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履歴書とは何が違う?アピールのための職務経歴書の書き方5選

転職活動中に作成する書類として、主に履歴書と職務経歴書があります。どちらも書類選考の際に提出することになりますが、書類選考時には特に職務経歴書が重視されると言われています。

この記事では、良い職務経歴書を書くための前準備、そして実際に書く際に意識したいこと等を見ていきたいと思います。良い職務経歴書を作成することができれば、自分のことをしっかりとアピールでき、選考を通過する可能性も上がるのではないでしょうか。

もくじ

書類選考時には履歴書より職務経歴書を重視

書類選考の際に提出する書類としては履歴書及び職務経歴書が挙げられますが、職務経歴書の方が重視されるのが一般的です。履歴書も勿論選考の判断材料にはなりますが、あくまでも本人の居住地や学歴、及び職歴等を確認するにとどまるのではないでしょうか。

一方、職務経歴書には詳細な職務キャリアや経験及び実績、保有スキル、そして場合によっては志望動機も記載されています。応募者に実際に働いてもらうイメージを膨らませやすいのは職務経歴書の方であり、そのため、採用担当者も詳しく読み込むことが想定されます。

履歴書に手を抜いても良いというわけではありませんが、比重を考えるとしたら、職務経歴書に重きを置くべきでしょう。また、履歴書は手書きで作成することが多いものですが、職務経歴書はPCで作成するのが一般的です。

それだけ、内容が重視されているという見方もできるのではないでしょうか。

職務経歴書を書く前に準備しておきたいことは?

それでは、まず職務経歴書を書く前に準備しておきたいことを考えてみたいと思います。転職活動を行う際には、何をするにも事前準備が大切と言われていますので、職務経歴書の作成もその例外ではないでしょう。

職務経歴書を書く前の準備として、「自分のキャリアやスキル、実績等を相手にどのように伝えるか」を考えなければなりません。それをベースとしてレイアウトを決めたり、記載方法を決めることになります。

それも含め、より具体的な事前準備としては、下記のようなものが挙げられます。

見やすいレイアウトを決めよう

職務経歴書に大切なのは、まず見やすいレイアウトです。履歴書と異なり、職務経歴書には決まった書き方はないので、基本的には自由なレイアウトで記載することができます。

自由にレイアウトを決められるというのは良いことでもありますが、反面迷う部分にもなるでしょう。人は完全に自由な状態であるよりは、ある程度制限を課されている方がアイデアも湧きやすく、生産性も上がるのではないでしょうか。

ここで意識したいのは、「読み手目線」を徹底するということです。職務経歴書は自分のアーティスティックな作品ではなく、相手に自分のことを知ってもらうために作成する書類ですので、相手にとって読みやすく、かつ分かりやすいものでなければ意味がありません。

その点を意識して、シンプルかつ一目で記載内容が分かるようなレイアウトを作成しましょう。

自分のスキルや職歴を棚卸ししよう

職務経歴書を作成する前に、自分が持つスキルや職歴、そして実績等を棚卸ししておくことが大切です。職務経歴書を書き始めてからそれらを考えると、どうしても見やすい記載ができず、後から付け足しては消してということになってしまうのではないでしょうか。

予め自分の持つスキルや職歴等をまとめておくことで、何を記載して何を記載しないかの取捨選択を行うことができます。そして、記載する内容に関して、どこに強く触れ、どこを弱く書くか等を予め決めることもできるでしょう。

それによって自然とレイアウトも定まるのではないでしょうか。大切なのは書かれている内容ですが、その内容が自分という人間をいかに魅力的に見せてくれるかという点も疎かにしてはいけません。

履歴書との兼ね合いを考えよう

職務経歴書を作成する際には、履歴書との兼ね合いを考えることも大切です。例えば、履歴書にも志望動機の欄がありますが、職務経歴書に志望動機を書くパターンもあり、どのような記載がベストかを自分で決める必要があります。

履歴書に志望動機を書き、職務経歴書には書かないパターン。そしてその逆や、両方に記載するという方法もあるでしょう。ここで注意したいのは、履歴書と職務経歴書の両方に志望動機を記載する場合、その内容に齟齬が生じないようにすることです。

全く異なった記載を行う人はいないかと思いますが、例えば履歴書では「より成長できそうな環境だから」と書いているのに対し、職務経歴書では「自分のスキルを活かせると思ったから」と書くような例が挙げられるでしょうか。

必ずしも間違いではありませんし、他の部分で十分補強できることではありますが、なるべく履歴書と職務経歴書の記載には一貫性を持たせた方が無難でしょう。

応募企業に求められているものを確認しよう

事前準備として、応募企業が求めている人材の傾向を掴んでおきましょう。そうすることで、企業が求めている人材が持つ特徴と、自分の特性の共通部分を記載することができ、企業に対する理解と需要を重視するマインドの両方をアピールすることができます。

ビジネスの基本は、市場に求められているものを供給することです。いくら商品力に優れているからといって市場の需要が全くないものを供給しても売れることはありませんし、多少商品力に劣っていても需要が強いものは売れる可能性が高いでしょう。

すなわち、相手の需要を把握し、それを供給する意思を見せる行為は、ビジネスに対する感度の高さの証明になるのではないでしょうか。応募企業が求めている人材そのものになるのは簡単なことではありませんが、一部分でも被っているところがあるのであれば、それは十分アピールすべき材料となります。

アピールのための職務経歴書の書き方って?

それでは、引き続き職務経歴書の具体的な書き方を見ていきたいと思います。職務経歴書は自分がこれまで行ってきた仕事内容を記載する書類になるため、簡潔かつ分かりやすく作成することが求められるのではないでしょうか。

幸い、履歴書とは違ってPCで作成するのが一般的です。そのため、誤記入等を気にすることなく、記載内容そのものに集中することができます。下記のような点を意識し、見やすく分かりやすい職務経歴書を作成しましょう。

基本的にはパソコンで作成しよう

履歴書とは異なり、職務経歴書はパソコンで作成することが推奨されています。手書きの職務経歴書でも問題ないケースもあるかもしれませんが、基本的にはPCで作成した方が無難でしょう。

履歴書は手書きが推奨されるにも関わらず、何故職務経歴書はパソコンでの作成が一般的なのでしょうか?その理由は企業によって異なることが予想されますが、一つは応募者の基礎的なPCスキルを計るためと言えるのかもしれません。

スマホやタブレット全盛の時代ではありますが、業務上パソコンを使う機会もまだまだ多く、操作方法をゼロから教えるのは大変に手間がかかってしまいます。それよりはある程度パソコンの操作に慣れている応募者を採用した方が話も早く、業務内容そのもののレクチャーで事足りるでしょう。

そのため、もしパソコンに慣れていないという人がいたら、職務経歴書を作成する過程である程度操作を覚えてしまうことをお薦めします。

原則的にはA4用紙二枚、多くても三枚内に収めよう

職務経歴書はA4用紙であることを前提に、できれば二枚、多くても三枚以内に収めるようにしましょう。あまりに枚数の多い職務経歴書は、それはそれで熱意を感じるかもしれませんが、読み手に大きな負担をかけてしまいます。

履歴書や職務経歴書のような提出書類を作成する際は、あくまでも読み手の気持ちを考えて書くことが大切です。相手は自分だけではなく、他の多数の応募者の書類にも目を通さなければなりませんので、なるべく簡潔に、伝えるべきとところをしっかりと抽出してシンプルに記載しましょう。

その目安として言われているのが、A4用紙二枚という基準です。場合によってはそれ以上になってしまうこともあるかもしれませんが、基本的には二枚内に収めるのが無難ではないでしょうか。

基本的には端的に見やすく。しかし熱意は伝わるように

職務経歴書に記載する情報は端的に見やすく、しかし熱意はしっかりと伝わるように作成しましょう。端的に見やすい書類というのは、一目見たらその応募者が伝えたいことがある程度伝わる書類という意味になります。

転職活動に限らずビジネス全般に言えることですが、何かしらの書類を確認する側は基本的には忙しい立場であり、なかなかしっかりと読みこむ時間がないことが予想されます。そのようなケースばかりではないかもしれませんが、相手の立場を慮るという意味でも、一目見たらある程度情報を掴むことのできる書類を作成するのが親切と言えるでしょう。

しかし、端的になりすぎて熱意が薄くなってしまっては本末転倒です。職務経歴書にあまりにも暑苦しすぎる要素は不要ですが、ぱっと見で「この応募者は熱意にかけている」と思われない程度には工夫する必要があるでしょう。

実績はなるべく具体的な数字を記載しよう

職務経歴書には自身の職歴やスキル、実績等を記入することになりますが、その際にはなるべく具体的に記載することをお薦めします。特に実績に関しては、「前年比○○%以上を達成」のような数字で表現することにより、説得力を増すことができるでしょう。

ビジネスの世界では、曖昧な表現は好まれず、基本的には定量的な基準が用いられます。「前年より売上が向上」よりは「前年比○○%達成」のように記載した方が情報が正確に伝わり、前年と比べて何がどのくらい変わったのかという点が一目瞭然です。

しかし、中には数字では表しづらい実績もあるかもしれません。その場合は、「業務の中で何をどう工夫し、その結果何が変わったか」という点を記載しましょう。企業によっては、応募者の自己申告の数字を頭からは信用しないところもあるかもしれませんので、その場合は応募者自身の創意工夫や努力、問題解決への姿勢等が問われるでしょう。

実際に数値化することが難しい職種であった場合でも、自身の創意工夫を記載することで、「この応募者は数字に表れない仕事でも手を抜かずに取り組んでくれる」という点をアピールできます。

様式に迷った場合はテンプレートを使うのも手

職務経歴書を書く際にはレイアウトに悩むものですが、どうしても良いレイアウトが思いつかない場合は既存のテンプレートを使うのも手です。職務経歴書のテンプレートは最初からソフトに付いている場合もありますし、インターネットから様々なものをダウンロードすることも可能です。

その中から自分の気に入るものをチョイスすれば、あとは項目を埋めるだけで職務経歴書が完成するでしょう。既存のテンプレートを使うメリットとしては、レイアウト作成にかける時間の短縮が見込め、その分内容の作成に集中できることが挙げられます。

テンプレートを使うデメリットは特にありませんが、もしかしたらデザイン系の職種に応募する場合等にはマイナス評価になってしまうかもしれません。その辺りも企業によりますが、デザイン系職種の場合、見やすいレイアウトを自分で作成するのも選考の一環に含まれる可能性もあるのではないでしょうか。

職種によって必要な項目は異なる

職務経歴書のレイアウトを自分で作成する場合、どのような項目を設けるかも同時に決めなければなりません。一般的には勤め先企業の名称や概要、所属部署や仕事内容等が挙げられますが、職種によっては追加項目を設ける必要があるでしょう。

例えば、IT職種であれば保有スキルやそれらを身に着けた経緯及び理由、そして実際に業務に役立ったこと等の記載があれば説得力が増すかもしれません。また、語学力が必要とされる職種の場合、語学力の目安や留学経験等を記載することも求められるのではないでしょうか。

自分が行きたい業界や企業に対して、どのようなアピールが適切かを考える必要があります。そのためにも企業のことをよく調べ、どのような人材が求められているかという点を、事前にしっかりと把握しておくことが大切です。

まとめ

履歴書と職務経歴書は重複する部分もありますが、基本的には役割が異なる書類です。履歴書は文字通り応募者の履歴を記載する書類であり、企業によっては書類選考の判断材料としてはあまり使わないというケースもあるでしょう。

対して、職務経歴書は書類選考に対する強い判断材料となります。応募者が今までどのような企業のどのような部署で、どういったスタンスで働き、そしてどのような結果を残したのかが一目瞭然ですので、それに自社の仕事を重ね合わせれば、応募者が自社にどのような利益をもたらしてくれるかがある程度見えてくるでしょう。

それだけに、職務経歴書の作成には力を入れる必要があります。履歴書に手を抜いて良いという意味ではありませんが、職務経歴書を見やすくシンプルに作成することで、書類選考が有利に働くことが期待できるのではないでしょうか。

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