たくさんの人がいる職場は、当然気の合う人ばかりではありません。中には気が合わない人やちょっと苦手な人もいることでしょう。人間ですからそういった人との関係に悩んでしまうのは仕方のないことです。ですが毎日通う職場で、上司や同僚が苦手な人だった場合はそれが大きなストレスになってしまいます。苦手だな、という意識をそのままにしておくと、気持ちよく働けなくなるばかりか最悪の場合は自分が会社を辞めるほどのストレスに発展してしまうこともあります。そんなことにならないよう、ここでは職場に苦手な人がいた場合の対処法をまとめてみました。みなさんが職場で少しでも嫌な思いをしないお手伝いになれれば幸いです。
もくじ
人を苦手だなと思ってしまう理由は、自分にもあり
「理不尽に怒る」「必要以上に馴れ馴れしい」「品がない」など、人のことを苦手だと思ってしまうのにはいろいろな要因があります。一見それだけが苦手な理由のようにも思えますが、実は深層心理では苦手意識の原因は相手にあるとは限りません。
そもそも人のことを苦手だと思ってしまうのは、「自分に害があるから」と認識しているからだったりします。その逆で、自分に有益な人には行為を寄せるのが人間というものです。
暴力を振るわれたり騙されるなどの実害があれば当然相手のことを苦手になるのですが、「もしかしたら今後自分に害になるかもしれない」という予測も、苦手という気持ちを作り出します。それが、苦手の始まりです。このことを踏まえて考えると、下記のような状況のときには相手のことを苦手だと思ったり嫌いになったりすると言えます。
・自分と違う
人は自分の知らないことに対して不安を覚える生き物です。これは生きるための知恵であり、本能的な部分でもあります。自分と考えや行動の違う人と一緒にいると、自分の確信が揺らいでしまいます。それが不快な気持ちへとつながっていきます。
・相手が自分のことを嫌っている
嫌われているといつか自分に害をもたらすのではないか、と思ってその人を苦手だと思ってしまうのも当然のこと。ですが本当は嫌われていないのに、嫌いになってしまうこともあります。それは自分が相手のことを嫌っているから。「相手に嫌われているかもしれない」という思いは、自然と相手を遠ざけます。これは感情の返報性と言い、相手に向けられた感情と同じ感情を抱いてしまう現象です。つまり、自ら嫌いになっているのです。
・自分に投影してしまっている
自分自身に足りないものや自分自身の認められない部分を他者の中に見出してしまうと、その人のことが嫌いになってしまうことがあります。具体的には、「時間にルーズな自分が嫌い」だといつも思っていたとすると、相手が遅刻してきたときに嫌悪感を抱く…といったことです。その逆で、時間をきっちり守る相手に対して劣等感から嫌悪感を抱いてしまうこともあります。こういった場合は、自分の足りない部分や劣等感を改善すれば人のことも許せるようになり、苦手だとは思わなくなります。
こうして考えてみると、実は相手のことを苦手だと思う理由は自分の中にあるということがわかります。苦手だな、嫌だな、と感じたときは一度自分のことを振り返ってみてください。自分の潜在意識に気付くことができれば、相手に対しての苦手意識が消える場合もあります。
苦手な人や嫌いな人から逃げてしまっても問題ない
とはいえ、どうしても苦手な人というのはいるものです。特に職場に苦手な人がいる場合は業務に支障がでないように何とかして苦手を克服しようとするのが社会人だと思います。もちろん相手を好きになれたり良好な関係を気づけるようになれば何も問題はないのですが、馬が合わない人と無理矢理付き合う必要はありません。
人を嫌ったり苦手だと思ったりというネガティブな感情には、自分が思う以上に気力を使っています。そこからさらに無理矢理良好な関係を築こうとすれば、その気力は何倍も必要です。すると気づいたときには心身ともに疲れ、相手を見るだけでどんよりした気分になってしまうこともあります。苦手な人と付き合うために気力を使うなんて、とてももったいないことです。そんな力を使っているのであれば、自分が好きな人たちに同じだけの力を使ったほうが健全です。苦手な人は苦手、と割り切ることも大切です。成功している実業家の中には、「嫌いな人とは絶対に会わない」と言い切っている人もいるほどですから、案外苦手な人を克服しなくても人生は上手くいきます。
解釈を変えるだけでも手意識は克服できる
しかし隣の席でどうしても毎日話さなければいけないなど、逃げられないこともあります。そうしたときには嫌いな相手の言動に対する解釈を変えてみましょう。
例えばいつもイライラしていて、理不尽に怒りをぶつけてくる相手。「ムカつく」「ひどい」と思うのではなく、「あの人はこういう方法でしかコミュニケーションがとれないのだ」という風に考えるのです。すると相手に嫌われているのではないかという恐怖や、自分が情けないから怒るのだという自己嫌悪とおさらばできます。
さらに「自分のことが好きだから素直に感情を吐露しているんだ」「自分を教育しようとしてくれているんだ」とまで解釈できれば、ネガティブな気持ちはいつの間にか雲散霧消していることでしょう。
人間は案外単純なもので、自分が「こうだ」と思った方向に向かうものです。事実と違っていても何事もポジティブにとらえていれば、いつも明るい気持ちで過ごせるようになります。人のことを苦手だ、と思うことも少なくなるでしょう。
苦手な人のことを考えるより、仕事のことを考える
もし解釈を変えるのが難しいのであれば、本来の業務に集中してみることをおすすめします。いくら職場の人間関係に悩んでいたとしても、職場は仕事をする場です。仕事を円滑に進めるためには苦手な人がいないほうが良いですが、仕事だけのことを考えてみれば自身に与えられた業務や目標を達成することこそが大事なことです。ですから「業務に必要なコミュニケーションはどの程度か」と視点を変えてみれば、憂鬱な気持ちも少し解消されるはずです。コミュニケーションは自身の業務のための必要最小限にとどめればよいのです。
自分の味方を増やせば仕事も人間関係も円滑に動き出す
また、苦手な人とのコミュニケーションに捉われるより、自分の味方でいてくれる人を増やす方が自身の業務には有益です。苦手としている人にショックなことを言われたとしても、孤立無援よりは味方がたくさんいたほうが救われます。ですから苦手意識をもたずに接することができる人たちと積極的に関わりましょう。誰かが困っていたら助けてあげたり、何気ない話をして気にかけてあげたり、そういったことを積み重ねていれば大切な仲間ができるはずです。味方が増えれば増えるほど苦手な人のことを考えている時間も少なくなりますし、ストレスは減っていくことでしょう。
まとめ
毎日通う職場ですから、苦手な人がいるとそれだけで仕事が憂鬱になってしまうもの。ですが一日の長い時間を過ごす職場ですから、憂鬱な気持ちで働くのはとてももったいないことです。苦手な人と接してストレスを感じ、体を壊してしまうなどはもってのほかです。もし職場で苦手な人がいると感じている場合は、その人のことにとらわれすぎないことと視点を変えてることが大事です。そうすればきっと今よりもっと働きやすくなるでしょう。