日常的に、誰かのことを「信じている」と意識することはほとんどありませんよね。「信じていますか?」と聞かれても「うん…まぁ」と曖昧な返事をしてしまうのではないでしょうか?でも実際に人間不信になってみると「自分は意外と人のことを信じていたんだな」と思うものです。今回は「人間不信」を理由に仕事を辞めたいと感じている人へのお話です。今まで信じていた人に裏切られた、という事実を受け止められなくて、辞めることしか思いつかないという人もいるでしょう。でも、その前にちょっとだけ考えておきたいこともあります。
もくじ
辞めると決める前に考えてみたいこと!その仕事は本当に辞めなくてはならない?
仕事を辞める決断は、大きな決断です。あなたは、これまで一生懸命やってきた仕事を手放すことに未練はありませんか?もし、少しでも「辞めたいわけではない」という気持ちがあるのであれば、辞めると決める前に少しだけ考えてみましょう。その仕事は本当に辞めなくてはならないのでしょうか?人間不信になったことで「辞めたい」「辞めた方が良い」と考えているのなら、その考えに後悔はありませんか?辞めることはいつでもできます。少しでも釈然としない部分があるのなら、今は辞めると決める時ではないのかもしれません。
今までそこまで深く人を「信じて」来たのか?仲良しと信じるは別のもの
そもそも、人を信じるってどういうことなんでしょうか?「この人は私を裏切らない」と思えることが、一般的な信じるという概念ですが、日常の生活で相手に裏切られる可能性を考慮して、信じるか信じ無いかを考えているわけではないですよね?しいて言うなら「もしも」と仮定して考えた時に「うん、あの人は私を裏切ることはないだろう」と感じる程度でしょう。
一般的な日常では「仲が良い」「わかり合える」という感覚と「信じる」という言葉をイコールで結んでしまいがちです。でも人にはさまざまな側面があります。あなたが知らない相手の一面が見えた時に「信じていたのに」と感じるのであれば、それはその部分についての感覚が異なるというだけのことかもしれません。
仕事で人を信じられないとどんな弊害があるのか?信頼関係と信じるは別のもの
たとえば、仕事で人を信じられなくなったら、具体的にはどんな問題が出てくるでしょうか?同時に、仕事で人を信頼できなくなったら、どんな問題が出てくるか、ということも考えてみましょう。「信じる」と「信頼する」は似ているようで違いますよね。信じるというのは、ある意味で相手の資質に任せたものです。一方、信頼するはお互いが歩み寄って関係を作り上げていくものです。
仕事に必要なのはどちらでしょうか?仕事は一人ですることも、一人にさせることもできません。人と人が協力しあって成し遂げていくものです。そう考えると、仕事をする上では、まずは「信頼する」が必要かもしれませんね。もちろん、その上で「信用する」も叶う人であれば言うことはありませんが、そうでなかったとしても、仕事に即影響を及ぼすということはないでしょう。
信じられる人がいなければ、その仕事はできないのか?+αが無い状態が「仕事」の姿
「あなたは仕事に「信じられる人」が欲しいですか?」と聞かれれば、ほとんどの人が「欲しい」と答えるでしょう。いないより、居た方がうれしいですよね。では「信じられる人がいなければ、あなたの仕事はできませんか?」と聞かれたらどうですか?自分の仕事は自分がしっかりしてさえすれば、完成させることはできます。でも何となくその答えに、寂しさのようなものを感じるのではないでしょうか?
仕事の上での「信じられる人の存在」はプラスアルファのようなものです。あればラッキー、無ければそれまでです。このプラスアルファが無い状態が本来の仕事そのものの姿です。「信じられる人」を探さなくても、わかり合える人や信頼関係を築ける人があなたにはいるのではありませんか?
まずはこれから!人間不信で仕事を辞めたいと思った時に大事にするべきこととは?
もし、あなたが「誰も信じられない」ということがどうしても受け入れられずに、今の仕事を辞めると決めるのであれば、今後同じことが起こらないようにしなければなりませんよね。でも「信じられる人」は見かけではわかりません。知り合って、交流を重ねた上であっても「信じられる人だ…たぶん」と、断定することはできないでしょう。それなら、あなたの心を守ることだけに注力した方が良いということになります。その方法を知った上で、次の仕事に臨みましょう。
極力人と接しない仕事を探す 一度認めた人間不信はなかなか拭えない
「自分は人間不信だ」ということを認めて仕事を辞めたら、その想いはなかなか消えません。それは仕事という人生においてとても大切なものを、人間不信によって手放しているからです。大事なものを手放した原因となったことは、その大事なものを大きく上回る何かを手にしなければ消えないものです。
あなたが次に就く仕事は、極力人と接しないものが良いでしょう。人と接すると、また同じことが起きるのではないかという懸念を捨てることができず、毎日が苦しくなります。一人でする仕事や、隔離された場所でする仕事を選ぶことになるでしょう。もしそういう仕事が見つからない場合は、人に気持ちを許さないということを自分への条件としてなら、一般の企業で働くこともできます。
信じられる人を大切にする プライベートで信頼できる人を今以上に大切にする
人を信じられなくなったのであれば、これからの人生であなたに新しい人間関係が出来上がることは当分難しいかもしれませんね。でも、これは家族や友人など、プライベートでの信頼関係を充実させることで、ある程度は解消できるかもしれません。
あなたのことを良く知っている人なら、あなたが悲しむような裏切りに及ぶこともないでしょう。プライベートを充実させ、仕事は割り切って考えるという方法もあるのです。これから先、あなたが仕事でまた裏切られたとしても、あなたが信じることができるその人たちが支えてくれれば、あなたにとって怖いことは無いのではありませんか?誰にでも自分にとってのセーフティースペースはあるものです。そこを今まで以上に大切にしていきましょう。
人を人間不信に落とし入れる人はたくさんいる!社会は人間不信になることだらけ?
世の中にはいろんな人がいます。人の傷みがわかりすぎるほどにわかる人もいれば、感心するほどわからない人もいるものです。そんな中で人は生きていくのですから、毎日何かしらの傷を負うことになります。でも、そんな中だからこそ巡り会えた人が貴重に思えるのではありませんか?ツラいことばかりの毎日だから、相手のことを信じたいし、信じられたいと思う人は多いのではないでしょうか?だからこそ、相手に期待をしすぎてしまうのかもしれませんね。
同じ人間にならない事が大事!落とし入れる側に回った時が本当の人間不信の始まり
あなたが人間不信になるほどのショックを受けているのであれば、以前のあなたよりも今のあなたの方が、他人の傷みがわかる人になっているはずです。「他人の気持ちになって考える」というのは、子供のころから言われ続けている言葉でしょう。しかし、大人になるほどそれが難しくなります。それは、大人になるほど心は弱くなるからです。他人への思いやりは、自分が弱くなるほどに持てなくなります。
あなたにとっては不本意なことかもしれませんが、人間不信になったことで他人の傷みが今までよりももっとわかるようになりました。これはきっとこの先あなたにとって大切なものになります。でも、まずその傷みを最初に活かすとすれば「他人に同じことをしない」ということです。当たり前のことですが、これができない人がいたから、あなたは傷付いたのです。
まとめ
相手が、自分の想像と違う行為に及んだ時に、人には反射的に「裏切られた、信じていたのに!」という想いがよぎります。それまで「信じる」という言葉の意味をイメージとしてしか持っていなかったとしても、です。これって、もしかしたら常に無意識で「信じさせて」と相手に対して想っていたからではないでしょうか?いつもそう思っていたから、咄嗟に感じるのかもしれません。
人を信じる、人に信じてもらうというのはとっても難しいことです。よく「信用してもらうまでは時間がかかるが、信用を無くすのは一瞬」と言いますよね。それだけ「信じる」ということは、誰にとっても難しいことなのです。人を信じられなくて、さみしい想いをしているのはあなただけではありません。だから、人は誰かと気持ちを共有していたいのです。