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仕事のミスが減らない時の対策とは?ケース別予防と対処法4選

仕事にはミスはつきものです。人間ですのでいくら気を付けていてもうっかりミスをしてしまいますが、ミスは新人の方のみならずベテランの方々もできる限り予防したいですね。普段はここまで考える方は少ないですが、実は仕事でミスをなくすことは重大な事故を回避するためにも大切であることが分かっていますので、ミス軽減は安全管理などの面からも必要とされているのです。今回はこのミスを軽減するためにはどう対処すればいいか、について一緒に考えてみましょう。

もくじ

仕事で何故ミスをしてしまうのか、理由を知りミスの予防につなげよう

ミスは疲労の蓄積などによるコンディションの悪化により起こりやすくなります。例えば疲れている時には集中力が低下してしまいますので、考えなければならないときに考えられず注意力散漫になりついついミスをしてしまいます。

この疲れは身体的な疲労だけではなく、精神的な疲労も含んでいますので、長時間労働などに加えて、精神的に負担となるような出来事やストレスの蓄積、情緒不安定などの結果としてミスが起こってしまいます。さらに、慣れていない仕事など手順が不明瞭な場合にもミスを起こしやすいですが、逆に慣れて習慣化してしまった仕事もうっかりミスを起こしてしまう場合があります。

その他にも自分は仕事ができるということを周囲に認めさせたいので無茶をする、つまり自己顕示欲からくるミスや、気の利いた仕事をして上司や同僚たちからの評価をあげようと下心を持った場合もミスをしやすくなります。

我々人間はロボットではありませんので誰しも様々な感情を持ち、疲労やストレスが溜まった状態で仕事をしているのです。つまり、ミスは通常と異なったコンディションの時に起こしやすくなるのです。このミスを引き起こしやすくするコンディションに陥らないことも必要で、そのためにはしっかりとした体調管理と、出来れば十分な休憩をとることが望まれます。

仕事でのミスをなくすための予防と対処法はこれ

ミスをしない、これは仕事のみならず日常生活でも実際に非常に難しいことです。また、ミスを減らすためには日頃からの様々な努力が不可欠で、すぐによくなる特効薬などはありません。しかし、何もしなければミス自体治りませんのでしっかりした予防策が必要になります。

ミスを無くすための第一歩はミスをした時に惨めな気持ちを忘れずに、再発防止を強く誓うことから始まります。物事に対して真摯な気持ちを持って取り組むことこそ自分自身を成長させ、ミスを無くす原動力になります。この心構えが持てましたらミスを無くすための実践的な対処法を身につけます。ミスを予防するためにはどのような方法があるのか書き出してみますが、どれも特別な方法ではなく基礎的な事柄の積み重ねですので、しっかり守ってみてくださいね。

後、定常的にミスをしてしまう方はこのことを頭の片隅に置いておいて欲しいのですが、定常的にミスをする方に上司が望むことがあります。それは気を利かせて指示以外のことをやることなどではなく、指示は指示としてまずは杓子定規に受け取り、その指示通りに仕事を実行し終えることなのです。

仕事では誤認なく指示通りに動くことが最低限求められており、指示通りに動きミス無く指示を完了することが大切です。このためにも自分の能力を知り、指示通り動くためにご自身の能力を超えた仕事はしないように気を付けたいところです。

業務の指示をよく誤認してしまう時の対処法は?

指示を聞き間違える場合には様々な理由があります。指示を聞いている際によく聞き取れず、もしくは別のことを考えてしまい聞き逃し、意味が不明のままにしておいた場合などが思い当たるのではないでしょうか?この場合、後から聞き返せばいいのですが、時間がたてばたつほど聞きにくくなり、特に相手が上司の場合など聞きにくくなりますよね。相手の話をしっかりと聞く、これは基本中の基本ですので話を聞く際にはミスを無くすためと思ってしっかりと集中しましょう。

また、こちらもありがちなケースで後に述べる思い込みとも共通しますが、結論先にありきで思い話半分で聞いていたら全然別のことを言っていた、などです。これは相手の話を聞かないばかりか思い込みも追加されるので、上司の心証も悪くなり、何度も繰り返すと話を聞かない人だと周囲から思われることでしょう。

上司などから説明がある場合は、恐らくこういうことを言いたいのだろう、とわかっていても一からしっかりと聞きたいところですね。一番やってはいけないことは、指示を素直に受け入れずに自分はこう思う、こうに違いない、と自分なりの解釈をしてしまうことです。このケースは話していくうちに自分なりの解釈が増えていきますので、相互の理解に少しずつギャップが広がっていき10分も話していくとなぜか口論になっているなどが有り得ます。ですので何を求めているのかしっかりと聞き、しっかりと理解することが必要です。聞き上手の方はコミュニケーション能力も高い傾向があるとよく言われていますので、聞き上手になってミスを無くしましょう。

ついついやってしまう思い込みから起こるミスとはどういうもの?

思い込みはするべきではないと多くの方は思っていますが、先入観があるとついついその先入観に釣られて思い込んでしまうものです。一方で、他人の話を理解する際にはある程度共通の前提を作っておく必要があり、この共通項が多いと素早い理解につながります。

つまりこれは、あらかじめ相手の言うことを考え、多分こう言うことを言いたいのだろう?と推測した場合に起こる思い込みですね。この場合は思い込むつもりはないのですが、物事を素早く整理するために整えた前提が逆に仇となってしまっています。思い込みをしてしまうと、その思い込みにより誤認などが発生してしまい、特に初期に起こった誤認はその後仕事の進捗ともに被害を拡大させますので非常に厄介です。さらに、一旦思い込んでしまうとそれが間違いであることに気が付くことにも時間がかかりますので思い込みは無くすに越したことはありませんね。

物事を推測で埋めてしまう場合に起こすミスの予防法とは?

先ほどの思い込みと同様に、相手の説明を聞いている時、不明瞭な箇所があるとその部分を推測で補い筋が通るように解釈する場合があると思います。しかし、推測で埋めた場合、一見筋が通っているように考えられても誤認が生じていることが起こりえます。このケースも思い込みであり、推測により生み出されてしまいます。相手を慮って好意で行った推測なのですが、残念ながら誤認したのはあなたですのであなたのミスとなってしまいます。好意がミスという仇の形で帰ってきたので何だか釈然としないかもしれませんよね。しかし、仕事では説明不足の相手よりも不明点を確認せずに誤認したあなたが悪い、となってしまうのです。このため、推測はせずに完全に理解するまでしっかりと質問することが必要です。

推測なく物事を理解するのは実は非常に難しいです。なぜならどこかに不明瞭な点や推測で埋めている点が隠されているものだからです。逆に仕事を完全に理解している人は何を聞かれても答えられますし、その判断は的確であり仕事に迷いがない場合が多いです。

この対策は難しいのですが、逆にご自身が行う仕事を完全に理解することが出来るとプロフェッショナルと言ってもいいのではないでしょうか。このためには知識量を増やすことと経験を積むことが何よりも大切です。また、休憩して一旦頭を真っ白にして一から考え直したり、人に説明しながら頭を整理したりする方法も効果があります。このためには普段から周りといい関係を築いておきたいですね。この仕事内容を完全に理解することは、仕事において到達すべきマイルストーンの一つです。

うっかりしてミスしてしまう場合の対処法は?

うっかりミスは誰しもよくありますよね。うっかりして約束の時間が過ぎていた、電話を掛けるはずがかけ忘れた、などです。やるべきことを忘れてしまったり、ついつい必要ないことをやってしまったり、やらなければならないことをやらず中途半端で仕事を終わらせてしまったなどです。

このうっかりミスは、あなたの能力であれば適切に完了できる仕事ができなかった、しかも単純なミスによるものです。うっかりミスをしてしまったときは全身の力が抜けてちょっと落ち込んでしまいますよね。そんなうっかりミスはちょっとした努力次第で軽減できますので是非とも参考にしてくださいね。

まずは付箋を活用しましょう。付箋にやるべきことを書いて目に見える所に貼っておきます。すると常に目に入っているので、忘れにくくなります。そして、To doリストを作ってみましょう。出社した時に朝一番で紙にその日やるべきことを書き出しておき、項目が終了するとその項目にチェックを入れます。そしてすべての項目にチェックが入るとその日の仕事は終了です。この方法はかなり効果的で、チェックリストを作りながらその日やるべき仕事内容を整理すると共に効率的な順番を同時に考えますのでうっかりミスを無くすことに加えて仕事の効率が上がります。

優先順位を間違ったために起こるミスの予防は非常に大切

優先順位を間違ったために起こしてしまうミスはミスを超えて事故になってしまうケースもありますので気を付けたいところです。例えば、工場や工事現場での最優先事項は何かといいますと、安全第一です。銀行など個人情報を扱う職場での最優先事項はお客様の個人情報を守ることです。事業者がこれらの優先事項を間違って仕事を行うと取り返しのつかないことが起こってしまうことは想像に難くありません。例えば、工事現場では安全軽視により事故につながりますし、銀行ではずさんな管理により個人情報の流出につながり、もはやミスとは呼べない事故を引き起こしてしまいます。

倫理面から考えると守るべき優先順位はどうなるのか?

優先順位はよく作業効率や納期を優先して守られない場合があります。これが安全軽視につながり、事故につながってしまうのです。一方、企業の場合は利益が無ければ倒産してしまいますので社員たちはそのはざまでどうするべきか、と悩んでしまいますよね。

この企業倫理の問題で有名な事故に1986年に起こった、スペースシャトル、チャレンジャー号の爆発事故があります。チャレンジャー号が爆発した原因は低温で硬化したOリングから燃料が漏れだし燃料に引火したためです。このOリングを製作したメーカーの技術者はこのことを知っており、当日の気温と照らし合わせて中止の意見を出していましたがNASAにより打ち上げが強行され事故につながりました。この時現場の技術者はどうすべきであったのか?これは技術者倫理の代表的な例です。

この技術者、ボイジョリー氏は打ち上げに反対した為に会社から処分を受けてしまっています。一方で、処分を覚悟で打ち上げ中止を主張したその正義感と倫理観は現在では高い評価を受けています。また、事故が起こったから表沙汰になりましたが、もしかしたらボイジョリー氏は処分されただけで終わってしまった可能性もありますので、陽が当たっていなくても自分の信念を曲げずに技術者として正しいと思う行動したということになります。

今回の例であるチャレンジャー号の事故は大きいですが、仕事をする以上、大なり小なりこのような倫理的な問題に出くわすことがあると思います。特に優先順位を考える際には利益という企業論理と安全第一で安全を守るという倫理の板挟みとなることに出くわすかもしれません。職種が異なりましたら法律を守るなどに置き換えてみてください。これは働いている一人一人が考えていくべき問題であり、あなたならどうしますか?という問いの答えを常に探し続けることが必要なのです。

安全第一で仕事をされている方々に知っておいていただきたい法則

ここで、マーケティングや安全管理の分野では有名なハインリッヒの法則をご紹介いたします。有名な法則ですのでご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、おさらいとしてお読みいただけましたら幸いです。ハインリッヒ氏は米国の損害保険会社で働いていた時に、事故の統計の分析をしていてあることに気が付きました。それはある1回の重大事故、つまり死亡事故、もしくは障害事故の陰には29回の軽微な事故が起こっており、その陰には300回ものハッとした出来事、今でいうヒヤリハットがあった、ということです。この分析結果は保険会社で活用されて、労働災害などの分野でも応用されています。

ビジネスにおいても当てはまり、例えば1件の重大な失敗の陰には29件のクレーム、そしてその陰には300回の表に出ない社員たちのヒヤリハットがある、となります。もうお分かりと思いますが、これは交通事故にも当てはまりますね。この比率よりハインリッヒの法則は1:29:300の法則とも呼ばれています。

ハインリッヒの法則は非常に有用で、我々に進むべき安全管理の指標を与えてくれます。それは、この法則に照らし合わせて安全を確保するためにはヒヤリハットを軽減すればよいのです。例えば、床に固定されていないケーブルがあるとそのケーブルに足を引っかける人が現れ、ヒヤリハットを引き起こす因子になり得ます。すると、このケーブルは撤去するかもしくは固定することでヒヤリハットを引き起こす因子、即ち危険因子を低減できるのです。

職場での安全管理にはこの危険因子の除去が非常に大切になりますので、そのためにはご自身が職務中に感じたヒヤリハットを安全管理者に適切にフィードバックすることが大切になります。これは仕事上の致命的なミス、つまり事故を無くすために大切なことですので是非とも覚えておいてくださいね。

まとめ

仕事における最悪のミスとは何かといいますと、それは事故です。ハインリッヒの法則からわかるように、事故は小さなミスと関連性が見られますので小さなミスを無くすことは実は大きなミスである事故や会社の損害を無くすことにもつながっています。事故防止の観点からも仕事でのミスはできる限り予防したいですね。

事故や個人情報の流出、会社への多大な損害と言った重大なミスを起こさないようにするためには小さなミスを軽減することから始める必要があります。これは一般の社員や管理職のみならず経営者の方も念頭に置いておきたいですね。また、ミスを無くすことは当然ながら生産性の向上にも繋がりますので、ミス軽減は職種や業種を問わずに大切なのでしっかり対策を立て、予防したいですね。

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