも、その無意識を出すための習慣はあるのです。普段何気なくやっていることが、その人のコミュニケーション能力を高めているということは、非常に良くあることなんですよ。一人の時にでもできる練習方法を探しているのであれば、ぜひ試してみてくださいね。
SNSでのコミュニケーションに頼らない 想いを言葉にする意識を持つ
最近はSNSでの会話がかなり盛んに行われています。SNSはとても便利ですし、気心の知れた友人への連絡などには最適です。SNSの特徴は「文字」と「タイムラグ」です。
コミュニケーション能力が高い人の中には「大事なことは電話か対面で伝える」という人が多く、そこには「大事な想いは言葉にする」「相手の反応を大事にする」という考えがあります。思っていることを言葉にして相手と交換するのがコミュニケーションです。日頃から文字に頼り過ぎず、かつ、相手の反応を即時で確認できるコンタクト方法を意識することで、コミュニケーション能力が磨かれているのです。たまには友人と電話で話してみる、など相手の協力があれば今すぐにでもできそうですね。
足りない語彙力はテレビとネットから収集する 知らないままにしない
コミュニケーション能力が高い人が話しているところを見ていると「言葉を良く知っているな」と感心してしまうのではないでしょうか?あなたが聞いたことない言葉を使っていたりすると圧倒されてしまうかもしれませんね。これはコミュニケーション能力が高い人が、豊富な語彙を持っているからです。
ではどうやってその語彙を増やしていっているのでしょうか?語彙力が高い人は、何気なく見ているテレビやネットなどで、知らない言葉を見るとすぐに調べる人が多いです。その時に「意味を覚える」と意識するのではなく、ただ「何だろう?」という疑問を解消するためだけ、です。それが頭の片隅に眠っていて、出番が来たら口から出てくるのです。今はスマホに呼びかけるだけで言葉の意味を知ることもできますよね。軽い気持ちでやってみるのも楽しいですよ。
コミュニケーションは生き物だという事を常に認識しておくことの重要性とは?
コミュニケーションを難しいという人は多く、いつまで経っても苦手という人もいます。話すことはできるのに、コミュニケーションが苦手とはどういう意味でしょうか?これはコミュニケーションが生き物だからです。その時その時でコミュニケーションは変わります。相手が同じ人であっても、全く同じコミュニケーションは二度と取ることができません。これを理解していると、コミュニケーションに対して、良い意味での諦めを持つことができるようになります。
予定調和のコミュニケーションは実在するのはドラマの中だけ
たとえば、あなたが誰かに「こんにちは」と言ったとします。相手は何と言うでしょうか?この問いに「相手も「こんにちは」でしょ」と答えるのは、コミュニケーションを定型化しているかもしれません。コミュニケーションは相手があってのもの、というのはお伝えしましたが、その相手はあなたとは別の人間です。同じ感覚を持っているとは限りません。あなたの挨拶に「そういえばこの間さ」と話始める可能性も充分にあるでしょう。
自分がこう言ったら、相手はこう言う、といった予定調和は現実のコミュニケーションに存在しません。それはドラマの中だけの話です。これが「コミュニケーションは生き物」ということです。つまり「相手がこう言ったら、自分は何と言えば良いのだろう」と話す前から考えていても何の役にも立たないということです。「相手と話してみないとわからない」と思えるようになれば、あなたのコミュニケーション能力は立派に向上しています。
まとめ
コミュニケーション能力は、本来は相手のことを正確に知り、あなたのことを正確に知ってもらうために必要なものです。しかし、その目的を見失ったままの状態でコミュニケーションを追い求めても、目指すところにたどり着くことはできません。「コミュニケーション能力の向上」というものが、いつの間にか実態の無い目標になっている、という人も多いかもしれませんね。
「相手のことを知りたい、と思いながら聴く」「自分の想いを知って欲しい、と思いながら話す」実はこれだけのことができれば、コミュニケーション能力は充分に足りているのです。本当に大事なものは、技術ではなくその気持ちです。その気持ちこそが「コミュニケーション」の実体なのかもしれませんね。