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よく耳にするワークライフバランスの定義。効果についても理解しよう

今までに「ワークライフバランス」とう言葉を聞いたことがありますか?最近よくニュースなどで耳にするようになりました。何となく知っているけれども、曖昧ではっきりとした意味は分からない、という人も多いのではないでしょうか。また、どういった場所で採用しているのかもはっきりとしないという印象です。

ここでは、ワークライフバランスの定義と、それを用いることによる効果などについてまとめました。ぜひ再確認する意味でもチェックしてみて下さい。

もくじ

日本国内においてワークライフバランスが持つ意味

ワークライフバランスという言葉は直訳すると、「仕事と生活の均衡」ということです。これは現在、日本の国会でも議論されている「働き方改革」と大きく結びついているものです。そしてこのコンセプトはアメリカで生まれた「仕事場での変化への対応」のための対策が元になっています。

ワークライフバランスは、企業で働く社員が仕事以外の分野でも、いろいろな分野で社会貢献や活動をして、自分の個性や社会の責任を果たしていく体制のことです。日本においてこの制度や考え方を受け入れている企業も出始めてきました。社員が自分の能力を社外でも発揮することで、会社としても地名度を同時に高め、社員には会社にさらに貢献してもらう、という還元効果が期待されているのです。

内閣府推奨のワークライフバランスの主な定義とは?

日本では内閣府が推奨して仕事の仕方の改革を行っています。2000年代には「育児・介護休業法」や「次世代育成支援対策推進法」などの法律も施行されました。ワークライフバランスは、国としての統一された明確な定義がありません。曖昧な共通の認識として「仕事と仕事以外の活動のバランスが取れた状態であること」としています。

ここでは、ワークライフバランスにおいての生活面、経済面、健康面について、それぞれの詳細をみていきます。ここでその特徴を理解してみましょう。

健康面「健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会」

日本では昔は、長時間労働を美徳とするような企業が多くありました。特に労働組合がない中小企業においては、現在でも労働者の過労が大きな問題の一つです。ワークライフバランスは、国民の健康ということに、重点をおいています。仕事に割かれる時間が極端に多くなってバランスが悪くならないように、人間的な豊かな暮しができる、「時間に余裕がある社会」を目指しています。

企業で実際に取り入れている例としては、「長時間残業の禁止と防止」「ノー残業の日を設ける」「有給休暇の取得促進」「フレックスタイムの実施」「福利厚生で健康プログラムの実施」などさまざまな形で、取り入れています。

経済面「就労による経済的自立が可能な社会」

この経済面の取り組みは、各企業というよりも国や地方自治体、団体で制度を設けて促進しているという現状のようです。具体的な例としては、「若者が学生から社会人に円滑に移行できる仕組み」「能力に応じた非正規労働者の正規労働者への移行」「母子家庭の子供と母親の両方が経済面で自立するための支援」「企業内において就業形態にかかわらず、公正な処遇と能力の開発機会を設ける仕組み」、などが挙げられます。

就職をする際の支援や、現在働いている非正規労働者の待遇向上や正規労働者への移行を促進するための制度、などは制度として充分に活かされていな部分があります。企業の抜け穴のように採用していて、労働者側に不利になるように運用されているなど、今後もさらなる改善の仕組みが必要と言えるでしょう。

生活面「多様な働き方・生き方が選択できる社会」

3つ目のワークライフバランスの例は生活面での政策です。現代社会は男性中心に企業が成り立つということはなくなり、女性や退職後の人員も活用される時代です。その中で自分の子供や親の面倒をみながら、働くという人の支援制度が多く採用されています。

具体的な例としては、「女性の妊娠・出産時の休暇制度と、復帰に向けての支援制度」「小さな子供がいる人の時短勤務」「介護のための休暇制度と時短勤務制度」「在宅勤務制度」「特別休暇貸与」などが主にあります。女性や要介護者がいる社員への制度など、今まで退職という選択しかできなかったものを、社員がより長く勤めることが可能な環境を作っています。

ワークライフバランスを取り入れるメリットとは?

ここまでワークライフバランスについて、日本企業が活用している実例についてみてきました。それでは、実際に採用している企業はこのワークライフバランスを活用することで、どのようなメリットがあるのでしょうか?またこの制度を受ける側の個人(社員)にとっては、どのようなメリットがあるのでしょうか?

ここではその両面からの視点で、メリットと運用例についてご紹介していきます。他企業の制度は普段はなかなか知る機会がないと思いますが、自分の職場と比較してどのように運用しているかをみてみましょう。

企業にとってのメリットと実際の運用例

ワークライフバランスに取り組んでいるという企業は、近年大企業を中心に増えつつあります。企業としては今後の高齢化社会と働く年代の人口減少、という将来を見据えてより有能で長く働いてもらえる社員を確保する必要があるのです。ワークライフバランスを取り入れることで、企業は有能な人材を確保し、充分に能力を発揮してもらえる、というメリットがあります。

具体的な運用例ですが、「長時間残業を減らして有給休暇も取りやすいようにしたら、社員がリフレッシュして仕事ができるようになり、仕事の効率がアップし結果的に売上増につながった。」また「社員が仕事により意欲的になり、生活に対しての満足度が高まり職場に活気がでてきた」などがあります。企業側は長い目でみると、大きなメリットがあると言えるようです。

個人にとってのメリットと実際の利用例

それでは逆の個人(社員)にとってワークライフバランスはどのような高価やメリットがあるのでしょうか?従来の会社組織では、男女ともに一日の大半を仕事に費やすという仕組みで、体調を壊してしまうケースや、家庭の事情でやむなく退職をする、などの問題がありました。

この制度を利用できるようになって、日頃のストレスが削減された、また体の疲れが溜まらなくなって生き生きと楽しく仕事ができるようになった、自分のスキルアップのための学習の時間が取りやすくなった、などのメリットがあります。実例では、「フレックスタイムで時間を管理しやすくしている」「ジョブシェアリングで一人にかかる負担を分担する」「夏休みと有給休暇を連続して取れるような制度」などが主にあいます。

ワークライフバランス制度を推奨する際の問題点とは?

2000年代から徐々にスタートしたワークライフバランスの制度ですが、ここまで述べてきたようなメリットやプラス面だけではありません。何事も良い面だけでは済まないのですが、これは改善できる余地があるということでもあります。

ここでは、ワークライフバランス制度が日本社会全体でどのように取り組まれているのかと、積極的に採用している企業内においての現在の問題点、などについて検証します。

日本社会全体における取り組みに関する問題点

ワークライフバランスの制度はまだまだ始まったばかりですので、当然ながら問題点もあります。日本社会全体においては、「内閣府が積極的に働き方改革と言ってはいるけれども、形だけで実際は以前とあまり変わらない」「絵に描いた餅のように理想だけが独り歩きしていて、労働時間が減っても仕事量が変わらずにどんどん山積みになっている」など、制度を先行して行ったことの歪みもでている、という現実もあります。

このワークライフバランスを社会全体に取り入れて、その良さを実感できるようになるためには、長い年月をかけて粘り強く、周囲の理解をえるということも大切になります。

企業が導入・推進する際の社内での問題点

一方、企業単位でワークライフバランスに取り組む際にも、いろいろな障害や問題があるようです。その一つが、「導入したいと思っているけれども、膨大な範囲のため何から優先して改善していけば良いか分からない」また、「今までは残業が当たり前の体制だったので、生産や売上が減少してしまうのではないか」「育児や介護の方面に力を入れたいが、社員同士で不公平感が起きる可能性がある」などの問題点があるのです。

これらの問題点は、例えば「専門のコンサルタントに相談依頼をする」「社員との話し合いやアンケートを多数実施して、お互いがよく話し合う」などの解決策も充分ありますので、多方面から検討することが必要です。

まとめ

ここまでワークライフバランスについてその言葉の意味と定義、また実際の社会でどのように実行されているのか、についてと現在の問題点などについて詳しくみてきました。ワークライフバランスは政府が取り組む「働き方改革」と深くかかわる制度です。まだまだこれから改善されていくことが予想されます。

自分が現在働いている職場がこのワークライフバランスを取り入れているかどうか、を一度検証してみて、社会のスタンダードにあるのかをチェックしてみることをおすすめします。また、これから就職や転職をする予定の人は、企業を選択するときにワークライフバランスを積極的に取り入れている企業か、についても考慮してみることも必要なのではないでしょうか。

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