企業が人材を採用する時、最も重点を置く採用活動が面接です。
その面接時の印象や受け答えの内容次第で、いくらキャリアやスキルが充実していようと採用されないこともあるでしょう。これは少し皮肉を込めて言えば、採用されるに値しない人材でも面接さえ上手くこなせてしまえば採用されるということです。
今回は魅力的な人材であるあなたが、企業から正当に評価されるためにも、面接で聞かれる質問の意図や回答について研究しておきましょう。
もくじ
採用に直結!面接はあなたを試すための物差しだ
冒頭でお話させていただいた通り、「面接はあなたの採用の可否を大きく左右する物差し」であることを忘れてはいけません。
あなたのキャリアやスキルが如何にその企業にマッチしていて必要とされるものであろうと、面接であなたの人格・言動に問題があると判断されてしまえば、採用の可能性は簡単に消えてしまいます。
故に面接への対策は入念に行い、自分の本領を発揮できるように準備しておかなくてはなりません。
特に転職活動などでは、転職をする上で「なぜ弊社を志望したのか」、「あなたはこれからどうなりたいのか」といった質問をよくされます。
どちらの質問もあなたの考えを深く読み取ろうとするものであり、あなたが今見ているビジョンを問われる質問です。
こうした質問にも適切に対応できるよう、しっかりと準備しておきましょう。
パターン別!面接で聞かれる質問の意図と回答例7つとは?
面接では様々な質問がされますが、その質問の意図や模範的な回答例には様々なものがあります。質問に対してはただ答えられれば良いわけではなく、その質問の意図を汲み取った上で適切な回答ができなくてはなりません。
ここではそうした回答例のなかでも、模範的なものをピックアップしてご紹介させていただきます。
ただ、質問の意図はどの方にも共通して参考にしていただける情報かと思いますので、よろしければそちらはじっくりとご覧ください。
「弊社の志望動機は?」、「何に惹かれたのですか?」
まず絶対にされるといっても過言ではない質問が、「弊社の志望動機は?」、「弊社の何に惹かれたのですか?」といった質問でしょう。
この質問は文字通り、あなたがどうしてその企業に就職したいと思っているのかという、あなたの真意を問うものです。あなたが思った通りに答えれば大きな問題はありません。
ただ、そこでその企業に対する想いが感じられないような回答であれば、「うちの企業のことを何も知らない」、「待遇面だけに惹かれただけなのでは?」と思われることがあるので注意しましょう。
その企業が社会に果たしている責任、掲げている企業としての理念など、その企業らしさは何なのかについて、あらかじめ調べておくようにしましょう。
「あなたの長所と短所は?」、「好きなこと、嫌いなことは?」
「あなたの長所と短所は?」、「好きなこと、嫌いなことは?」という質問は、企業側があなたをどういう人物なのかを推し量るために有効な質問として扱われます。
人の性格(人格)というものは、その人が活き活きとしている状況の時と、その逆のつらい状況に置かれている時にもっとも顕著に表れます。
好きなことをして活き活きとしている時に長所が発揮できる人もいれば、辛い状況に置かれている時に見るも無残なほどに醜態を晒してしまう人もいるでしょう。
そうした性格をあらかじめ理解しておくためにも長所・短所と、その人の好きなこと・嫌いなことは聞いておかなくてはなりません。そして、その特徴に合わせて配属できる部署や任せることができるプロジェクトについての判断材料にもするのです
。正直に答えれば問題はありませんが、嘘をついて自分を過度に大きく見せるのは避けましょう。
「弊社に入ってからの目標は?」、「あなたはどうなりたいですか?」
「弊社に入ってからの目標は?」、「あなたはどうなりたいですか?」という質問は、あなたのやる気とこれからのビジョンを問われている質問です。
現代ではどの企業も生き残りをかけて様々な努力をしています。そのプロセスにおいて、自分だけのためにしか頑張れない人材は必要としていません。
上昇志向がある人、5年先10年先という未来を見据えて行動できる人を必要としています。「とりあえず転職したかったから…」という考えが見え透いているような人材は面接で早々に弾かれてしまうでしょう。
模範的な回答例としては、とにかく具体的に話すことではないでしょうか?
その企業のどんなプロジェクトを推進していこうと思っているのか、自分のどういったスキルをどのようにその企業に還元したいのかなど、切り口は様々あるかと思われます。
そのなかで自分と企業の考えが一致しそうなものを選び抜いて回答に用いるようにしましょう。
「最近気になることは?」、「今興味があることは?」
あなたは日頃ニュースを観たり、新聞を読んだりしますか?
もしチェックする習慣がないのならば、スマートフォン等のアプリを活用しながらでも構いませんので、チェックする習慣をつけるようにしてください。
企業側は面接の時に「最近気になることは?」、「今興味があることは?」といった質問をすることが増えています。これは主に新卒採用の際に用いる質問だと思われる方もいますが、実際はそれだけに限りません。
すでにお話させていただいた通り、現代ではどの企業も生き残りに必死です。
凄まじいスピードで変化していく状況に適応していくには、そうした動きに敏感な人材を手元に置いておかなくてはなりません。つまりここで「特に無い」と答えるのは絶対にNGです。
できれば現在進行系で注目されている新技術や面接している企業が関係する業界のニュースなどについて回答できると良いでしょう。
「今までの自分のキャリアについてどう思いますか?」
転職のために面接を受けている人の場合、採用する側としてはなぜその人が転職を希望しているのか、過去に何か問題を起こしたから転職活動をしているのかといったことは非常に気になる事柄です。
故に「今までの自分のキャリアについてどう思いますか?」といった質問は、転職者に非常に高い割合で投げかけられる質問ではないでしょうか。しかし、質問の意図はそれだけではありません。
現代では非常に多くの方が働き方の多様性や働くことの価値観について考える時代になってきました。
そうした状況下では企業も労働者も「働くことのベクトルをできるだけ同じ方向へ向けたい」と考えており、ミスマッチを避けたいと考えるようになってきました。
そのために有効な質問として、過去のキャリアをどう思うかというものがあるわけです。
あなたが歩んできたキャリアは、あなたの働き方への考えを映し出す鏡のようなものでしょう。企業はそれを知っておき、あなたと気持ちよく働きたいと考えています。
「弊社は第一希望ですか?」、「他に志望している転職先は?」
「弊社は第一希望ですか?」、「他に志望している転職先は?」といった質問は、非常に悩ましい質問ではないでしょうか?
しかし、この質問にはあなたを困らせようとしている意図はなく、単にあなたの転職活動に対する興味・動きを把握しておきたいだけです。
もちろん、「御社は第二希望です」とあまりにも正直過ぎる回答は避けたいですが、第一希望でない場合はその企業に対する思いや熱意をしっかりと答えるようにしましょう。
そうすることで希望している順番に関係なく、入社意欲がしっかりとあることを示すことができます。
本当に第一希望である場合はそのまま伝えてもらって構いません。希望通り入社できるよう、自分をしっかりとアピールしていきましょう。
「自己アピールをお願いします」、「最後に伝えておきたいことは?」
「自己アピールをお願いします」、「最後に伝えておきたいことは?」といった質問は、面接の締めくくりに用いられる質問です。まとめ的な位置づけということもあり、この質問への回答によってあなたへの印象はガラリと変わる場合もあるでしょう。
逆に言えば、ここまでの面接で上手く回答ができなかった場合も、この最後のアピール次第であっさりと採用が決まるケースもあります。それだけこの質問に対する回答の価値は大きいのです。
まとめの位置づけではあるものの、面接において自己アピールの時間はあなたが唯一主導権を握ることができるものではないでしょうか?
面接している企業に対する思いを話すだけではあまりにも無難で、他と差をつけることは難しいでしょう。
面接をしている企業と自分に関するエピソードなど、「あなたならではの回答」をするように心掛けましょう。
採用のためのテクニック!演出は必要だが過度な嘘はNG
面接においてはある程度の演出は必要です。しかし、「過度な演出や嘘は禁物」ということを胸に留めておいてください。そうした演出や嘘は必ずボロが出ますし、後からあなたへの印象を悪化させる要因になります。
基本的には正直に答えるように心掛け、自分の考えをはっきりと示すようにしましょう。
もっとも、「弊社は第一希望ですか?」といった質問に対して、「いいえ。実は第四希望です」といった回答はあまりにも正直過ぎます。こうした回答には少しだけ嘘をついて、上手くやり過ごしましょう。
「日本の就職活動・転職活動における面接では演技が必要だ」とよく言われています。残念なことにそれは事実なのかもしれませんが、すでにお話させていただいている通りそれでは自分らしさを表現することはできません。
正直であるべきところは正直にあるべきで、あなたの考えのすべてを企業の理想とする考えに寄せていく必要はありません。
まとめ
面接において企業から投げかけられる質問は、あなたの性格や考えを推し量るものの他に、採用後にあなたをどのように活用するかを熟慮するために存在しています。
殊に転職活動においては、あなたのこれまでのキャリアやこれからの目標など、あなたが過去と未来をどのように考えているのか、働くことにどのようなビジョンを掲げているのかなどを知りたいという意図があります。
こうした企業の意図をあなたは理解した上で、回答を用意しておかなくてはなりません。
しかし、そうした回答のすべてを企業の考えに寄せていく必要はなく、あなたはあなたなりの持ち味をアピールする必要があります。企業も生き残りに必死です。
様々なスキルとアイディアで自社を支えてくれる人材を必要としており、何の考えもなくただ働くだけの人材を求めてはいません。
投げかけられる質問に上手く対応しながら、あなたが企業側にとって必要とされる人材であること、あなたがその企業で活躍したいという意志があることを、積極的にアピールしていきましょう。