メンタル

自分が嫌になる…自分に自信が持てない理由と対処法3選

会社帰り、夜寝る前、朝の出勤前などに、「こんな自分、本当にもう嫌だ…」と、思わずため息をついてしまうことはありませんか?

社会人になってからこんな気持ちになる人もいれば、物心ついたときから自分で自分のことを好きになれたことがない…という人もいるでしょう。

そこで今回は、自分で自分が嫌になる人の自信が持てない理由と、自分に自信が持てない場合の対処法について紹介します。

もくじ

自分が嫌になることは、誰にも1度はあるもの

自分で自分が嫌になることは、どんなにメンタルが強い人でも1度は経験することです。それは学校での勉強でよい点数が残せなかったり、思い通りの進路を選べなかったり、部活で失敗したり、人間関係で失敗したり…。

むしろ多くの人が自分で自分が嫌になる時を乗り越えて、自分という人間を確立させていくものなのです。

自分という人間がどんな人間なのか、自分とは何かを突き詰めて考えていくことでアイデンティティの確立(自分らしさをつかむこと)が可能になるのですが、その過程で欠点しか見えなくなる時期があるものです。

また、自己評価は生まれた瞬間にはなく、自分で内省が可能になる小学生以降に自己評価が形成されていきます。

つまり、学校教育の受ける段階で自己評価を低くつけるクセがついてしまうと、自分が嫌になるクセもついてしまい、継続的な悩みとして持ち続けることになってしまうのです。

自己評価が低すぎる?自分が嫌になる人の特徴

自分のことが嫌になる人は、自分自身への評価、すなわち自己評価が低い人だともいえます。自己評価が高いと、様々なことに挑戦できたり、結果がどうあれ自分を責めたりすることが少なく、いわゆるメンタルの強い人ともいわれています。

では、自己評価が低く、自分が嫌になる人の特徴とは、どのようなものなのでしょうか。

幼少期にほめられた経験が少ない…家庭での経験は重要

自己評価の在り方が形成されるのは、人間が生まれて初めて経験する社会、「家庭」です。

家庭での保護者の養育態度(どのように育てたか)、言葉かけ(ポジティブな言葉かけか、ネガティブな言葉かけか)、きょうだい喧嘩によって徹底的に人格を否定された経験があるか(ないほうが自己評価は高い傾向にあります)によって、自己評価の高低が左右されるのです。

その中でも、自己評価を大きく揺るがすのが「家庭でのほめられた経験」です。

自分で何か行動を起こして、それがいつも叱られたり、否定されたり、または無視されるようなことがあると、「自分が行動してもロクなことがない」「自分は価値の低い人間だ」というように自己評価は低下してしまいます。

大人になっても叱られたり褒められたりする経験はたくさんありますが、幼少期に家庭でたくさんほめられた人ほど、大人になっても高い自己評価を維持できるのです。

幼少期は初期体験を数多く体験する時期であり、このような時期に自分を肯定できない体験を数多くしてしまうと、後戻りできないほど自己評価は低下し、少しの出来事でも自分が嫌になるようになってしまうのです。

周囲に与えられた目標が高すぎて追いつけない

自己評価が低くなってしまう人の特徴として、周囲から与えられる目標が、その人の資質を超えたものであり、高すぎる目標を掲げられていることが挙げられます。

その反対に、目標がちょうどよい水準や、やや易しい水準に設定されている人は、目標を達成することが難しくないため、目標達成と同時に自己評価が高まる経験ができます。

ところが、周囲に与えられた目標が高すぎると、自分でかなり努力しなければいけません。

そのうえ、目標を達成できなければ周囲の大人をがっかりさせてしまい、大人たちが自分にがっかりしている様子をみることで「自分はダメな人間なんだ…」と、自分が嫌になるのです。

具体的にはテストで必ず満点を取るという目標や、大学は国立大学の医学部に限定されている場合などが挙げられます。目標を達成できれば問題はありませんが、高い目標を前にして挫折した経験のある人は、この時点で自分が嫌になると同時に、自己評価を著しく下げてしまうのです。

失敗続きで他の人に迷惑をかけるのが苦しい・恥ずかしい

紹介してきたように、個人の成功体験が自己評価にかなりの影響を与えていることが多いのですが、失敗体験の積み重ねもまた、自分が嫌になる人の特徴だといえます。

たとえ人から見れば取るに足らないような小さな失敗だとしても、自己評価が低い人にとっては大きな失敗だととらえられてしまうのです。

失敗してしまうことそのものに加えて、失敗したことによって迷惑をこうむる人の気持ちを考えられる優しい人ほど、失敗するたびに周囲の人の気持ちになって考えてしまい、必要以上に自分を責めてしまう傾向にあります。

ネガティブ・スパイラルに陥るかのように、失敗が失敗を呼び、積み重なった失敗体験がさらに自己評価を下げてしまうのです。

この状態にある人は、たとえ成功体験といえる出来事があっても、ポジティブにとらえる力が落ちているので、成功を成功をとらえることが難しくなっています。

成功を成功ととらえられない精神状態にあれば、なおさら自分を責めるしかなく、朝起きてから眠りにつくまで「つくづく自分というやつは…」と過度に反省してしまうのです。

自分を好きになるために…自分嫌いへの対処法3選

自分が嫌になる人は、何も策を講じなければ、自分を責める癖がついているため、自分を嫌いになる一方です。この状況から脱するためにも、自分嫌いへの対処法を実践してみることをおすすめします。

達成しやすい目標を立ててスモールステップ

自分で自分の価値を低く見積もりすぎないためには、「自分で立てた目標を達成する」という経験が必要です。周囲からの高すぎる目標を設定されてきた人は特に、自分で目標を立ててみましょう。

この時、自分自身で「達成できそうな目標」を立てることが重要です。たとえ小さな目標でも、達成したという事実が自己評価を少しずつ高めてくれます。

「非常に小さな目標」を達成したら、次は「小さな目標」を設定します。それも達成できたら、「中くらいの目標」を設定します。このように目標の達成難易度を徐々に上げていくことをスモール・ステップとよびます。

この方法は成功体験の少ない人、褒められた経験の少ない人が自己評価を高めるために効果的であり、子どもも学習方法にも取り入れられています。

子ども用か…と軽く見ずに、まずは今日は30分でメールの返信10件、次は20件、次は30件…というように、少しずつ目標設定を高くし、できるだけ自分自身で達成したという実感を得ることで自己評価は高まっていくのです。

今の自分の実力を肯定し、ありのままの自分を受け容れる

自分が嫌になる人は、「自分がもっとこうだったら…」「自分があの先輩のように仕事ができたら…」というように、自分が叶えたいものを叶えている誰かと自分を比べて、自分の実力を否定し、認めていないことが多いものです。

しかし、実はその他者と比較しすぎることが、自己評価を低下させる一因でもあります。もしもあなたが自分を好きになりたい場合、自分の実力を否定し、落胆するのではなく、自分の実力をありのままに評価し、「こんなもんだ」と受け入れることも大切です。

自分自身を受け入れている人は、他者と自分とを比べて落ち込むことはあまりありません。なぜなら、人は人、自分は自分…という、当たり前の考え方が定着しているからです。

誰かと比べてしまうと、自分に足りないもの、その憧れの人との遠い距離を見つめるあまり、結局は自分で自分が嫌になるのです。

ところが、「こんなもんだ」と自分をありのままに評価し、それを受け入れると、自分という存在が絶対的なものになるため、相対的に誰かと比べて評価する必要がなくなるのです。

自分が嫌になる…という毎日から脱却するためには、自分自身を認めることから始めることをおすすめします。

自分で自分をほめる!口に出してよかったところを探す

自分を好きになるためには、自分自身の中にある、もしくは自分の行動によって生じた「よいこと」を探すことも有効です。できれば一日の終わりにノートをとる癖をつけましょう。

ノートに書くことは何でもよいわけではありません。その日に起こった出来事の中で、「よいこと」を探し、それをノートに書き留めるのです。

ノートに書くのは、どんなに些細なことでも構いません。一日のスケジュールを予定通りにこなせたこと、お昼に行った定食屋がいつもより空いていてすぐに食べられたこと、本当にどのようなことでもよいのです。

重要なのは、「生きていると、よいこともある」ということを考えられる癖をつけることです。ノートにとることによって、後になってからいかに毎日がよいことで埋め尽くされているのかを視覚的に確認できる点も、この方法のよいところです。

まとめ

自分が嫌になる人は、最近ネガティブな出来事が多く起こっている人が多いでしょう。それだけではなく、自分が嫌になる人は、幼少のころからの成功体験が少なかったり、周囲に設定された目標が本人のポテンシャルを超えたもので、失敗体験が積み重なっている人であることが多いでしょう。

このような人は劣等感を持っている人も多いものですが、心理学者のアドラーによると、劣等感はもっと成長したい、もっと完璧でありたいと思うからこそ生まれる感情であり、ポジティブにとらえることができれば、大きな成長材料になるとも唱えています。

自分が嫌になるような出来事が続いたら、紹介したようなよいこと探しなどの方法を試し、一度自分や、自分の生活を肯定することから始めてみてはいかがでしょうか。

あわせて読みたい!