職場の悩み

部下や後輩のうまい褒め方がわからない…仕事がはかどる褒め方とは?

褒めて育てる、ほめる達人、SNSのいいね機能など、「褒める」ことは現在需要が高いコミュニケーション手段です。仕事の場でも上司が部下を先輩が後輩を褒めるのは、互いによい関係性を築くために欠かせません。「褒める」とは、人間が持つ承認欲求を満たす方法のひとつです。褒められると純粋に気分が良くなったり、嬉しかったり、やる気がでたりします。先日訪れたカフェの隣の席で、コミュニケーション力を培いたい人に向けて「褒める」ことの大切さを延々と説いている人がいました。彼らは褒める練習もしてたのですが、いきなり相手を褒めようと思っても自然な相手が喜ぶ褒め言葉を発するのは難しいようです。例えば「素敵ですね」と言うのですが、その後話が続きません。では、どう褒めたらいいのでしょうか?褒めるとどんな効果があるのでしょうか?

もくじ

本当に思ってはいないことを部下や後輩に言っても効果はない

人を「褒める」時に大切なのは、自分が思っていないことは言わないことです。先述した「素敵ですね」と言っても話が続かなかった例ですが、これは自分が思っていないことを言ったわかりやすい例です。取り敢えず、素敵という言葉は相手を褒める言葉だから言ってみたけれども、本当に相手を素敵と思っているわけではなかったから、その後に続く言葉が出てこなかったのです。本当に素敵と思っていたならば、具体的にここが素敵とか、その秘訣は何かとか、話したいこと、聞きたいことが次々と出てくるはずです。そして、人は敏感です。

相手が心からそう思って言っているのか、おべっかを言っているのか、媚を売っているのか、感じ取ります。社会において、職場において、褒めることは基本有用ですが、使い方を間違えると、有用どころか関係性に害を与えるかもしれません。褒めると良いだろうと思い、職場で上司が部下に、本当は部下がやって当然と思っている作業を「やってくれたのだね、素晴らしい」とわざわざ褒めても、それは嫌味にしか聞こえないでしょう。相手に嫌な気持ちを与えるだけです。それなら、その作業に関して特に何も言わない方が関係性に何の影響も与えずにすみます。

上司と部下、先輩と後輩が相手を大切に思って初めて褒めることに意味がある

職場では褒めるならば相手の行動を褒めることが推奨されているようです。行動とは無関係なことを褒めるのはあまりよろしくないと言われていますが、そうとも限りません。朝、後輩と顔を合わせて、その顔色から元気な様子が感じられたら「エネルギーが感じられていいね!朝から元気全開になれる秘訣ってあるの?」などと素直にいいなと思ったことを口にしたら良いのです。そう言われて嫌な気持ちになる人はあまりいないでしょう。伝え方は大切ですから、自分が言われて嬉しいと感じる言い方を相手にすれば大丈夫です。

ヘアスタイルを変えて雰囲気が変わった部下に「イメージが変わったね。そのヘアスタイルも似合っていていいね。」と言うのもありです。褒めることは、感じたことの表現、言葉のキャッチボールです。互いの信頼関係があれば、褒め言葉を素直に言えますし、受け取れます。そして更に関係性が良くなります。逆に信頼関係がないと、相手は褒め言葉を素直に受け取れないかもしれません。屈折した捉え方をするかもしれません。物事は全てバランスですから、一概に褒めればいいとか、注意しなければいいとか、そんな単純ではありません。普段から上司と部下が、先輩と後輩が、お互いより良い関係性が築けるよう意識し、相手を考えた行動をとっているからこそ、素直な褒め言葉が良い役割を果たします。

部下や後輩を褒めるといくつもの良い影響が得られる

褒めて育てるという言葉があるように、褒められるとやる気がでて成長する人が多いです。頑張ったら頑張ったことを評価され、成果を出したら成果を出したことを評価されるような、割に合った正当な評価は人のやる気をくすぐります。職場で「この上司はちゃんと自分の行動をみて、正当に評価してくれている」と実感できると、部下のモチベーションは上がります。モチベーションが上がると、仕事が着々と進み成果も出ます。部下が順調に仕事をこなすと、上司もその分更に仕事を順調にこなすことができます。

モチベーションが上がった人が増えると職場の雰囲気も明るくなり、前向きなエネルギー溢れる状態になります。明るくエネルギー溢れる場所には、良い流れや良い人たちが集まってきます。そして、褒められると人は自信を持ちます。褒められる回数が増えればそれだけ更に自信がつきます。自信がつくと、新しいアイディアを思いついたり、より良い仕事のやり方を考えたり、仕事の取り組み方が更に活性化していきます。そして、褒められることにより本人の自己評価が格段と高くなります。自分は価値がある、自分はこれもできる、あれもできると実感することにより、得られる良い影響は何重にもあるのです。

部下、後輩との信頼関係があってこそ褒めたり注意したりできる

普段から相手をよく観察して、褒めるなど正当な評価をしていると、何か注意する時も、しやすくなります。褒めると注意するとは一見、相反するものですが、両方必要なものでもあります。褒めるも注意するも、相手と真正面から向き合って初めて効果が出るものです。そして、どちらか片方だけではバランスがとれません。本当に素晴らしいと思ったから、その感情を褒める言葉で表すと相手に真っ直ぐ届きます。本当にそこは変えた方が良いと思ったから、そこを注意するとやはり相手に真っ直ぐ届きます。小手先のテクニックではありません。褒めるだけでも、注意するだけでも、相手との信頼関係は築けません。

親子関係と同じかもしれません。親が子供を褒めるだけでは子供は真っ直ぐ育ちませんし、子供を叱るだけでも真っ直ぐ育ちません。また、子供は褒めてくれるから親が好きなわけでもありませんし、叱られるから親が嫌いなわけでもありません。どんな自分も大切に思ってくれているのがわかるから子供は親が大好きで、信頼していて、その関係は確かなものです。職場で親子関係ほどの固い絆は求められませんが、それに似た関係性が築けると、非常に効果的なのは容易に想像できるでしょう。

心から褒めることが部下、後輩、あなたに良い影響を及ぼす

「褒める」ことは有効なコミュニケーション手段であり、現在その需要は高まっています。人には承認欲求があり、褒められる、認められるのは非常に嬉しいことです。同時に、褒めることは簡単なようで、簡単ではありません。小手先のテクニックとして褒めても、全く効果がないからです。ただ単に褒める言葉を言うことには意味がありません。思ってもいない褒め言葉を言っても、嫌味と思われたり、相手に不快な感情を与えたりするだけです。

相手と良い関係性を築きたいという思いがあり、相手の気持ちを考えるからこそ、褒める言葉が相手に響くのです。そして、褒められると人は育ちます。モチベーションが上がり、やる気が出て、自信がつき、自己評価も高まります。部下や後輩がそうなると、相乗効果で仕事は捗ります。更に、相手を思う気持ちがあると、褒めるだけでなく、注意することも相手に真っ直ぐに届くようになります。褒めるも注意するも、互いの関係性をより良くするものなのです。心から褒めると、部下も後輩もあなたも、皆に良い影響があるのです。

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