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面接時の一人称は「私(わたくし)」が基本!外さないマナーで内定を獲得!

ビジネスや面接の場では自分のことを「私(わたくし)」と呼ぶのが基本です。「僕」や「自分」はなぜ使えないのか?日本の就職面接は、見えない決まりがたくさんあり、気づかないうちにマナーを破って、印象を悪くしてしまう事もあります。

マナーを守ることは、印象を変えるだけではありません。自分自身の振る舞いを見直し、世界を広げるという意味もあります。

些細な事でも、意味を理解して、日頃からできるようにすることが大切です。まずは一人称の考え方を知ることで、自信を持って面接に臨みましょう!

もくじ

ビジネスでは「私」が鉄則 「わたくし」は、より〇

繰り返しになりますが、就職活動の面接や履歴書上では自分のことを「私(わたし)」と呼ぶのが大原則です。

ただし、面接の場合は、「わたし」と呼ぶよりも「わたくし」と呼んだ方が良いです。これには二つ理由があります。

第一の理由は、女性が使う場合「わたし」は「あたし」と聞き間違えてしまうことがあるからです。「あたし」は東京の商人の方言の一つなので、くだけた表現と見られます。

第二の理由は「わたし」はもともと「わたくし」の省略形で、ややくだけた言い方だからです。つまり「わたくし」は、最もくだけていない、距離を置いた一人称ということです。

面接は、これからお互いのことを知るための場なので、多少固くても正式で距離をとった表現が原則になります。

「僕」「俺」「自分」 使ってはいけない一人称

他の一人称はどうでしょうか。現在の面接に限れば、基本的には「私」以外はほとんど使われません。

「僕」は一見大人しい印象を与えますが、元々の成り立ちは「下僕」、召使を表す言葉とされています。19世紀には、平等と自由の一人称としても使われています。やや意味が広いため、面接では使いづらい一人称です。

「俺」は「おのれ」の訛った言葉と言われています。「おのれ」は、鎌倉時代では自分より身分の低い相手に対し、軽蔑の意味を込めて使われていたこともあります。現代でもカジュアルなイメージが強く、面接では使われません。

「自分」は体育会系出身の方が使うことがありますが、やはり面接ではNG。旧日本軍が一人称として「自分」を推奨されていたことの反省から、国語審議会では一人称として使うのは「避けたい」と言われています。部活で使っていた人は注意しましょう。

「私」は「公」の対になる言葉で、公の場で自分自身の事を示す表現として使われています。言葉の成り立ちや歴史を考えると、やはり「私」が無難となります。

一人称で何が変わるのか?相手と自分の心理的影響

一方で、一人称を選ぶことはマナーを守る以上の意味があります。

なぜなら、上記の言葉の成り立ちで見たように、日本語の一人称は「自分と相手との関係」中で決まるからです。そのため、自分がどんな一人称を使うかによって、自分が相手をどう思っているかが決まってしまいます。

理由はもう一つあり、それは自分の行動をコントロールするためです。心理学の研究では、自分が使う一人称によって、行動や考え方が自然に変わっていくという説があります。

それぞれ順番に説明します。

相手の立場への思いやり

例えば「僕」は、採用前の面接では不自然な一人称ですが、上司との飲み会等、お付き合いの中では使うこともあります。それは、上司に対して「私はあなたの部下です」という確認行為でもあるからです。

反対に「俺」という言葉は、上司が部下の前で、特にくだけた雰囲気の時に使うことがあります。上司としての立場を表すだけでなく、仕事を離れた話をしたい時や、先輩として部下の面倒を見ようという気持ちが込められているときもあります。

「俺」を使っていた上司が「わたくし」や「わたし」を使った話を始めたら、上下関係とは別に、会社や公の出来事に関わる大事な話をしていると考えることができます。

ですので、正確には「僕」や「俺」等を使ってはいけないというわけではありません。正確に使うには、関係の深さや、相手への立場への思いやりなどが必要なため、面接にはふさわしくないということです。

「私」は自分を大人にする

小学生高学年になると、「僕」から「俺」を使いだす男の子が増えます。一人称の変化に伴って、好き嫌い等の意思表示がはっきりしたり、甘やかされることを嫌がるようになります。

心理学には、一人称は他人から自分がどう思われるかの印象を左右し、結果として本人もその印象の通り動こうとする、行動主義心理学という研究があります。つまり、「僕」を使っているとやわらかく大人しい自分に、「俺」ならたくましいような自分に、近づいて行くということです。

「私」は、公の場ではどこでも使える一人称です。「私」を使って話すうちに、どこにでても恥ずかしくないような、大人としての振る舞いに近づいて行くことでしょう。

つまり、普段使い慣れていなくても、面接で「私」を使ううちに、自分が社会人として成長していくという意味です。

一人称を知ることはTPOを知ること 世界を広げる最初の一歩

このように、一人称のマナーを知ることはあなたに様々な効果を及ぼします。それぞれの場面に相応しい一人称を使うことができれば、あなたの世界を3つの面で広げてくれます。

第一に、「私」を使うことで、面接など公の世界でも自信を持って発言できます。

第二に、様々な一人称を使い分けることで、「TPO」(時と場合)や相手との関係を理解して行動できるという応用力が身に付き、ビジネス以外の世界でも仲間や友人を作ることに繋がります。

第三に、その場に相応しい一人称を選ぶうちに、自分の振る舞いや行動を自然とコントロールできるようになります。

自分を何と呼ぶかは、些細なことに思えますが、面接においてもその後のビジネスにおいても、最初の一歩となる大事な要素です。使い慣れていない方は、まずは「私」を電話やお店などでもどんどん使ってみましょう。だんだんと、相応しい場面や振る舞いが分かってくるはずです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?就職やビジネスは守るマナーが多く大変ですが、そこには人間関係や時と場合に対する日本人の考え方が現れています。

マナーを知り、適切に使うことは、「私は状況に併せて行動することができます」という応用力のPRでもあります。時には、経歴や資格以上に面接官に印象を与えることもあります。

他のマナーも身に着けて、自信を持って面接に挑みましょう!

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