今回の記事では、2017年度版の「転職したい企業ランキング」を紹介しています。
新卒に人気な企業ではなく、すでに働いている社会人が転職したいランキングなので、企業の知名度に加え、事業の安定性や労働環境を重視した結果となりました。
新卒の社会人と共通している点としては、「自分がいつも利用している製品やサービスを提供している企業で働くことで仕事のやりがいを感じたい」という声がありました。
それでは、ランクインした企業についてどんな企業なのかを解説するとともに、ランキングから見えてくる「社会人が転職先に求める条件」についても考えていきたいと思います。
もくじ
転職したい企業は「メーカー企業」と「有名外資系企業」に集中
「転職したい企業ランキング」の2017年版を紹介する前に、今回のランキングを見ていて浮き彫りになってきた傾向について紹介します。
転職したい企業として1位にランクインしたのは、トヨタ自動車でした。押しも押されもせぬ大企業として有名なトヨタ自動車が1位を取ったのは驚きではありませんが、ランキングを順に見ていくと、「メーカー」と「外資系」に熱い視線が注がれているのがわかります。
のちほど、くわしく解説しますが、ランキングの背景に見えてくるのは、社員のことを大切にしている企業であることと、社会的ステータスが得られる勤め先になる、という点でした。
ランクインした企業はどれも働き方改革を推し進めている企業が多いのも印象的です。
【2017年版】社会人が選ぶ転職したい人気企業ランキング5選!
それでは、2017年度版「社会人が選ぶ転職したい人気企業」を5位まで紹介していきたいと思います。
今回紹介するランキングは複数の転職サイトでの「転職したい企業」ランキングをもとに、5位内にランクインしている企業に順位ごとにポイント換算し、総合的に評価したものです。
ランクインしている企業のイメージやどんな企業なのかを考えながら、見ていくことであなたなりの発見があるかもしれません。
それでは1位から見ていきましょう。
【転職したい人気企業NO.1】トヨタ自動車
1位にランクインしたのは「世界のトヨタ」こと、トヨタ自動車です。
世界でも第3位の販売台数を誇る、最大手の自動車メーカーです。投票した人のなかには「みんなが知っているあのトヨタで働いてみたい」という声が多数あったとのことです。
トヨタといえば有名なのが、トヨタ独自の効率化を重視した「トヨタ式生産法」でしょう。戦後、弱小企業の1つにしか過ぎなかったトヨタが世界を代表する企業にのし上がったのは、無駄を徹底的に省くための生産方式にあったといわれています。
必要な分の部品だけを生産タイミングに合わせて供給するジャストインタイム方式や原因追求のために「なぜ」を繰り返す思考法などは異業種の分野にも大きな影響を与えています。
こうしたトヨタ式の働き方を書籍で読んでいるビジネスパーソンであれば、いちどトヨタ式の働き方に触れてみたいと思うのは自然なことなのでしょう。
【転職したい人気企業NO.2】グーグル合同会社
2位にランクインしたのは、インターネット検索エンジンでおなじみのグーグルです。世界で最大規模の情報をまとめた検索エンジンだけでなく、動画投稿サイトYouTubeやAIスピーカーのGoogle Home、Google mapsなどふだんの生活で無意識のうちにグーグルのサービスを利用している人は多いはずです。
また、グーグルは先進的な働き方がよくメディアに取り上げられています。
「Fail fast, fail forward」(失敗ありき。前に進むために失敗しよう)という哲学のもと、イノベーションを起こし続けているグーグルでは、日本とは違う働き方への取り組みが行われています。
もっとも有名なのは時間で社員を管理しないという裁量労働制ではないでしょうか?
グーグルの社内にはスポーツ施設などレクレーション施設が充実しており、好きな時間にリフレッシュできます。また柔軟な発想を生み出すためにミーティングも散歩しながら行なっています。
こうした新しい働き方は、長時間労働が問題になっている日本企業で務める社会人からすると魅力的にうつるのではないでしょうか?
【転職したい人気企業NO.3】ソニー
3位にランクインしたのはソニー(SONY)株式会社です。年間売上高8兆円を誇るソニー、電子機器メーカーとしてのイメージが強いですが、映画や音楽部門などソフトな部門でも多くの売り上げを記録しており、「One Sony」をモットーとした多角的事業がソニー最大の特徴です。
風通しの良い会社づくりに取り組んでおり、実力次第で新入社員でも責任者クラスで活動できる風土があります。入社2年目で事業を任された社員などもおり、常に革新的なものを追い求める姿勢が転職を希望する人を惹きつける要因となっているようです。
2018年4月には画像センサーの売り上げが好調を記録し、同社の売り上げで最高益を記録。これからの躍進に注目が集まります。
【転職したい人気企業NO.4】ANA(全日本空輸)
続いてランクインしたのが航空会社ANA(全日本空輸)です。各就活エージェント会社が新卒を対象に行っている「就職したい企業ランキング」でも上位にランクインしている企業です。
若手社員の国際志向が高まるなかで、ANAでは、語学力が必要とされるポジションが多いにも人気の背景にあるのかもしれませんね。
また、日本が世界に誇る「おもてなし文化」の発展に関わりたいという働きがいの観点からみても、意義を感じる人が増えているのではないでしょうか。
ANAは働き方改革にいち早くから乗り出している企業でもあります。紙媒体であった業務マニュアルを電子化。タブレットを客室乗務員に配布する取り組みや仮想デスクトップを利用してどこでも仕事ができるようにして、仕事のポータブル化を推し進めています。
【転職したい人気企業NO.5】楽天
英語を社内公用語化するなど、世界に対抗する日本企業の代表の1つとして有名なのが、楽天です。
転職したい企業として楽天を選んだ理由に「楽天イーグルスが好き」、「楽天市場などのサービスを愛用している」といった声があり、身近な生活に楽天というブランドが根付いていることが、ランクインの要因の1つです。
そのほか、楽天銀行の運営など、さまざまな事業を展開しており、自分が得たスキルや経験を楽天でも活かせるのではないかと考える人が多いのではないでしょうか?
また、イノベーションを生み出すための仕事環境づくりにも取り組んでいます。プライベートを充実させるためには勤務地と居住地は近いほうが良いという考え方から、住宅街の多い、東京の二子玉川に本社オフィスを置くなど、社員ファーストの環境づくりを進めています。
参考までに、5位から10位までは下記の企業がランクインしました。
6位: パナソニック
7位: アマゾンジャパン合同会社
8位: 本田技研工業
9位: NTT
10位: 未来工業株式会社
いずれもメーカーや外資系企業が並んでいます。10位の未来工業は岐阜県に本社を置く、電気・設備資材メーカーで、残業禁止や営業ノルマの廃止など多くの取り組みがメディアで取り上げられ、注目を集めています。
転職したい企業にあるのは「良い給与・待遇」・「知名度」そして「働きがい」
ランクインした企業はどれも有名な企業ばかりですが、共通しているのは独自の個性を持ったブランド力に加え、近年、日本企業の課題となっている社員の働き方改革に力を入れている点です。大手企業ほどこうした改善に取り組んでいるかどうかを社会が厳しい目で見るために、より先進的な働き方を実践する傾向にあります。
外資系は基本的に給与が高い傾向にあるため、より自分の力を活かして、良い待遇で仕事をしたいという社会人の意思がランキングに反映されているといえます。また日本だけでなく、海外に活躍の場を求める人にも人気が高いです。
これらに加え、働きがいがあるかどうかというのも重要な判断基準になっているとも考えられます。メーカーの仕事に就きたいと考えている人が多いですが、これはビジネス書やテレビなどメディアの影響も大きいでしょう。
そのほか、ランクインした企業はどれも知名度が高く、自分たちも今までに一度は使ったことがある製品やサービスが多いはずです。誰もが知っている「あの企業」で働いているという周囲に胸を張って言えるような社会的ステータスを求める声が多いのも事実でしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?実際に社会人が選ぶ転職したい企業となると、やはり新卒の社会人を対象にとったアンケートとは少し異なってくることが分かりました。
社会人として働いているとより有名なところで働きたい、とう気持ちが出てきたり、社員を大切にしてくれるところで働きたいという気持ちが生まれてくるのではないでしょうか?
また、ただ収入を得るための仕事ではなく、働きがいのあるところでより自分が納得できる仕事をしたいと考えている人がとても多いことが伺えます。
外資系企業で働きたいという声も、給与待遇だけでなく海外の一流企業の仕事の進め方を知りたいという気持ちもあるのかもしれません。
ランキングで紹介した企業のなかには求人を掲載している企業も多々あります。気になる人はいちどその企業についてくわしく調べてみてはいかがでしょうか?