ビジネススキル

本質を見抜いて真の問題解決を!論点思考を鍛える4つの方法

「論点思考」という言葉をご存知でしょうか?論点思考とは、与えられている命題や目的に対する本質的な問いを導き出し、なるべく効率良くスピーディーに問題を解決しようといった思考法です。

この記事では、論点思考の意味やそのメリット、そして論点思考を鍛えるために意識したいこと等を見ていきたいと思います。論点思考を様々なシーンに活用することで、現状に対する本質を見抜き、根本的な問題の解決に繋がるのではないでしょうか。

もくじ

論点思考とは、様々な事象に対する真の問題を選び取ること

論点思考とは、様々な事象に対する真の問題を選び取ることと言えるでしょう。例えば、「自社の売上を上げたい」という命題が与えられている場合、闇雲にサービスのクオリティを上げたり、価格を安くすることを決めてしまうのは論点思考とは言えません。

「自社の売上を上げたい」という命題の場合、まず「何故自社の売上が上がらないのか?」という問いを行う必要があります。売上が上がらない理由としては様々なものが考えられますが、それが必ずしも自社が抱えている問題と一致しているとは限りません。

売上を上げるためには、自社の売上アップを阻害している真の問題を探る必要があります。それこそが論点思考と呼ばれるものであり、論点思考を鍛えることによって問題解決のスピードが上がったり、本質を見抜くことのできる力を育むことができるでしょう。

論点思考ができることによるメリットは何がある?

それでは、引き続き論点思考ができることによるメリットを見ていきたいと思います。論点思考とは、前述した通り様々な物事における本質的な問いを見つけ出す思考のことを意味します。

論点思考ができるようになると、事象や命題に対する本質的な問いを見つけ出すことができるようになるため、問題解決の精度やスピードが向上することが見込めるでしょう。

また、論点思考を鍛えることによって、問題だけではなく様々なことに関して本質を見抜けるようになるかもしれません。

その辺りをもう少し詳しく見ていきましょう。

考えるべきポイントを絞り込むことによって集中できる

論点思考を行うことによるメリットとしては、まず考えるべきポイントを絞り込むことによって思考やリソースを集中させられるという点が挙げられます。

思考もそうですが、仕事にはかけられる労力や時間等のリソースが限られており、その中である程度の結果を出すことが求められます。

論点思考を行い、物事や命題に対する本質的な問いを見つけることができるようになると、リソースのかけどころを絞り込むことができます。しかし、命題に対する本質的な問いを見つけ出すことができないと、ただでさえ限られているリソースを無駄に消費することに繋がりかねません。

どこに思考を集中させ、どこにリソースを割くべきかというのはビジネスを行うにあたって第一に考えるべき箇所と言えるでしょう。

本質を見抜く目が養われ、様々な物事に瞬時に対応できる

論点思考を行うことによる副産物として、本質を見抜く目が養われます。本質を見抜く方法はジャンルによってやり方がそう異なるわけでもないため、上手くすれば仕事やビジネス以外のフィールドでも役に立つかもしれません。

一目で物事の本質を見抜くことができれば様々なことに対応するスピードが上がり、判断力の向上も見込めるでしょう。その判断が全てにおいて正しいというわけではありませんが、同じ間違うにしても散々悩んで間違うよりは瞬時に間違った方がリカバリーしやすいのではないでしょうか。

逆に本質を見抜くことのできる目を持っていない場合は論点思考ができないだけではなく、その他様々な弊害が生じてしまう可能性があります。そのため、論点思考を行う行わないに関わらず、物事の本質を見抜けるよう日常的に訓練しておくことが大切です。

論点思考を身に付けるために意識したいことって?

それでは、続いて論点思考を身につけるために意識したいことを見ていきましょう。論点思考と論理的思考は似通った存在であり、基本的には論理的思考を身に付けるための方法論と被るところがあるようです。

すなわち、論点思考を行うためには論理的な思考力が求められるということにもなります。論理的思考を磨いておくことによって論点思考の精度が向上し、物事の本質的な問題点を見つけることに繋がるでしょう。

論点思考を身に付けるために日々意識したいこととしては、下記のようなものが挙げられます。

分かりやすい問題点ほど掘り下げて考えてみよう

一見すると分かりやすい部分に本質的な問いが見え隠れしているようなケースがあるかもしれません。

しかし、そのような時でも分かりやすい問いにそのまま乗ってしまうのではなく、一度しっかりと掘り下げて考えてみることをお薦めします。

分かりやすい問題点がそのまま本質的な問いになっているというケースもゼロではありませんが、もしそうであれば既に誰かが解決しているのではないでしょうか。

そうならずに明確なまま放置されているということは、もしかしたらその裏により深い問題が隠れているのかもしれません。

また、分かりやすい問題点に惑わされずに客観的な視点から物事の全体図を眺めることで論理的な思考力や視野の広さを養うことができます。仮に見えやすい部分に起こっている問題が本質的な問いとイコールだったとしても、深く掘り下げて思考した経験は無駄にはならないでしょう。

置かれている現状を視覚化して考えてみよう

論点思考を得るためには置かれている現状を視覚化して考えてみることも大切です。現状をそのまま感覚的に捉えてしまうのは主観的な判断に依ってしまうリスクがあり、論点思考に必要な客観性や柔軟性を失ってしまうでしょう。

置かれている現状や状況、様々な関係性といったものを図やイラストに書き、それを俯瞰的な視点から眺めてみてはいかがでしょうか。そうすることで当事者の立場からは見えなかった事実を発見することができ、本質的な問いに近づくことができるかもしれません。

論点思考に限らず、何かに行き詰まった際には置かれている状況を別の角度から眺めてみることが大切です。それには他者視点のシミュレーションであったり、イラスト化して眺めることであったり、また関係のない第三者に意見を聞いてみるといったものが挙げられるでしょう。

常識や慣習に囚われることなく、様々な視点で思考しよう

常識や慣習に囚われることなく、様々な視点で思考することで論点思考を鍛えることができます。常識や慣習というのはいわば他の誰かが定めたルールに過ぎませんので、何かしらの実害が生じない以上は律儀にそれに従う必要はありません。

また、自分の主観だけではなく、他の視点から見た図を意識することで、同じ物事に対しても様々な見方をすることができます。常識や慣習に囚われず、物事を多角的な視点で見ることによって理解が深まり、本質的な問いに近づくことができるのではないでしょうか。

常識や慣習に囚われないといったことも、多角的な視点で物事を眺めるというのも口で言うほど簡単ではありません。

しかし、ルールや自分の主観といった檻に囚われているようでは物事の本質的な部分は見えず、論点思考から遠ざかってしまいます。

自分に関係のない事柄に対しても、本質的な問いを考えよう

論点思考を行うのはもっぱら自分が担当している仕事やプロジェクトになるかと思いますが、自分と全く関係のない事柄に関しても適用してみてはいかがでしょうか。

自分が担当している仕事のみに活用するのも有効であることに間違いはありませんが、それではサンプルケースが不足してしまう可能性があります。

自分が全く関係していない事柄だからこそ客観的な視点で眺めることができ、本質的な問いも見つけやすいようです。

本質的な問いを見つけたところでそれを検証できないのがこの方法の弱点になりますが、少なくとも論点思考の練習にはなるでしょう。

そのようなトレーニングを繰り返している内に、物事の本質的な問いを見抜くコツのようなものを身に付けることができるようになるかもしれません。

まとめ

論点思考を意識することによって、物事や命題に対する本質的な問いかけを行うことができ、真に解決すべき箇所が明確になるようです。「自社の売上を上げたい」という命題一つとっても考えるべき箇所は無限にあり、どこにリソースを割けば効果があるのかはやってみなくては分からないものでしょう。

しかし、論点思考を鍛えて本質的な問いを導き出せるようになると、問題解決へのスピードが速くなり、労力の減少も期待できます。「働き方改革」という言葉が叫ばれている昨今ですが、論点思考のような手法を上手く活用することで効率の良い働き方に繋がるのではないでしょうか。

主にコンサルティング分野で活用されている論点思考ですが、様々な仕事に適用することが可能です。それにより、余計なエネルギーを消費することなく、効率的に求める結果を出すことができるでしょう。

あわせて読みたい!