毎日仕事をしていると、誰しも「疲れた」と思う瞬間があるはずです。特に日々めまぐるしく環境が変わっていく現代にあっては、ひとやすみしたくてもできないこともありますよね。ですが疲れた体に鞭打って働いていると、将来思わぬ影響が体や心に現れてしまいます。無理して働くことによってうつ病を発症するケースも多々あります。こうならないためにはしっかりと疲れを癒すことと、疲れを予防することが大切。ここではちょっとした工夫と心がけで、辛い思いを少しだけでも軽くする方法をまとめてみました。仕事に疲れたなと思ったとき、ぜひ読んでみてください。
もくじ
仕事で疲れてしまったのは、体なのか?心なのか?
まず見直して欲しいのは自分の疲れは体からきているのか、心からきているのか、ということです。残業や徹夜仕事が続けば当然体力が失われて疲れます。力仕事をしている人も同様です。こういった体の疲れを感じている場合は、何より休息をとることが大事になります。しっかり栄養のあるものを食べて、たっぷり睡眠時間を確保すれば元気が戻ってくるはずです。
一方、心が疲れている場合は要注意。それなりに食事も睡眠時間もとっているはずなのに何となく体がだるかったり、気力がわかなくなっているときは心が疲れているときです。心の疲れは体の疲れほど明確なものではありません。じわじわと自分の中に堆積されていくもので、初期症状では“何となく疲れているかも”程度で放置してしまうこともしばしばです。
こうして書くと体の疲れと心の疲れはまったく別物のように思われてしまいますが、実はこの2つは相関関係にあります。つまり、体の疲れが解消されないままでいると徐々に心まで疲れてくるのです。毎日体がくたくたになるまで働き、休みの日もしっかり休息がとれない…といった生活をしている方は要注意。「これだけ仕事をしているのだから体が疲れているはずだ」と早合点せず、一度心も疲れていないか自身の状態を振り返ってみてください。
心が疲れてしまうとどんな影響があるのか?
体の疲れは休息をとれば回復しますが、心の疲れは休息をとったからといってすぐに回復するものではありません。心の疲れは気付きにくいのですが、下記のような症状が現れたら注意が必要です。
・疲れていても眠れない(もしくは寝すぎてしまう)
・朝からけだるい
・食欲不振(もしくは過食)
・ネガティブな思考になる
・涙が流れる
このようなときは、体よりも心に疲れがでてしまっています。毎日同じ服を着てしまうなど身だしなみに気を遣わなくなったり、外出が怖くなる、何度も戸締りを確認してしまう、何度も手を洗ってしまうなど、日常の動作に変化が現れることもあります。これが1日、2日続く程度ならそこまで気にしなくても大丈夫ですが、数週間以上続いている場合は軽いうつ状態だと言えます。
そして適切な対処をとらずそのまま放置していると、本格的にうつなどの心の病気になってしまうこともあります。そうなってからでは仕事もままならなくなりますし、日常生活にも支障をきたしてしまいます。うつになってしまうと上記に加え、
・何にも気力がわかない
・味がわからない
・性欲の低下
・発汗
・動機
・息苦しさ
などの症状も体に現れ、ひどい場合には家から出れなくなってしまうこともあります。こうならないためには、心の疲れは早めにケアしてあげなければいけません。
好きなことをして体と心の疲れをケアする
体の疲れはとにかく休息が必要ですが、心の疲れは休息だけでは癒されません。一番いいのは仕事のことを忘れて好きなことに打ち込むこと。真面目で頑張り屋さんな人は休みの日でも仕事のことを考えてしまい、解放されている時間が少ないといいます。いったん仕事のことは忘れ、休みの日は自分の好きなことを過ごして過ごしましょう。スポーツをするのでもいいし、カラオケにいって大声を出してみる、散らかった家を綺麗に掃除してみる、などは特に効果的です。ちなみに仕事の電話がかかってくるかもしれない携帯電話は電源を切ってしまい、パソコンの電源もオフにしたままで大丈夫です。
疲れを上手にケアできている人は、仕事とプライベートのオン・オフの切り替えがしっかりしている人。携帯電話の電源を切ったりすると不安になってしまうかもしれませんが、自分が体と心を壊して働けなってしまうよりは、数時間でも仕事と物理的に距離をとったほうが実は効率的です。「疲れたら休む」と言い聞かせ、前向きに休息をとりましょう。
疲れすぎて好きなことすらできないときは…
とはいえ疲れがたまりすぎて心が弱っていると、本来好きだったことや趣味にすらも興味がわかなくなってしまいます。無気力状態です。そんなときは無理をせず、ただただ何かをしたくなるまで寝たり、ぼーっとしているだけでもOKです。「何もせずにいたい」と思ったときは体と心が「そうするべき」というサインを出しているからです。実際、人は眠ることでストレスをある程度処理することができますし、ぼーっとすることで英気を蓄えることもできます。
逆にこういう気分のときに無理やり活動してしまうと、好きだったことすら上手に楽しめなくなるのでおすすめしません。つまりは「遊びたい」と思えば遊べばいいし、「ぼーっとしたい」と思ったら休めばいいのです。自分の「やりたいこと」をやれば、心の疲れは解消することができます。
「疲れた」と言わなくてすむように心がけること
体と心が疲れたときは、十分に休んだうえで好きなことをしてください。とはいっても一番いいのは疲れないこと。そのためには毎日の仕事をこなしながらも、下記のことに気を付けてみてください。
・新しいコミュニティに所属する
仕事で忙しくしていると、会社と家の往復になってしまいがち。日々の刺激もなくなりますし、だんだんと楽しいことを見つけられなくなり気分転換ができなくなります。それを防ぐために、趣味のサークルやカルチャースクール、習い事など、仕事とも家とも関係のないコミュニティに参加すると良いでしょう。新たな刺激を受けて仕事のストレスも発散できますし、居心地の良い人間関係を築くことができるかもしれません。いつもの自分ではない自分の演出する場があれば、普段の疲れからも解放されます。仕事や家と違っていつでも退会できるものですし、合わなければすぐにやめてしまっても大丈夫です。
・栄養をしっかり摂る
体と心の疲れには、栄養も大きく関わってきます。玄米、豚肉などに多く含まれるビタミンB1、野菜や果物に含まれているビタミンC、小魚や小松菜などに含まれるカルシウムなどを摂取すると、ストレス耐性がつくと言われています。こういった食べ物を積極的に摂取し、疲れを撃退できる体を作っておくことも大事です。忙しくて食事を作れない方は、サプリメントなどを飲みましょう。健康な体は、何よりも大事です。
・思い切って休む
体と心が疲れやすい人は、責任感が強く頑張り屋さんであることがほとんど。人の期待に応えるため、必要以上に働いてしまうのです。ですがそれで疲れを感じてしまったら本末転倒。病気になってしまえば結局仕事にも大きな穴をあけてしまいますし、元も子もありません。「疲れた」という思いが消えない場合は、思い切って休んでみるのも手です。有給休暇を取得したり、休暇の申請が難しければ仮病でもいいと思います。一日くらい休んでしまっても、思ったよりも世界は普通にまわっていくもの。それを知ることで少し楽になれるはずです。そもそも一人の人間が疲れを解消できないままの仕事など、本来はあってはならないことなのです。心の疲れを感じていながらも、一日たりとも休めない仕事であれば続ける価値はないかもしれません。
まとめ
仕事による疲れは、体にも心にも思わぬ弊害をもたらします。重篤な病を引き起こす前に、「疲れた」と思った時は一度立ち止まってみてください。しっかりとした休息と、充実した人生、それがあってこその仕事です。忙しい現代社会ですが、無理をしすぎない程度に一日一日を頑張りましょう。