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退職する前に要チェック!住民税支払いに関する5つのポイント

会社に勤めていると天引きされるため、引き落とされても気にならない住民税。ふだんはあまり金額をチェックすることもありません。そのため、退職して初めて自分で払うことになってから、意外と高額なことに気付いて、「こんなに払うの!」と驚く方も多いです。

この記事で事前に住民税に関する情報に触れておけば、退職した後に住民税を自分で払うことになったとしても、あわてずにすみます。ぜひ、一度目を通してから、退職を検討してみてくださいね。

退職後に行う住民税に関する手続き

会社に在職中は、給与担当者が取りまとめて行ってくれる住民税の支払い。しかし、退職後は自分で払う必要があります。

1月から5月に退職した場合、その年度に支払う住民税が一括で最後の給料から天引きされています。1月に退職した場合、5か月分が引かれますが、5月に退職した場合は5月の1か月分のみ引かれています。

6月から12月に退職した場合、退職する時に来年5月までの住民税を会社に一括払いしてもらうこともできます。その申請をしていない場合は、自分で支払うことになります。

納税する場所は、1月1日の時点で住んでいた市区町村になります。その年の途中に引っ越しても、納税する場所は変わりません。

退職した翌年の3月15日までに、前年分の住民税の申告を市区町村の住民税の窓口で行わなければなりませんが、確定申告をする場合は、それが住民税の申告の代わりになります。住民税の申告をする場合、市区町村の住民税の窓口に申告書を提出します。

確定申告が必要になるのは、退職の際に「退職所得の受給に関する申告書」を提出しなかった場合や源泉徴収税が引かれた分のお金が戻ってくる(還付金がある)場合などです。

住民税の支払いはいつまでに行えばいいの?

退職した翌年の6月以降に、3月に提出した住民税の申告書や確定申告をもとに金額を算出し、市区町村から納税通知書(または、税額決定通知書)が送付されてきます。

住民税には都道府県民税と市区町村税(東京23区は特別区民税)がありますが、支払いに関する業務は市区町村の住民税の窓口が一括管理しています。

市区町村の住民税の担当者から2つの税を合計した納税通知書(または、税額決定通知書)が届いたら、通知書の裏面に印刷されたコンビニや銀行、口座振替などで支払います。

支払い方法は1年分を一括払い、または、6月・8月・10月・翌年1月の年4回払いの2通りがあります。住民税の支払い期限日は、各支払日の末日になっています。

住民税の額がいくらか知るには?

住民税の額は、前年の収入に基づいて計算されます。

計算方法ですが、

(収入金額-必要経費=総所得金額)-所得控除合計額=課税総所得金額

課税総所得金額×市区町村民税税率(6%)-調整控除-税額控除=市区町村民税所得割額

課税総所得金額×都道府県民税税率(4%)-調整控除-税額控除=都道府県民税所得割額

市区町村民税所得割額+市区町村民税均等割額=市区町村民税額

都道府県民税所得割額+都道府県民税均等割額=都道府県民税額

市区町村民税額+都道府県民税額=住民税額 となります。

所得控除には、すべての納税者が対象の基礎控除330,000円の他、生命保険料や社会保険料(厚生年金、健康保険、雇用保険など)などが含まれます。

税額控除は、配当控除や住宅ローン控除(所得税から控除できなかった分)などです。

市区町村民税均等割額と都道府県民税均等割額は、各市区町村や都道府県で金額が異なりますが、同じ市区町村や都道府県の住民は同額です。標準税率は市区町村民税が3,500円、都道府県民税が1,500円です。

自分で計算するのは難しいですが、インターネット上の税額シミュレーションを使うと、おおよその金額を試算することができます。

次の会社に就職が決まった場合の住民税の支払い方法

会社で住民税を天引きする方法は「特別徴収」、自分で払う方法は「普通徴収」と呼ばれています。

社員が2~3人など小規模の会社に関しては普通徴収のケースもあったのですが、現在は、すべての会社が特別徴収しなければいけないことになりました。(地方税法第321条の4)

退職前に次の会社が決まっている場合は、特別徴収を転職後の会社で継続できるか確認してみましょう。「給与所得者異動届出書」を、退職前の会社が退職翌月の10日までに転職後の会社に提出すると、特別徴収が引き継がれます。

もしも、退職前の会社が転職後の会社に書類を送付することができない場合、それぞれの会社に自分で連絡をとってみましょう。

会社を退職した後、しばらく無職の期間があり、新たに転職する場合、転職先の会社に市区町村の住民税の担当者から送られてきた納税通知書(または、税額決定通知書)を提出すると、特別徴収への振替手続きをとってもらえます。

すでに納付期限が過ぎている普通徴収の住民税は特別徴収に切り替えることはできず、普通徴収から特別徴収になるまでは申請から2ヶ月くらいかかるのでご注意ください。

お金が足りなくて住民税が払えない場合はどうする?

住民税の場合、国民年金における保険料免除・納付猶予のようなシステムはありません。

そのため、退職という理由で支払いをしないということは難しいですが、市区町村の住民税の窓口で相談すると、支払い回数を変更(分納)してもらえる可能性や猶予の可能性もあります。相談は、必ず納付期限日よりも前に行ってください。

住民税の支払いが遅れた場合、納付するまでの日数に応じて延滞金が加算されるので注意が必要です。市区町村によって住民税に対する延滞金の割合は異なりますが、納付期限日の翌日から1か月間までは金額が低めで、それ以降は金額が高くなります。

支払期限の20日後には督促が始まり、その10日後にも支払いが行われない場合、金品が差し押さえになるケースもあるので、ご注意ください。

なお、最近転職したばかりなど、所得金額が低い状態で退職した場合、住民税を払わなくていいケースがあります。

扶養親族がいない場合は所得金額が35万円以下、扶養親族がいる場合は所得金額が35万円×(本人+扶養親族の人数)+21万以下が該当します。所得は、給与収入-給与所得控除(65万円)なので、給与収入が100万円以下ならば住民税はかかりません。

また、新卒の社員は昨年の所得がないので、退職しても住民税はかかりません。

まとめ

住民税は意外と翌年の支払いが高額で、手続きも大変です。

退職した直後に転職すれば、諸手続きやお金の負担が軽減されます。また、退職した年のうちに転職して、12月時点で他の会社で働いていれば、年末調整をしてもらえるため、翌年に住民税の申告や確定申告をしなくても済みます。

転職することを前提に会社を退職する場合、在職中から転職活動を開始し、できれば会社を辞める前に転職先を決定しておくと良いでしょう。

もしも、すぐに転職されない場合は、住民税を支払うためのお金も含めて、退職前に貯めておくことをおすすめします。

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