初対面の人とお話をした時に「趣味は読書です」と言われて、悪いイメージを持つことはほとんどないのではないでしょうか?「読書家」と聞くだけで「知的」「常識的」などポジティブな印象を持つ人も多いと思います。今回は「読書」についてのお話です。
読書は読んで物語や知識の吸収を楽しむことだけでなく、さまざまな効果があると言われていますよね。では、具体的に、読書にはどんな効果が期待できるのでしょうか?読書を楽しむことで自然と身につく効果を知れば、読書は楽しくなりますよ。
もくじ
読書は勉強?読書家は遊びながら効果を身につけている
普段、読書をしない人にとっての読書は「勉強」との結びつきが強いのではないでしょうか?
子供の頃から「本を読みましょう」と学校で言われ続けて来たという人もいるでしょうし、勉強ができる友達はたいてい本を読むことが好きだったりしたものですよね。でも、読書を好む人にとっては、読書は「娯楽」です。自分一人でできる遊びの一つとして読書を選択しているという人は多いようですよ。
その読書に「書いてあることを読んで楽しむ」ということ以外の効果があるとしたら、その人は「遊びながら効果を身につけている」ということになります。これはとってもお得なことだと思いませんか?
自分自身が楽しみながら、その本に書いていないことまで学ぶことができれば、それは「勉強」をしているのと同じことです。
読書で得られる3つの効果 感情・知識・精神が得る効果は小さくても大きい?
では、読書にはどんな効果が期待できるのでしょうか?
効果はどんなものであっても、意識していると実感しにくいものですが、気が付いたら得られていたということが多いものです。読書にはたくさんの効果があります。
でも、その効果はやはり実感しにくいもの。ここでは「感情面」「知識面」「精神」の3つに分けて、それぞれの効果を見ていきたいと思います。それぞれは小さな効果かもしれませんが、小さな効果が集まるととても大きな力になることもあるんですよ。
感情面の発達 感受性を高めてくれるのは読書で得られる無意識の体験
読書は、その本がどんな内容のものであったとしても、そこに書かれていることを見たり、聞いたりすることと同じです。
物語であれば、自分自身を登場人物に当てはめてさまざまな出来事を経験することができますし、教養本などであれば作者の講義をマンツーマンで受けているようなものですよね。このように「本当は叶わないはずの体験」を無意識にさせてくれるのが読書ではないでしょうか?
人は体験を重ねていくと、感情に幅が出ると言われています。脳の中に感情のサンプルが増えていくのですね。そのサンプルを増やすことが感受性の成長です。
感受性が高まると、色んな人の気持ちがわかるようになります。ちょっと見ただけではわからないような人の気持ちも、脳の中に増えた感情のサンプルから一番近いものを使って想像できるようになるということです。身近な人を助けたり、思いやったりするには感受性は欠かせません。
知識面の発達 受動的に得た知識は必要な時に頭の引き出しから出てくる
読書をするとたくさんの知識を身につけることができます。「本から知識を得る」というと「難しい本を読まなくてはいけないんでしょ?」と思う人が多いのではないでしょうか?でも実際は「読書」であればどんな本を読んでも、得られる知識はあるのですよ。
特に教養本と言われる本を読んでいなくても、物語の中に出てくる地名や名産物を知ることはできますし、難しい漢字や比喩表現を学ぶことができます。勉強が知識に対して能動的な行為だとしたら、読書は知識に対して受動的な行為と言えるのではないでしょうか?
「いつの間にか得ていた知識」は必要な場面が来たらスルリと出てきます。これが人との会話などに生かされて「何でも良く知っている人」と言われている人は多いものです。
精神面の安定 どんな感想も自由に持てることで自己肯定ができるようになる
読書は作者と読者の二人きりの世界です。読んでいる自分以外の「感想」「意見」がありません。読んでいる人が「イヤだな」と感じる描写があれば、イヤだと思って良いですし、「好きだな」と思えば好きで良いのですから、とかく自由ですよね。
毎日の生活で「いつも人に合わせてしまう」という人は多いのではないでしょうか?自分の気持ちに反することを自分の気持ちとして言葉にすることを苦痛と感じる人は多いものです。そのしばりが読書にはありません。
いつも人目が気になるという人は、好きな本が一冊でも見つかれば自分の意見を肯定することができるかもしれませんよ。
自分を肯定するというのは、精神安定の第一歩です。「他の人はどう思うかわからないけど、自分はこう思った」と、誰にも遠慮なく言えるというのは、今の社会ではとても貴重なことなのかもしれませんね。
効果を感じやすい読書は「振り返り」と「途中で投げ出す」の2つがお約束?
読書で得られる効果を最大限に吸収したい、という気持ちで本を読むのなら普通に読むだけよりも効率的な方法があります。
もちろん一番大切なことは「楽しむこと」です。楽しむことができれば、どんなことでも効率良く吸収できるようになります。でも、読書に慣れていない人にとっては、それもちょっとプレッシャーですよね?
そこでここでは「読書に慣れていない人が読書の効果を感じるための2つのコツ」をご紹介したいと思います。これは既に読書を楽しんでいる人にもおすすめの内容なので、もし意識したことが無いことであれば是非試してみてくださいね。
振り返りを大事に 内容を反芻すれば脳は「大事な情報」として長期保管してくれる
脳に「長期記憶」と「短期記憶」というものがあるのは、知っている人も多いと思います。
脳では毎日数千~数万の情報が行き交っていますが、それらの全てを長期記憶に保管するわけではありません。脳はそれぞれの情報を人が寝ている間に仕分けしているのです。その仕分けで「長期記憶」へと振り分けてもらうためには「同じ情報を何度も行き交わせる」ということが必要なんです。
読書をした中で印象に残った感情や情報があれば、それを何度か反芻しておきましょう。ごはんを食べながら、お風呂に入りながらちょっと思い出してみるだけで良いのです。これは「読書をしてみたけど、何も頭に残らなかった」という人には是非試してみて欲しいことです。このちょっとした反芻が、読書で得られる知識や感情を定着させてくれますよ。
途中で投げ出して良い 「どんな本でも最後まで読む」は読書の目的ではない
読書に慣れてない人は「よし!この本を最後まで読む!」と肩に力が入りがちではないでしょうか?確かに、読書は最後まで読んだ時に充実感を得られるものかもしれませんね。でも、それは義務ではありません。「読んでみて、つまらないと感じたら途中で投げ出す」と決めておいても良いくらいです。
最初にお伝えしたように、読書の良いところは「楽しみながらさまざまなことを得られる」ということですので、「楽しみながら」が叶わない本であれば読むことを止めてしまっても良いのですよ。そしてまた別の本を読んでみれば良いのです。
本は人が書いています。どんなに素晴らしい人が書いた本だったとしても、その人と読んでいる人の気が合わないことだってあるのです。きっと、意識せずとも「気が付いたら最後まで読んでいた」という本に巡り会えます。
まとめ
日頃から読書の習慣がある人は、自分の感情をよく理解していたり、他人の気持ちをくみ取ることが上手だったりと、何かと人間関係において重宝されることが多いのではないでしょうか?もちろん、その全てが読書の賜物とは言えないかもしれませんが、一役買っているという程度には考えてみても良いかもしれませんね。
読書はいつからでも始められますし、どこで始めても良いのです。読書の習慣が無いという人は、書店で本を眺めてみるだけでも良いでしょう。難しいことは考えず、自分が何となく気になる本を手に取ってみるところから読書は始まります。
まずは一冊持ってみませんか?上手くいけばそこからあなたの読書生活がスタートするかもしれませんよ。