抱えているタスクに正しい優先順位が付けられていない場合、どれから手をつけて良いのか分からず仕事が滞ってしまう可能性があります。仕事が滞ってしまうと自分も疲弊してしまい、周囲にも様々な悪影響を及ぼしてしまう恐れがあるでしょう。
この記事では、抱えているタスクに優先順位を付けられない原因や正しい優先順位の付け方等を見ていきたいと思います。仕事に正しい優先順位を付けることができれば、精神的余裕を持って仕事に臨むことができるでしょう。
もくじ
正しく優先順位を付けられない原因には何がある?
抱えている仕事に正しく優先順位を付けることができない原因には一体どのようなものが考えられるのでしょうか?
それは、担当している業務に対する知識や経験が不十分であること、そして仕事の優先順位を逐一考えていないこと等が挙げられます。
優先順位を正しく付けることができないと、抱えているタスクを上手く処理することができず、周囲から「仕事が遅い」「仕事がデキない」等と酷評されてしまう恐れがあります。
それを防ぐためにも、まずはその原因をしっかりと確認しておく必要があるでしょう。
担当している業務やそれに付随する業務の知識や経験が不十分
自身が担当している業務やそれに付随する業務に関する知識や経験が不十分な場合、上手く優先順位を付けることができなくなってしまうようです。
業務に対する知識や経験が不十分な場合は、どの仕事の優先度が高くどれを後に回すべきか等が分からないため、正しく優先順位を付けることができなくなってしまうでしょう。
会社や部署にはまず全体で成し遂げるべき仕事が存在し、それを細分化して各個人に業務として割当てています。
そうすることで業務を効率化し、各個人が自分の成すべき職務を果たすことで全体として仕事を完遂させるという仕組みがとられているのではないでしょうか。
そのため、もし自分に割当てられている仕事を上手く消化することができない場合、部署全体、ひいては会社全体の仕事に影響が及んでしまう可能性があります。
そうならないために仕事に優先順位を付けて効率良くこなしていく必要があるのですが、業務知識や経験が不十分な場合はそれも難しくなってしまうでしょう。
仕事の重要性や緊急性を考えず、順番に沿って処理している
一つ一つの仕事の重要性や緊急性を考えることなく、仕事を頼まれた順にこなしている場合も正しい優先順位を付けることができません。
タスクを発生した順に処理するのは一見合理的に思えますが、それは一種の思考停止とも言え、そうであるならばあまり歓迎されるものではありません。
与えられている仕事にはそれぞれ重要性や緊急性が存在します。それを意識することで、Aという仕事は重要性が高く且つ緊急性も高い、Bという仕事は重要性が高いものの緊急性はそれほど高くない、といった見方ができるでしょう。
しかし、そこに着目していない場合は一つ一つの仕事が全て平等な存在になってしまい、どの仕事をどのタイミングで処理しても良いという話になってしまいます。
それでは、仕事に対して正しい優先順位を付けるのが難しくなってしまうのも無理はありません。
正しく優先順位を付けるためにはどうすればいいの?
それでは、引き続き正しい優先順位の付け方を見ていきたいと思います。仕事に正しい優先順位を付けることができない原因は前述した通りですが、基本的にはそれらの原因を取り除くことで問題を解決することができるでしょう。
そのコツとしては、仕事の「重要度」及び「緊急性」に着目することです。
一つ一つの仕事に対して重要性と緊急性を確認しておくことで自ずと優先すべきタスクを絞り込むことができ、結果的に仕事に対する優先順位も固まるでしょう。
それを含め、仕事に正しい優先順位を付けるための方法としては下記のようなものが挙げられます。
まずは仕事の「重要度」と「緊急性」に着目しよう
タスクに正しい優先順位を付けるためには、まず一つ一つの仕事の「重要度」と「緊急性」に着目することが大切です。
「重要度」とは文字通り仕事の重要性のことであり、「緊急性」とはその仕事をどれだけ早く処理しなければならないか、というものです。
抱えている仕事に対する重要度と緊急性の判断の仕方としては、上司や仕事の責任者に尋ねるといった方法が挙げられるでしょう。
社会人の基本として、誰かから仕事を振られた場合は「いつまでに終わらせれば良いか」を聞くのがセオリーです。
すなわち、それこそが仕事の緊急性であり、基本的には緊急性が高いものから順に処理していくという形で問題ないでしょう。しかし、緊急性が高いものと重要度が高いものがバッティングした場合は重要度を優先させた方が良い時もあるかもしれません。
その辺りは、上司や仕事の責任者と相談して柔軟に判断することをお薦めします。
誰かに任せることができる仕事は思い切って任せてしまおう
仕事に正しい優先順位を付けるためには、自分が抱えている仕事をある程度絞り込む必要もあるでしょう。
もしタスクが増えすぎて混乱してしまっているようであれば、思い切って誰かに仕事を任せてしまうのも一つの手です。
抱えている仕事があまりにも膨大な量になってしまった場合、その一つ一つの重要度や緊急性を判断するのは困難です。そのような時には、まず抱えている仕事量を減らし、改めて優先順位を付け直した方が効率が良くなるのではないでしょうか。
また、仕事には向き不向きがあり、自分にとって難しいものも他の人であればスムーズにこなせることもあるでしょう。チームで仕事を行う以上、不得意な人が無理してやるよりは得意な人に任せてしまった方が何かと効率的です。
ただ、あまりにも誰かに頼りすぎてしまうと、人によっては嫌な顔をされてしまうかもしれません。そうならないよう、誰かに仕事を任せる際には、自分も誰かの仕事を引き受けるといった姿勢が大切です。
中長期的にあまり意味をなさない仕事は思い切って捨ててしまうのも手
ある程度仕事の裁量が許されている場合に限りますが、中長期的にあまり意味をなさない仕事は思い切って捨ててしまうことも検討しましょう。短期的に見れば意味のある仕事に見えるものの、中長期的に考えるとあまり意味をなさない仕事はそれなりに存在します。
短期的に成果が上がる以上捨ててしまうのは勿体無い気もしますが、そのせいで中長期的な取り組みを行えないようでは本末転倒になってしまいます。仕事というのは短期的な成果を上げれば良いというものではなく、長期的な成果を確実に上げ続けることが大事です。
短期的な成果と中長期的な成果のどちらを優先するのかは部署や会社の特性によって異なるかもしれません。しかし、多くの場合中長期的な成果を優先した方が何事も上手く回る傾向があるのではないでしょうか。
判断力を養うには万全のコンディションを。睡眠や休息をしっかりとろう
仕事の優先順位を正しく付けるためには高い判断力が必要です。それは日々の業務の中で磨くべきスキルの一つですが、そのためには万全のコンディションを保っておくことが求められるでしょう。
睡眠不足や過労といった状態では判断力が低下し、思わぬミスを招いてしまう可能性があります。
たとえ目に見えるようなミスがなくとも、高い判断力が要求される優先順位付けのような作業に悪影響を及ぼしてしまうことは想像に難くありません。
優先順位付けに限った話ではありませんが、睡眠や休息をしっかりと取ることは良い仕事をするための第一歩です。
万全のコンディションで業務に臨むからこそ様々なものを吸収することができ、成長や成果にも繋がるのではないでしょうか。
中長期的に重要性の高い仕事を優先することも大事
前述した通り、仕事の優先順位を正しく付けるためには「重要度」と「緊急性」に着目することが大切です。しかし、「重要度」と一口に言っても、短期的な重要度と中期的な重要度、そして長期的な重要度が存在し、タスクによってはそれらが一致しないものもあるでしょう。
例えば、Aという仕事は短期的な重要度は高いが長期的な重要度は低い、Bという仕事は短期的な重要度は低いが長期的な重要度は高い、といったものが挙げられます。そして、短期的な重要度というのは、時に「緊急性」という言葉に置き換えることもできるのかもしれません。
緊急性を完全に無視することはできませんが、それだけを優先していると中長期的に行き詰まってしまう可能性も考えられます。短期、中期、長期のバランスを上手く取りつつ、長い目で見て成果を上げ続けることが大事です。
まとめ
抱えている仕事に対して上手く優先順位を付けられない場合、自分が困るだけではなく周囲にも迷惑をかけてしまいます。一度や二度であれば笑って許してくれるかもしれませんが、何度も繰り返している内に信頼を失い、周囲から煙たがられてしまう恐れもあるでしょう。
そうならないためにも、なるべく早い内に正しい優先順位の付け方を身に付けておくことが大切です。正しい優先順位を付けることさえできれば後はそれを上から順に処理していくだけになりますので、精神的に余裕を持って仕事に臨むことができます。
精神的な余裕というのは思った以上に大事であり、余裕や余白があるからこそ新しい知識や技術を詰め込むことができるのではないでしょうか。自身が成長するためにも、そして周囲と協調して仕事を行っていくためにも、仕事に正しい優先順位を付けて余裕を持って仕事に臨みましょう。