友達や家族と一緒に行動するのが好きで、何でもおまかせの状態が楽でいい、と感じる方もいるかもしれません。しかし、そういう方は、いざ自分で判断しなければならない事態になると、どうやって決めれば良いのか困ってしまうはず。
会社では自分で判断しなければならないことも多いので、これからご紹介する8つの方法を参考に、ぜひ判断力を鍛える訓練をしてみてください。今後仕事をしていく上で、そのスキルはきっと役に立つはずです。
もくじ
日常的に判断する癖をつけよう!
自分に自信を持てない方は、自分の判断力に責任を持つことができず、人の判断を仰ぐケースが多いかもしれません。そういう方が判断力を鍛える方法としては、自分の心に素直になる、身体にとって心地良いかどうか、自分は何をしたいのか、を基準に、まずはものを選んでみるといいでしょう。
例えば、今日のお昼ご飯は何にしようか?と考える場合、1人だったら早めに選択できると思います。もし、他の人と一緒に食事する時でも、反対意見が入ることを怖がらず、「僕は中華がいいな」など、まずは自分が食べたいものを提案してみましょう。もし、その意見が採用されなかったとしても、次回も引き続き提案すれば、受け入れてもらえるかもしれません。
自分で責任を持つ覚悟を持とう!
判断力のない方、なかなか判断がつかない方は、人にノーと言われることを恐れているため、人に判断してもらうケースが多いのかもしれません。その判断をそのまま自分の意見として採用する分には問題ないのですが、「〇〇さんがそう言ったので」と人のせいにすると、次回から協力してもらえないケースも出てきます。
自分の判断力に自信がない場合でも、とりあえずその時点で思いついた判断を発表してみましょう。その内容によって、上司や先輩は、どのくらいこの仕事について理解しているのか、気付くことができます。もし、まったく的外れな判断をしたとしても、「こういう考え方もあるよ」とアドバイスしてくれるかもしれません。
2~30代のうちは、アドバイスや注意してくれる人がたくさんいるので、恥ずかしがらずにどんどん発表してみてください。それを積み重ねていくうちに、きっと自分なりの判断力は磨かれていくはずです。
自分なりの問題意識を持つことで判断力を磨こう
レストランなどで食事をしながら、このお店のオーナーにもし自分がなったら、こういうお店にするかもしれない、こう変えるともっと魅力的になるかも、とふだんから自分なりに問題意識を持つことでも判断力を磨くことができます。
その発想が、会社でもこの業務はこう変えていったほうが良いのではないか、この仕組みとあの仕組みを一緒にして作業の効率化を図れるのではないか、といった考え方につながっていきます。何事も受け身ではなく、自分事として考えることで、判断力は高まっていくはずです。
また、食べたことのないもの、海外1人旅、ボランティアなど、予想のつかないことにチャレンジし、新しい価値観を得ることも、判断力の練習になるでしょう。
フェルミ推定でものごとの本質をとらえる訓練をしよう!
フェルミ推定は、実際に調べるのが難しいような問題を、短時間に推定して回答する方法です。例えば、スクールバスにゴルフボールをいくつ入れることができるか、を3分で解くなど。自分なりにスクールバスとゴルフボールのサイズをアバウトに計算し、回答を導き出します。
フェルミ推定をすることで、枝葉末節にとらわれずに、論理的に素早く仮説を立てる方法を学ぶことができます。また、考える癖をつける、客観的にものごとを見る、ものごとを単純に考えるためのトレーニングとしても使えます。
エレベーターに乗り合わせた社長に、30秒で自分の仕事の進捗状況を伝えるというエレベーターテストでは、結論から全体像を単純に述べる訓練ができます。
ルールを事前に決めておくことで、判断を楽にする
その一例としては、あることを判断する場合、まず、いつまでに判断するという期限を決めてしまいます。例えば、同時に達成することができない2つの問題がある場合、その期限までに、その2つの問題に関する良い情報・悪い情報をすべて集めましょう。情報が出そろったところで、自分なり(または職場なり)のルールで、どちらかを採用し、もう1つを不採用にします。
また、考える時間は5分以内におさめる、迷う価値のないことは考えない、完璧な状態でなくても仕事を見切り発車する、納期を優先して考える、など即断即決のためのルールを事前に決めておくことで、段取りどおりに事が運ばない時にも、あたふたせずに対応することができるでしょう。
インバスケット思考で優先順位のつけ方を学ぶ
インバスケット思考とは、アメリカ空軍によって開発された、不測の事態に対応するための技術です。「インバスケット」は未解決の処理箱のことで、1時間に20個の案件を、自分で優先順位をつけながら解決するテストのこと。主に、企業の管理職向け研修で行われています。日本では、鳥原隆志氏が唯一、このテストのコンサルタントを行っています。
どの案件を優先するかに対する正解はないのですが、修羅場でその人がどのように判断するか、傾向を知ることができます。また、自ら苦手な分野などに気付くこともできます。
最近では新卒や中途採用者の教育として使う企業もあり、管理職がどういう風に判断を下しているのか、どういう風に自ら意思決定をすれば良いのか、を疑似的に学べるようになっているそうです。判断力に自信のない方も、主人公になりきった気分でインバスケットテストを行えば、論理的な判断スタイルを身に付けることができるかもしれません。
複数のメンターを持って相談にのってもらおう!
自分の判断力に自信がない場合、複数のメンターに相談をすることで、多角的な意見を取り入れることができます。会社によってはメンター制度があり、新入社員は入社3~5年目の先輩から、その会社独自の決まり事や礼儀作法、業務などを教えてもらえます。仕事以外にも、人間関係などに関する相談にものってもらえるケースもあります。
他にも、社内の同期、会社のサークルのリーダー、社外の習い事の先生、セミナーの講師など、プチメンターをいっぱい持つといいかもしれません。場合によっては、気に入った本の著者に手紙を出して、メンターになってください、とお願いすれば、受けてもらえる可能性もあります。
メンターは、似た考え方をする方よりも、プラス思考の方、マイナス思考の方など、バランス良く選んだほうが良いでしょう。複数のいろんな考え方を学び、自分の経験と照らし合わせていけば、どんどん自分軸が固まっていくはずです。
もし、役職が変わったら、管理職経験者にメンターになってもらうなど、その時の状況により、メンターは変更したほうが良いでしょう。貴重な時間をいただいているので、相談事はあらかじめ絞り、後ほど手紙などでお礼の言葉を伝えましょう。
本を読むことで、自分なりの評価軸を身に付ける
身近にメンターがいない場合でも、本をメンター代わりに判断力を鍛えることができます。事前に自分の仕事に関連した専門家の本や歴史書などを読むことで、勉強していない人よりも、早く成長することができるでしょう。また、本を読むことで、同じ業界の最新動向を知ったり、新しい技術を身に付けたりすることもできます。
文学やアート系の本、歴史書など、仕事とは関係ない分野の本を読んで教養を深めることで、判断力の幅も広がるはずです。
本にお金はあまりかけたくないという方は、図書館を利用すると良いでしょう。最新の本は、借りるまでに何カ月も予約待ちの可能性がありますが、それ以外の本は大体すぐに借りることができます。何となく目についた本を借りて、思わぬ発見をする、というのも図書館の醍醐味です。電子書籍の読み放題プランに入会するのも良いかもしれません。
まとめ
日頃判断する機会のない方は、いきなり仕事の場で判断を任されると、苦手意識が先に立ち、判断を保留にしがちです。しかし、思い切って判断すれば、仕事が滞らず、より重要な仕事に時間をさくことができます。判断力は判断を行う回数が多いほど、どんどん鍛えられるはずです。
もし、判断を間違ったとしても、そこから学べる教訓はあるので、ぜひなるべく時間をかけずに判断するようにしてみてください。
今回ご紹介した方法をいくつか試すだけでも、判断力は確実に鍛えられるはず。学んだ後には実践に役立てると共に、自分の業務に合うようにアレンジを加えましょう。
判断する内容は、自分の立場の変化や時代の移り変わりによっても異なってきます。その時々で必要な判断力を身に付けることが重要です。