「会社なのだから、ある程度は合わせよう」としても、価値観の異なる同僚にイライラしてしまうこともあります。相手が退職してくれないだろうか。部署を移動してくれないだろうか…と願っても、なかなか思うようにはいきません。こうした時に波風を立てずに、自分のストレスを溜めない対処法について、相手別に考えていきましょう。
もくじ
仕事のパートナー、同じチームの同僚
同じプロジェクトチームの一員、仕事のパートナーに当たる相手にイライラするのは、会社の人間関係でも特にストレスがたまるケースではないでしょうか。ただこの関係の同僚にイライラする場合は「何となく虫が好かない」「生理的に無理」というのではなく、「仕事のリレーションで噛み合わない」「やり方が違う」など、仕事上のしっかりした理由があると思います。この関係性の場合は、イライラをため込んだり陰口で発散せずに、仕事を円滑にするための話し合いとして理解し合うアクションがオススメです。もしかして単なる誤解で、お互いの想いを伝えれば「なあんだ」と和解するかもしれません。
もしかしたら腹を割って納得がいくまで話し合うことで、その違う点を補い合うようにできれば「イライラする相手」から、お互いをフォローし合う名パートナーになれる可能性もあるでしょう。
仕事の依頼を受ける立場、依頼する立場
こちらも仕事でリレーションする相手ですが、あなたから見て「業務の依頼してくる相手」または、あなたが業務を依頼する後工程に当たる相手の場合もあります。この場合は立場が異なるので、イライラすることも多いかもしれません。
あなたが依頼を受ける場合は「依頼がわかりにくい」「回りくどい」「後から指示がコロコロ変わる」「偉そう」など、イライラする火種はたくさんあります。この場合は、仕事を円滑にするために冷静に指摘をしましょう。指示が不明瞭なら確認。説明が回りくどければ「こういうことでしょうか」と話を紐解く。指示がコロコロ変わる時は、変わる理由を聞きましょう。クライアントの都合、何らかのトラブルであれば、指示する人のせいではないのでイライラも収まります。その人の見切り発車でコロコロ変わる場合は「後工程に迷惑がかかっている」ことを喧嘩腰でなく、しかるべきレポートラインで伝えましょう。異なる部署間であれば別部署に迷惑がかかっているわけですから、お互いの上長を通して解決した方が良いかもしれません。
反対にあなたが依頼者になる場合、イライラするのは「指示を聞いているのかわからない」「態度が悪い」「嫌そうにしている」「いちいち口応えをする」「指示通りの仕事をしてくれない」などでしょうか。もともとそう言った性格の人は別ですが、何か不満を抱えていてその意思表示としてこういった態度を取る人はいます。その際は「不満な点」「納得がいかない点」を聞いてみるという手段があります。それでも相手が変わらない場合は、これも仕事をスムーズにするためにお互いの上長を通した方が良いでしょう。
仕事で絡まないけれど、席が近いなど
仕事で連携はしないけれど、席が近い、フロアが同じなどで、世間話をする時に視界に入ってくる同僚。仕事で絡む間柄ではないので実害がないといえばないのですが、あなたが社運をかけた真剣なプロジェクトの企画書を書いている時。大切なクライアントへの提出書類を作成している時に、大声で遊びの話をしているとイライラするかもしれません。こういう場合は「ごめん。今大事な企画書作っているから声を落としてもらえますか」と、トゲがないように普通に依頼すれば社会人であれば納得して静かにしてくれるはずです。
そういう問題ではなく気の合わないタイプで、やることなすことイライラする場合。これはできるだけ接触しない方がいいでしょう。仕事で連携する相手ではないのですから、笑顔で挨拶だけは心がけるくらいの距離感で良いでしょう。
上司、部下など役職が異なる
上司や部下など役職が異なる相手にイライラする場合。一見「上司にイライラ」の方が大変そうに見えますが、実はどちらがストレスかというと断然「部下にイライラ」ではないでしょうか。上司にイライラする場合は、疑問的をぶつけたり、納得いくまで話し合いを求めることもできます。明らかに上司の筋が通らないのに感情的になっている場合などは昨今は「パワハラ」などにも厳しい世論なので、早々上司もあなたを邪険にはしません。「部下とうまくいかない」「部下を活かせない」というのは、上司にとって大きく評価が下がることでもあります。
一方「部下にイライラする場合」。いくら部下の覚えが悪くても、同じ失敗を何度しても反省がなくても、仕事ができなくても、サボってばかりで仕事しなくても。上司のあなたに教育・監督責任があります。こうした「イライラする部下」を持ってしまったら、彼・彼女の長所を見つけてそれを生かす方法がベターです。イライラの解決にはならないかもしれませんが、思い通りになる部下ばかりではないので「人を生かす」トレーニングのつもりで向き合いましょう。
コミュニティとして付き合いが必須な相手
同期のメンバー、同じ部署、女性同士など、社内で一緒のグループに属していて、コミュニティの中で適度に交流し合わなければいけない相手にイライラすることもあるでしょう。こうした場合は、性格が合わないこともあれば、自慢話をする、マウンティングをする、一人語りをしてばを独占するなどアクが強い相手も多いかもしれません。
アクが強い相手であればイライラするだけ損です。大人になってこういうキャラクターは治りません。真正面から本気に取らずにスルーするか、極力顔を合わせないことが賢明です。
まとめ
会社にはいろんな人がいるため、同僚にイライラすることも多いでしょう。対処法としては基本的に「仕事で絡む相手」「チームメイト」「連携する相手」であれば、イライラを引きずるとチームのパフォーマンスを落とし、他のメンバーにも迷惑をかけるため、イライラは「百害あって一利なし」でしょう。だからといって、あなたが胸に溜め込んで我慢するという必要もないと思います。
イライラという感情の元になっているのは、仕事上困ることが根底にあるはず。その要素を冷静に腹を割って話し合い、おたがいに納得する、わかりあうというプロセスがベストです。もしかして譲れないこともあるかもしれません。もし譲歩はできなくても、相手の言い分、気持ちがわかるだけでイライラはかなり払拭されるのではないでしょうか。
「賛成はできないけど、あいつも大変だな」
こういった心理になるだけで、ただイライラしてるよりはずっと良い関係性の構築につながります。
一方、仕事で絡まない場合の場合。基本的に「スルースキル」がものを言うのではないでしょうか。会社は仕事だけする場所ではないので、全員と和気藹々と仲良くしたいのは山々ですが、自我のある大人がたくさん集う会社という場所では、気の合わない人、価値観の合わない人、何となく虫が好かない人の一人や二人います。みんなそこで波風を立てずに、ストレスも溜めないように、そういった相手とは距離を置いていきます。仕事のチームメイトはわかりあう姿勢を。しごとで絡まない相手には、距離を置いて無難を接し方にとどめる。同僚へのイライラは、相手によってこのように使い分けることが、仕事も人間関係もスムーズにする対処法。イライラしてしまったら、冷静に気持ちを落ち着けて「この相手はどちらだろう」と見極めましょう。