仕事を行う上で、必ずと言っていいほど通る道が「仕事の失敗」です。失敗すると当然怒られるので気持ちも落ち込みますよね。また、落ち込むだけならまだよいのですが大きい失敗を起こしてしまった場合は「もしかしたらクビになるかも…」と不安になってしまう場合も考えられます。
もし仕事で大きい失敗をしてしまった場合、果たして「クビ」になることはあるのでしょうか?また、もし失敗をしてしまった時にはどのように対処し、どのようにして失敗から立ち直ることが出来るのでしょうか?本記事では仕事の失敗でクビになることはあるのか、そして失敗における仕事の対処法と自身の気持ちが落ち込んだ時の対処法について紹介していきます。
もくじ
仕事を失敗したらクビになることはあるの?
仕事に失敗はつきものとはいえ、「取引先との約束を忘れた」「重要な書類を紛失してしまった」「ミスで多額の損害を出してしまった」など、中には会社の業績や取引先との信頼関係に大きな損害を与えてしまうような大きな失敗をしてしまった人もいると思います。会社に大きなマイナスを出してしまった場合、テレビで見たような「お前はクビだ!」みたいな展開を想像してしまい、不安になってしまいますが、果たして大きな失敗が「クビ」につながるということはあり得るのでしょうか?
結論を言うと、仕事の失敗が原因で仕事をクビになることは基本的にはありません。労働契約法第16条には「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」と規定されています。これに当てはめて考えると、仕事における「ミス」や「能力不足」は客観的に合理的な理由にはあてはまりません。よって、大きなミスをしてもそれが原因による解雇は法律的にも認められません。
改善が見られず会社にとっての損害が大きくなるとクビもあり得る
しかしながら、ケースによってはクビとなるケースもあり得ます。ではクビの対象になるのはどのような場合でしょうか?犯罪・違法行為を行った場合は当然ですが、無断欠勤が長期間続く・勤務態度が悪く改善も見られない・同じようなミスを続け損害を出し続けているなど「継続的に企業に損害を出し続けており、企業秩序を大きく乱している」と判断される場合はクビも十分に考えられます。
大きなミスをしても「どうでもいい」と開き直って同じようなミスを繰り返す、逆に「もうダメだ」と心が折れてしまい会社に出なくなってしまう、といったことがあればクビの可能性は考えられます。また、「犯罪行為」はミスでは起こらないと思いますが、ミスがばれたくないがために犯罪行為に手を染めるということは考えられます。大きな失敗をしてもクビになることは無いので、大きな失敗で変に自棄になったり隠したりせずに真摯に受け止め、ミスをどう挽回するかを考えることが一番大切ですね。
もし仕事で失敗した時にどうやって対処すればいいの?
失敗してもクビにならないという点では安心してもいいと思いますが、自分で起こした失敗は出来る限り自分で処理を行うのが社会人の責任です。また、失敗をした時にどのような対応を取るかも上司には見られています。事後処理次第では上司の評価があがることもあるので、信用を取り戻すためにもしっかりと対処を行いたいところです。失敗をした時にどのような対処を取るべきなのかをここではお伝えしていきましょう。
失敗は隠さず報告し、徹底して「報告・連絡・相談」を行う
一番大事なことは「失敗を隠さない」ということです。失敗の対処は自分一人で解決できることは少ないです。隠しておいても基本的にばれますので余計に怒られて評価が下がるだけです。それだけならまだしも隠していることで問題が大きくなってしまうともっと大変なことになってしまいます。取り返しがつかなくなる前に「すみやかに報告する」ことが大事です。
失敗によるトラブルの解決はスピード感をもって解決する方が効果的です。そのためには社会人の基本である「報告・連絡・相談」を更に意識して取り組みましょう。トラブルの対処法が自分ではわからないのであれば正直に上司に相談し、力を借りましょう。
失敗の種類によっては取引先や関係者に謝罪を行う必要があります。謝罪は下手な言い訳をせずに誠心誠意謝罪しましょう。理由などを聞かれることもあると思いますが、正直に伝えましょう。誠意をもって謝罪すればきっと伝わります。トラブルに対して何かしら対応を取った場合はすぐに報告を行いましょう。報告は結論から正確に話すことで迅速に伝達が出来ます。
トラブル対処は個人だけの問題ではなく会社やチームで解決していきます。こういう失敗によるトラブルが起きた時こそ誠心誠意対応し、「報告・連絡・相談」を緊密に行うことで迅速なトラブル解決につながるのです。
仕事の失敗で気分が落ち込む時はどうやって対処すればいいの?
会社での失敗は誠心誠意対処することで解決に向かっていきますが、「大きなミスでみんなに迷惑をかけた…」という心理的なダメージは大きいものです。ほとんどの人が落ち込むことでしょう。しかし仕事は心の回復を待ってはくれません。素早く切り替えて次の仕事に邁進するのが理想ですが、なかなかそう上手くはいきません。
そもそも気分がずっと落ち込んでしまうのはいったい何故なのでしょうか?それは「失敗したことをずっと引きずっているから」にほかなりません。気持ちを切り替え、前に向かっていくためにはしっかりと自分の失敗を教訓として消化して、自分の中で「失敗を完結させる」作業が必要です。この作業を行うことで気持ちが吹っ切れて、次に向かって頑張ることが出来ます。それでは、失敗で気分が落ち込んだ時の対処法をお伝えしていきます。
対処法1.失敗を分析して、失敗の原因を明らかにする
失敗を振り切るためには「失敗した…」から「よし、次はこういう風にしよう!」という風にプラスに切り替えることが必要です。そのためには自分がどんな失敗をして、原因は何かを分析することです。自分の何がいけなかったのかを明らかにすると、同じ失敗をしないための「対策」が明らかになってきます。難しい場合は上司に相談しても良いでしょう。この作業を行うことで「次はこうやって失敗しないようにするぞ」とプラスの気持ちに切り替わってきます。失敗から得る教えのことを「教訓」と言います。失敗を「失敗」のままにせず、失敗から「教訓」を学ぶことで気持ちの切り替えにもなりますし、社会人としても一段階成長できるようになります。
対処法2.同期や先輩社員に自身の失敗談を話してみる
しっかり失敗を振り返ったけれど、どうしても気持ちを引きずってしまうという方も中にはいます。そういう気持ちはすでに起こした失敗に起因するものではなく、これからの会社員生活や今後の仕事について「もしかしたらまたやってしまうかも…」という未来に対する漠然とした不安に襲われていることが多いです。
そんな状況は一人で悩んでもしょうがないので誰かを頼りましょう。同期や友人、信頼できる先輩社員などに自分の失敗を話してみましょう。自分一人で考えている時はマイナスな思考に陥りがちです。誰かに話してみることだけで自分の気持ちや考えが整理されてすっきりすることもありますし、他人からの視点からの言葉は自分では思いつかないような考えが聞けたりして吹っ切るきっかけを貰うこともあります。信頼できる人に話してみて励ましの言葉やアドバイスを貰うことで、気持ちも楽になりますので前向きになれますよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか?大きな失敗は責任も損害も大きくなり、心身ともにダメージが大きいです。ですが、ポジティブに考えると「失敗は誰しも起こすもの」です。失敗に対して逃げ出したり自棄になったりするのではなく、どうやって失敗を仕事で挽回するか、という風に考えた方が会社のためにも自身の成長のためにも良い方向に向かいます。「失敗は成功の母」とも言います。失敗を的確に対処し、次の仕事の糧にすることで失敗を取り返していきましょう。