リーダーシップに求められる要素とは何でしょうか。自分の所属するチームのリーダーが、頼りない人だったら嫌ですよね。実は、リーダーシップの要素というのは、たった二つのことで決まります。その二つが「大胆に行動できること」と「仕事が緻密であること」です。
この一見相矛盾しているように見える要素で、リーダーシップが決まります。なぜなら、リーダーとは、局面において決断力をもって大胆に行動できなければならないし、かつ、普段から繊細で緻密な仕事ができなくてはならないからです。このリーダーシップの二つの要素について、詳しく見ていくことにしましょう!
もくじ
優れたリーダーシップに求められる要素とはなにか?
リーダーシップとは、ただ単に人の心を引き付けるだけではなく、ある目標に向かってチームを導き、それを達成することで成果を出さなくてはいけません。チーム全員に、同じ目標を目指して進むという意識を持ってもらうことも必要。また、目標を達成することで個々の成長を促すことも大切なリーダーシップです。やる気のない人や、方向の違う人をまとめ、一丸となって目標達成に向けて引っ張っていかなければなりません。こうしたリーダーシップに必要な要素とは、一体どういうものがあるのでしょうか。
人を安心させるコミュニケーション能力
最初の段階でもっとも重要ともいえる要素は、チームの仲間に「信頼されている」ということです。そのためには、コミュニケーションをしっかりととり、相手を知り、また、相手に知ってもらうことが大切でしょう。そうしたコミュニケーション能力として必要なのは「要約力」ともいうべき力です。話したいことを「シンプルにまとめる力」です。
小学生の時、校長先生の話が長いことを苦痛に感じていたことを覚えている人も多いのではないでしょうか。人は難しくて長い話には「退屈」を感じます。「話を簡単にまとめ、簡単に話す」ということは非常に大切なことです。
さらに、一人ひとりと話をするときに必要になるのが「情熱」です。目標達成に向けて、何が何でも達成するんだという「情熱」を伝えることがリーダーシップの大切な要素です。
リーダーに求められる目標の設定と期限の設定
リーダーがするべきことの第一点は「目標設定」です。チーム全体が達成する目標を「大目標」とするなら、「中目標」、「小目標」と細かく目標を設定し、それぞれに期限を設けます。これは箱根駅伝に近いかもしれません。
チーム全体として優勝することが大目標で、そのために、まずは往路で優勝を目指すことが中目標。
そして、その中目標を達成するために、各区間で区間賞を目指していきます。その意味で、個人でも目標を設定してもらい、自分自身で期限を設定させることが大切です。こうしたことで、個人の成長を促すことにもなるのです。目標の設定は、簡単に達成できる内容ではなく、「頑張れば何とかできそう」という目標がちょうどいいといえます。
どんな状況でもブレない志とやり遂げる信念
リーダーシップに必要な要素として、「大義名分」とでもいうか、「錦の御旗」とでもいうか、「志」の部分は重要です。それは「なんのため」の目標達成かということです。
「目標達成した結果、自分たちの利益は上がったが、世間では泣いている人がたくさん増えた」ということであれば、チームのモチベーションは上がりません。「目標を達成することで、社会にこれだけ貢献することができ、自分たちの知名度もこんなに上がるんだ」ということであれば、俄然やる気も上がってくるでしょう。
こうした「なんのため」という「志」の部分はとても重要です。さらに、この「志」を何が何でもやり遂げるんだという「信念」もまた重要。少し計画が暗礁に乗り上げた程度で、「もうやめるか」では、二度とその人にチームはついてはいきません。「何が何でもやり遂げるんだ!」という強い意志が、リーダーシップには必要なのです。
選択を迫られたときにあたふたしない決断力
目標を掲げ、プロジェクトを進めていくなかには、「右に行くか。左に行くか」と選択を迫られることもあります。その選択を誤ると、「倒産」「解雇」などという重要な選択もあるでしょう。そうしたときでも、「どうしよう?! どうしよう?!」と慌てることなく、ドンと構えて「こっちだ!」と言えるくらいの落ち着いた雰囲気と決断力がないといけません。この決断力は、知識と経験に基づいたものなので、リーダーシップにはやはりそれなりの知識と経験が必要です。
知識と経験に自信がなければ、「情報収集」が力を発揮します。決断に必要な情報を収集すること。過去に同じような選択を迫られた人はどうしたか。その選択と結果を細かに調べます。こうした努力は、決断に自信を添えることになるでしょう。
自分一人でもやるというためらわない行動力
最後には、「俺は一人でもやる! ついてくる奴だけついてこい!」というような強い行動力が必要です。口だけがやかましく、自分では何もしないリーダーほど信用のできないものはありません。その立場になくとも、ときには営業、ときにはトイレ掃除と、人の嫌がる仕事を徹底してこなすことで、チームの信頼を得ることもあります。
とくにチームの仲間が行動を渋っているときに、「お前らが行かないなら俺がやる!」とまさにチームを引っ張っていく力が必要なのです。この行動力は、言葉以上に人を引き付ける力を持っています。
「俺は一人でも必ずやり遂げる!」というくらいの気概で、行動して見せることで、チーム一丸となって目標に向かうことができるのです。
戦略と戦術の使い分けができるのがリーダーシップ
戦略と戦術の違いをご存知でしょうか。プロジェクト全体を見渡して、最終的に目標を達成するように導くものが「戦略」です。その過程では、失敗したと見える部分も出てきますが、最終的に目標を達成することが最優先となります。戦術とは、その都度その都度ぶつかる問題に対する対処法です。戦術に優れていても、全体の目標を達成できるとは限りません。
大目標を達成するのが「戦略」で中、小目標を達成するのが「戦術」ということもできるかもしれません。誰をどこに配置するのかが戦略で、個々がどのように区間賞を取るのかが戦術です。リーダーシップを発揮するためには、この戦略と戦術をしっかりと使いわけできなくてはいけません。とくに、「戦略」を優先するのがリーダーともいえるでしょう。
小さな変化を見逃さない緻密な目線も大切
戦略を優先し、細かな部分で失敗しても最終的に目標達成に導く大胆な目線と行動力がリーダーシップには必要な要素です。それでも、常にチーム内の小さな変化にも神経をとがらせて、緻密に見ておかなければなりません。小さな変化や小さなストレスが、チーム全体を最終的に崩壊させるようなこともあるからです。
簡単な例で言うと、織田信長には大胆な行動力はありましたが、家臣明智光秀の小さな変化には気が付かなかったと言えるのです。それが彼に致命傷を与える結果となりました。こうしたわずかな変化を見る目も、リーダーシップの重要な要素なのです。
まとめ
リーダーシップには様々な要素があります。さらに細かく調べると、もっとたくさんの要素が見つかるでしょう。ですが、大きく分けると二つしかありません。それは、大胆な行動力と緻密な目線です。この二つの要素が、チームを目標達成に導くためのけん引力となるのです。
チーム全体を見るには大きな目をもって「シンプル」に接し、個人を見るときは細かな目で「情熱」をもって接する。「戦略」という意味での大目標達成には「志」と「信念」で牽引し、「戦術」では具体的な細かな仕事をこなしていく大胆さと緻密さ。これがリーダーシップには欠かせない要素です。