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哲学的思考って何?哲学的思考が仕事に及ぼす4つのメリット

「哲学的思考」という言葉をご存知でしょうか?哲学というのは古来から伝わる学問の一つであり、その定義には様々な説がありますが、「物事について深く考えること」というのが一般的なところでしょう。

哲学というと何やら難解そうなイメージがあるかもしれませんが、哲学的思考を身に付けることによって仕事上様々なメリットを享受できるようです。この記事では、哲学的思考とは何か、そして哲学的思考の身に付け方等を見ていきたいと思います。

もくじ

哲学的思考とは、自分の中の確たる判断基準に基づいて様々な選択をすること

哲学的思考とは、自分の中の確たる判断基準に基いて様々な選択をすることと定義することができます。これだけを見ると誰もが日常的に行っていることのように思えますが、「確たる判断基準」の強さが哲学的思考の特徴と言えるでしょう。

そもそも、哲学というのは考えても意味のないようなことにまで「何故?」を問いかける学問です。その例として、「生きることとは何か?」「心とは何か?」というものが挙げられますが、通常生きていく上ではそのようなことを考える必要はありません。

しかし、一見意味のないようなことでも深く考えることにより、自分という人間の軸を強化することができます。そして、それこそが「自分の中の確たる判断基準」となり、様々な物事に対して自分軸を通して観察及び判断できるようになるのではないでしょうか。

哲学的思考を仕事に取り入れることによるメリットは?

それでは、哲学的思考を仕事に取り入れることによるメリットを見ていきましょう。前述した通り、哲学的思考とは「自分軸で物事を判断すること」に他なりませんので、判断に一貫性を持たせることができるという点が挙げられるようです。

人間は感情的な生き物と言われていますので、時には周囲の状況に流されて判断を誤ってしまうこともあるでしょう。しかし、哲学的思考を身に付けることによってそういったリスクを軽減できるのではないでしょうか。

それも含め、哲学的思考を仕事に適用するメリットとして、下記のようなものが挙げられます。

一貫性のある判断ができるようになり、周囲から信頼を得られる

哲学的思考を仕事に活用すれば一貫性のある判断ができるようになり、それが周囲からの信頼にも繋がるでしょう。行動や言動がブレない人というのは一見頑固に見えて敬遠されがちですが、長期的には信頼を獲得するのではないでしょうか。

そもそも、一貫性のある判断ができるということと頑固であるということは異なるものです。前者は日頃から鍛えている自分軸による判断を行うことができるという意味になり、後者は主に自分の感情による判断が強い人と言い換えることもできるでしょう。

全てが全てそうだというわけではありませんが、頑固な人の判断の源泉が感情である以上、感情が変われば判断軸も変わります。しかし、哲学的思考を行う人は考えに考え抜いた結果得た自分軸を判断基準とするため、感情的判断とは縁遠い存在と言えるのではないでしょうか。

様々なことを問いかけ続けることにより、思考力が鍛えられる

哲学的思考を仕事に取り入れることにより、仕事に対しても様々なことを問いかけ続けるようになります。それによって思考力が鍛えられ、様々なシーンで鋭い意見を発することができるようになるのではないでしょうか。

仕事の基礎的な能力の一つである思考力というのは、文字通り思考する力という意味です。そして、思考する力を鍛えるためにはとにかく何かを考え続ける必要があり、それは哲学的思考と非常に似通った行為と言えるでしょう。

考えれば考えるほどに哲学的思考を行うための自分軸を得ることもでき、同時に思考力を鍛えることもできます。

仕事において何かを考えるというのは当り前の行為かもしれませんが、哲学的思考を用いることによって、普通の人では考えないような部分を掘り下げて思考することにもなるでしょう。

それにより、時には誰も思いつかなかったような発想を得ることができるかもしれません。

咄嗟の判断を求められる際にもしっかりと対応できる

哲学的思考を仕事に取り入れることにより、咄嗟の判断が求められる際にもブレることなく対応することが可能です。思いがけない咄嗟の時というのは逐一思考する暇がないため、普段の素の状態が出てしまうものではないでしょうか。

そこで未熟な自分が露呈して憂鬱になってしまうこともあるかもしれません。しかし、普段から哲学的思考を行うことによって自分軸を確立している場合は、思いがけない咄嗟の時でも自分軸から大きく外れることのない判断を下すことができるでしょう。

いついかなる時でも自分軸から大きく外れない一貫性により、周囲からの信用を得られるのは前述した通りです。そして、咄嗟の時でも慌てることなく冷静に対応できる姿を見せることで、更なる評価に繋がるのではないでしょうか。

人間性に深みが出て、言動や行動に説得力を持たせることができる

哲学的思考を行うことによって人間性に深みが生じ、言動や行動に説得力を持たせることができます。

分かりやすい例としては、何かしらの商品の営業を行う際、その商品を本当に心から良いと思っている営業マンはそうでない営業マンより成約率が高くなるというものが挙げられます。

前者の営業マンはもしかしたら普段からその商品を愛用しており、実際の使用感を相手に伝えることができるかもしれません。また、その商品を愛しているが故にメリットもデメリットも熟知しており、それを顧客に伝えることで信用を得られるかもしれません。

日頃から物事を深く考える哲学的思考を行っている場合はもう少し抽象的にはなりますが、同じように言動や行動に説得力を持たせることができるでしょう。

哲学的思考を行う際に気をつけたいことって何?

哲学的思考を行うことによるメリットをご紹介させて頂きましたが、引き続き哲学的思考の注意点を見ていきたいと思います。哲学的思考を行うことによって人間性に深みを持たせることができますが、それは時に自分や周囲を傷つけてしまう可能性も孕んでいるようです。

そうならないためにも、下記のような点に注意しつつ、哲学的思考と健全な関係を保つ必要があるのではないでしょうか。何事も過ぎたるは及ばざるが如しと言いますので、バランスを保つことが大切なのかもしれません。

自分の判断基準を他人に押し付けないようにしよう

哲学的思考を行って得た自分軸を他人に押し付けないよう注意する必要があります。哲学的思考で得た自分軸というのは、あくまでも「自分専用の軸」ということになりますので、それを他人が取り入れる義務はありませんし、そうしたところで相性が良いとは限りません。

自分の考えを他人に押し付けることの弊害は様々なところで語られていますが、特に哲学的思考を行っている場合には気をつける必要があります。

哲学的思考を身に付ければ付けるほど自分軸が強まる傾向がありますので、自分軸が強くなればなるほど異なる価値観を受け入れがたくなってしまう可能性があります。

哲学的思考を取り入れて自分軸を確立しつつ、同時に異なる価値観を受け入れられる柔軟性も磨いておく必要があるでしょう。

考え過ぎは時に毒。何も考えない時間も設けよう

哲学的思考というのは一見意味のないようなことでも深く掘り下げて考える思考のことを指す言葉です。それにより深い洞察力や価値観を得ることができるのですが、あまりに深く考えすぎてしまったために起こる弊害もあるのではないでしょうか。

顕著なものとしては、生きる意味について考えすぎてしまい、精神を患ってしまうこと等が挙げられるでしょう。私達は将来や自分の進退について考える時はどうしてもネガティブ寄りになってしまう傾向があるようです。

物事を思考するのは必ずしも悪いことではありませんが、ネガティブな方向に考えすぎることで精神に悪い影響が出てしまうこともあるでしょう。それを防ぐためにも、時には何も考えずにぼーっと過ごす時間を取り入れることをお薦めします。

フラットな思考であれば体に負担のない限りいくら行っても問題はありませんが、思考がネガティブ寄りになっている場合は程々にしておいた方が良いかもしれません。

まとめ

普段から物事に対して深く洞察し、哲学的思考を身に付けておくことで様々なメリットを享受することができます。今は「個の時代」とも言われているように、最大公約数的な需要を満たすのではなく、特化した需要を満たすものがビジネスになりやすいのではないでしょうか。

であれば、哲学的思考を掘り下げ、自分の中に強烈な自分軸を構築しておくことで、少なくとも自分のニーズを満たす何かを思いつくことができそうです。

自分という特定の個人に対して強烈なアピール力のあるものは、自分と同じような他の誰かにも受け入れられる可能性が高いと言えるでしょう。

その他にも思考力や判断力を鍛えたり人間性に深みを持たせることのできる哲学的思考ですが、その反面デメリットもあることを忘れてはいけません。哲学的思考を行う際は、自分軸と他人軸のバランスを上手に取りながら行うことをお薦めします。

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