転職活動を行っていると「ポテンシャル採用」という言葉を耳にすることがあると思いますがその意味や内容を充分に把握している方は少ないはずです。
ポテンシャル採用とは「ポテンシャル＝潜在能力」という言葉通り、担当する業務内容におけるスキルや経験を問わず、人材の将来性や潜在能力を評価する採用手法のことです。
ポテンシャル採用は近年転職等の中途採用市場における採用方法として注目されており、異なる業界や業種に転職を希望されている方にとっては願ってもないチャンスなのです。
今回は、ポテンシャル採用のメリットや企業の評価視点、そしてポテンシャル採用を成功させるためのポイントなどを紹介していきます。
もくじ
ポテンシャル採用における転職者のメリットとは？
まずはポテンシャル採用における転職者のメリットを紹介していきます。ポテンシャル採用を行う企業には、人材不足解消という「狙い」があります。
近年景気回復により新卒採用市場の競争が激化している状況の中、中小企業や特定の業界の若手社員を中心に人材不足は深刻化しているのです。そんな若手社員の人材不足を補うために有効な採用方法がこのポテンシャル採用なのです。
このようなポテンシャル採用を行う企業側の狙いをしっかりと把握することによって、転職者にとってのメリットを充分に理解することができます。
社会人教育の「時短」ができる第二新卒は強みになる！
ポテンシャル採用をする企業のねらいの一つとして社会人としての基本的な能力を持った人材を採用することが挙げられます。それは社会人の基本的な能力に関する教育コストを抑えることができますし、何より社会人教育の部分が「時短」になり採用当初から実務的な教育を始めることができるという企業側のメリットがあるからです。
社会人として一通りの研修を受けてきたり、それなりに社会人経験を積んでいる「第二新卒」はまさにポテンシャル採用を行っている企業が欲しい人材なのです。社会人経験を「強み」にできれば、採用試験を有利に進めることができるでしょう。
将来性が見込まれれば未経験でも問題なし！
ポテンシャル採用は人材を「潜在能力」で判断する採用方法ですから、業界経験や仕事の経験がないという転職希望者にとってのデメリットは一切ありません。
ポテンシャル採用を募集している企業が、「以前から興味があった業種だったけれど資格や経験が無いから諦めていた」や「新卒当時第一希望の業種だったけれど内定がもらえずに諦めた業種だった」等と言う場合はむしろチャンスです。
ポテンシャル採用では自分自身の仕事に対する熱意や適性を上手く企業にアピールし、企業から将来性が見込まれれば未経験でも内定を勝ち取ることができるのです。
ポテンシャル採用で企業が採用するポイントとは何か？
次にポテンシャル採用で企業が採用するポイントを紹介していきましょう。実務的なスキルや経験が無い以上、企業側の評価視点は必然的に人間性や将来性になります。
また、実務的なスキルや経験で判断することができないからこそ、「わからないなりに懸命に調べてきたこと」や「今後希望する業界で働くために学習していること」等、行動や努力の裏付けがある信憑性のあるアピールは企業側の心を掴むためには重要なポイントになります。
どのような行動や言動が企業側の評価に繋がっていくのかをしっかりと理解し効果的なアピール方法を検討していきましょう。
社会人としての基本的な能力や学ぼうとする素直さ！
社会人としての基本的な能力や様々なことを学ぼうとする素直さを持ち合わせていることは、企業の評価ポイントのアップにつながります。
社会人としての基本的な能力とは、あいさつや敬語そして電話応対等一般的な仕事をする上で必要な最低限の能力です。ある程度の社会人経験があれば、新人研修や日々の日常業務をこなしながら自然に身についていることですので、日常業務を振り返り不足がないか再度チェックしてみましょう。
また、社会人にとっての「素直さ」とは、自分の経験や考えに固執することなく様々な刺激や変化を自分の中に受け入れていく力を指します。「素直さ」を持ち合わせている人材であれば、新しい環境新しい仕事にも柔軟に適応していくことができるため異なる業界や業種への転職にも適した人材であるということが言えるのです。
採用に向けて具体的に行動し学習している！
経験やスキルは無くても異なる業界で働くための行動や学習を行っていることで高い評価を得ることができます。
例えば、エンジニアを希望する転職者が独学で勉強しその成果がわかるようなものを提示できれば、企業側は転職者がエンジニアとして活躍できる明確なイメージを持つことができるでしょう。
「この業界に転職してやりたいことがあります！」といわれても具体的な内容や成果も無ければ、言葉に信憑性も無く熱意の伝わり方も薄くなってしまいます。
また、転職を希望する業界の情報について勉強しておくことも大切です。面接の受け答えの中に勉強した内容を盛り込むことで、わからないなりにもその業界に興味関心があるということをアピールすることができます。
やりたいことを明確にし目的意識を持っている！
人間的に魅力を感じる人材はやりたいことが明確にあり目的意識を持って行動している人材であることです。目的を持って人生を選択している人は言葉や行動に説得力があり魅力的に映るものです。
自分のこれまでやってきたことを振り返り、現在の自分が努力している取り組みから希望する企業に入り将来何を目標に仕事に励んでいきたいのかを納得できるように論理的に説明できれば面接官には魅力を感じる人材に映るはずです。
ポテンシャル採用では、スキルや経験が無い人材を採用するため「長く働き続けることができる人材」であることが重要視されます。仕事における目的意識があるということは、長期勤続の意気込みが感じられ高評価に繋がります。
ポテンシャル採用の応募や面接での注意点とは？
ポテンシャル採用の応募時や面接のときの注意点を紹介していきます。ポイントは「社会人としてのマナーが身についているかどうか」、「基本的に仕事がデキるタイプかどうか」そして「長期的に企業で活躍できる人材かどうか」をしっかりとアピールすることです。
スキルや経験は不問のポテンシャル採用だからこそ、社会人としてのマナーや仕事ができるかどうかといった潜在能力を通常の採用試験以上に「じっくりと」見られることになります。
応募書類の誤字脱字等書類のミスに気を付ける！
ポテンシャル採用に応募する際は、応募書類の誤字脱字等書類のミスに細心の注意を払いましょう。応募書類にミスが多ければ「仕事にミスが多い人材」と判断されてしまいます。
ポテンシャル採用で採用した人材は実務のスキルや経験がない未経験者ですから、企業側としては採用した人材に対し業務内容について一から教育し一刻も早く戦力となる人材に育てなければなりません。
「仕事にミスの多い人材」は「仕事のミスが少ない人材」と比べて業務を習得する時間が遅いことは明らかですので、ポテンシャル採用で採用する人材の評価としては大きなマイナスになります。
面接で素直さ・協調性・マナーをアピール！
ポテンシャル採用では、人間性を評価するにあたり「素直さ」を重要視している企業が多く見られます。自分にとって慣れない環境に適応した経験や自分と意見が合わない上司や同僚との接し方について等の「素直さ」をアピールできるエピソードを準備しておきましょう。
また、協調性はただ周囲の言いなりになる「周りに流される人」ではなく相手の考えを尊重しながらも必要であれば自分の意見も適切に伝えられることであることを充分に理解しておきましょう。
そして、マナーについては基本的なことができていれば問題ありません。時間や期限を厳守することや面接時のあいさつや話し方で明るい印象を持たせること、そして服装や身だしなみを整えること等社会人としての基本的なマナーはしっかりと遵守しましょう。
面接でリーダーシップや過去の仕事ぶりをアピール！
過去の仕事の経験の中で、仲間と協力して仕事をしたという実績そしてその中でもリーダーシップを発揮して仕事を成功に導いたという経験があれば積極的にアピールしましょう。
長く働き続ければリーダー職として社員をまとめ上げる能力が必要になってきます。いつまでも上司の指示を受けて仕事をしているだけの人材であればそれ以上の成長が望めません。
ポテンシャル採用をする企業に、リーダーシップを持ち合わせている人材であることをアピールできれば「今後の活躍が期待できる」人材であることを強調することができ企業の評価は更に高まります。
まとめ
ポテンシャル採用では実務的なスキルや経験で企業が人材を判断することができないため、あなたの社会人としての基本的な能力や人間性で採用するかどうかを企業から判断されるということになります。
人の話を聞き入れる素直さや社会人としてのマナーそして成長意欲等をいかにアピールできるかが採用のポイントになりますので、企業が求めている人材像をしっかりと把握しておくことが大切です。
今回ご紹介した内容をしっかりと理解したうえで企業側の評価視点を充分に把握し、「潜在能力がある人材」であることを存分にアピールして内定を勝ち取りましょう。
