お金とはいったいなんなのか、考えたことはありますか。誰もができればお金持ちになって、ファイナンシャルフリー(経済的な自由)を手にしたいと願っています。しかし、お金持ちになりたいと思う真の理由は何なのでしょうか。それは私たちはお金を持つことで幸せになれる、と考えているからではないでしょうか。
しかし、世の中には宝くじや投機で短期間に莫大なお金を手にした結果、トラブルに巻き込まれる人が少なくありません。かたよった成功体験は今後の自分の人生にも悪影響を与えるものです。実はデータでも「収入と幸福度は比例して上がっていくわけではない」ということが証明されています。幸せなお金持ちになるには、まずお金の本質について知っておくことが何より大切なのです。
もくじ
幸せなお金持ちになるには「お金が手に入れば幸福になる」という考えは捨てよう
「お金自体」に価値はありません。お金はあくまで、目に見えないあなたの価値を数値化するためのものなのです。そしてお金という価値を測る定規は時代によって変動します。
極端な例ですが、100万円を持っていたとしても、ハイパーインフレが起これば、その100万円は紙切れ同然となってしまいます。実際に海外ではそういったことが起こっているのを考えると、単にお金がたくさんあれば良いのかというとそうではないということが分かります。
たとえばある起業家がいたとしましょう。彼は自分のアイディアを仲間とともに練って、事業をスタートしました。事業は軌道に乗りある程度の収入になりましたが、ある日会社の機材や資金が仲間の一人にすべて盗まれ倒産に追い込まれます。この起業家はこのあとどうするでしょうか。また、自分が今までに得た事業での経験を活かし再チャレンジができるのではないでしょうか。
宝くじでいきなり富を得て、それを失ってしまった場合とは大きな差がありますよね。
まずはお金持ちになれば必ず幸せになれる、という考えは捨てましょう。むしろ、お金そのものに固執をしてしまうと幸福度が下がってしまうことだってあるのです。
幸せな金持ちになるには収入の増加と幸福度は比例しないことを知っておこう
経済学では「限界効用の逓減」という法則があります。これが「お金持ちになりさえすれば幸せになれるかというとそうではない」ということを示すデータなのですが、いったいどのような法則なのでしょうか。
たとえば、あなたが大好きなチョコレートをお腹が空いたときに渡されたら、1つ目はとても美味しく食べられるでしょう。しかし、チョコレートを2つ、3つと食べ続けるにつれて、最初に味わったような美味しさは薄れていきます。
収入の話に戻すと、貯金が10万円の人の口座に10万円が入ればその人の幸福度は大きく増すはずです。しかし、貯金が1000万円ある人の口座に10万円が入った場合はどうでしょうか。前者よりも感じられる幸福度は大きく下がるはずです。
日本では一般的に700万円ほどを超えると高額所得者としてみなされます。実は限界効用の逓減を適用すると、年収700万円〜800万円までは収入と幸福度は比例するのですが、それ以降は収入の増加に対し、幸福度は同じように上がらないといわれています。
幸せなお金持ちになるには「お金とは信用度」であることを知ろう
先ほどの限界効用の逓減の法則ですが、このデータが述べているのは「お金がなくたって幸せでいられる」ということではなく、「ある一定の収入を得ることは確実に幸福度を高めるために有効な方法」であるということです。しかし、一定の収入を得たあとに幸せなお金持ちになるには、お金とは何かを知っておく必要があります。
一言でいうとお金とはあなたの社会的な価値を数値化したものです。基本的には収入額は社会的な信用度ともいえます。たとえば年収1,000万円の人はその年収を得るまでに培ったスキルや経験、築いた人脈や社会への貢献度などその全てが評価され、社会的に認められているということです。
この点をよく忘れがちなのですが、そもそもほとんどのビジネスは社会の問題を解決し、便利な世の中を創りだすために存在しています。つまり収入が高ければ高いほど、社会への貢献度も高いということがいえます。
幸せなお金持ちになるには周囲からの信頼を得よう。
お金は社会的な信用度だと考えると、まずするべきなのはあなたの周りの人からの信用度を高めることでしょう。与えられた仕事をしっかりとやり抜くこともそうですし、言行一致で約束をしっかり守ることなど基本的なことが重要になってきます。
周りからの信頼を高めるためには社会への貢献度を高める必要があります。自分のやっている仕事ややりたい仕事が社会的にどのようなメリットを出しているのかを認識し、利益だけでなく社会的な貢献度を最大化させるにはどうすれば良いのかを考えると良いのではないでしょうか。
ちなみに、社会へ貢献するためのもっともかんたんな方法は「寄付をすること」です。実は成功した人の多くはお金がないときから寄付をしていたといいます。成功してお金持ちになったから寄付をし始めたわけではなく、社会の役に立つためにお金を使いたいという気持ちを持っていた人がお金持ちになっていったのではないでしょうか。
幸せなお金持ちになるにはお金持ちになった後のことをイメージしよう
世界的に著名な投資家ウォーレン・バフェットは「僕はお金が欲しかったわけでなく、お金持ちになることで自由になりたかった。」と話しています。あなたが幸福度の高いお金持ちになるにはお金持ちになった先にどんな人生を求めているのかを早めに描いておく必要があります。それはお金持ちになるのがゴールではなく、お金持ちになるのがスタートだからです。
お金持ちになったら、自分がどんなことをするか、あらかじめノートに書き出してみてはどうでしょうか。
お金をどう稼ぐか、と同じぐらいかそれ以上にお金をうまく使うのは難しいものです。これは先ほどの話とリンクしてくる部分もありますが、お金の使い方は難しいからこそ、あなたが収入を得る過程で人として成熟することが大切なのです。いろいろな経験をして自分を磨くことで、お金を使うセンスも磨かれていくからです。
まとめ
私たちはお金が手に入れば入るほど、またお金が楽に手に入れば入るほど幸福感は高まるという幻想を抱きがちです。しかし、実際はそうではないということがデータで示されています。ただ単に収入をアップさせることに腐心するとお金持ちになることがゴールになってしまい、結果お金を手にしたとしても幸福度の高い人生を送ることは難しいでしょう。自分がお金持ちになった後どうなりたいかを描いていないので当然のことですよね。
お金持ちになるにはお金のことについてよく知り、関心を持ち、なぜ自分がお金持ちになりたいのかを考えながら仕事をすることがなにより大切です。その目的を明確にすることであなたに共感をもってあつまってきてくれる仲間がいるかもしれません。そうした人たちとさまざまな経験を重ねていくことで結果的に収入を手にできるでしょうし、収入に見合った経験、スキル、貢献度を備えた人間になっていることでしょう。
幸せなお金持ちになるために、お金とは信用度であり、社会への貢献度であるということを意識して、明日からの仕事に向き合ってみてくださいね。